JPH066197U - 複ブレード式プロペラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 改良した複ブレ―ド式プロペラである 【構成】 回転軸周りに回転する中室シャフトと、前記
回転軸周りに前記中室シャフトを回転させるためのハブ
プレート２６と、主成分３７、充填剤３８、ブーム３９
を有する複数のブレ―ド３６と、ピッチ制御装置とを備
え、前記ピッチ制御装置は、前記ブレード３６の脚部４
４に接続され、前記主成分３７にトルクを伝え、またこ
のピッチ制御装置は、ブレード３６のピッチを集中的に
制御する装置からの力を加えられ、前記脚部４４には、
ブレード３６のブーム３９の個定部４２を貫通させると
共に両端に隆起部分５１、５２を有するスリーブ４８を
設け、このスリーブ４８の隆起部分５１、５２を前記ハ
ブプレート２６の隔壁３０、３１に設けた開口３２、３
３に結合したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 この考案は複ブレード式プロペラに係り、特にオートジャイロやヘリコプタの 後部ロータのように流線形とした可変ピッチ型の複ブレード式プロペラに関する 。

【０００２】

【従来の技術および考案が解決しようとする課題】

ヘリコプタの流線形後部ロータとして用いる可変ピッチの複ブレード式プロペ ラについては、本願出願人名義のフランス特許第１，５９３，００８号およびフ ランス特許出願第７８−２０，２５８号に記載されている。

【０００３】 フランス特許第１，５９３，００８号においては、プロペラの各ブレードは半 径方向に伸長する要素によって接合されており、この要素はプロペラシャフトの 周りの回転ロッドによって回転するハブを有する長手方向軸の周囲にたわむこと ができる。また、ハブ内に各ブレードの脚部を嵌合させることにより、長手方向 軸の周りにブレードを回転させることができると同時に、ブレードをわずかに揺 動させることができる。一方、始動のために各ブレードの脚部はボールジョイン トを介してプレートに接続されたクランクピンを備えている。このプレートはプ ロペラシャフトに直角であり、シャフトに関して可動である。

【０００４】 この種のプロペラは、ヘリコプタの推進力の修正装置である後部ロータとして 、胴体後部の垂直に位置する窓部または流線形にしたヘリコプタの垂直尾翼に搭 載し、地上付近でヘリコプタが旋回する際の安全性を高めるため有利である。ま た、プロペラが回転する内方向に向って流線形としたため、流線形としてない従 来の後部ロータのブレードよりも受ける抗力は小さく、ブレードの寿命も延びる 。

【０００５】 しかし、この種の複ブレード式のプロペラには幾つかの欠点がある。

【０００６】 特に、このプロペラは軽金属で作られるため、腐蝕や侵蝕におかされやすく、 また繰返し加わる抗力による疲労にもおかされやすい。また、ブレードの製造は 長時間を要しデリケートであり、したがって費用がかかる。すなわち、空気力学 的な力を受けるためブレードは全体として一つの翼形であり、また一定の正確な ねじれを有していなければならず、しかも電解などの表面硬化方法をもって製造 することによりブレード前縁の水平を保ちながら各ブレードを正確に再生産しな ければならない。

【０００７】 さらに、このようなブレード全体の製造ばかりでなくブレードの脚部の製造も デリケートで費用がかかる。

【０００８】 このブレードの脚部は一方に凹部を有し、他方で円筒状の端部軸受を有する。 この凹部内部には、軸方向の溝と横方向の小孔とを形成してある。軸方向の溝は ブッシュおよびブレードをハブに接続するための長手部材を備えた半径方向の外 側端部と係合する。小孔は軸方向の溝に向って開口しており、ブッシュ内を通り 前記長手部材にブレード脚部を確実に固定するためのものである。円筒状の端部 軸受の表面はクロムメッキまたは電解によって表面を硬化させてあり、また軸受 の中央部分は細くしてあり、ブレードがピッチの変更に従って長手方向軸周りに 回転し易くなっている。

【０００９】 また、この円筒状の端部軸受は合成材料からなるスリーブ内にスリップ回動す るように搭載されている。この合成材料からなるスリーブは比較的可撓性があり 、摩擦係数も小さい。また、このスリーブはプロペラシャフトの長さのほぼ半分 位まで、ハブ内に形成した円筒状の小孔内に嵌合されており、外側方向は自由端 となっている。各スリーブは小孔内の頚部に嵌合させた環状部材によって位置決 めされており、また小孔の内壁を通るピンによって回動しないようになっている 。 ハブ上に一種の半嵌合状態を形成しているブレード脚部の取付けを行うため に、ハブは半径方向に相当の厚さを有するリムを設けることが必要である。した がって、各スリーブを埋込むためにこのリムに前記小孔を充分長く形成すること ができる。しかし、このことは、重量、製造コストおよび遠心力の点からすれば 望ましくない。例えば、遠心力は互いにボルト締めした２つの円盤状部材からな る偏芯した質量によって影響を受ける。

【００１０】 また、ハブの基盤又は基台はハブのリムをロータのアームに結合しており、こ の基盤はボルトの頭部によってロータアームの径方向のフランジ部分と連動する ようになっている。ハブ基盤の厚さはリムの厚さに対応するようにしてある。同 様に、ハブ上にブレード脚部を固定するために、ハブはアームを有するハブを固 定するボルトとしても機能する。すなわち、ボルトは同時にアームの半径方向内 側にブレードをハブに結合するための長手部材を固定するためにも用いられる。

【００１１】 したがって、ハブはロータアームのトルクをブレードに伝えるためばかりでな く、ブレードおよび長手部材がハブに伝達する力によってもロータアームと連動 する部分まで力を受け、このため所定の大きさとしなければならない。

【００１２】 一方、入射方向を制御するために軸方向に動くプレートに各ブレードの脚部を 接続するクランクピンは縦方向のレバーから成り、このレバーは円筒状軸受の内 側端部と協働する。また、このレバーはエラストマ製の球形ブッシュを有する軸 を支えており、この球形ブッシュはプレートの半径方向周縁部と連動するカバー の窓部内側に係合されている。しかし、このカバーの窓部内では弾性ブッシュを 積極的に支持するものは何もない。

【００１３】 ロータアームを取囲むハブの中心部分に各ブレードを結合する変形可能な長手 部材は星形状部材のアームの１つからなり、この星形状部材は各アームに加えて ブレードを有するプロペラを備えている。星形状部材の全てのアームはこの部材 の中心にある平坦なリング状部材によって互いに接続されている。また、このリ ング状部材によって星形状部材はロータアームを囲繞しており、また星形状部材 はボルトによってロータアームに取付けられる。

【００１４】 星形状部材は星形に切断した薄い鋼板を複数枚積重ねて構成する。したがって 、各アームは一群の薄いストリップ材によって形成されており、各アームの外側 は内側よりも小さくなっていて、各アーム間のたわみ抗力を一様に分割すること ができる。また、アームは腐食を避けるために、耐摩耗性のプラスチック製コー ティングを施してある。 このような金属製の星形状部材は注意深く製造しなけ ればならずしたがって高価なものとなり、またたえず力を受けるため所定時間作 動させた後定期的にまたは損傷した際に交換しなければならない。

【００１５】 このため、結局複ブレード式のプロペラは製造コストおよび保守のためのコス トが相対的に高いものとなる。

【００１６】 フランス特許出願第７８−２０２５８号によれば、簡易型の可変ピッチ複ブレ ード式プロペラが示されている。このプロペラは上述の各種の製造上の欠点を解 消するものであり、例えば星形状部材やブレードのような基本的構成要素のライ フタイムおよび複ブレード式プロペラの複雑な全体構造を考慮したものである。

【００１７】 この出願によれば、径方向に対位する２つのブレードは基本的には共通のブー ムと空気力学的プロフィールを有する２つのシエルとからなる。一方の共通ブー ムは、合成樹脂を積層し機械強度を増したファイバ製の長手状ストリップ材をも って構成し、ストリップ材の中央はハブに固定してある。他方の２つのシエルは 、一つをストリップ材に固定し他をハブに固定してある。また、各シエルの内側 端部は対応するブレードのピッチ制御装置に接続されている。この制御装置は長 手状ストリップ材の長手方向軸に集中するトルクをシエル上に作用させるために 設けられている。

【００１８】 ストリップ材は２枚の平坦なファイバによって形成し、全てのブレードのピッ チを集中的に制御するためのロッドを通過させる開孔をストリップ材の中央に形 成すべく配置する。制御ロッドは、フランス特許第１，５９３，００８号に記載 したように、管状のロータアーム中に軸方向に滑動自在に搭載する。

【００１９】 各ブレードのシエルは、相当量の接着性合成材料または密度の小さい発泡性材 料によって、ストリップ材の対応する部分は全長にわたって接合し、ある程度の 弾性応力を有するようにする。各シエルは、基本的にはグラスファイバによって 形成した層と耐酸化性の薄鋼板からなる前縁部分とからなり、ファイバ層中に前 縁部分を組込むために、重合性合成樹脂によって全体を固める。

【００２０】 ピッチ制御装置はグラスファイバを充填した合成材料を成形したスリーブから なり、各ブレードの脚部に接続する。金属製のリング状部材からなる支え面がこ のスリーブの円筒状内側端部にブレードの長手方向軸と同軸になるように埋込み 又は接着されている。また、ピッチ制御のための金属製ピンがスリーブの内側端 部で支持された横方向アームに埋設されている。各ブレードは支え面によって潤 滑性材料からなる軸受中に回動自在に搭載され、玉軸受状のリング状カバーおよ びキャップをその周縁部に形成した半円状の小孔中に支持される。一方のリング 状カバーはプロペラのハブおよび駆動アームに接続されており、他方のキャップ はカバーに乗っている。

【００２１】 ブレードのピッチを集中的に制御するロッドはハブを貫通しており、ロッド端 部はこのロッドにほぼ直角なプレートを支持している。このプレートには、隣合 う２つのブレードのスリーブに設けたピッチ制御用ピンと係合させる孔部を備え た複数組の支持部が固定されている。

【００２２】 以上のような構成によれば、ピッチ制御装置の構造は極めて簡単であり、また 各ブレードも構造が簡単であり、頑丈でまた軽く、しかも腐食やひび割れの心配 は実際上ない。したがって、この種のプロペラのライフタイムは極めて長いもの となる。このような複ブレード式プロペラは金属製ブレードを有するプロペラに 比して価格的にも安くまた軽い。更に、保守費用も極めて安価なものとなる。

【００２３】 ところが、整備してない場所で着陸または離陸する際にプロペラの回転してい る窓部中に石が飛込みブレードを破損することがある。この場合には、修理また は交換のためにブレードを取外さねばならない。

【００２４】 しかし、相対するブレードは各ペア毎に共通のストリップ材によって組立てら れているため、各ブレードの損傷に対して少くとも一組のブレードを外さねばな らない。

【００２５】 この操作は、プロペラのハブが互いに接着した積層体であるため極めて煩雑で ある。すなわち、この積層体は重合性合成樹脂を含浸したグラスファイバ組織か らなる２つの外部ベッドとして伸長する全てのストリップ材の中央部分を積層し てなり、またこの積層体の全体が充填用合成材料中に埋設され、しかもこうした ハブが積層体の周縁を各ストリップ材の中央部の一端から他端に貫通する複数の ボルトによってロータの管状駆動アームに固定されているためである。

【００２６】 したがって、一組のブレードを取外すのは極めて手間がかかり、実際上ハブを 構成する積層体を取外すことしかできない。すなわち、キャップを外しまたロー タアームからブレードとハブのユニットとカバーを取外しまたピッチ制御プレー トの支持体からブレードを取外した後、並びにプロペラを取外すためにピッチ制 御装置のロッドに接続したプレートを取外した後にしかこの積層体を取外すこと はできない。

【００２７】 ヘリコプターを相当時間稼動させないでおくのをふせぐためにはスペアのプロ ペラを搭載する必要があり、このためには所有者がプロペラのスペアを用意して おかねばならなくなる。このように、ブレードの１つが損傷した際ただちにブレ ードとハブとからなるユニットを交換することとなると、製造コスト自体もある 程度の額であるため、経済的負担は相当のものとなる。

【００２８】 以上のような構成によれば、ブレードは２枚ずつ共通のブームによって固定さ れているため、複数組のブレードを常時準備しておかねばならない。しかし、後 部ロータとして用いる複ブレード式プロペラはブレード数が端数であるため騒音 レベルが小さいものとなっているという利点を害してしまう。

【００２９】 この考案は以上の従来技術の欠点を除去しようとしてなされたものであり、特 に第２の従来例の利点を生かしつつ、各構成要素特にブレードしかも必要なら奇 数枚のブレードの着脱および保守を容易かつ迅速に行うことができるようなプロ ペラを提供することを目的とする。

【００３０】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため、この考案は、回転軸周りに回転する中室シャフトと 、前記回転軸周りに前記中室シャフトを回転させるためのハブプレートと、主成 分、充填剤、ブームを有する複数のブレードと、ピッチ制御装置とを備え、前記 ピッチ制御装置は、前記ブレードの脚部に接続され、前記主成分にトルクを伝え 、またこのピッチ制御装置は、ブレートのピッチを集中的に制御する装置からの 力を加えられ、前記脚部には、ブレードのブームの個定部を貫通させると共に両 端に隆起部分を有するスリーブを設け、このスリーブの隆起部分を前記ハブプレ ートの隔壁に設けた開口に結合したことを特徴とする複ブレード式プロペラを提 供する。

【００３１】

【作用】

このような構成とすることにより、損傷したブレードの取外しおよび交換をプ ロペラの他の構成要素を外すことなく迅速に行うことができ、したがって保守も 容易となる。これは前記ボビンがつぎのような構造となっているためである。す なわち、ボビンはハブの平坦なリング状部分にボビンを係合させるため端部にね じを切ったロッドがボビン軸方向に貫通しており、また中室シャフトと同軸にハ ブを配置するためハブに設けた中央の開口部分をこのボビンが囲繞するようにな っている。 また、平坦で半径方向に剛性のある２つのリング状部材が各ブレードのボビン の一端から他端で且つ中室シャフトの周囲に配置されており、また各リング状部 材は対応するボビンの中央通路をもって各ボビンを整列させまたハブにボビンを 係合させるためのロッドを受けるための孔を有する。このため、遠心力は一つの ボビンから他のボビンへ分割される。遠心力をボビンの１つから他のボビンへ移 すことにより、リング状部材はブレードのボビンをハブに結合するためのロッド を可撓的に接続することはできない。

【００３２】 ハブ上にブレードをしっかり支持するために、ハブはブッシュを有し、この２ つのブッシュは同軸上で互いに半径方向に一定間隔を有する円筒状の２つの隔壁 に設けられている。各隔壁内には、プロペラの各ブレード毎に、他の隔壁の対応 する開孔に同軸の円形開孔部が設けてあり、対応するブレードの長手方向軸上に 各々の開孔部を位置決めする。対応するブレードのピッチ制御装置は、ブッシュ を搭載した開孔部と同軸のブッシュをもって搭載する。

【００３３】 ハブの半径方向内側の隔壁中に形成した開孔部の内径およびこの開孔部に搭載 する潤滑面を有するブッシュの内径が、ハブの半径方向外側に形成した開孔部の 内径およびこの開孔部内に搭載した潤滑面を有するブッシュの内径よりそれぞれ 小さい場合には、ピッチ制御装置は極めて良好な状態で搭載することができる。 また、対応するブレードのピッチ制御装置はブレードの長手方向軸上に位置決め と半径方向に互いに離れた２つの同軸上の隆起部分を備えている。このため、外 径が半径方向外側のブッシュの内径に対応する半径方向外側の隆起部分によって 、また外径が半径方向内側のブッシュの内径に対応する半径方向内側の隆起部分 によって、ピッチ制御装置は内側および外側のブッシュの内部にそれぞれ支持す ることができる。

【００３４】 ブレード脚部との連結を良好なものとするため、このピッチ制御装置はスリー ブ形状とし、ブレードのビームの固定部分を貫通するようにする。また、このス リーブはブレード脚部を蔽い、この脚部に例えば接着剤をもって接続する。また 、スリーブの各端部はそれぞれ隆起部分で囲繞するようにする。

【００３５】 ブレード脚部は、内側端部が円錐台形であるような中空円筒状部分と、この中 空円筒状部分をブレードの主部分に接合する過渡領域とを備えており、スリーブ はブレード脚部の中空円筒状部分を囲繞し、スリーブの円錐台状部分によって接 続された径の大きな円筒状部分を備えている。また、この円錐台状部分によって スリーブは支えられており、中空円筒状部分に連なるスリーブの円錐台状端部に 向って小径の円筒状部分がスリーブには形成されている。

【００３６】 スリーブが金属製のワンピース部品である場合、２つの隆起部分は各々、スリ ーブの端部外面上の２つの断面円形状とすることが望ましい。

【００３７】 潤滑面を有するブッシュの半径方向に作用する力を減少させるために、ピッチ 制御装置は離れた２つの支え面の間に横方向の突起部分を備えることが望ましい 。この突起部分は軸受を介してブレードおよびピッチ制御装置のプレートの数に 等しい数の軸方向支持体の１つに結合されている。ピッチ制御装置のプレートは 回転軸に平行な軸方向に、管状の中室シャフト中で軸方向に摺動可能に搭載した ピッチの集中制御アームによって、配向されている。

【００３８】 また、プロペラはハブの中室シャフトのトルクを伝達するための駆動スリーブ を備えている。このスリーブは中室シャフトに同軸に接続され中室シャフトを囲 繞している。また、この駆動スリーブは半径方向外側にハブのリング状部分に接 続したリング状フランジを備えている。

【００３９】 この場合、駆動スリーブのフランジは複数の埋込みボルトによってしっかりと ハブのリング状部分に固定されている。これらの埋込みボルトは回転軸の周りに 規則的に設けられ、数はプロペラブレードの数に等しい。また、同時にこれらの ボルトはハブのリング状部分に対して、ブレードブームの固定部分の結合用ボビ ンをしっかりと保持する。

【００４０】 中室シャフトは中室シャフトの外側溝によって駆動され、一方では駆動ピニオ ンの内側ギアと、また他方ではジョイントによってピニオンから離された駆動ス リーブの内側ギアと噛合っている。このような駆動を行う場合、軸方向の遊びや 軸方向に積層した要素の振動や破損を防止するため、軸方向の取付け装置が駆動 スリーブによって定まる軸方向の支持力をジョイントおよび駆動ピニオンに与え るように、駆動スリーブ、ジョイントおよび駆動ピニオンを備えることが望まし い。

【００４１】 中室シャフトの先端に取付けタップを切ったブッシュによって中室シャフトの 周りの軸方向位置に駆動スリーブを保持する場合、取付け装置はこれに平行なブ ッシュを横切るビスとすることができる。ビスの端部は支持ヘッドを有し、ジョ イントに対向する駆動スリーブの軸方向端部の面内でギア底部の支持面に対して この端部が当接する。

【００４２】

【実施例】

以下、添付図面に従ってこの考案の実施例を説明する。

【００４３】 図１はこの考案に係る複ブレード式ロータ１を示している。

【００４４】 このロータ１は自転を防止するための後部ロータとして用い、主トランスミッ ションボックスによって少なくとも一つのロータに伝達される駆動隅力を補償す る。ロータ１は垂直尾翼または垂直な窓部２に搭載され回転する。

【００４５】 窓部２はわずかに円錐台形状をなしており、ヘリコプタの胴体後部または尾部 ３のクランプ板４によって形成されている。この窓部２内で、ロータ１は補助ト ランスミッションボックス５によって支持され駆動される。トランスミッション ボックス５は一般に円筒形状の一組のカバーによって蔽われており、半径方向に 伸長する複数のフレーム６を備えた支持手段によって窓部２の中心に保持されて いる。

【００４６】 補助トランスミッションボックス５は、例えばフランス特許第１，５９３，０ ０８号に詳細に記載されている。概要を述べると、このトランスミッションボッ クス５は円錐状のギア装置を含んでおり、このギア装置の第１のピニオンはトラ ンスミッションロッド７を駆動し、主トランスミッションボックスの運動を補助 トランスミッションボックス５に伝える。また、トランスミッションボックス５ は回転ピン９を備えており、このピン９は、後述する制御シャフトを窓部２の軸 に平行に配置するために制御ロッド１０によって駆動される。回転ピン９および 制御ロッド１０は、前述の特許の図１に示したと同時に、簡単のために概略的に 示してあるが、ロッド１０は場合によっては中空アーム８を通すようにすること もできる。 図２および図３は図１のロータ１をさらに詳細に示すものである。

【００４７】 ここで、ロータ１は窓部２と同軸の中空シャフト１１を備えており、補助トラ ンスミッションボックス５に設けた軸受によって窓部２の回転軸Ａの周りに回転 できるように搭載されている。シャフト１１は補助トランスミッションボックス ５のカバー１３を貫通するシャフトの一部に設けた軸方向の縦溝１２によって回 転可能となっている。この縦軸１２は、補助トランスミッションボックス５に設 けたコニックギア装置の第２のピニオン１４に対応する溝と噛合う。第２のピニ オン１４はローラ軸受１５によってカバー１３内に回動自在に支持されている。 また、シャフト１１は、駆動スリーブ１７の軸方向内側の端部に設け、補助トラ ンスミッションボックス５の方向に回転する縦溝１２と噛合う。

【００４８】 スリーブ１７は前述の軸方向内側の端部でジョイント１６を支えており、第２ のピニオン１４を押圧する。シャフト１１と協働するこのスリーブ１７は内部が 円筒状であり軸方向に位置のずれた２つの支え面１８，１９によってシャフト１ １を支持する。また、シャフト１１の軸方向外側のねじを切った端部２０はスリ ーブ１７の軸方向外側の円筒状支え面１９から若干突出するようになっている。

【００４９】 軸方向内側の支え面１８の位置に、スリーブ１７はその外周に環状のフランジ 部分２１を有し、このフランジ部分２１によってスリーブ１７は後述するハブに 固定される。スリーブ１７はピニオン１４およびシャフト１１を介して与えられ るトルクをこのハブに伝達する。また、スリーブ１７は以下に説明するブレード の回転によって生ずる推進力を形成する。

【００５０】 スリーブ１７は軸方向の所定の場所に位置し、ジョイント１６に所定の軸方向 力を与えている。この力はシャフト１１の端部２０のねじに螺合させたブッシュ ２２によって与えられる。すなわち、ブッシュ２２上には軸方向に規則的に４つ の小孔が設けられており、この小孔にストッパ用ビス２３が螺合されている。こ のビス２３に一端には支持ヘッド２４を形成してあり、スリーブ１７の底部の支 持面２５に当接する。支持面２５はスリーブ１７の外側端部の面内に形成されて いる。

【００５１】 この４つのビス２３の頭部に所定の締付トルクを与え、ブッシュ２２およびス リーブ１７を支持する。したがって、４つのビス２３を同時に調整することによ り、スリーブ１７、ジョイント１６および第２のピニオン１４の全体に軸方向の 遊びをなくすことのできる軸方向の制御力を付与することができる。また、この 際、軸方向の遊びをなくすことができるとともに、各要素全体の振動や破損を避 けることができる。

【００５２】 ブッシュ２２は中央チムニを備えた円形のケーキ型のような形状をしている。 すなわち、ハブは金属板の打出しまたは合成材料の注入によって成形したハブプ レート２６を備えている。このハブプレート２６は、半径方向外側には平坦部分 ２７を有し、これに連なり中心部分に向う円錐台状の中間部分２８がある。また 、中心部分には平坦なリング状部分２９があり、スリーブ１７の外側直径よりも わずかに大きい中央開口部分をこのリング状部分２９が囲繞している。

【００５３】 このリング状部分２９はフランジ２１の外側に位置し、したがってハブプレー ト２６はスリーブ１７のこの部分を軸方向に摺動可能である。この摺動は、スリ ーブ１７のフランジ部分２１によりリング状部分２９が当接して停止する。

【００５４】 ハブプレート２６は、また互いに同軸状の２つの円筒状の隔壁３０，３１を備 えている。隔壁３０はハブプレート２６の半径方向外側の平坦部分２７の端部に 連設されている。隔壁３０の高さは隔壁３１の高さより大きい。隔壁３１はハブ プレート２６の円錐台状の中間部分２８に連設してある。

【００５５】 この隔壁３０，３１内にはハブプレート２６の半径方向の軸と同軸に形成した ２つの開口３２，３３が設けてあり、ロータの各ブレードを固定するようになっ ている。外側の隔壁３０の開口３２は内側の隔壁３１の開口３３より径が大きい 。

【００５６】 開口３２，３３の壁面にはリング状凹部が設けてあり、この凹部内にそれぞれ 潤滑面を有する２つのブッシュ３４，３５が挿入配置されている。ブッシュ３４ の内径はブッシュ３５の内径より大きい。

【００５７】 ロータはまた１１枚のブレード３６を有し、例えば各ブレードの長さは４０cm 、幅は７．７cm、ねじれ角はほぼ７°である。このブレード３６の構造は、図２ および図３に加えて図４および図５に示した。

【００５８】 各ブレード３６は、空気力学的にプロフィールを有する主部分３７と、予め形 成した充填体３８と、後縁部の補強部材７２と、ブーム３９と、耐酸化性のある チタン製または鋼鉄製の前縁部キャップ４０とを備えている。

【００５９】 主部分３７は、その内側から外側まで、グラスファイバ組織あるいはケブラ（ Ｋevlar 、登録商標）組織を積層した２層の積層体からなる。これらの層は各繊 維が直角に交叉し、またブレードの長手方向軸に対して４５°この繊維が傾斜す るように配置し、また同様に直交しかつ４５°傾いて配置したカーボンファイバ 組織の２層を配置し、これらの４層を熱硬化性合成樹脂で中空体を作るようにし て固める。こうすることにより、ブレード全体の歪に対する剛性を高めることが でき、また充填体３８の剪断応力を高めることができる。 この充填体３８は発泡性またはセル状の合成材料であり、その外形は合成材料 を封入した主部分３７の内容積と一致する。また、充填体３８はその全長にわた って伸長するほぼ断面短形状の凹部４１を有する。凹部４１は充填体の面内で開 口しており、ブレード３６の外面に沿って曲っている。 ブレード３６の後縁側となる充填体３８の後端部３８ａを蔽うようにＶ字状の 補強部材７２が設けられている。この部材７２は合成樹脂を含浸させたカーボン ファイバ組織からなる。この補強部材７２の上にはブレードの主部分３７をなす 外面材および充填体３８と接する内面材とが接着されている。補強部材７２は主 部分３７をねじれモーメントおよび引張りモーメントから保護するためのもので ある。

【００６０】 ブーム３９は熱硬化性の合成樹脂で固めたグラスファイバ積層体からなるスト リップ材である。ブレード３６の主要部分をなすこのブーム３９の２／３の部分 の断面は、充填体３８の凹部４１および主部分３７の外面部分の内面材によって 画定される部分の断面と対応する。

【００６１】 このブーム３９は残りの１／３の部分によってブレード３６に作用する遠心力 を吸収する。この部分は以下に説明するようにブレード脚部を通ってブレードの 作用部分から突出するものであり、端部リング状の固定部分４２をなしている（ 図３）。この固定部分４２はリング状部分の端部に向って厚みを増している（図 ２）。また、この端部リング状部分はブレード３６の固定手段である金属性ボビ ン４３を囲繞しており、リング状部分はボビン４３の周囲の凹部に嵌合している 。

【００６２】 ブレード３６を構成する主部分３７、充填体 ３８およびブーム３９からなる 集合体の特徴は、充填体３８の凹部４１の各面と対向しないブーム３９の面が、 ブレード３６の作用部分となるブーム３９の全長すなわちブーム３９の長さのほ ぼ２／３にわたって、主部分３７の外面部分の内側層と直接に接していることで ある。

【００６３】 このような構造上の特徴を有することにより、ブーム３９と主部分３７とをそ の広い面積にわたって接着剤で互いにしっかりと結合することができる。また、 このことにより、ブレードに作用する遠心力、たわみモーメントおよびねじれモ ーメントを良好にすることができ、また後述する方法によってブレード３６の製 造が容易となるという２つの利点がある。

【００６４】 各ブレード３６はブレード脚部４４を有し、この脚部４４に充分な厚みを持た せるため、主部分３７のファイバ層とファイバの補強層４５とを備えて脚部４４ を構成する。この脚部４４は中空円筒状部分４６を備えている。この円筒状部分 ４６の端部には円錐状部分４７が連設されている。この円錐状部分４７は過渡部 分をなし、その端部はブレード３６の作用部分に連なっている。

【００６５】 このブレード脚部４４は中空円筒状部分４６をもってアルミ合金製のスリーブ ４８内に搭載される。

【００６６】 スリーブ４８は同軸状の２つの管状部分４９，５０を備えている。この管状部 分４９，５０の断面は円形であり、双方の半径は異なる。２つの管状部分４９， ５０は円錐状部分４７で互いに接合されている。

【００６７】 ブレード脚部４４の中空円筒状部分４６および円錐状部分４９はこれらより径 の大きい管状部分４９およびスリーブ４８の円錐台状部分によって蔽われており 、双方はそれぞれ接着剤によって固定する。このようなスリーブ４８の形状は遠 心力の作用するブレード脚部４４をしっかり支えることができる。

【００６８】 スリーブ４８の小径部分５０はリング状の隆起部分５２を有する。この隆起部 分５２の外径はハブ２６の内側隔壁３１の開口３３に配置した潤滑面を有するブ ッシュ３５の内径に対応する。同様に、スリーブ４８の大径部分４９にはリング 状の隆起部分５１を有する。この隆起部分５１の外径はハブ２６の外側隔壁３０ の開口３２に配置した潤滑面を有するブッシュ３４の内径に対応する。すなわち 、この部分５１は半径方向外側の端部、すなわちスリーブ４８の隆起部分５２に 対して最も広がった位置に形成してある。

【００６９】 また、スリーブ４８はその円錐台状部分、したがって隆起部分５１，５２の間 に横方向の突起部分５３を備えている。突起部分５３はスリーブ４８の軸、した がってロータの回転軸Ａにほぼ垂直な方向に伸長している。

【００７０】 スリーブ４８および突起部分５３の大きさは、ブレード３６およびスリーブ４ ８を傾けながら固定部分４２のリング状端部と金属製ボビン４３とを挿入し、ハ ブの外側隔壁３０の開口３２内にスリーブ４８の部分５０を導入できるようなも のとなっている。こうすることにより、突起部分５３を開口３２内に通過させる ことができ、また開口３３内にスリーブ４８の部分５０を係合させることができ 、隆起部分５１，５２がそれぞれ開口３２，３３のブッシュ３４，３５で支持さ れるように、円筒状部分４９，５０を位置決めすることができる。

【００７１】 ブレード３６をこのように位置決めすることにより、突起部分５３はロータの ブレード数に等しい数の受部５４の１つに対向する。この突起部分５３の端部は リング状の制御プレート５５に接続される。この制御プレート５５の内側縁部は 、リング状に複数配列したビス５６によって、円錐台形状のカバー５７の半径方 向外側縁部にしっかりと接続されている。カバー５７の円錐台状の中心部分は集 中ピッチ制御アーム５９の円錐状スピンドル５８上に搭載されている。

【００７２】 ピッチ集中制御アーム５９はロータ１１の管状アーム内で軸方向に摺動可能に 搭載されている。カバー５７は、スピンドル５８の軸方向端部上に螺合したナッ ト６０によってピッチ制御アーム５９に保持されている。

【００７３】 プレート５５の各受部５４はブッシュ６１を配置する小孔を設けてある。この ブッシュ６１内にはボルト６３によって軸受６２が支持されている。このボルト ６３の端部は突起部分５３の貫通孔を横切っており、ボルト６３のねじを切った 位置でナットで締められている。

【００７４】 各突起部分５３はボルト６３、ナット６４、軸受６２、及び受部５４と組合わ されている。ブレード３６のピッチ制御レバーの脚部４４は対応するスリーブ４ ８に接続されている。このようなピッチ制御レバー、制御プレート５５、カバー ５７および集中ピッチ制御アーム５９は、ロータブレード３６の集中ピッチ制御 装置をなしている。

【００７５】 中室シャフト１１内でアーム５９を軸方向に変位させることにより、スリーブ ４８、したがってブレード脚部４４およびブレード３６にトルクを伝える。この トルクは、スリーブ４８を回転させ、ブーム３９の固定部分４２にトルクを加え 、したがって長手方向軸の回りにブレード脚部４４およびブレード３６を回転さ せる。ピッチ制御レバーは互いに最大限に離れた２つの隆起部分５１， ５２の間の部分である。

【００７６】 このような構成により、ブレード３６を確実に支持することができ、また隆起 部分５１，５２によってブッシュ３４，３５に作用する径方向の力を減衰させる ことができる。

【００７７】 スリーブ４８の隆起部分５１，５２は開口３２，３３のブッシュ３４，３５の 内側で支持されて、各ブレード３６はハブ２６中に配置される。このとき、ブー ム３９の端部のリング状固定部分４２の金属製ボビン４３は２つの金属製リング 状部材６５，６６の間に挿入される。このリング状部材６５，６６は駆動スリー ブ１７の周囲に係合している。この係合は、スリーブ１７のフランジ２１、ハブ プレート２６の中心部分２９およびリング状部材６５，６６をボルト６７が貫通 することによって行われる。ボルト６７はボビン４３の中央を通りねじを切った 部分をナット６８で締付している。こうして、ボビン４３はハブプレート２６、 したがって駆動スリーブ１７のフランジ２１に固定することができ、ボビン４３ の両側のリング状部材６５，６６はボビン４３に加わる遠心力を他のボビンに分 散させることができる。

【００７８】 キャップ６９はブレード３６のピッチ集中制御装置を蔽い、またほこりや小石 がハブ内に侵入するのを防ぐためのものである。このキャップ６９の周縁部はハ ブプレート２６の外側隔壁３０上に例えばビス等によって固定する。

【００７９】 この実施例によれば、ハブプレート２６のリング状部分２９はほとんど機能せ ず、ブレード３６を回転させるために駆動スリーブ１７のトルクをブレード３６ に伝達する機能しか果していない。しかし、ハブプレート２６はたわみ応力の一 部を吸収している。これは、スリーブ４８の隆起部分５１，５２を適当に配置し たためである。また、リング状部材６５，６６は遠心力を分散させ、駆動スリー ブ１７の大きな力が加わるのを防止することができ、ボルト６７に力が加わるの を防止できる。

【００８０】 図６ないし図８は図２ないし図５に構造を示したブレード３６の製造方法を示 すものである。

【００８１】 この製造方法は、以上で説明したようなヘリコプタの後部ロータとして用いる 複ブレード式プロペラばかりでなく、ベンチレータや送風装置にも用いることが できるものであり、特に空調装置や熱交換器にも用いることができる。

【００８２】 この実施例によれば互いに相補的な形状を有する２つの型を用いる。下型７０ は横方向および縦方向ともにブレード３６の内側面に対応する内部形状を有する 。また、上型７１は同様にブレード３６の外側面に対応する内部形状を有する。

【００８３】 まず、グラスファイバ組織を２つの層に切断し、つぎにカーボンファイバ組織 を２つの層に切断し、各層が主部分３７の前縁に対応する長手方向軸の一方から 他方に向って隣接する２枚のシート３７Ｉ，３７Ｅをそろえるようにする。この シート３７Ｉ，３７Ｅはそれぞれ主部分の内側面および外側面を形成する。これ らの層は、例えば熱硬化性樹脂のような重合性合成樹脂で予め含浸しておく。

【００８４】 つぎに、これらのグラスファイバ製の２層からなるシート３７Ｉ，３７Ｅを下 型７０内に配置する。このとき、シート３７Ｅは前縁側で下型７０の外部に残る ようにする。また、同様にして、これらの２つのファイバ層の上にカーボンファ イバ組織の２つの層を配置する。したがって、主部分３７を形成する４つの層の 各シート３７Ｉ，３７Ｅは、図６に示すように、下型７０内に積層する。この積 層体のシート３７Ｉ上に予め形成した発泡性またはセル状の充填体３８を設置す る。この充填体３８の凹部４１は上方に向って開口している。

【００８５】 この充填体３８を別の鋳型で適当な型に製造することは何ら困難な点はなく、 何ら特別の説明を要しない。

【００８６】 充填体３８の後部３８ａには、別途Ｖ字状に成形し予め合成樹脂を含浸させた カーボンファイバ組織からなる補強部材７２を配置する。つぎに、充填体３８の 凹部４１内に、下型７０内で、ブーム３９を配置する。このブーム３９は端部が リング状となったストリップ材からなる。

【００８７】 ヘリコプタのロータブレードの軸を構成するためのこの種のストリップ材の製 造は良く知られており、詳述するに及ばない。この種のストリップ材がケブラ・ ガラスばかりでなく、グラスファイバでもカーボンファイバでも製造できること を付言すれば充分である。

【００８８】 これらの積層体は、例えば熱硬化性樹脂を含浸させて硬化させることができる 。この周知方法は細長形状のストリップ材を形成することができ、ヘリコプタの ロータブレード軸を製造するために有利な機械的特性を示す。ストリップ材は軸 方向の機械強度に優れ、ブレードに加わる遠心力に抵することができる。このス トリップ材はブームを構成するが過大な疲労を受けることもなく、また特に軸方 向周りのたわみに対して可撓性がある。このため、各ブレード上に比較的小さな トルクを与えることにより各ブレードのピッチを制御することができる。

【００８９】 前述したブーム３９はその長さ方向の中心で折返した積層体からなる。この積 層体の両端部は各層の各片半分のほぼ２／３まで伸長している。この両端部はブ レードの主部分３８に伸長するためのブーム部分を形成するため、互いに連結さ れている。一方、各層の中心部分はその長さの一方から他方に向って片半分のほ ぼ１／３に伸長している。この中心部分は、たわみ性および可撓性のある端部リ ング状の固定部分４２を、２つの等しい半分を折返した後、構成するためのもの である。

【００９０】 熱硬化性樹脂を含浸させた積層体は、充填体３８の凹部４１中に挿入し、ファ イバ層のシート３７Ｅを図７に示すように積層体３８、ブーム３９およびキャッ プ４０の上に敷設する。このキャップ４０は耐酸化性のチタンまたは鋼製の薄板 であり、前縁部に搭載する。

【００９１】 つぎに、図８に示すように、下型７０の上に上型７１を下ろし、内容物を熱処 理によって重合する。このため、前縁のキャップ４０を硬化した主部分の組織と 一体化させることができる。すなわち、内側面の全体にわたって充填材３８上や 、その積層を硬化させたブーム３９の外面部分のシート３７Ｅに内容物を接着す ることができる。

【００９２】 ブレード脚部４４の過度部分４７および中空円筒状部分４６は、相補的な軸方 向に関する中空形状であるため、双方をブレード脚部に対応する型内で同時に成 形することができる。また、端部リング状の固定部材４２を構成する積層部分が 通過する中空部分内にチャックを配置する。補強層４５を囲繞するチャックはシ ート３７Ｉを敷設した外皮層の上方の下型７０の中空部分に配置する。このシー ト３７Ｉも下型内に配置されている。

【００９３】 外皮層を構成するシート３７Ｅはチャックと補強層４５の上に敷設する。

【００９４】 こうして、ブレード３６の作用部分、ブーム３９の対応する部分、ブレード脚 部４４および固定部分４２が形成される。この固定部分は可撓的な端部リング形 状であり、熱処理によって型内で重合化される。

【００９５】 ２つに折り重ねた積層体の中央部分にリング状部分を容易に配置できるように するため、下型７０内に積層体が囲繞するような契形状の要素を予め設置してお くことができる。

【００９６】 また、中央部分内で前記積層体は長さ方向に沿って、図２に示すように、次第 に厚さが増すようにする。同様に、中央部分に向って２つの端部の各々はわずか にしかも次第に幅を狭くする。したがって、ブレード３６の作用部分内に配置し たブーム３９は、半径方向外側端部に向って拡がっていく。また、このブーム３ ９により充填材３８と主部分３７に作用する遠心力によるねじれに対抗すること ができる。

【００９７】

【考案の効果】

以上のような構成によれば、複ブレード式ロータの各要素の組立て及び取外し が容易となり、また保守を著しく容易にするとともに、保守費用も低減される。

【００９８】 特に、破損した一枚のブレード３６の交換を、他の要素を取外すことなく容易 に行うことができる。すなわち、ナット６４を外し対応するボルト６３を突起部 分５３から引抜き、またナット６８を外し対応するボルト６７をボビン４３から 引抜くことにより、ブレード３６を取外すことができる。

【００９９】 したがって、全てのブレード３６の突起部分５３を外した後にアーム５９のカ バー５７およびプレート５５を取外さずに、ナット６８を外すことができるよう にカバー５７に開口を設けておくのがよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】複ブレード式プロペラの概要を示す説明図。

【図２】図１の主要部を拡大し図３のII−II線に沿って
切断し、矢印方向に見た縦断面図。

【図３】図１の主要部を拡大し図２のIII-III 線に沿っ
て切断し、矢印方向に見た側断面図。

【図４】図３のIV−IV線に沿って切断し、矢印方向に見
たブームの横断面図。

【図５】図４の端部を拡大して示す横断面図。

【図６】ブームの製造工程を示す展開説明図。

【図７】ブームの製造工程を示す説明図。

【図８】ブームの製造工程を示す説明図。

【符号の説明】

１ 複ブレード式ロータ ４ クランク板 ５ 補助トランスミッションボックス ６ フレーム ７ トランスミッションロッド ８ 中室アーム ９ 回転ピン １０ 制御ロッド １１ 中室シャフト（シャフト） １４ 第２のピニオン １５ ローラ軸受 １６ ジョイント １７ スリーブ ２０ 端部 ２１ フランジ部分 ２２ ブッシュ ２３ ストッパ用ビス ２４ 支持皿ヘッド ２６ ハブプレート ２９ 平坦なリング状部分 ３０ 隔壁 ３１ 隔壁 ３２、３３ 開口 ３４、３５ ブッシュ ３６ ブレード ３７ 主部分 ３８ 充填体 ３９ ブーム ４０ 前縁部キャップ ４１ 凹部 ４２ 個定部分 ４３ 金属性ボビン（ボビン） ４４ 脚部 ４５ 補強層 ４６ 中室円筒状部分 ４７ 円錐部分 ４８ スリーブ ４９、５０ 管状部分 ５１、５２ 隆起部分 ５３ 突起部分 ５４ 受部 ５５ 制御プレート ５６ ビス ５７ カバー ５８ 円錐状スピンドル ５９ 集中ピッチ制御アーム ６１ ブッシュ ６２ 軸受 ６３ ボルト ６４ ナット ６５、６６ 金属製リング状部材 ６７ ボルト ６８ ナット ７２ 補強部材（部材）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 マルク、ドゥクレルク フランス国ブシュ‐デュ‐ローヌ、ペリサ ーヌ、ビュー、シュマン、ド、ラムベ（番 地なし) (72)考案者 ジャン‐ピエール、ジャラギエ フランス国ブシュ‐デュ‐ローヌ、ビトロ ーユ、リュ、デュ、ソレイユ（番地なし) (72)考案者 ベルナール、ジョージェ フランス国ブシュ‐デュ‐ローヌ、マルセ ーユ、クロ、デ、ゾルフィーユ（番地な し)

Claims (11)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回転軸周りに回転する中室シャフトと、前
   記回転軸周りに前記中室シャフトを回転させるためのハ
   ブプレートと、主成分、充填剤、ブームを有する複数の
   ブレードと、ピッチ制御装置とを備え、前記ピッチ制御
   装置は、前記ブレードの脚部に接続され、前記主成分に
   トルクを伝え、またこのピッチ制御装置は、ブレートの
   ピッチを集中的に制御する装置からの力を加えられ、前
   記脚部には、ブレードのブームの個定部を貫通させると
   共に両端に隆起部分を有するスリーブを設け、このスリ
   ーブの隆起部分を前記ハブプレートの隔壁に設けた開口
   に結合したことを特徴とする複ブレード式プロペラ。
2. 【請求項２】前記ブレードの脚部は中空円筒状部分とこ
   れに連なる円錐状部分とを備え、この円錐状部分はブレ
   ードに連なっており、また前記スリーブはブレードの脚
   部の中空状円筒状部分を囲繞する大径の円筒状部分と、
   この円筒状部分に連なり前記ブレードの脚部の円錐状部
   分を支持する円錐台形状部分と、円錐大径状部分に連な
   る小径の円筒状部分とを備えたことを特徴とする請求項
   １に記載の複ブレード式プロペラ。
3. 【請求項３】前記隆起部分は断面半円状であり、金属製
   スリーブと一体成形したことを特徴とする請求項１に記
   載の複ブレード式プロペラ。
4. 【請求項４】ピッチ制御装置はスリーブの２つの隆起部
   分の間に突起部分を有し、回転軸と同軸に配置したピッ
   チ制御プレートに設け、ブレード数と等しい数の受け部
   に軸受を介して前記突起部分を結合し、前記中室シャフ
   トに同軸に摺動自在に搭載したピッチ集中制御アームに
   前記ピッチ制御プレートを結合するようにしたことを特
   徴とする請求項１乃至請求項３に記載の複ブレード式プ
   ロペラ。
5. 【請求項５】前記制御プレートはリング状のプレートと
   であり、スピンドルによって固定された円錐台形状のカ
   バーを介してピッチ集中制御アームに結合することを特
   徴とする請求項４に記載の複ブレード式プロペラ。
6. 【請求項６】前記制御プレートの受け部は小孔を有し、
   この小孔内に前記突起部分を固定するボルトを貫通させ
   る軸受を備えていることを特徴とする請求項４または請
   求項５に記載の複ブレード式プロペラ。
7. 【請求項７】前記中室シャフトを同軸状に囲繞しこの中
   室シャフトのトルクを前記ハブプレートに伝達するスリ
   ーブを備え、このスリーブは前記ハブプレートのリング
   状部分に結合するフランジを備えていることを特徴とす
   る請求項１乃至請求項６に記載の複ブレード式プロペ
   ラ。
8. 【請求項８】前記スリーブのフランジを前記ハブプレー
   トのリング状部分に接続するには回転軸の周りに規則的
   に配列しブレード数に等しい数のボルトをもって行い、
   また同時に前記ハブプレートのリング状部分の小孔とフ
   ランジの小孔とボビンの貫通路とにボルトを通しナット
   でねじ止めすることによりブレードビームの固定部分の
   ボビンをハブプレートのリング状部分に保持するように
   したことを特徴とする請求項７に記載する複ブレード式
   プロペラ。
9. 【請求項９】前記スリーブは前記中室シャフトの端部に
   ビス止めしたブッシュを介して中室シャフトの周りに保
   持するようにしたことを特徴とする請求項７または請求
   項８に記載の複ブレード式プロペラ。
10. 【請求項１０】前記中室シャフトは外側にギア溝を有
    し、このギア溝は一方でジョイントによって分離してい
    るピニオンの内側ギヤ溝と係合し、他方で前記スリーブ
    の内側ギア溝と係合しており、また前記ジョイントおよ
    びピニオンに対してスリーブを支持する軸方向力を保持
    することができる保持装置を備えるようにしたことを特
    徴とする請求項７乃至請求項９に記載する複ブレード式
    プロペラ。
11. 【請求項１１】前記保持装置は前記ブッシュを貫通する
    ビスを備え、このビスの先端には支持ヘッドを設け、前
    記ジョイントに対向する駆動スリーブの軸方向端面内の
    支持面に前記ベルトを当接するようにしたことを特徴と
    する請求項９または請求項１０に記載する複ブレード式
    プロペラ。