JPH06617Y2 - エンジンの燃料供給装置 - Google Patents

エンジンの燃料供給装置

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JPH06617Y2
JPH06617Y2 JP13312888U JP13312888U JPH06617Y2 JP H06617 Y2 JPH06617 Y2 JP H06617Y2 JP 13312888 U JP13312888 U JP 13312888U JP 13312888 U JP13312888 U JP 13312888U JP H06617 Y2 JPH06617 Y2 JP H06617Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、たとえば液化石油ガス等の液化ガスを燃料
とするエンジンの燃料供給装置に関する。
(従来の技術) たとえば液化石油ガス等、常温でも加圧状態では液体で
あるが、大気圧下で気体となるような液化ガスを燃料と
するエンジンでは、液化状態で貯蔵している燃料を気化
させた後に吸気通路に供給するようになっており、その
ために燃料供給装置は一般的には第6図のように構成さ
れている(たとえば、昭和55年7月、(株)山海堂発
行「自動車工学全書4巻ガソリンエンジン」第205頁
ないし第207頁参照)。
燃料ボンベ(タンク)1に液化状態で貯蔵されている燃
料は、遮断弁2A,2Bを開くと、プレヒータ3に流
れ、ここで予熱された後にベーパライザ4でほぼ大気圧
程度まで減圧されるとともに、温水により加熱され気化
する。
プレヒータ3とベーパライザ4にはエンジン5の冷却温
水の一部が循環通路6A,6Bにより導かれる。
気化したガス状燃料は吸気管7に設けたミキサ8に導か
れるとともに、エンジン吸入空気量に応じて発生する負
圧に吸引され、空気と所定の割合で混合しながらエンジ
ン5に供給される。
なお、図中9は燃料の配管で、点線矢印のように燃料が
流れ、また温水の流れは実線の矢印で示してある。
(考案が解決しようとする課題) ところが、このような装置にあっては、液体燃料を予め
気化するため温水を循環させるなどの装置が必要となる
のみならず、気体燃料を吸気通路に導入するため気体燃
料が占める容積が大きくなることによる吸入空気量が低
下する。
また、吸気通路に液体燃料をそのまま噴射供給するガソ
リンエンジンのように、噴射燃料が吸入空気から気化熱
を奪い去ることがなく、したがって気化に伴い吸入空気
温度が低下することによる、実質的な吸入空気量(質量
流量)の増加が望めず、特に高負荷領域におけるエンジ
ンの高出力化に限界があった。
この対策としては、ガソリンエンジンと同じようにし
て、液状燃料をそのまま吸気通路に噴射供給することが
考えられるが(特願昭61−159301号)、ガソリ
ンに比較して液化石油ガスははるかに気化しやすいた
め、ホットリスタート時(エンジンルームの内部が高温
のままのエンジンの再始動時)において、燃料配管の内
部で気化により発生した気泡が抜けず、燃料通路を閉塞
して燃料の噴射が円滑に行なわれなくなり、始動性を著
しく悪化させることがあった。このような燃料配管にお
ける気泡の発生は、ガソリンエンジンの燃料噴射装置で
もよくやられているように、低温の燃料を燃料ボンベか
ら燃料噴射ノズルの近傍まで、プレッシャレギュレータ
を介して大量に循環させることにより防ぐことはできる
が、プレッシャレギュレータからの循環燃料は圧力が低
いため、燃料ボンベに戻るまでにエンジンルームの高熱
を受けて気化しやすく、このようにして一部に気化燃料
を含む燃料が燃料ボンベに大量に還流されると、燃料温
度が上昇してボンベの内圧が許容値以上に高まる危険が
あった。
つまり気化燃料は同じ温度の液化燃料に比較してはるか
に多くの熱を保有しており、このような燃料を大量に循
環させれば、液状燃料がこれを吸熱してボンベ内の温度
上昇が進み、ボンベ内圧がより一層高圧化するのであ
る。
この考案はこのような従来の課題を解決する装置を提供
することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この考案では、エンジンルームから離れた位置に備えた
燃料貯蔵ボンベと、ボンベからの液化ガス燃料を加圧し
て送り出すポンプと、ポンプからの余剰燃料圧力をボン
ベに還流する通路と、この通路に介装され前記ポンプ下
流の燃料を規定圧に保持するプレッシャレギュレータと
を前記燃料貯蔵ボンベの近傍に配設し、規定圧に保持さ
れた燃料をエンジン吸入空気量に応じて計量する手段
と、計量燃料をエンジン吸気通路に噴射する弁手段とを
設けた。
(作用) 燃料貯蔵ボンベからの液化ガス燃料は、ポンプにより加
圧されているため、液状のまま弁手段から吸気通路に噴
出する。吸気通路は圧力が低く、噴射燃料は周囲の吸気
通路を流れる空気から気化熱を奪いつつ瞬時に気化する
一方、これに伴い吸気温度が下がり、吸気の実質的な供
給量を増加させ、エンジンの最大出力を高める。
ポンプ,ポンプからの余剰燃料が還流される通路および
この通路に介装されるプレッシャレギュレータはすべて
燃料貯蔵ボンベの近傍に設置されるため、エンジンルー
ム内の熱により加熱された燃料がボンベ内に戻り、ボン
ベ内部の燃料温度を上昇させるということがないので、
内圧の異常な上昇が回避される。
(実施例) 第1図において、燃料ボンベ(またはタンク)10はエ
ンジン12から十分に離れた位置である自動車のトラン
クルーム11に配設され、その燃料の取出通路13には
電動モータで駆動される燃料ポンプ15がボンベ10の
近傍に設けられ、燃料を加圧して計量電磁弁16に送り
込む。なお、14はエンジン停止時に閉じる電磁遮断弁
である。
燃料ポンプ15の直ぐ下流からは、トランクルーム11
内に位置して、余剰燃料を前記燃料ボンベ10に還流す
る通路17が接続し、この通路17には燃料の圧力を規
定圧に保持するプレッシャレギユレータ18が燃料ボン
ベ10の近傍に設置される。
プレッシャレギュレータ18は、ダイヤフラム18aに
より前記還流通路17に接続する燃料室18bと、燃料
ボンベ10の内部に連通する基準圧力室18cとに画成
されており、燃料室18bの燃料圧力が、燃料ボンベ1
0の内部圧力よりも所定値(たとえば3kg/cm2)以上
に高くなるとダイヤフラム18aに連動する弁18dが
開いて、余剰燃料を燃料ボンベ10還流するもので、こ
れにより還流通路17の圧力を常に規定値に保持する。
なお、プレッシャレギュレータ18の下流の還流通路1
7には、エンジン停止時に閉じる電磁遮断弁19が介装
される。
前記計量電磁弁16は後述する制御回路20からのパル
ス信号により駆動され、オンオフ的に開閉するもので、
計量電磁弁16の開弁により上流の加圧燃料(圧力レギ
ュレータ18により規定圧に保持された)が、各気筒に
対応して分岐する燃料通路22へと送り出される。
計量電磁弁16はパルス信号により励磁されるソレノイ
ド16aと、ソレノイド16aの励磁時にリターンスプ
リングに抗してリフトするバルブ16bと、バルブ16
bのリフトに伴い開閉するバルブシート16c等から構
成され、そしてこの計量電磁弁16は好ましくは、エン
ジンルームの比較的温度の低い位置に設置される。
エンジン12の吸気通路23には、吸気弁24になるべ
く近付けて燃料噴射ノズル25が設けられ、前記計量電
磁弁16から送り込まれる燃料通路22の圧力が一定値
を越えたときに開いて、吸気ポート26に液状燃料を噴
射する。
燃料噴射ノズル25は、第2図に詳細を示すように、ダ
イヤフラム25aに直結した針弁25bがリフトしてバ
ルブシート25cから離れると、燃料室25dの燃料が
オリフィス25eから吸気ポート26に向けて噴出する
ようになっており、ダイヤフラム25aの一面には燃料
通路22と連通する燃料室25dの圧力がかかるととも
に、その反対面には基準圧力室25fに通路27を介し
て導かれる前記燃料ボンベ10の内部圧力と、戻しバネ
25gの荷重が作用し、ボンベ内圧よりも一定値(約2
kg/cm2)だけ燃料圧力が高いとダイヤフラム25aが
移動して針弁25bを開弁方向にリフトさせる。つま
り、燃料噴射ノズル25は定差圧型の可変オリフィス機
構を構成している。
前記吸気通路23にはエアクリーナ30の下流におい
て、アクセルペダルに連動する吸気絞り弁32の開度に
応じて流入する、吸入空気量(質量流量)を測定する熱
線式流量センサ31が設けられ、この流量センサ31の
出力は図示しないエンジン回転数センサ(クランク角セ
ンサ)からの出力とともに制御回路20に入力される。
マイクロコンピュータ等で構成される制御回路20は、
これら運転状態を検出する信号に基づいて所定の空燃比
が得られるように燃料の噴射量を演算し、エンジン回転
に同期して燃料噴射パルス信号を前記計量電磁弁16に
出力するのである。なお、排気系に排気濃度センサ等を
設置した場合には、これに基づいて空燃比のフィードバ
ック制御するように燃料噴射量の修正がなされる。
以上のように構成され、次に作用について説明する。
エンジン12の始動に伴い電磁遮断弁14,19が開
き、また燃料ポンプ15が駆動されるため、燃料ボンベ
10の燃料は取出通路13から計量電磁弁16へと加圧
されながら送り込まれる。
運転者によって操作される絞り弁32の開度に応じて吸
入空気量が決まり、この吸入空気量信号と回転数信号に
基づいて制御回路20は、この吸入空気と混合する噴射
燃料の割合が、所定の空燃比となるように計量電磁弁1
6の開弁パルス時間を演算する。このパルス信号によっ
て計量電磁弁16が開くと、その上流側の加圧燃料が燃
料通路22へと送り込まれる。
計量電磁弁16の上流側の圧力は、燃料ポンプ15から
送り込まれる燃料を、プレッシャレギュレータ18によ
り燃料ボンベ10の圧力をある一定値(約3kg/cm2
だけ上回る値に設定され、また下流側の圧力は、燃料噴
射ノズル25により燃料ボンベ10の圧力よりも一定値
(約2kg/cm2)だけ上回るように設定される。
したがって計量電磁弁16の上流と下流の差圧は常に一
定値(約1kg/cm2)となっており、計量電磁弁16を
流れる燃料流量はその開弁時間にのみ正しく依存して決
定される。
特にこの場合、計量電磁弁16はエンジンルームの比較
的低温の部分に設置され、しかも前記の通り上流と下流
の燃料圧力が高く保持されるため、計量部での燃料の気
化もなく、液状燃料の計量特性は非常に安定するのであ
る。
そして、計量電磁弁16の開弁に伴い燃料通路22に送
り込まれた燃料の圧力が、燃料噴射ノズル25のダイヤ
フラム25aの設定圧を越えている間、針弁25bが開
いて液状燃料が絞り弁下流の吸気通路に噴射される。こ
の吸気通路の圧力は大気圧以下の低圧であるため、噴射
燃料は吸入空気から熱を奪って瞬時に気化しつつ、エン
ジン12に吸入されていく。
このように噴射した液状燃料を絞り弁下流の吸気通路の
内部で気化させるので、気化熱を奪われた吸入空気の温
度を下げ、実質的な吸気充填効率を高めることが可能と
なり、エンジン全開域での高出力化が図れる。
ところで、計量電磁弁16の閉弁後の燃料通路22に送
り込まれない余剰の燃料は、還流通路17から燃料ボン
ベ10に戻されるが、この還流系を構成する燃料ポンプ
15,還流通路17,プレッシャレギュレータ18はす
べて車体前方のエンジンルームから遠く離れた車体後方
のトランクルーム11内に配置されている。つまり、燃
料ポンプ15から送り出される燃料のうちエンジンに供
給される残りの分はエンジンルーム内を通らずに、トラ
ンクルーム11内の還流通路17を通ってボンベ10に
戻るため、燃料が高温のエンジンルーム内を循環するこ
とがなく、したがって、循環燃料が多量に吸収した熱を
燃料ボンベ10に持ち込むことが避けられ、ボンベ内の
燃料温度が低く保たれる。
また、プレッシャレギュレータ18から放出された燃料
は、この瞬間に約3kg/cm2だけ減圧されて気化しやす
い状態になるものの、プレッシャレギュレータ18が燃
料ボンベ10に近接して設けられていて、気化に必要な
熱は燃料ボンベ10へと還流される高温の気化燃料から
奪うので、熱の授受が相殺され、ボンベ内部の貯蔵燃料
の温度上昇にはつながらない。
他方、エンジン12の付近では燃料噴射ノズル25や燃
料通路22の燃料が、エンジン放出熱の影響で高温にな
ることがあり(たとえばホットリスタート時)、燃料圧
力がボンベ内圧よりも約2kg/cm2ほど高い値に保持さ
れているにもかかわらず、若干の燃料は気化することが
ある。しかし燃料の気化により圧力が高まると、燃料噴
射ノズル25のダイヤフラム25aが変位して針弁25
bがリフトし、気化燃料を逃すため、気化による体積増
加が燃料供給の妨げとならず、すなわち発生気泡による
ベーパロック現象が回避され、特にエンジン極く低回転
域でも安定した回転特性が維持される。
次に、第3図と第4図はこの考案の他の実施例で、それ
ぞれ第1図と第2図に対応させて示している。この例
は、1個の計量電磁弁41で全気筒分を賄うようにした
もので、先の実施例よりも計量電磁弁の必要数が減っ
て、コスト的に有利となる。
なお、燃料を燃料溜り42を介して各気筒に均等に分配
するため、針弁25bの先端にピン25eを突出して形
成することで、ノズル25の構造を先の実施例とは異な
らせている。これは、気泡が殆んど発生しない通常の運
転時には、ノズル25の最小通路面積をある程度小さく
して安定した流れにし、かつ最小通路面積を各気筒で同
一となるなるように管理する必要があるとともに、気泡
が発生するホットリスタート時には、気泡を排出するた
め十分な通路面積を確保する必要があるからである。第
5図に針弁25bのリフト量()に対する最小通路面
積の特性を示す。
(考案の効果) この考案によれば、燃料貯蔵ボンベからの液化ガス燃料
を加圧して計量電磁弁に送り込む一方、燃料ポンプ、こ
のポンプからの余剰燃料をボンベへと還流する通路、こ
の通路の燃料圧力を規定圧に保持するプレッシャレギュ
レータをすべて燃料貯蔵ボンベの近傍に設けたため、計
量手段での気泡の発生を防いで液状の状態で正確に燃料
計量を行うことができるばかりか、液状のまま燃料を吸
気系に供給してエンジンの出力を向上し、しかも燃料を
エンジンルーム内に循環させずに済むため、燃料ボンベ
内の燃料温度を低く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例を示す回路的な構成図、第
2図はこの実施例の燃料噴射ノズルの断面図、第3図は
この考案の他の実施例を示す回路的な構成図、第4図は
この実施例の燃料噴射ノズルの断面図、第5図はこの噴
射ノズルについての最小通路面積の特性図、第6図は従
来例の構成図である。 10…燃料ボンベ(タンク)、11…トランクルーム、
12…エンジン、13…取出通路、15…燃料ポンプ、
16…計量電磁弁、17…還流通路、18…プレッシャ
レギュレータ、20…制御回路、22…燃料通路、23
…吸気通路、25…燃料噴射ノズル、41…計量電磁
弁。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンルームから離れた位置に備えた燃
    料貯蔵ボンベと、ボンベからの液化ガス燃料を加圧して
    送り出すポンプと、ポンプからの余剰燃料圧力をボンベ
    に還流する通路と、この通路に介装され前記ポンプ下流
    の燃料を規定圧に保持するプレッシャレギュレータとを
    前記燃料貯蔵ボンベの近傍に配設し、規定圧に保持され
    た燃料をエンジン吸入空気量に応じて計量する手段と、
    計量燃料をエンジン吸気通路に噴射する弁手段とを設け
    たことを特徴とするエンジンの燃料供給装置。
JP13312888U 1988-10-12 1988-10-12 エンジンの燃料供給装置 Expired - Lifetime JPH06617Y2 (ja)

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JPH0254354U JPH0254354U (ja) 1990-04-19
JPH06617Y2 true JPH06617Y2 (ja) 1994-01-05

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JP2688572B2 (ja) * 1991-01-16 1997-12-10 工業技術院長 デュアルフューエル・ディーゼル機関のlpガス供給方法
JP3967977B2 (ja) * 2001-10-18 2007-08-29 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の燃料供給装置
KR101251048B1 (ko) * 2010-12-06 2013-04-05 기아자동차주식회사 차량용 lpi 시스템

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