JPH0660980U - Ｉｃカード用コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 携帯中にＩＣカードに電荷が蓄積し、ＩＣカ
ード用コネクタ２０に差し込んだとき、コンタクト２２
との間に放電が発生して、コネクタ２０に接続する電子
機器の内部回路を破壊することがある。この問題を解決
する。 【構成】 イジェクト機構にカード排出用金属板２８を
有するＩＣカード用コネクタ２０の場合に、カード排出
用金属板２８と接触する導電性のアース用端子４０を、
コネクタ２０のハウジング２１に設ける。このようにす
ると、ＩＣカード１０をコネクタ２０に差し込んだと
き、蓄積した静電荷は、カード排出用金属板２８とアー
ス用端子４０を通して逃れる。よって、ＩＣカード用コ
ネクタ２０に接続する電子機器の内部回路に静電気破壊
が起きない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、イジェクト機構（排出機構）付のＩＣカード用コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図２に示すように、ＩＣカード１０は、偏平な角形をした樹脂製のカートリッ ジ１２の内部に、半導体を内蔵し、この半導体のリードをカートリッジ１２の端 縁に設けたコンタクト１４に接続したもので、このコンタクト１４の設けられた 端縁は、ＩＣカード用コネクタ２０に挿入されて、ＩＣカード１０のコンタクト １４とＩＣカード用コネクタ２０のコンタクト２２とが電気的に接続されるよう になっている。 カートリッジ１２は偏平なため、機械的強度を向上させるため表裏両面に薄い 金属保護板１６を設けることもある。

【０００３】 ＩＣカード用コネクタ２０は、図２に例示するように、差し込まれたＩＣカー ド１０をコネクタから引き抜くための排出機構（いわゆるイジェクト機構と呼ば れ、この例では、イジェクトボタン２４、リンク部材２６、カード排出用金属板 ２８他で構成されている）を有することが多い。

【０００４】 図３は上記イジェクト機構の可動部分だけを描いたもので、コイルばね３０で 復帰力を付されているイジェクトボタン２４と、カード排出用爪２８０を有する カード排出用金属板２８とが、回動支点３２で支持されたリンク部材２６で連結 されていて、イジェクトボタン２４を矢印（イ）の方向に押すと、カード排出用 金属板２８は矢印（ロ）の方向に動くようになっている。 ここでカード排出用爪２８０は、ＩＣカード用コネクタ２０に差し込まれてい るＩＣカード１０の端縁に引っかかっていて、ＩＣカード１０はカード排出用金 属板２８と共に矢印（ロ）の方向に動かされて、ＩＣカード用コネクタ２０から 排出されるようになっている。 カード排出用金属板２８は、一般に、ＩＣカード用コネクタ全体を薄くするた めに、ＩＣカード１０の表面に沿って広がり、ＩＣカード１０の挿抜方向にスラ イドするようになっている。

【０００５】 ＩＣカード用コネクタ２０のコンタクト２２は、ＩＣカード１０が接続される 電子機器の内部回路に接続される。 これらのイジェクト機構およびコンタクト２２は、樹脂製のコネクタハウジン グ２１に固定されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ＩＣカードは人が携帯し、また人の手によって扱われるから、静電気の帯電が 避けられない。 このように帯電したＩＣカードをＩＣカード用コネクタ２０に差し込んでいく と、帯電した静電気がＩＣカード用コネクタのコンタクト２２に放電され、ＩＣ カード用コネクタに接続されている電子機器の内部回路を破壊してしまうことが ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

カード排出用金属板２８を有するイジェクト機構付のＩＣカード用コネクタ２ ０において、図１のように、 カード排出用金属板２８と接触する導電性のアース用端子４０を、ＩＣカード用 コネクタ２０のハウジング２１に設ける。

【０００８】 アース用端子４０は良導体である金属たとえば銅合金などが推奨されるが、静 電気を速やかにアース回路に導電できるものであれば、たとえば炭素や導電性樹 脂等の抵抗体であってもよい。

【０００９】

【作用】

イジェクト機構のカード排出用金属板２８は、通常ＩＣカード１０の表面に沿 って広がっていて、ＩＣカード用コネクタ２０のコンタクト２２よりもカード挿 入口に近い部分に設けられている。またこのカード排出用金属板２８はアースさ れることで電位が下げられているから、ＩＣカード１０に帯電した静電気は、Ｉ Ｃカード用コネクタ２０のコンタクト２２に放電される前にカード排出用金属板 ２８に放電されて、ＩＣカード用コネクタ２０に接続された電子機器の内部回路 に放電による電流が流れ込むことはなくなる。

【００１０】

【実施例】

図１に一実施例を示す。コンタクト２２、カード排出用金属板２８、カード排 出用爪２８０、リンク部材２６等は、図２、図３に示すＩＣカード用コネクタ２ ０と同じものである。またコネクタハウジング２１は、アース用端子４０を固定 している部分以外は図２、図３に示す例と同じである。

【００１１】 カード排出用金属板２８に設けてあるカード排出用爪２８０の裏面（ＩＣカー ドの端縁に接していない側の面）に接するクランク形に形成されたアース用端子 ４０を設けている。 このアース用端子４０は、銅合金の板材をクランク状に形成して作られ、一端 部がカード排出用爪２８０に当接し、他端側はやや細く形成されてプリント基板 などのアース回路に半田付けしやすくなっている。 この例ではカード排出用爪２８０の個数に合わせて2個のアース用端子４０を 設けている。しかしアース用端子４０はどちらか片方のカード排出用爪２８０に 設けるだけでもよい。 アース用端子４０は、コネクタハウジング２１の成形時に、モールドイン成形 によりコネクタハウジング２１と一体に固定している。 この実施例においては、ＩＣカード１０を排出するとき、カード排出用金属板 ２８はアース用端子４０から離れるが、ＩＣカードに帯電した静電気はＩＣカー ドの挿入時に放電されてしまっているから、なんら問題は生じない。

【００１２】

【考案の効果】 ＩＣカード用コネクタ２０のコンタクト２２に接続された電子機器の内部回路 にＩＣカードからの静電気が放電されることがないから、帯電したＩＣカードに よる電子機器の内部回路の破壊を確実に防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るもので、（ａ）は縦断立
面図、（ｂ）は主要部分の斜視図。

【図２】従来技術の説明図。

【図３】イジェクト機構の説明図（本考案実施例と従来
技術に共通）。

【符号の説明】

１０ ＩＣカード １２ カートリッジ １４，２２ コンタクト １６ 金属保護板 ２０ ＩＣカード用コネクタ ２１ コネクタハウジング ２４ イジェクトボタン ２６ リンク部材 ２８ カード排出用金属板 ２８０ カード排出用爪 ３０ コイルばね ３２ 回動支点 ４０ アース用端子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カード排出用金属板を有するイジェクト
   機構付のＩＣカード用コネクタにおいて、 前記カード排出用金属板に電気的に接触するアース用端
   子を設けたことを特徴とする、ＩＣカード用コネクタ。