JPH066053B2 - 細胞培養装置 - Google Patents

細胞培養装置

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JPH066053B2
JPH066053B2 JP6577089A JP6577089A JPH066053B2 JP H066053 B2 JPH066053 B2 JP H066053B2 JP 6577089 A JP6577089 A JP 6577089A JP 6577089 A JP6577089 A JP 6577089A JP H066053 B2 JPH066053 B2 JP H066053B2
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雅則 三砂
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は使用前その他適当な時期に加熱滅菌処理を要す
るバルブを含む細胞培養装置に関する。
〔従来の技術〕
ラボラトリースケール、パイロットスケールまたは小規
模生産スケール等の滅菌装置を有しない潅流培養装置等
の細胞培養装置は、流体回路構成が複雑で、滅菌処理等
のための各部脱着操作が非常に煩雑である。そのため例
えばエンドトロニクス社により製作された潅流培養装置
では潅流回路部分は使い捨てされる。
このように装置部品を使い捨てしない場合には、滅菌等
の処理を必要とする部品を分解して処理したあと該部品
は再び組み立てられ、その組み立て作業は無菌状態で行
われる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、装置部品を分解、加熱滅菌処理、再組み立てす
る場合、とりわけ次の問題がある。
すなわち、細胞培養装置に使用される加熱滅菌処理を要
するバルブは、耐熱性の問題で種類が限定され、通常使
用されるバルブは第11図および第12図に示すタイプ
のものである。該バルブでは管部91a,91bを取り
つけたヘッド部92a、92bにソレノイドやエアーシ
リンダといった駆動部93a,93bが一体的に連接さ
れており、該駆動部のピストンロッドの出没により管部
が閉じまたは開かれる。このようなピンチバルブを備え
た部分をオートクレーブ等で加熱滅菌処理する場合に
は、耐熱性の無い駆動部93a,93bを熱に曝さない
ように、該駆動部から管部91a,91bを外し、該管
部を、または他の加熱滅菌処理を要する部品とともに加
熱滅菌処理する。
例えば第11図に示すバルブの場合、管部91aはヘッ
ド部92aの管部貫通孔921から引き抜かなければな
らず、該引き抜きのためにわざわざ管部91aに接続し
てある図示しない部品を外さなければならず、その作業
は極めて面倒であり、管部が切断されたり、伸びきって
しまうおそれもある。さらに、滅菌処理のあと再びピン
チバルブを組み立てるときに、管部から外してあった部
品を該管部に再接続する際、コンタミネーションが発生
する危険性が大きい。
第12図に示すピンチバルブの場合、ヘッド部92bは
その横側が一部開放されてフック状に形成されているの
で、管部91bの取り外しは第11図に示すバルブの場
合よりも簡単ではあるが、管部着脱の際に管部が損傷す
るおそれがあり、また、バルブの数が多く、流体回路が
複雑な場合には、該管部の取り外し作業は極めて面倒で
ある。また、いずれのバルブでもピンチバルブ部分の脱
着操作の困難性を考慮して該バルブ数を制限しなければ
ならず、そのため回路設計の自由度が低下するという問
題がある。
そこで本発明は、加熱滅菌処理を要するバルブを含む流
体回路を備えた細胞培養装置において、前記バルブを含
む部分を加熱滅菌処理するに当たり、該バルブの加熱可
能部分を耐熱性の無い駆動部から分離する作業、または
両者を組み付ける作業を簡単、迅速に、また安全に、且
つ組み立て時のコンタミネーションの恐れを少なくして
実施できる装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前記目的に従い、加熱滅菌処理を要するバルブ
を含む流体回路を備えた細胞培養装置において、前記各
バルブが加熱滅菌処理可能な流路部および該流路部を開
閉するための駆動部を含むとともに該流路部と駆動部が
互いに分離および組み付けされるように構成されてお
り、さらに、前記バルブの流路部を纏め支持する手段お
よび該流路部に対応させて前記駆動部を纏め支持する手
段が備わっており、該両手段は前記流路部と駆動部をそ
れぞれ纏めた状態のまま互いに分離および組み付けでき
るように相互に着脱可能に構成されていることを特徴と
する細胞培養装置を提供するものである。
前記バルブの流路部を纏め支持する手段は例えば、予め
定めた場所に着脱自在のカートリッジに構成されていて
もよい。該カートリッジには前記バルブ以外の加熱滅菌
処理を要する部品が備わっていてもよい。また、かかる
カートリッジを採用する場合、前記駆動部を纏め支持す
る手段は、前記場所に配置される前記カートリッジ上の
前記流路部に前記バルブ駆動部を組み付けことができる
位置に固定的に設けられる。
前記各バルブは流路部に対し駆動部を脱着できる種々の
タイプのものが考えられるが、例えば、ピンチバルブ、
ソレノイドバルブ、ロータリバルブを挙げることができ
る。
ピンチバルブの場合、該ピンチバルブは、弾性復元力に
より常時は開いているが挟着力を加えて挟み閉じできる
管部を含む流路部と、該流路部を開閉するための駆動部
とを備えたものとすることができる。
前記ピンチバルブにおける前記管部のうち挟み閉じされ
る部分は他の部分より肉厚に形成することができる。こ
のように肉厚に形成する場合、挟み閉じ部材に前記管部
の肉厚部が嵌合する凹所を形成し、該凹所には該管部を
閉じるとき生じる該肉厚部の変形展延部が逃げ納まる余
裕空間部を設けることができる。
〔作用〕
本発明装置によると、バルブを含む部分を加熱滅菌処理
するときには、該バルブの流路部を纏め支持した手段と
該流路部に対応する駆動部を纏め支持した手段を互いに
分離し、該流路部およびそれに接続されている管等を熱
処理する。
熱処理後は再び両支持手段を結合させる。
前記流路部を纏め支持した手段がカートリッジタイプに
構成されているときには、該カートリッジを装置の所定
場所に着脱することができる。該カートリッジ上のバル
ブ流路部および他の部品はカートリッジを例えば市販オ
ートクレーブのサイズに合わせて設計してあるときに
は、該オートクレーブにてカートリッジごと一緒に加熱
滅菌処理でき、処理後は再び当初の位置に装着できる。
〔実施例〕 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
−第1実施例− 第1図から第6図に示す流体回路や各部品は、本発明の
一実施例である動物細胞の培養に使用するホローファイ
バ型潅流培養装置のためのものである。
この潅流培養装置は、第1図に示す流体回路を次に説明
するように数グルーブに分けて纏め、それらを図示しな
いそれ自体既に知られているタイプの恒温槽に収納して
完成する。
該回路は一対のホローファイバ型培養槽1、1を有し、
各培養槽1はホローファイバ式培養に使用する多数のホ
ローファイバ(中空繊維)を用いて形成されており、培
養液はファイバの内側空間に循環し、細胞はファイバの
外側空間で培養される。
各培養槽のホローファイバ内側空間の出口11は三方口
継手T1、即脱継手Q1、溶存酸素センサDO1、pH
センサPH1、即脱継手Q2を順次介して培養液リザー
ブタンク2の上部21へ配管接続されている。なお、即
脱継手とは簡単な手動操作で迅速に脱離可能な継手であ
り、既に知られているタイプのものを含め種々のタイプ
のものを採用できる。
タンク2の底孔22は、即脱継手Q3、培養液潅流用ダ
ブルベローズポンプP1、即脱継手Q4、Q5、溶存酸
素センサDO2、pHセンサPH2、温度センサTS、
即脱継手Q6および三方口継手T2を順次介して、各培
養槽1のファイバ内側空間入口12に配管接続されてい
る。
タンク2のもう一つの底孔23は四方口継手T3、三方
口継手T4〜T6に順次接続されている。
四方口継手T3にはピンチバルブV1および即脱継手Q
7を介して新鮮培養液ボトルB1が配管接続されてお
り、三方口継手T4にはピンチバルブV2および即脱継
手Q8を介して洗浄剤収容ボトルB2が、三方口継手T
5にはピンチバルブV3及び即脱継手Q9を介して精製
水ボトルB3が、三方口継手T6にはピンチバルブV4
および即脱継手Q10を介して滅菌水ボトルB4がそれ
ぞれ配管接続されている。継手T6にはさらにピンチバ
ルブV5およびQ11を介してアルコール収容ボトルB
5が配管接続されている。
また、四方口継手T3は、ピンチバルブV6、三方口継
手T7およびピンチバルブV7を介してタンク2の上部
24に配管接続されている。
さらに、継手T7は即脱継手Q12、チユービングポン
プP2を介して回収用ボトルB6に配管接続されてい
る。
リザーブタンク2の底にサンプリング用管20が挿入さ
れ、該管は即脱継手Q13およびチユービングポンプP
3を介してサンプリング用ボトルB7に配管接続されて
いる。また、タンク2の上部には新鮮培養液供給管20
0が設けられており、該管は即脱継手Q14およびポン
プP3を介して新鮮培養液供給ボトルB8に配管接続さ
れている。
タンク2には内部にガス交換器25が設けられていると
とも、上部にレベルセンサ26が設けられている。ま
た、このタンク2はエアフィルタ27および電磁開閉弁
28を介して大気に連通できる。
前述した各ボトルには必要に応じ大気導入口にエアフィ
ルタFが接続されている。
装置全体の理解を容易にするために、ここで装置全体の
概略動作を説明する。
タンク2内の培養液は、ポンプP1により各ホローファ
イバ型培養槽1のファイバ内空間入口12へ導かれ、フ
ァイバ内を通過して出口11へ到り、再びタンク2へ戻
る。かくして各培養槽1に培養液が循環し、該培養槽に
おいて細胞の培養が行われる。
培養槽1、1を循環する培養液はセンサDO1、DO2
によって溶存酸素濃度を、センサPH1、PH2によっ
てpH値を、さらにセンサTSにて温度をそれぞれ測定
され、かくして培養液の状態が常時監視される。
タンク2内のガス交換器25は循環する培養液に酸素を
所定の濃度で提供するとともにph値を所定の値に調整
するために炭酸ガスを提供する。
循環培養液のサンプリングは、前記ポンプP3を作動さ
せることにより、タンク2底からボトルB7へ向け行う
ことができる。また、ポンプP3の作動により、同時に
ボトルB8から新鮮な培養液がサンプリング量を埋め合
わせるようにタンク2へ供給される。
第1図に示す回路は、さらに、培養液の回収および培養
槽1、1を含む潅流培養回路の洗浄、洗い、濯ぎ等の洗
浄処理を行うことができる。
今、潅流培養回路中の培養液をタンク2に集める一方、
バルブV1〜V5および7を閉じ、バルブV6を開いて
ポンプP2を運転すると、タンク2の底孔23からタン
ク内培養液が、継手T3、バルブV6および継手T7を
順次通ってボトルB6へ回収される。なお、この回収時
には電磁弁28は開かれる。
タンク2から培養液を回収したあと、バルブV6を閉じ
るとともにバルブV7を開け、電磁弁28は閉じ、ポン
プP2を運転すると、タンク2内気体がバルブV7、継
手T7、ボトルB6へ排出され、タンク2内が減圧され
る。
この状態でバルブV2〜V5の1または2以上を開くこ
とによって、ボトルB2〜B5内の必要な洗浄剤等がタ
ンク2底へ吸引され、タンク2へ吸引された液体で潅流
培養回路を洗浄処理することができる。洗浄用液を交換
して繰り返し洗浄処理を行い、あるいは最後に水で濯ぐ
等の処理を行うときには、前回の洗浄用液を前述のタン
ク内培養液回収と同様の手順でボトルB6に回収し、新
たな液をタンク2へ供給すればよい。
さて、第2図〜第6図は、即脱継手Q7〜Q14の雌雄
部分を分離することによって、ボトルB1〜B8および
ポンプP1〜P3を除外し、また、即脱継手Q1〜Q6
の雌雄部分を分離した状態にて実施例装置を示してい
る。
第1図において一点鎖線で囲まれた部分(ポンプP2、
ボトルB6は一点鎖線外)は、第2図から第6図に示さ
れている流体回路集合プレート3に搭載されている。
また、第1図において点線で囲まれたホローファイバ型
培養槽1、1は培養槽プレート4に搭載されており、二
点鎖線で囲まれたセンサはセンサプレート5に搭載され
ている。
これらプレート3、4および5は即脱金具7にて互いに
分離可能に結合されている。なお、即脱金具とは簡単な
手動操作で迅速に脱離可能な継手であり、既に知られて
いるタイプのものを含め種々のタイプのものを採用でき
る。
流体回路集合プレート3は、シリンダボックス6と即脱
金具7にて着脱自在である。各即脱金具7は雄部71と
これが脱離可能に嵌合する雌部72とからなる(第6図
参照)。
流体回路集合プレート3の平面を示す第4図からわかる
ように、該プレートにはピンチバルブV1〜V7、継手
T3〜T7、リザーブタンク2および即脱継手Q1〜Q
14が纏め配置されている。ピンチバルブについては、
より正確には、各バルブの流路部および押さえ部材が纏
め配置されている。
各ピンチバルブは第5図に示すように、プレート3上面
に設けた溝31に収納された管部71と該管部を覆う押
さえ部材72を備えている。管部71はチューブ部分7
11とこれに嵌められた肉厚部提供のための球状体71
2から成っている。
チューブ部分711は流体回路を構成する管Pと一体的
に形成されている。これら管部71および管Pはいずれ
も弾性復元性に富むシリコーンゴムから成っており、管
Pのうちバルブに近い部分はプレート3の溝31に収容
されている。
ピンチバルブの押さえ部材72は、バルブV1〜V5に
ついては一体的に帯状体70に連設されており、バルブ
V6およびV7について小片に形成されている。これら
押さえ部材はプレート3に螺子にて着脱可能に留められ
ている。
また、各押さえ部材72は、内面中央部に前記管部の球
状体712が納まる凹所721を備えている。凹所72
1は第5図から判るようにチューブ部分711の中心軸
線方向(流体が流れる方向A)において球状体712の
両側に余裕空間部722、722を備えている。このよ
うな余裕空間部は方向Aと直行する方向にはほとんど設
けられていない。
各ピンチバルブにおいて管部71の下には該管部に挟着
力を加えるための駆動部材73が配置され、該部材はエ
アーシリンダ74のピストンロッド741に支持されて
いる。なお、エアーシリンダに代えてソレノイドを採用
してもよい。
各エアーシリンダ74は前記シリンダボックス6に纏め
配置され、シリンダボックス上板61の下面に固定され
た厚肉板70に螺子等にて固定されている。前記駆動部
材73は該上板61および厚肉板70に設けた孔に遊嵌
している。
従ってエアーシリンダ74をオンしてシャフト741を
上方へ突出させると、駆動部材73が上昇して上側の対
向押さえ部材72と共に管部71を挟着する。該挟着に
より管部71の球状体712が上下から押されて変形
し、これによってチューブ部分711が挟み閉じされ
る。該挟み閉じされた部分は線や点ではなく一定の面積
範囲に広がっており、且つ流体の流れ方向に一定の長さ
にわたり、確実なシール状態を得られる。
このように流体流れ方向Aに一定の長さにわたって挟み
閉じが行われるのは、部材72および73によって球状
体712が上下から押されて変形したときに、その変形
展延部が流体流れ方向Aに直角な方向にはほとんど逃げ
ることはできないが、第5図から判るように流体流れ方
向Aについては球状体712の変形展延部が凹所721
の前後の余裕空間部722に逃げ納まることができるか
らである。
なお、このような余裕空間部はそれがA方向、それに直
交する方向のいずれに設けられていても、それなりに肉
厚部の変形が容易となるので、必要に応じ直交方向に、
または両方向に設けてもよい。
このように一定の面積にわたって管部1が閉じるので、
挟着力が分散され、該閉じた部分において従来のように
集中力が加わるということはなく、従ってバルブを閉じ
た状態から、駆動部74をオフして駆動部シャフト74
1および駆動部材73を下降させると、球状体712が
設けられている部分が、その肉厚による強い弾性復元力
に助けられて極めて速やかに且つ確実に元の状態に復帰
し、当初の流路が確保される。なお、球状体12はチュ
ーブ部分11に適当な接着剤にて接着されていてもよい
が、迅速確実な復元性を得ることができるかぎりは、必
ずしも接着の必要はない。
ピンチバルブやリザーブタンク2を備えたプレート3は
前述のとおり即脱金具7の簡単な解除操作により迅速に
シリンダボックス6から分離することができ、また、該
プレート3、培養槽プレート4およびセンサプレート5
も互いに容易に速やかに分離することができ、分離後、
各プレートを図示しないオートクレーブへ入れて蒸気加
熱滅菌処理できる。なお、該プレート3、4および5は
いずれも市販のオートクレーブ(内径300mm、深さ6
00mmに納まるように作られている。
また、滅菌処理後はプレート3、4および5を簡単迅速
に組み立てるとともにプレート3をボックス6と結合さ
せることができ、これら全体を図示しない恒温槽に収め
るとともに第1図に示す回路を完成させて培養装置とし
て運転できる。
−第2実施例− 次に第7図から第10b図に示す第2実施例装置につい
て説明する。
この実施例はカセット式潅流培養装置であり、第7図に
示すように、上部に温度調節ユニット40、下部に冷凍
機ユニット45を備え、これら両ユニットによって所定
温度に調節された空気が送風ユニット41により、ヘパ
(HEPA)フィルタ42を介して恒温エリア400へ
供給されるようになっており、該恒温エリアに第10a
図に示す流体回路が配置される。なお、恒温エリア40
0は開閉可能な扉を備えているが、第7図からは省略さ
れている。
第10a図において各符号は次の部品を指している。
SV2、SV5〜SV22…即脱継手 PV2、PV3 …ピンチバルブ PV6〜PV21…ピンチバルブ P10 …潅流用ポンプ P20 …送液用ポンプ P30 …薬液添加用ポンプ P40 …ホローファイバ内側空間培養液回収
ポンプ BT1 …廃液用ボトル、 BT2 …ホローファイバ内側空間培養液回収
用ボトル BT3 …薬液添加用ボトル BT5 …洗浄液 BT6 …純水ボトル BT7〜BT9 …培養液ボトル HF …ホローファイバ型培養槽 GE …ガス交換器 R …培養液リザーブタンク DO1、DO2 …溶存酸素センサ PH1、PH2 …pHセンサ SP …サンプリングポート。
なお、ホローファイバ型培養槽HFは一対備わっている
が第10a図には一つだけ示されている。
この回路で使用されているピンチバルブは前記第1実施
例において使用されたピンチバルブと実質上同構造のバ
ルブである。
第10a図の回路において、即脱継手SV15〜SV1
9に図上破線で示すようにピンチバルブPV19〜PV
21および即脱継手SV20〜SV22を介して洗浄液
ボトルBT5および純水ボトルBT6を接続していると
きには、培養液供給ボトルBT7〜BT9は外されてい
る。逆に培養液供給ボトルBT7〜BT9が即脱継手S
V16、SV17およびSV19にて回路に接続される
ときには、ボトルBT5およびBT6は回路から外され
る。
なお、培養液ボトルは継手SV15〜SV19の何れの
ポートに接続されてもよい。
第10a図に示す流体回路において、太線で示す矢印の
内側(第10b図参照)の部品は、第7図に示す恒温エ
リア400内に配置されたカセット式潅流培養ユニット
43に配置されている。
該ユニット最下部はピンチバルブPV2、PV3、PV
6〜PV21の各流路部(管部)を纏め配置したピンチ
バルブヘッドユニット56であり、この部分がバルブ管
部に対応するバルブ駆動部(エアシリンダ)を纏め配置
したバルブ駆動ユニット44にクランプ機構タイプの即
脱金具58に結合されている。
ユニット56はその内側にバルブの管部配置部分の上方
に空間を有し、該空間に該管部に連なる流体回路の管P
が3次元的に配置されている。なお、駆動ユニット44
は恒温エリア400の底部に固定されている。
ユニット43の側方にはポンプ固定板47が設けられて
おり、該固定板に前記流体回路におけるポンプP10〜
ポンプP40が設けられている。
以上の構成により、培養ユニット43は恒温エリア40
0に着脱自在である。
カセット式潅流培養ユニット43の詳細は第8図および
第9図に示されている。すなわち、このユニットはリザ
ーブタンクRの上下フランジ491、492、即脱継手
SV2、SV5〜SV22を配置したコネクタプレート
54の上面板53、ピンチバルブ管部を纏め支持したピ
ンチバルブヘッドユニット56の外板および複数の支柱
48で構成されるカートリッジ500に一対のホローフ
ァイバ型培養槽HF等が搭載されて構成されている。
リザーブタンクRは上部に設けられており、即脱継手S
V2、SV5〜SV22を配置したコネクタプレート5
4は下部に配置されており、最下部には前述のとおりピ
ンチバルブヘッドユニット56が設けられている。コネ
クタプレート上面板53はヒンジH、Hにより可動式培
養槽受け板52が連結されており、該板52には支柱h
fを介して一対のホローファイバ型培養槽HFが支承さ
れている。また、プレート53の後部にはガス交換器G
Eが配置されている。
培養槽受け板52はヒンジHにより板53に回動可能に
連結されているので、培養槽HFの角度を所望の状態に
設定することができる。また、培養槽受け板52はコネ
クタプレート上の即脱継手の汚染を防止するため該コネ
クタプレート54の前面を覆うように下降位置をとるこ
とができる。
溶存酸素濃度センサDO1およびPH1はア−ム48a
および48bに支承されており、該アームは一本の支柱
48に図上a方向に回動自在に支承されている。もう一
組の溶存酸素濃度センサDO2およびPH2はアーム4
8a′および48b′に支承されており、該アームは一
本の支柱48に図上b方向に回動自在に支承されてい
る。
かくしてこれらセンサは、コネクタプレート上面板53
上方より外側へ回し出して、信号線結合等の必要な作業
を容易に行うことができる。
次に、この培養装置による細胞培養について説明する。
培養を行うにあたっては、第7図に示すように、カセッ
ト式潅流培養ユニット43を恒温エリア400に装着
し、即脱継手へのポンプやボトルからの管の接続を行
い、さらにセンサ信号ケーブル等を接続して培養装置を
組み立てる。
このようにして恒温エリア400にユニット43を装着
して第10a図に示す回路を形成したあと、潅流回路
を、まず、洗浄する。
この洗浄は次のようにして行う。
即脱継手SV15〜SV19を介して回路に接続された
ボトルBT5内の洗浄液をポンプP20の運転によりタ
ンクR内へ所定量供給する。該洗浄液供給時、バルブP
V14〜PV18、PV13が開かれる。ついで潅流回
路においてポンプP10の運転により該洗浄液を回路中
に循環させる。該洗浄液の循環にあたっては、潅流回路
においてピンチバルブPV2、PV3、PV6およびP
V9を開き、他のピンチバルブを閉じ、洗浄液を第10
a図においてCCW方向に流す。
その後洗浄液をタンクRに集めるとともにポンプP20
を運転してタンクR内の洗浄液をボトルBT1へ排出す
る。該排出時には、バルブPV13を閉じ、PV12を
開く。
以上の操作を必要回数繰り返す。
その後再びボトルBT5内洗浄液をタンクR内へ所定量
供給する。次いでポンプP10を運転してタンク内洗浄
液を回路中に循環させつつ、タンクR内洗浄液をポンプ
P40の運転によりバルブPV11を介して回収ボトル
BT2へ回収する。
引き続きポンプP40を停止するとともにタンクR内洗
浄液をボトルBT1へ排出する。
次に回路に接続されたボトルBT6内の純水をポンプP
20の運転によりタンクR内へ所定量注入し、該純水を
ポンプP10の運転により回路中に循環させる。しかる
のちタンクRから該使用済純水をボトルBT1へ排出す
る。このような純水の注入と排出を必要回数繰り返し、
潅流回路を濯ぎ洗いする。
その後再びボトルBT6から純水をタンクRへ供給しつ
つ且つ潅流回路において該純水を循環させつつポンプP
40を運転してタンクR内の純水をボトルBT2へ回収
する。該操作を所定時間続けたあとはポンプP40を停
止し、潅流回路からタンクRを介してボトルBT1へ純
水を排出し、かくして洗浄工程を終了する。
次いで培養ユニット43を取り出し、該ユニットをオー
トクレーブで加熱滅菌処理するとともにボトル類、ポン
プヘッド等の交換部品についても必要に応じオートクレ
ーブにて加熱滅菌処理する。
この滅菌処理はユニット43が耐熱性を有し、しかも培
養装置回路の殆どの部分を備えているので、安全且つ容
易に行うことができる。なお、本例の場合、ユニット4
3は市販のオートクレーブ(内容積:内径300mm:深
さ600mm以上)に挿入できるサイズに構成されている
ので、その点でも滅菌処理が容易である。
このようにして、事前の滅菌処理が終了すると、ユニッ
ト43を再び恒温エリア400にセットし、即脱継手へ
のポンプ、ボトルからの管の接続、センサ信号ケーブル
等の接続等を行って培養装置を組み立てる。
次いでリザーブタンクRへ培養液を注入する。
培養液注入は次のようにして行う。
まず、即脱継手SV16を介して回路へ培養液供給ボト
ルBT7を接続し、ピンチバルブPV13およびPV1
5を開くとともにポンプP20を運転してボトルBT7
から新鮮な培養液をリザーブタンクRへ所定量注入す
る。
その後ホローファイバ型培養槽HFを用いて所望の培養
を行う。該培養工程では、ピンチバルブPV2、PV
3、PV6およびPV9を開き、他のピンチバルブは閉
じ、ポンプP10を運転する。ポンプP10の運転によ
りリザーブタンクR内の培養液は潅流回路を図上CCW
方向に流れる。すなわち培養液はポンプP10、ガス交
換器GE、pHセンサph1、溶存酸素センサDO1、
ピンチバルブPV2を経てホローファイバ型培養槽HF
のホローファイバ外側空間および内側空間を流れ、その
あとピンチバルブPV3、溶存酸素センサDO2、pHセ
ンサPH2を順次経て再びリザーブタンクRへ戻るよう
に循環する。
ホローファイバ内側空間を流れる培養液の回収は次のよ
うに行う。
すなわち、培養液を培養槽HFにCCW方向に循環させ
つつ、バルブPV11を開けてポンプP40を運転し、
タンクR内の培養液を回収ボトルBT2へ回収する。一
方、即脱継手SV19にて回路へ接続したボトルBT8
内の培養液をポンプP20の運転によりピンチバルブP
V18およびPV13を介してタンクR内へ供給する。
この培養液の供給はボトルBT2への培養液回収を補う
ものである。
次に薬液の添加につき説明すると、ボトルBT3内の薬
液を添加するにあたっては、潅流回路における培養液の
CCW方向への循環を行いつつ、バルブPV10を開け
てポンプP30を運転し、ボトルBT3内の薬液をタン
クR内へ供給する。
最後に、潅流回路からの培養液の排出につき説明する
と、ポンプP10を潅流培養時とは逆方向に運転して培
養液を図上CW方向に流すともにピンチバルブPV6、
PV9を閉じ、代わりにピンチバルブPV7およびPV
8を開ける。勿論ピンチバルブPV1〜PV4は開けて
おく。さらに、ピンチバルブPV2を開けるとともにポ
ンプP20を運転してリザーブタンク内培養液を廃液ボ
トルBT1へ排出する。
前記両実施例によると、 加熱滅菌処理を要するピンチバルブの管部をこれに連
なる流体回路部品とともに集約配置し、かつ該管部をピ
ンチバルブ駆動部に対し着脱容易にしたので、加熱処理
を要する一連の部品がグループ的に一体的に纏まり、加
熱滅菌処理時の脱着を容易に行えるとともに、加熱滅菌
処理自体も容易に行える、 ピンチバルブの管部をこれに連なる流体回路部品とと
もに集約配置し、かつ該管部をピンチバルブ駆動部に対
し着脱容易にしたので、配管効率がよく、いわゆるデッ
ドボリュームを少なくでき、全体をコンパクトにまとめ
ることができる。
加熱滅菌処理後の再組み立て作業も手数少なく行える
のでそれだけ再汚染のおそれが少なくなる、 シリコンチューブ等の破損し易い部品が、流体回路集
合プレートやカートリッジに集約され保護されるので、
脱着作業中の破損による汚染の危険性が少ない、 特に前記カセット式の場合、脱着作業を行うべき部分
が殆どないので、省力化を図ることができるとともに汚
染の危険性が非常に少なくなる。
〔発明の効果〕
本発明によると、加熱滅菌処理を要するバルブを含む流
体回路を備えた細胞培養装置において、前記バルブを含
む部分を加熱滅菌処理するにあたり、該バルブの加熱可
能部分を耐熱性の無い駆動部から分離する作業、または
両者を組み付ける作業を簡単、迅速に、また安全に、且
つ組み立て時の再汚染のおそれ少なく実行でき、従って
また、バルブの着脱作業を考慮してバルブ数を制限する
必要がなく、それだけ流体回路設計の自由度も増す細胞
培養装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第6図は本発明の第1実施例を示すもので、
第1図は潅流培養装置の流体回路図、第2図は培養装置
の主要部の正面図、第3図は第1図のA−A線に沿う断
面図、第4図は流体回路集合プレートの平面図、第5図
は第4図のB−B線に沿う断面図、第6図は流体回路集
合プレートとシリンダボックスを分離した状態の側面図
である。第7図から第10b図は本発明の第2実施例を
示すもので、第7図は恒温エリアを開閉する表扉を省略
した状態の正面図、第8図はカセット式潅流培養ユニッ
トの正面図、第9図は第8図にC−C線に沿う断面図、
第10a図は流体回路図、第10b図はカセット式潅流
培養ユニット搭載部分を示すための説明図である。第1
1図及び第12図はそれぞれ従来ピンチバルブの説明図
である。 V1〜V7…ピンチバルブ 71…ピンチバルブの管部 72…ピンチバルブの押さえ部材 73…駆動部材 74…エアシリンダ 3…流体回路集合プレート 4…培養槽プレート 5…センサプレート 6…シリンダボックス 7…即脱金具 PV2,PV3、PV6〜PV21…ピンチバルブ 500…カートリッジ 43…カセット式潅流培養ユニット 56…ピンチバルブヘッドユニット 44…バルブ駆動ユニット 58…即脱金具

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱滅菌処理を要するバルブを含む流体回
    路を備えた細胞培養装置において、前記各バルブが加熱
    滅菌処理可能な流路部および該流路部を開閉するための
    駆動部を含むとともに該流路部と駆動部が互いに分離お
    よび組み付けされるように構成されており、さらに、前
    記バルブの流路部を纏め支持する手段および該流路部に
    対応させて前記駆動部を纏め支持する手段が備わってお
    り、該両手段は前記流路部と駆動部をそれぞれ纏めた状
    態のまま互いに分離および組み付けできるように相互に
    着脱可能に構成されていることを特徴とする細胞培養装
    置。
  2. 【請求項2】前記バルブの流路部を纏め支持する手段は
    予め定めた場所に着脱自在のカートリッジに構成されて
    いるとともに前記バルブ以外の加熱滅菌処理を要する部
    品も備えており、前記バルブの駆動部を纏め支持する手
    段は前記場所に配置される前記カートリッジ上の前記流
    路部に該駆動部を組み付けできる位置に固定されている
    請求項1記載の細胞培養装置。
  3. 【請求項3】前記各バルブはピンチバルブであり、該ピ
    ンチバルブは、弾性復元力により常時は開いているが挟
    着力を加えて挟み閉じできる管部を含む流路部と、前記
    流路部を開閉するための駆動部とを備えている請求項1
    または2記載の細胞培養装置。
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