JPH065999Y2 - 高速艇 - Google Patents
高速艇Info
- Publication number
- JPH065999Y2 JPH065999Y2 JP9260788U JP9260788U JPH065999Y2 JP H065999 Y2 JPH065999 Y2 JP H065999Y2 JP 9260788 U JP9260788 U JP 9260788U JP 9260788 U JP9260788 U JP 9260788U JP H065999 Y2 JPH065999 Y2 JP H065999Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chine
- speed boat
- speed
- bow
- boat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)
- Hydraulic Turbines (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、高速艇に関するものである。
[従来の技術] 高速艇の船型について、推進性能および凌波性能の両面
を考慮して、従来から実験的に開発、改良が重ねられて
きた。これらの開発は、排水量型の高速艇の船型開発と
滑走型の高速艇の船型開発とに大別される。
を考慮して、従来から実験的に開発、改良が重ねられて
きた。これらの開発は、排水量型の高速艇の船型開発と
滑走型の高速艇の船型開発とに大別される。
第7図は排水量型の高速艇の船型の一例を示す正面線
図、第8図は滑走型の高速艇の一例を示す線図である。
第7図に示すように、排水量型の高速艇の船型の場合、
ビルジ部5が丸型になっているのに対し、第8図に示す
滑走型の高速艇の船型の場合、ビルジ部6にチャイン7
が形成されている。チャイン7は高速航走時に発生する
スプレーが船体表面に沿って上昇するのを防止する。こ
のように、滑走型の高速艇はチャインを有するのが普通
であり、そのチャイン位置は船首部で高く、船尾部で低
くなっている。
図、第8図は滑走型の高速艇の一例を示す線図である。
第7図に示すように、排水量型の高速艇の船型の場合、
ビルジ部5が丸型になっているのに対し、第8図に示す
滑走型の高速艇の船型の場合、ビルジ部6にチャイン7
が形成されている。チャイン7は高速航走時に発生する
スプレーが船体表面に沿って上昇するのを防止する。こ
のように、滑走型の高速艇はチャインを有するのが普通
であり、そのチャイン位置は船首部で高く、船尾部で低
くなっている。
[考案が解決しようとする課題] 第7図に示す排水量型の高速艇においては、高速航走時
に船側に沿って水面が盛り上がるために浸水表面積が増
大し、これにより摩擦抵抗が増大するという欠点があっ
た。
に船側に沿って水面が盛り上がるために浸水表面積が増
大し、これにより摩擦抵抗が増大するという欠点があっ
た。
第8図に示す滑走型の高速艇においては、ビルジ部6に
チャイン7を形成することによって、船側に沿って盛り
上がる水面を船体表面から剥離させ、これにより摩擦抵
抗の増大を防止している。
チャイン7を形成することによって、船側に沿って盛り
上がる水面を船体表面から剥離させ、これにより摩擦抵
抗の増大を防止している。
しかしながら、従来の滑走型の高速艇は、チャイン7の
高さが船首部で高く船尾部で低くなっているため、船体
表面に作用する水圧力Pは正の圧力であり、第9図の船
首における水圧の作用方向に関する説明図に示すよう
に、水圧によって船体表面に作用する力の船長方向成
分Fxは船尾方向を向き、抵抗となるという欠点があっ
た。8はキール、9は船首部を示す。
高さが船首部で高く船尾部で低くなっているため、船体
表面に作用する水圧力Pは正の圧力であり、第9図の船
首における水圧の作用方向に関する説明図に示すよう
に、水圧によって船体表面に作用する力の船長方向成
分Fxは船尾方向を向き、抵抗となるという欠点があっ
た。8はキール、9は船首部を示す。
従って、この考案の目的は、高速航走時に受ける水の抵
抗が少なく、高速性および省エネ効率に優れた高速艇を
提供することにある。
抗が少なく、高速性および省エネ効率に優れた高速艇を
提供することにある。
[課題を解決するための手段] この考案は、両船側のビルジ部の各々にチャインを有す
る高速艇において、前記チャインは、船首から船尾に向
けて全長にわたって上方に向けて緩やかに彎曲した弓型
形状であり、且つ、その中央部が静止水面よりも上方に
位置し、その船首部および船尾部が前記静止水面近傍に
位置し、さらに前記チャインの断面が上方に向けて彎曲
した形状であることに特徴を有するものである。
る高速艇において、前記チャインは、船首から船尾に向
けて全長にわたって上方に向けて緩やかに彎曲した弓型
形状であり、且つ、その中央部が静止水面よりも上方に
位置し、その船首部および船尾部が前記静止水面近傍に
位置し、さらに前記チャインの断面が上方に向けて彎曲
した形状であることに特徴を有するものである。
次にこの考案の高速艇を図面を参照しながら説明する。
本考案の高速艇においては、高速航走時に水面が船側に
沿って盛り上がることによる摩擦抵抗の増大を防ぐため
に、ビルジ部に所定形状のチャインを形成させるもので
ある。
本考案の高速艇においては、高速航走時に水面が船側に
沿って盛り上がることによる摩擦抵抗の増大を防ぐため
に、ビルジ部に所定形状のチャインを形成させるもので
ある。
第1図はこの考案の高速艇の一実施態様を示す側面図、
第2図は第1図のA−A線断面図である。船体1の両船
側のビルジ部3の各々には、チャイン2が設けられてい
る。
第2図は第1図のA−A線断面図である。船体1の両船
側のビルジ部3の各々には、チャイン2が設けられてい
る。
チャイン2は、船体1の船首1aから船尾1bに向けて
全長にわたって上方に向けて緩やかに彎曲した弓型形状
を有している。
全長にわたって上方に向けて緩やかに彎曲した弓型形状
を有している。
チャイン2の中央部のチャイン高さは、静止水面4の上
方に位置している。さらに、チャイン2の船首部のチャ
イン高さは静止水面4とほぼ同じ高さに、船尾部のチャ
イン高さは静止水面4中にそれぞれ位置している。
方に位置している。さらに、チャイン2の船首部のチャ
イン高さは静止水面4とほぼ同じ高さに、船尾部のチャ
イン高さは静止水面4中にそれぞれ位置している。
さらに、チャイン2の断面2aは、第2図に示すように
上方に向けて彎曲した形状を有している。チャイン2の
断面2aをこのような形状に形成したのは、航走時に盛
り上がった水を確実に捕捉するためである。従って、チ
ャイン2の断面2aの形状は、上方に向けて彎曲した形
状とするべきである。
上方に向けて彎曲した形状を有している。チャイン2の
断面2aをこのような形状に形成したのは、航走時に盛
り上がった水を確実に捕捉するためである。従って、チ
ャイン2の断面2aの形状は、上方に向けて彎曲した形
状とするべきである。
このようなチャイン2は、船体1の航走中に盛り上がる
水面の高さよりも低い位置に設け、且つ、その彎曲のカ
ーブは滑らかで変曲点がないように形成することが好ま
しい。
水面の高さよりも低い位置に設け、且つ、その彎曲のカ
ーブは滑らかで変曲点がないように形成することが好ま
しい。
また、この考案の高速艇の船体1の断面形状は、高速艇
の船型として高速航走に相応しい逆オメガ型とすること
が好ましい。
の船型として高速航走に相応しい逆オメガ型とすること
が好ましい。
[作用] 第3図はこの考案の高速艇の航走時におけるチャイン部
の水の流れを示す説明図、第4図はチャイン部にかかる
水圧の作用方向を示す説明図である。
の水の流れを示す説明図、第4図はチャイン部にかかる
水圧の作用方向を示す説明図である。
第3図に示すように、この考案の高速艇が高速で航走す
ると船体1の船首部1aから中央部に向けて盛り上がる
波は、実線矢印に示すようにチャイン2によって捕捉さ
れる。そして、捕捉された波は、チャイン2の断面が上
方に向けて彎曲した形状のため、鎖線矢印に示すように
船尾1b側に向けて下向きに押し流される。
ると船体1の船首部1aから中央部に向けて盛り上がる
波は、実線矢印に示すようにチャイン2によって捕捉さ
れる。そして、捕捉された波は、チャイン2の断面が上
方に向けて彎曲した形状のため、鎖線矢印に示すように
船尾1b側に向けて下向きに押し流される。
この結果、第4図に示すように船首部1aのチャイン2
には実線矢印に示すように正の水圧Pが作用する。そし
て、チャイン2が船体1の中央部から船尾1bに向けて
傾斜しているため、水圧Pによって船体1に作用する力
Fの船長方向成分Fxは船首1a向きとなり、推力とし
て作用する。
には実線矢印に示すように正の水圧Pが作用する。そし
て、チャイン2が船体1の中央部から船尾1bに向けて
傾斜しているため、水圧Pによって船体1に作用する力
Fの船長方向成分Fxは船首1a向きとなり、推力とし
て作用する。
一方、船尾部1bのチャイン2は、水流の方向に沿う様
に形成されているので、抵抗は殆どなく摩擦力が作用す
るだけである。
に形成されているので、抵抗は殆どなく摩擦力が作用す
るだけである。
この結果、従来の高速艇よりも抵抗を減少させることが
できる。
できる。
[実施例] 次にこの考案の高速艇を実施例によって説明する。第5
図はこの考案の一実施例を示す正面線図である。第5図
に示すように、ビルジ部3にはチャイン2が形成されて
おり、チャイン2は船体中央部で静止水面4上に露出し
ており、船首および船尾に向って緩やかに傾斜する形状
となっている。また、チャイン2は上方に向けて彎曲し
た断面形状を有している。チャイン2はこれにより船首
部から船側に沿って盛り上がってくる波を効果的に捕捉
し、下向き後方に送り出すことを可能としている。第5
図に示す船型の本考案の模型船を製作した。
図はこの考案の一実施例を示す正面線図である。第5図
に示すように、ビルジ部3にはチャイン2が形成されて
おり、チャイン2は船体中央部で静止水面4上に露出し
ており、船首および船尾に向って緩やかに傾斜する形状
となっている。また、チャイン2は上方に向けて彎曲し
た断面形状を有している。チャイン2はこれにより船首
部から船側に沿って盛り上がってくる波を効果的に捕捉
し、下向き後方に送り出すことを可能としている。第5
図に示す船型の本考案の模型船を製作した。
そして、本考案の模型船を使用して平水中における抵抗
試験を実施し、その結果を第6図のグラフに示した。第
6図において、本考案の模型船の試験の結果は○印で示
した。なお、試験時の模型船の初期トリムは0.0°であ
った。
試験を実施し、その結果を第6図のグラフに示した。第
6図において、本考案の模型船の試験の結果は○印で示
した。なお、試験時の模型船の初期トリムは0.0°であ
った。
比較用として、本考案の模型船の船長、船幅および排水
量が同一の従来の滑走型高速艇の抵抗試験の結果を併せ
て第6図に破線によって示した。
量が同一の従来の滑走型高速艇の抵抗試験の結果を併せ
て第6図に破線によって示した。
第6図に示すように、例えば、Fn=1.0近傍に着目し
て比較すると、本考案の模型船の抵抗は、従来の滑走型
高速艇よりも約17%少なく、本考案の模型船が従来型
より抵抗が少ないことが実証された。
て比較すると、本考案の模型船の抵抗は、従来の滑走型
高速艇よりも約17%少なく、本考案の模型船が従来型
より抵抗が少ないことが実証された。
[考案の効果] 以上説明したように、この考案の高速艇は、高速航走時
の水の抵抗が従来の高速艇よりも少ないので、航走速度
をより高めることができ、さらに燃料も節約できる等産
業上有用な効果をもたらすことができる。
の水の抵抗が従来の高速艇よりも少ないので、航走速度
をより高めることができ、さらに燃料も節約できる等産
業上有用な効果をもたらすことができる。
第1図はこの考案の高速艇の一実施態様を示す側面図、
第2図は第1図のA−A線断面図、第3図はこの考案の
高速艇の航走時におけるチャイン部の水の流れを示す説
明図、第4図はチャイン部にかかる水圧の作用方向を示
す説明図、第5図は一実施例を示す正面線図、第6図は
平水中の抵抗試験の結果を示すグラフ、第7図は従来の
排水量型高速艇の船型の一例を示す正面線図、第8図は
従来の滑走型高速艇の船型の一例を示す線図、第9図は
第8図に示す高速艇の船首における水圧の作用方向に関
する説明図である。同図において、 1……船体、 1a……船首または船首部、 1b……船尾または船尾部、 2……チャイン、 2a……断面、 3……ビルジ部、 4……静止水面、 5,6……ビルジ部、 7……チャイン、 8……キール、 9……船首部。
第2図は第1図のA−A線断面図、第3図はこの考案の
高速艇の航走時におけるチャイン部の水の流れを示す説
明図、第4図はチャイン部にかかる水圧の作用方向を示
す説明図、第5図は一実施例を示す正面線図、第6図は
平水中の抵抗試験の結果を示すグラフ、第7図は従来の
排水量型高速艇の船型の一例を示す正面線図、第8図は
従来の滑走型高速艇の船型の一例を示す線図、第9図は
第8図に示す高速艇の船首における水圧の作用方向に関
する説明図である。同図において、 1……船体、 1a……船首または船首部、 1b……船尾または船尾部、 2……チャイン、 2a……断面、 3……ビルジ部、 4……静止水面、 5,6……ビルジ部、 7……チャイン、 8……キール、 9……船首部。
Claims (2)
- 【請求項1】両船側のビルジ部の各々にチャインを有す
る高速艇において、前記チャインは、船首から船尾に向
けて全長にわたって上方に向けて緩やかに彎曲した弓型
形状であり、且つ、その中央部が静止水面よりも上方に
位置し、その船首部および船尾部が前記静止水面近傍に
位置し、さらに、前記チャインの断面が、上方に向けて
彎曲した形状であることを特徴とする高速艇。 - 【請求項2】前記チャインは、航走によって盛り上がる
水面の高さよりも低い位置に設けられたことを特徴とす
る請求項1記載の高速艇。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9260788U JPH065999Y2 (ja) | 1988-07-13 | 1988-07-13 | 高速艇 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9260788U JPH065999Y2 (ja) | 1988-07-13 | 1988-07-13 | 高速艇 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0213895U JPH0213895U (ja) | 1990-01-29 |
JPH065999Y2 true JPH065999Y2 (ja) | 1994-02-16 |
Family
ID=31317041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9260788U Expired - Lifetime JPH065999Y2 (ja) | 1988-07-13 | 1988-07-13 | 高速艇 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH065999Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5143510B2 (ja) * | 2007-09-11 | 2013-02-13 | 国好 笹山 | 船体構造 |
-
1988
- 1988-07-13 JP JP9260788U patent/JPH065999Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0213895U (ja) | 1990-01-29 |
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