JPH0658210U - 高粘性液体の減圧装置 - Google Patents

高粘性液体の減圧装置

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JPH0658210U
JPH0658210U JP574493U JP574493U JPH0658210U JP H0658210 U JPH0658210 U JP H0658210U JP 574493 U JP574493 U JP 574493U JP 574493 U JP574493 U JP 574493U JP H0658210 U JPH0658210 U JP H0658210U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱による高粘性液体の変質を生じない高粘
性液体の減圧装置を提供すること。 【構成】 高粘性液体5が流入する流入管31と,高粘
性液体5が流出する流出管35と,上記流入管31から
分岐した小径で長尺の減圧細管11〜13と,減圧細管
11〜13と流出管35とを連結する連通バルブ21〜
23とを有する高粘性液体5の減圧装置10である。連
通バルブ21〜23は減圧細管11〜13の端部に1個
又は適当な間隔を置いて複数個設けてあり,各連通バル
ブは別個に開閉可能である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は,高粘性液体の減圧装置に関するものであり,特に高粘性液体の発熱 による変質の起こりにくい減圧装置に関する。
【0002】
【従来技術】
高粘性液体,例えばエンビゾル,シーラ等をその供給先へ配管輸送する場合, その途中において圧力を減少させる場合がある。 このような減圧装置としては,減圧弁やオリフィスなど,流路を急峻に絞りこ む部材が用いられている。 減圧弁は,入口側の流量や圧力にかかわりなく出口側圧力を入口側圧力よりも 低い圧力に調整する圧力制御弁である。また,オリフィスは流路を狭窄して圧力 を減ずる作用をするものである。
【0003】
【解決しようとする課題】
しかしながら,従来の高粘性液体の減圧装置には次のような問題がある。 即ち,減圧弁を用いるにしても,オリフィスを用いるにしても,高粘性液体の 流路の内径を急峻に絞りこむため,部分的な流速の上昇が生ずる。 このため高粘性液体と管路の間の摩擦熱が集中的に発生し,高粘性液体にゲル 化や固着等の変質が生じ,流路詰まりや管路の摩耗等が発生するという問題があ る。 本考案は,このような従来装置の問題点に鑑み,集中的な発熱により高粘性液 体を変質させることのない,高粘性液体の減圧装置を提供しようとするものであ る。
【0004】
【課題の解決手段】
本考案は,高粘性液体が流入する流入管と,高粘性液体が流出する流出管と, 上記流入管から分岐した小径で長尺の減圧細管と,該減圧細管と上記流出管とを 連結する連通バルブとを有する高粘性液体の減圧装置であって,上記連通バルブ は上記減圧細管の端部に1個,又は上記減圧細管の途中に適当な間隔を置いて複 数個設けてあり,各連通バルブは別個に開閉可能となっていることを特徴とする 高粘性液体の減圧装置にある。
【0005】 本考案において,最も注目すべきことは,小径で長尺の減圧細管を流入管から 分岐させてあり,該減圧細管と流出管とを連通バルブによって連結したことであ る。 上記連通バルブは,減圧細管の端部に1個又は減圧細管の途中に複数個設ける 。連通バルブの下流側は流出管に連結されている。
【0006】 なお,減圧細管の長さ及び径は,高粘性液体の種類,流量,減圧の大きさ等に よって適宜選定するものであり,特に一定値以上の長さ又は一定値以下の小径と 限定されるものではない。 また,減圧細管は,実施例に示すごとくU字状とすることが好ましい。これに より,流通抵抗を一層増大させて,管の設置幅を短くして減圧効果を向上させる ことができる。
【0007】
【作用及び効果】
本考案の減圧装置においては,高粘性液体は流入管から減圧細管を流れて,連 通バルブを経て流出管に達する。そして,高粘性液体は小径で長尺の上記減圧細 管において減圧される。 本考案の減圧装置においては,高粘性液体は小径で長尺の減圧細管において徐 々に減圧されるから,従来装置のように急峻な絞りによる集中的な発熱は生じな い。従って,高粘性液体には発熱による変質を生ずることがなく,流路詰まり等 がなくなりスムースな減圧作用を得ることができる。
【0008】 また,減圧細管中に間隔をおいて連通バルブを複数個設けておき,減圧細管に おける高粘性液体の流路長を連通バルブの開閉により変更することができる。こ うすることにより,減圧値を変えることのできる減圧装置を得ることができる。 上記のように,本考案によれば,集中的な発熱により高粘性液体を変質させる ことのない,高粘性液体の減圧装置を提供することができる。
【0009】
【実施例】
本考案の実施例にかかる高粘性液体の減圧装置について,図1を用いて説明す る。 本例は,図1に示すように,高粘性液体5であるポリ塩化ビニル(PVC)が 流入する流入管31と,高粘性液体5が流出する流出管35と,上記流入管31 から分岐した小径で長尺の減圧細管11〜13と,該減圧細管11〜13と上記 流出管35とを連結する連通バルブ21〜23とを有する高粘性液体5の減圧装 置10である。 上記連通バルブ21〜23は,減圧細管11〜13に間隔を置いて3個設けて あり,各連通バルブ21〜23は別個に開閉可能である。
【0010】 以下それぞれについて詳説する。 本例の高粘性液体5はPVCであり,その比重は1.46(比重量γ=146 0kg/m3 )で粘性係数μは0.06kg・S/m2 である。押出機41から 押出された高粘性液体5は,流入弁311から流入管31に流入し,流出管35 から流出弁351を経てPVCタンク42に収容される。 そして,流入管31からT形継手341を経て分岐する小径で長尺の3本のU 字状の減圧細管11〜13が設けられている。上記U字状の第1〜第3減圧細管 11〜13の内径dは2mmであり,それぞれの管長Lは630mmである。
【0011】 一方,流出管35は内径が約12mmの中径の戻し管361〜363と連結さ れており,該戻し管361〜363は,上記減圧細管11〜13の後端111〜 131と連通バルブ21〜23によって連結されている。 また,上記流入管31と流出管35とを直結する大径のバイパス管32を設け てあり,該バイパス管32には流路を断続するバイパス弁33が設けてある。
【0012】 次に本例の減圧装置10の作用効果について述べる。 流入管31と流出管35とを大径のバイパス管32によって連通させるときは ,高粘性液体5は減圧することなく大量に流通させることができる。 一方,バイパス弁33を遮断して,連通バルブ21〜23のいずれかを開放す れば,減圧細管11〜13を通して,流入管31から流出管35へ高粘性液体5 が流通する。そして,減圧細管11〜13にて高粘性液体5が減圧される。
【0013】 高粘性液体5の流量Qを600ml/minとしたときの減圧細管11〜13 の1本当たりの圧損(減圧)は次のようになる。 高粘性液体5であるPVCの流速VはV=Q/A(Aは管の断面積)であり, 減圧細管11〜13の内径dは2mmであるから,流速Vは3.2m/Sである 。 また,高粘性液体5の密度ρとすれば,ρ=γ/g(gは重力の加速度)であ り,動粘性係数ν=μ/ρ=gμ/γとなる。そして比重量γは前記のように1 460kg/m3 であるから,PVCの動粘性係数νは4×10-42 /Sであ る。
【0014】 したがって,PVCのレイノルズ数Rは,R=Vd/νより16となる。 上記レイノルズ数Rは臨界レイノルズ数である2300より小さいから,上記 流れは層流である。流れが層流のときは,流体摩擦係数λは,λ=64/Rより ,λ=4である。 一方,減圧細管11〜13の一本当たりの損失水頭をhとすれば,1本当たり の圧力損失ΔPはγhである(ΔP=γh)。
【0015】 そして,損失水頭hは,次式で示される(但しLは減圧細管の一本当たりの長 さ)。 h=λ・L/d・V2 /2g 従って,減圧細管1本当たりの圧力損失ΔPは次式により96.1kg/cm 2 となる。 ΔP=γλ・L/d・V2 /2g=96.1kg/cm2
【0016】 第1連通バルブ21を開放し,第2,第3連通バルブ22,23を遮断すれば ,上記のように96.1kg/cm2 の圧力損失(減圧)を得ることができる。 同様に第2連通バルブ22を開放して他の連通バルブ21,23を遮断すれば ,192.2kg/cm2 の減圧を,第3連通バルブ23を開放して,他の連通 バルブ21,22を遮断すれば,288.3kg/cm2 の減圧を得ることがで きる。
【0017】 そして,本例の減圧装置10によれば,高粘性液体5を急峻に絞るようなこと はないから,従来装置のような集中的な発熱が高粘性液体5に生ずることがない 。したがって,高粘性液体5の発熱による変質によって,流路に不具合を生ずる ようなことはない。
【0018】 また,減圧細管11〜13の長さを変えれば減圧値を変えることができる。そ して,減圧細管11〜13の長さは連通バルブ21〜23を減圧細管11〜13 中の適当な位置に設けることにより適宜変更することができる。 上記のように,本例の減圧細管によれば,集中的な発熱を発生させて高粘性液 体を変質させることなく,また減圧値を適宜変更することのできる高粘性液体の 減圧装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の減圧装置の説明図。
【符号の説明】
10...減圧装置, 11〜13...減圧細管, 21〜23...連通バルブ, 31...流入管, 35...流出管, 5...高粘性液体,

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高粘性液体が流入する流入管と,高粘性
    液体が流出する流出管と,上記流入管から分岐した小径
    で長尺の減圧細管と,該減圧細管と上記流出管とを連結
    する連通バルブとを有する高粘性液体の減圧装置であっ
    て, 上記連通バルブは上記減圧細管の端部に1個,又は上記
    減圧細管の途中に適当な間隔を置いて複数個設けてあ
    り,各連通バルブは別個に開閉可能となっていることを
    特徴とする高粘性液体の減圧装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007175631A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Taikisha Ltd 塗料供給設備
JP2014514504A (ja) * 2010-12-28 2014-06-19 ヴェルサリス ソシエタ ペル アチオニ 流体を減圧するための方法及びその目的に適した装置

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