JPH0657218B2 - 結紮クリツプ及びクリツプ適用器具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は結紮クリップに関し、更に詳細には生物学的適
合性を有する重合体材料から製造され且つ広い靭帯、結
腸腸間膜及び類似の導管結合組織の如き導管組織の結紮
に試用するための大きい寸法を有する結紮クリップに関
する。

発明の背景 多くの外科的処置の際に、その外科領域内で複数の血管
を結紮することがしばしば必要である。次いで血管を結
紮部分の下流で切断することができる。血管を結紮する
主たる理由はその外科領域を過剰の血液がないように維
持しそして患者の血液の損失を減少せしめることであ
る。一般に、これらの血管の多くは個々の血管即ち結合
する組織から容易に切り裂き得る血管であり従ってその
血管を遮断するために血管の周りに小さい結紮クリップ
を置くことができる。かかるクリップは、それが金属ク
リップ又は重合体クリップのいずれであっても、外科医
が血管をむすぶために用いる縫合糸の代替物として用い
られる。かかる縫合糸をクリップに置換すると勿論血管
を遮断するための消費時間が減少する。一般に、金属製
のクリップはタンタル又はステンレス鋼から成形された
狭いＵ字型又はＶ字型のストリップであり、それは変形
することができ且つ血管の周りにクリップの変形を維持
するに充分な強度を有する。又ある場合には、クリップ
は吸収性又は非吸収性の重合体材料から作られ、そして
一端に弾性蝶番を有し他端にある種の相互固定機構を有
するように成形される。かかる金属製又はプラスチック
製クリップの例は米国特許第３，８６７，９４４号、同
第３，６３１，７０７号、同第３，４３９，５２３号、
同第３，４３９，５２２号、同第３，３６３，６２８
号、同第３，２７０，７４５号、同第４，４４９，５３
１号及び同第４，４７６，８６５号に示されている。一
般に、止血又は結紮クリップは患者に植めこまれる異質
の材料をできるだけ最小に維持するため小さい即ちミク
ロの寸法を有する。

米国特許第３，９２６，１９５号に人間の卵管又は精管
を一時的又は永久に閉鎖するように設計されたプラスチ
ック製クリップが記載されている。これらのクリップは
長さ６〜１０mm、幅３〜６mmのクランプ表面を有する。

上述のクリップのすべては個々の血管又は管を閉鎖する
ために用いることができるが、ある種々の処置法では導
管系を遮断するために個々のクリップを使用できないよ
うな組織内に導管系が組込まれている。たとえば、子宮
摘出の際には、一般に広い靭帯と称する導管結合組織に
よって子宮の一部が所定位置に保持される。この広い靭
帯は全く導管である二つ折りの組織からなる。即ち広い
靭帯の中又はその周りに配置された血液を運ぶ多くの血
管を有する。この靭帯は長さ８〜１０cm、幅数cmである
ことができる。子宮摘出を行なう際に子宮の各側上の広
い靭帯を結び又は閉鎖しなければならない。即ち広い靭
帯の導管系にわたって止血を達成しなけらばならない。
過去には、これは一般に外科医が広い靭帯の増分をその
幅を横切って押し込み、その押込まれた部分を適当な縫
合糸を用いて結ぶことによって達成された。これは時間
を要する方法である。組織の束ねられた肉茎と結合した
この外傷性クランプはこの領域を腹部付着に導くかも知
れない。止血即ち組織内に配置された導管系の結びを必
要とし、そして個々の血管を切り裂き且つ結紮すること
ができず、系全体を結紮しなければならないような他の
多く外科的処置法がある。これらは虫垂切除、内臓切除
等である。

本発明の目的は組織に接続され又は組織を通過する導管
系に試用することができる結紮クリップを提供すること
である。本発明の目的は、金属製クランプによるような
組織の圧死、ステープルによるような外傷性穿孔を生ず
ることなくそして縫合糸によるような束になた肉茎を排
除する止血圧の平坦な線を提供することである。本発明
の目的は、周囲の組織から血管を切り裂く必要なしに使
用することができる結紮クリップを提供することであ
る。本発明の他の目的は、周囲の組織を刺激せず又は外
傷を生じないように導管組織系を閉鎖するためのクリッ
プを提供することである。本発明の他の目的は、一旦ク
リップが閉じられるとクランプ表面の横の動きが最小で
あるうよなクリップを提供することである。本発明の他
の目的は、Ｘ線、ＣＴスキャニング等の将来の診断技術
を妨害しないようなクリップを提供することである。本
発明の他の目的は、経済的に製造できる導管組織の閉鎖
に使用するためのクリップを提供することである。本発
明の更に他の目的は、かかるクリップを導管組織に適用
するための器具を提供することである。

発明の概要 本発明は導管組織内の血液の流れを閉鎖又は停止する際
に使用する無菌で生物学的適合性を有するクリップを提
供する。該クリップは第１の脚部材及び第２の脚部材を
有し、これらの脚部材は弾性蝶番によってそれらの近端
部で結合されている。各々の脚部材は組織クランプ表面
を有する。一方の脚部材のクランプ表面は他方の脚部材
のクランプ表面に対向関係に配置され従ってクリップが
閉鎖位置にある時これらのクランプ表面はほぼ平行であ
る。クランプ表面は少なくともほぼ２cmの長さを有す
る。脚は材料使用量を最小にするために構造リブによっ
て長さ方向に強化されている。第１の脚部材の遠端部は
組織貫通手段で終っており、この貫通手段は第２の脚部
材の遠端部の方向に延びている。本発明のクリップの好
ましい態様においては、組織貫通部材は鋭い先端からな
る。又第１の脚部材の遠端部は第１の固定手段を有す
る。第２の脚部材の遠端部は第２の固定手段で終ってお
り、この第２の固定手段はフリップが閉鎖位置にある時
第１の固定手段と相互に固定する。又第２の脚部材はそ
の遠端部に位置した、クリップが閉鎖位置にある時第１
の脚部材の組織貫通手段を包囲するための手段を含む。
組織貫通手段のこの包囲はクリップの使用によって隣接
する組織に刺激又は外傷が生ずるのを防止する。この包
囲は又クリップが閉鎖位置にある際の脚部材間の横の動
きを防止する。

本発明の好ましい態様においては、クリップの脚部材は
クリップの組織クランプ表面とは反対側の外側表面上に
長さ方向に位置している隆起によって長さ方向に強化さ
れている。脚が導管組織の周りに閉じられた時脚が平行
を維持し、弯曲しないように、従って止血を提供しない
ようにするためにこれらの脚を強化することが望まし
い。横の固定のため組織を迷路に形成するために脚のビ
ーム面は夫々１個及び２個の長さ方向のリブを含む。中
央の円錐の先端及びそれを受け入れる凹部はクリップが
組織の端面を旋回せしめるのを防止する。

本発明は又本発明のクリップに使用するための適用器具
を含む。本発明の適用器具の好ましい態様は、蝶番連結
された一対の脚を備えた鉗子型の器具である。これらの
脚の一端には旋回点の周りに脚を旋回するために適用器
具を握る又はつかむための手段が配置されている。これ
らの脚の旋回点から反対側の端部に開放位置にある本発
明のクリップをつかみ又は保持するための一対のあごが
配置されている。各あごは一方のあごから他方のあご方
向に延びる長さ方向に間隔を隔てた一対のピンを含む。
このピンはクリップの遠端部に配置された適当な凹部に
係合し、そして間隔を隔てているためにあごによって保
持されるクリップの回転を防止する。

実施例 図面に関連して本発明を更に説明する。

第１〜４図に本発明のクリップが示されている。クリッ
プ１０は第１の脚部材１１及び第２の脚部材１２を具備
する。脚部材は夫々組織クランプ表面１３及び１４を有
する。脚部材は弾性の蝶番部分１５によって近端部にお
いて接続されている。一方の脚部材の組織クランプ表面
上に１個の長さ方向に延びる隆起１６があり、そして他
方の脚部材の組織クランプ表面上に２個の長さ方向に延
びる隆起１７及び１８がある。後者の隆起は脚部材が平
行な関係になった時第１の脚部材の隆起が第２の脚部材
の１対の隆起の間に位置するように間隔をへだててい
る。この態様では長さ方向の隆起が示されているが、勿
論隆起は横方向又は組織をつかむ助けとなるような他の
形状であってもよい。又組織をつかむ際の助けのために
第１の脚部材の組織クランプ表面から鋭い先端１９が延
びておりそして反対側の脚部材の組織クランプ表面に対
応する凹部２０が位置しており、従って脚が平行な位置
になった時第１の脚部材上の鋭い先端が第２の脚部材の
凹部に入って脚の間に位置する組織をつかむ。又鋭い先
端１９は組織の端面のラッチの周りの回転を防止する。

各脚部材の背面即ち外側面に沿って弾性蝶番部から脚部
材の遠端部まで、幅の狭い直立の隆起２３及び２４が延
びており、この隆起は脚部材を長さ方向に強化し且つ脚
部材に剛性を与える。この構造リブは材料使用量を最小
にしながら剛性を与える。クリップの大きさのために、
脚部材を強化して使用の間それらがまっすぐのままで弯
曲又は変形しないようにすることが重要である。第１の
脚部材の遠端部に貫通手段２５が配置されている。この
貫通手段は鋭い先端部であり、クリップが閉鎖位置にあ
る時第１の脚部材の組織クランプ表面から第２の脚部材
の組織クランプ表面の方へ延びる。この鋭い先端部は切
り抜かれたたな２６を有し、このたなは固定手段であっ
て第２の脚部材の遠端部に配置された相当する峰２７と
相互に固定される。脚部材の背面即ち外側面の遠端部
に、クリップを適用するために使用する適当な適用器具
のつかみ手段を受け入れるための凹部２８及び２９があ
る。第２の脚部材の遠端部に膨脹部分３０が設けられて
おり、この膨脹部分は反対側の脚部材の遠端部にある先
のとがった貫通先端を受入れるための開口３１を有す
る。この開口は鋭い貫通手段の端部におけるたな２６と
相互に固定するための上記峰２７を含む。

第１図に示されているような完全に開放位置にあるクリ
ップを成型又は製造することは簡単である。これは当業
者に周知の成型技術によって達成される。第５図に示す
ように、クリップ４０は弾性蝶番部４１の周りに曲げら
れて、第５図に示すようにクリップは開放位置にあるが
脚４２及び４３が弾性蝶番から末広がりになっているよ
うな形状になる。クリップを閉じると、第１の脚部材の
貫通先端４５の底部にあるたな４４は第２の脚部材の遠
端部にある開口４７の峰４６と相互に固定されて２本の
脚を一緒に固定してそれらをほぼ平行な位置に保持す
る。閉鎖位置では貫通先端は第２の脚部材の遠端部によ
って完全に包囲されており、従って貫通先端が隣接する
組織を刺激したり外傷を生じたりすることがなく、又脚
部材４２及び４３間の横方向の動きもなくなる。

本発明のクリップは生物学的に受入れ可能な非金属性材
料から成型するのが最も都合がよく、これらの材料は吸
収性又は非吸収性であることができる。好ましい吸収性
の重合体はグリコリド及びラクチド及びｐ−ジオキサン
のホモポリマー及びコポリマーを含む。好ましい非吸収
性重合体はナイロン及びポリプロピレンを含む。

クリップの組織クランプ表面の長さはほぼ２cmであるべ
きであり、そして２．５〜３cm又はそれ以上でさえある
ことができる。この長さは閉鎖すべき導管組織における
実質的なかみ合いを行なうために重要である。非常に広
い導管組織を閉鎖するためにこれらのクリップを複数使
用することができ、その際にはクリップは閉鎖すべき導
管組織の幅を横切って増分的に配置される。

第６図は鉗子型のクリップ適用器具を示し、これは蝶番
点５３において交差し且つばね５４によって常開位置に
保持されている２個のハンドル部材５１及び５２からな
っている。一方のハンドルは蝶番を越えて延びてあご部
材５５を形成し、他方のハンドルは蝶番を越えて延びて
補足的なあご部材５６を形成している。これらのあごは
同じ形でありそして各々に１対の長さ方向に間隔を隔て
たピン５７が設けられている。ピンは図示のように相互
の方向に延びている。これらのピンは、クリップ５８が
第７図に示すように開放位置で器具内に置かれた時クリ
ップの各脚部材の遠端部の背面にある開口にはまり込
む。

長さ方向に間隔を隔てたピンは適用器具中でクリップを
保持し且つクリップが適用器具中で回転するのを防止す
るはたらきをする。又これらのピンをクリップの遠端部
上に直接置くことによって、適用器具の力を組織を貫通
するために使用されるクリップの部分に直接加える。適
用器具は使用の際クリップを完全に見ることを可能に
し、そして可視性が重要である外科手術の際の使用に特
に好適である。クリップの弾性蝶番部は脚を強制的に広
げようとするので、このことが適用器具のあごに対して
クリップの遠端部に圧力を加えることによって適用器具
内でクリップを保持するのを助ける。

認められるように、クリップ及び適用器具の両者につい
てここに開示された態様に対する多くの変形が当業者に
明らかであり、それらは本発明の範囲内であることが意
図される。

本発明をかなり詳細に説明したが、本発明の精神及び範
囲を逸脱することなく本発明に対して多くの変形が可能
であることは当業者に明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は完全に開放位置にある本発明のクリップの平面
図であり、 第２図は第１図の２−２線でとった底面図であり、 第３図は第１図の３−３線でとった側面図であり、 第４図は第１図の４−４線でとったもう一方の側面図で
あり、 第５図は適用準備のできた開放位置における本発明のク
リップの斜視図であり、 第６図は本発明のクリップ適用器具の平面図であり、そ
して 第７図はクリップが開放位置で適用器具のあご内に位置
している状態の本発明のクリップ適用器具の平面図であ
る。 １０，４０：クリップ、１１：第１の脚部材 １２：第２の脚部材、１６，１７，１８：長さ方向に延
びる隆起、１９：鋭い先端、３１：開口 ５０：クリップ適用器具、５１，５２：ハンドル部材、
５５，５６：あご

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第１の脚部材及び第２の脚部材を具備し、
   該脚部材はそれらの近端部において弾性蝶番により接続
   されており、各脚部材は他方の脚部材の組織クランプ表
   面に対して対向関係に配置された組織クランプ表面を有
   し、該組織クランプ表面はクリップが閉鎖位置にある時
   ほぼ平行であり、各組織クランプ表面の長さはほぼ２cm
   であり、各脚部材は長さ方向に配置された強化手段を有
   し、第１の脚部材の遠端部は組織貫通手段で終ってお
   り、該貫通手段は第２の脚部材の遠端部の方向に延びて
   おり、第１の脚部材の遠端部は第１の固定手段を有し、
   第２の脚部材の遠端部はクリップが閉鎖位置にある時該
   第１の固定手段と相互に固定するための第２の固定手段
   で終っており、第２の脚部材はその遠端部に配置され
   た、クリップが閉鎖位置にある時第１の脚部材の組織貫
   通手段を包囲し且つクリップが閉鎖位置にある時脚部材
   間の横方向の動きを防止するための横方向相互固定を提
   供するため手段を含むことを特徴とする導管組織を結紮
   するための結紮クリップ。
2. 【請求項２】組織貫通手段は第１の脚部材の遠端部に配
   置され且つ第２の脚部材の方へ延びている鋭い先端を具
   備する特許請求の範囲第１項記載のクリップ。
3. 【請求項３】第１の脚部材の組織貫通手段は第１の脚部
   材から第２の脚部材の組織クランプ表面の方へ延びてい
   る鋭い先端を具備し、第１の脚部材の固定手段は該鋭い
   先端の基部における切り抜かれたたなを具備し、第２の
   脚部材の固定手段はクリップが閉鎖位置にある時鋭い先
   端の該切り抜かれたたなと相互係合して脚部材を相互固
   定する、第２の脚材の遠端部に配置された肩部を具備す
   る特許請求の範囲第１項記載のクリップ。
4. 【請求項４】弾性蝶番が第１及び第２の脚部材を接続す
   る薄くなった領域からなる特許請求の範囲第１〜３項の
   いずれかに記載のクリップ。
5. 【請求項５】第１の脚部材の組織クランプ表面は該表面
   の中央に配置された長さ方向の隆起を有し、第２の脚部
   材の組織クランプ表面は、クリップが閉じられた時第１
   の脚部材の該隆起が第２の脚部材の隆起の間に位置する
   ように間隔を隔てて長さ方向に延びる１対の隆起を有す
   る特許請求の範囲第１〜３項のいずれかに記載のクリッ
   プ。
6. 【請求項６】第１の脚部材の組織クランプ表面は該表面
   から延びる中央に配置された鋭い先端を有し、第２の脚
   部材の組織クランプ表面は、クリップが閉鎖位置にある
   時該鋭い先端が中に位置するようにクランプ表面に配置
   された凹部を有する特許請求の範囲第１〜３項のいずれ
   かに記載のクリップ。
7. 【請求項７】該長さ方向に配置された強化手段が各脚部
   材の背面に長さ方向に配置された隆起を具備し、該長さ
   方向に延びる隆起は脚の本体よりも狭い特許請求の範囲
   第１〜３項のいずれかに記載のクリップ。
8. 【請求項８】両脚部材の遠端部の外側面がクリップを保
   持するための適当な器具上の手段を受け入れるために該
   外側面に配置された開口を有する特許請求の範囲第１〜
   ３項のいずれかに記載のクリップ。
9. 【請求項９】導管組織を結紮するための結紮クリップの
   ための適用器具にして、該クリップは弾性蝶番手段によ
   って近端部において接続され且つ遠端部が相互固定手段
   で終っている第１及び第２の脚部材を具備し、一方の脚
   部材の遠端部は他方の脚部材の遠端部を完全に包囲し、
   該器具は蝶番点の周りに旋回する１対のハンドルを具備
   し、該ハンドルは該蝶番点において交差し且つ蝶番点を
   越えて延びて対抗する内側面を有する１対のクリップ閉
   鎖あごを形成しており、該内側面の各々は、器具によっ
   て適用されるべきクリップの遠い端部における適当な凹
   部に係合するための長さ方向に間隔を隔てて他方のあご
   の方に延びている１対のピンを有することを特徴とする
   器具。