JPH065655U - ゴルフ用ティ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ゴルフ用ティを、ゴルフボールの
打ち出し時に、ティがクラブヘッドに与える衝撃力を可
及的に少なくして、ゴルフボールの飛距離を充分に向上
させ得るものとする。 【構成】 地中固定用のプラスチック製の脚１上部に形
成したゴルフボールの載置面２を、四フッ化エチレン樹
脂等のフッ素樹脂含有の成形体もしくはエナメル、また
はフッ素化ポリエーテル等のフッ素油にて被覆したティ
とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はゴルフ用ティに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般的なゴルフ用ティを、図１を参照して説明すると、このものは地中に挿し 込んで固定する下端部尖鋭の脚部１を有し、脚部１の頂上部分に皿状に凹んだボ ール載置面２を形成したものである。このようなゴルフ用ティは、脚部１を適当 な深さだけ地面（ティ・グランド）に挿し込んで、ボール載置面２を所望の高さ に位置させて、ティ・ショットに用いる。

【０００３】 そして、ティ・ショットの際には、上記したティは、ゴルフボールを介して衝 撃力を受けるので、インパクト時のエネルギーを吸収することとなる。

【０００４】 このような不都合に対処するために、ゴルフボールを３点以上のピンにて支持 し、ティとの接触面積を可及的に少なくして、前記のエネルギー減殺を避けるよ うにしたものが知られている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記した従来のティでは、未だゴルフボールの打ち出しを円滑に行な うことができず、ゴルフボールをクラブが打撃した際に、ボール表面と高摩擦力 で擦過摺接するので、飛距離を充分に伸ばすことは困難であった。

【０００６】 この考案は、上記した問題点を解決し、ティ・ショットを行なう時に、ティが クラブヘッドに与える衝撃力を可及的に少なくして、いわゆる振り抜け感が良く 、ゴルフボールの飛距離を充分に向上させ得るゴルフ用ティとすることを課題と している。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するため、この考案においては地中固定用の脚上部にゴルフ ボール載置面を有するゴルフ用ティにおいて、 前記載置面を含フッ素重合体で被覆した構成を採用したのである。

【０００８】

【作用】

この考案に係るゴルフ用ティは、ゴルフボール載置面に形成された含フッ素重合 体の被膜が、ゴルフボールとティとの摩擦面を潤滑して、摩擦係数を充分に低減 させるので、ゴルフボールに加わった打ち出しによる衝撃力は、載置面の摩擦抵 抗によって減殺されることなく、その分、飛距離を伸長させ、振り抜け感も向上 する。

【０００９】

【実施例】

この考案に用いる含フッ素重合体は、ゴルフボール表面を覆うガタパーチャ等 のゴム質に対し、非粘着性で摩擦係数の低い含フッ素重合体であればよく、特に 、分子量の大小に係りなく、主鎖に炭素鎖を有し、側鎖にフッ素の結合したポリ マーまたはオリゴマーを広く採用できる。このような含フッ素重合体としては、 たとえば、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重 合樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂などのフッ素樹脂、または三フッ化エチレン 低重合体、フッ素化ポリエーテルなどのフッ素油などであってよい。

【００１０】 前記したフッ素樹脂のうち、摩擦係数の最も低いものは、四フッ化エチレン樹 脂であるが、このものは、射出成形が困難である。したがって、このものを用い るには、圧縮成形または押し出し成形をし、さらに切削等の所要の加工を経て成 形品とするか、または水性のディスパージョンに接着助剤、顔料を加えたエナメ ルとして基材に焼き付け塗装する等して用いることができる。フッ素含有樹脂エ ナメルとしては、ダイキン工業社製：ポリフロンタフコートエナメルＴＣ７１０ ５ＧＮ、ＴＣ−７４０９ＢＫなどを例示できる。

【００１１】 また、フッ素油のうち、フッ素化ポリエーテルとしては、たとえば式 −Ｃ_X Ｆ_2XＯ−（Ｘは１〜４の整数）を主要構造単位とし、数平均分子量１ ０００〜５０００のパーフルオロポリエーテルを、高フッ素有機溶媒に０．３〜 １０重量％の割合で溶解して用いてもよい。このような条件を満足するフッ素化 ポリエーテルとしては、モンテジソン社製フォンブリンＺ−ＤＩＳＯＣ、同Ｚ− ＤＥＡＬ、同Ｚ−ＤＥＡＬ２０００などを例示できる。

【００１２】 このようなフッ素油は、ティの基材表面に塗装した後、常温以上にて乾燥させ れば、１μｍ以下の薄膜を形成できる。

【００１３】 なお、上記したフッ素油に代えて、シリコーンオイル（オルガノポリシロキサ ン）を用いることも可能であるが、摩擦係数の点では前者が優れることはいうま でもない。

【００１４】 また、ティの成形材料としては、ポリアミドその他の汎用のプラスチックの他 、粘土、再生パルプなどを利用すれば使用後にティ・グランド上に放置しても微 生物等により自然に分解されるので、環境衛生上好ましいものとなる。

【００１５】 次に、この考案の第１実施例を、図１および図２に基づいて説明する。

【００１６】 図１に示すように、第１実施例は、ポリアミド（ナイロン）製の脚１の頂上に 皿状に凹んだボール載置面２を一体形成し、このボール載置面にフッ素化ポリエ ーテル重合体（モンテジソン社製：フォンブリンＺ−ＤＩＳＯＣ）をディッピン グにより塗装し、５０℃の熱風乾燥炉で熱処理したものである。

【００１７】 上記ティを用いて、実際にティ・ショットを行なったところ、クラブがボール ３に当った瞬間に非常に良好なインパクト感があって、振り抜けが良く、飛距離 も充分に延びることが判明した。

【００１８】 次に、この考案の第２実施例を、図３に基づいて説明する。

【００１９】 図３（ａ）、（ｂ）に示すように、第２実施例は、第１実施例と同形の脚部１ の上部に、球状の頭部４ａを形成したナイロン製のピン４を等間隔に固定し、こ の頭部４ａ表面をボール載置面５とし、これに第１実施例と全く同様にしてフッ 素化ポリエーテル重合体の被膜を形成したものである。このようなピン４は、特 にその数および形状を限定するものでなく、３本以上でゴルフボールを確実に支 持できるものであればよい。

【００２０】 第２実施例のティは、ボール載置面５のゴルフボールに接触する面積が、第１ 実施例に比べて小さく、その分、摩擦抵抗が小さくなって、一層インパクト時の エネルギー減殺の小さいものとなる。

【００２１】

【効果】

この考案は、以上説明したように、ティ・ショットの際に、ゴルフボールとテ ィとの摩擦による抵抗が極めて小さくなるので、ゴルフボールに加わった打ち出 しによる衝撃力は、減殺されることなく、その分、ゴルフボールの飛距離を伸長 させ、かつ振り抜け感も向上するという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例を示す斜視図

【図２】図１の一部を切り欠いて示す正面図

【図３】（ａ）は第２実施例を示す正面図、（ｂ）は
（ａ）の平面図

【符号の説明】

１ 脚 ２、５ ボール載置面 ３ ボール ４ ピン ４ａ 頭部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 地中固定用の脚上部にゴルフボール載置
   面を有するゴルフ用ティにおいて、 前記載置面を含フッ素重合体で被覆したことを特徴とす
   るゴルフ用ティ。