JPH0655795A - シリアルプリンタの印字信号発生方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印字信号の発生を印字ヘッドキャリジの位置
情報に同期させて出力し、高精度な印字を実現する。 【構成】 位置パルス信号の目標周期および印字信号の
目標周期のどちらも整数で割り切れる周期を目標周期と
し、かつ前記位置パルス信号の周期に応じて変化するベ
ースパルス信号のうちで、位置パルス信号の目標周期と
同じ周期のパルス信号を基準信号とし、前記位置パルス
信号と前記基準信号の差をとり、その差に応じて前記ベ
ースパルス信号の周期の補正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、シリアルプリンタの印
字タイミングを制御し、印字位置決めを行うシリアルプ
リンタの印字信号発生方法および装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】シリアルプリンタの印字信号発生方式
は、ステッピングモータを用いた場合に主に用いられる
開ループ駆動方式と、サーボモータを使用した場合に主
に用いられる閉ループ駆動方式に分けられる。本発明
は、後者の閉ループ駆動方式の場合に用いられる印字信
号発生に関する。

【０００３】シリアルプリンタの場合、印字ヘッドキャ
リジを一定速度で移動させ、印字開始位置から一定時間
間隔で印字信号を発生させ、一定距離間隔で印字を行
う。しかし、閉ループ駆動方式においては、印字ヘッド
キャリジの速度が変動を起こした場合、一定時間間隔で
の印字信号発生では印字位置決め誤差は修正されない。
そのため、従来用いられている方式では、印字ヘッドキ
ャリジの速度あるいはそれに相当する信号に応じて印字
信号の周期を変動させ、印字位置決めの補正を行ってい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来のシリア
ルプリンタの印字信号発生方式では、印字信号の間隔を
キャリジの速度に応じて変化させるため、印字位置の間
隔は速度が変動しても一定に保つことが可能である。し
かし、一度位置決めの誤差が発生すると、それ以後の位
置がずれ、誤差が積算されてしまうという問題があっ
た。

【０００５】本発明の目的は、閉ループのモータ駆動方
式において印字位置決め誤差の発生防止を実現でき、結
果として高品位な印字を実現することのできるシリアル
プリンタの印字信号発生方法および装置を提供すること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、印字ヘッドキ
ャリジの位置信号あるいはそれに相当するモータの回転
角信号あるいはアイドルプーリの回転角信号のいずれか
をエンコーダで検出し、得られるパルス信号を位置パル
ス信号とし、位置パルス信号に同期して印字信号を出力
するシリアルプリンタの印字信号発生方法において、位
置パルス信号の目標周期および印字信号の目標周期のど
ちらも整数で割り切れる周期を目標周期とし、かつ位置
パルス信号の周期に応じて変化するベースパルス信号の
うちで、位置パルス信号の目標周期と同じ周期のパルス
信号を基準信号とし、位置パルス信号と基準信号の差を
とり、位置パルス信号と基準信号の差に応じてベースパ
ルス信号の周期の補正を行うことを特徴としている。

【０００７】また、本発明は、印字ヘッドキャリジの位
置信号あるいはそれに相当するモータの回転角信号ある
いはアイドルプーリの回転角信号を位置パルス信号に変
換する位置信号変換器と、位置信号発生器から出力され
る位置パルス信号の周期をカウントする周期計測器と、
周期計測器から出力されるエンコーダ周期信号を分周す
るエンコーダ周期分周器と、得られたタイムベース周期
に応じてタイムベース信号を出力するタイムベース信号
発生器と、印字モードに応じた印字信号をタイムベース
信号に応じて出力する印字周期分周器とを備えるシリア
ルプリンタの印字信号発生装置において、タイムベース
信号を印字ヘッドキャリジが一定速度で移動している場
合にエンコーダから出力される位置信号と同周期になる
基準パルス信号に分周するタイムベース基準分周器と、
基準パルス信号と位置パルス信号の差を検出する差信号
検出器と、基準パルス信号が位置パルス信号よりも遅延
している場合に、周期計測器の周期計測ベース信号の１
周期以内で信号の発生が終了する周期でかつ分周を行っ
た負修正信号を発生して周期計測器のｄｏｗｎ信号入力
に出力し、基準パルス信号が位置パルス信号よりも進ん
でいる場合に、周期計測器の周期計測ベース信号の１周
期以内で信号の発生が終了する周期でかつ分周を行った
正修正信号を発生して周期計測器のｕｐ信号入力に出力
する修正信号分周分別器とを備え、修正されたタイムベ
ースパルス信号を出力することを特徴としている。

【０００８】

【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【０００９】図４は、本発明で対象とするシリアルプリ
ンタの構成図である。印字ヘッド２０がプラテン２６に
平行に移動し、印字ヘッド２０とプラテン２６の間にあ
る印字用紙に印字を行う。印字ヘッドキャリジ２５は、
ベルトを介してＤＣサーボモータ２１の回転駆動により
移動する。印字ヘッドキャリジ２５は、リニアガイド２
７にガイドされて移動する。なお、モータの回転角およ
び回転角速度は、ロータリーエンコーダ２８の出力信号
を信号処理して得られる。印字ヘッドキャリジ２５の位
置信号あるいはそれに相当する信号は、この場合、モー
タのロータリーエンコーダ２８の出力信号になる。

【００１０】図１は、本発明のシリアルプリンタの印字
信号発生方法の一実施例を示すフロー図である。図１お
よび図４を参照しながら本発明の印字信号発生方式につ
いて説明する。

【００１１】前述したように印字ヘッドキャリジ２５の
位置に相当する信号として、モータ２１の回転角信号を
位置信号２とする。印字信号の発生を印字ヘッドキャリ
ジ２５の速度変動に応じて変化させ、一定位置間隔で印
字位置決めをするため、印字ヘッドキャリジ２５の速度
に相当するモータの速度の検出および速度に応じた印字
信号の発生を行う。通常モータの速度を検出する場合、
エンコーダの信号のパルス幅を測定し、速度に変算す
る。そのため、位置信号検出１の処理でエンコーダの信
号を位置信号２に変換し、位置信号２を用いて位置信号
周期計測３の処理でモータ２１の回転角および印字ヘッ
ドキャリジ２５の速度に相当する位置信号周期５を計測
する。

【００１２】通常シリアルプリンタは、数種の印字モー
ドを有し、それに対応するためベースとなる信号を設
け、その信号を適当に分周することで印字信号発生１０
において各印字モードの印字信号を発生する。そのベー
スとなる信号をベースパルス信号９とする。このベース
パルス信号９は、印字ヘッドキャリジ２５の速度に応じ
て変化する。そのため、位置信号周期５に応じて変化す
るベースパルス基本周期７を、目標周期４に応じ位置信
号周期５で基本クロックを分周６して出力する。なお、
基本クロックはベースパルス基本周期７よりも十分周期
の短いパルス信号である。

【００１３】得られたベースパルス基本周期７に基づい
て補正信号発生１５でベースパルス発生８の基準周期を
出力する。ベースパルス発生８で出力したベースパルス
信号を、分周１１の処理で、印字ヘッドキャリジ２５が
理想的に一定速度で移動している場合、位置信号２と同
周期となるように分周し、基準信号１２を出力する。比
較１３で位置信号２と基準信号１２を比較し、基準信号
が遅延している場合は、遅延を回復するように比較修正
信号１４に応じて補正信号発生１５でベースパルスの周
期を修正する。

【００１４】また、図２は、本発明のシリアルプリンタ
の印字信号発生装置の一実施例を示す構成図である。

【００１５】図２に示す装置は、前述の印字信号発生方
式の補正信号発生１５を実現する装置である。エンコー
ダ３０から出力されるエンコーダ信号３１を位置信号変
換器３２で位置パルス信号３３に変換する。位置パルス
信号３３のパルス周期を周期計測ベース信号５２を用い
て、周期計測器３４で計測する。周期計測器３４は、位
置パルス信号３３をトリガ、周期計測ベース信号５２を
クロックとして、カウンタで位置パルス信号３３の周期
を計測する構成になっている。周期計測器３４から出力
されるエンコーダ周期３５をエンコーダ周期分周器３６
で、印字信号４１のベース周期となるタイムベース信号
３９の周期となるタイムベース周期３７を出力する。タ
イムベース信号発生器３８においてタイムベース周期３
７に応じてタイムベース信号３９を出力する。タイムベ
ース信号３９を印字周期分周器４０で印字モードに応じ
て分周し、印字信号４１を出力する。

【００１６】さらにタイムベース信号３９をタイムベー
ス基準分周器４２に取り込む。印字ヘッドキャリジ２５
が一定速度で移動中の場合、位置パルス信号３３と同周
期となる基準パルス信号４３を、タイムベース信号３９
を分周して出力する。比較器４４で位置パルス信号３３
と基準パルス信号４３の時間のずれを検出する。比較器
４４は位置パルス信号３３と基準パルス信号４３のどち
らかのパルスが入力されると、それをトリガとし、他方
のパルスが入力されるまでの時間をカウンタで計測し、
基準パルス信号４３が遅延している場合は遅延信号４５
を出力し、逆の場合は進み信号４６を出力する構成にな
っている。遅延信号４５および進み信号４６に応じてそ
れぞれ負修正信号発生器４７および正修正信号発生器４
８で周期修正ｄｏｗｎ信号４９および周期修正ｕｐ信号
５０を出力し、周期計測器３４に入力する。なお、周期
修正ｄｏｗｎ信号４９および周期修正ｕｐ信号５０は、
共に位置パルス信号３３の周期よりも十分小さくし、位
置パルス信号３３の１周期内で発生が終了するようにす
る。周期修正ｄｏｗｎ信号４９および周期修正ｕｐ信号
５０は、周期計測器３４内のカウンタのｄｏｗｎおよび
ｕｐ入力に取り込む。

【００１７】図３は、図２で示した印字信号発生装置に
おける各信号のタイムチャートである。

【００１８】位置パルス信号３３は、印字ヘッドキャリ
ジ２５がある距離を移動するごとにパルスを出力する。
図３においては、速度変動があるため、０番目のパルス
を出力してから１番目のパルスを出力するまでｔ₀ の時
間がかかるのに対し、１番目のパルスが出力されて２番
目のパルスを出力するまでｔ₀ ＋α₁ の時間がかかる。
さらに、２番目のパルスを出力してから３番目のパルス
を出力するまでｔ₀ −α₂ の時間がかかる。

【００１９】タイムベース信号３９は、０番目の位置パ
ルス信号３３のパルスでの計測値がないので最初は規定
値の周期Ｔ₀ であり、１番目のパルスでの更新は、位置
パルス信号３３の計測値が目標速度に一致しているため
Ｔ₁ （＝Ｔ₀ ）となり、２番目のパルスでの更新は、位
置パルス信号３３の計測値が目標速度よりも遅い値にな
るためＴ₂ （＞Ｔ₀ ）となり、さらに３番目のパルスで
の更新は、位置パルス信号３３の計測値が目標速度より
も遅い値になるためＴ₃ （＜Ｔ₀ ）となる。

【００２０】基準パルス信号４３は、タイムベース信号
３９のパルスのうちで、印字ヘッドキャリジ２５が目標
速度の一定速度で移動中の場合に同周期となるパルスを
分周したものである。図３においては、１／３に分周し
ている。

【００２１】差信号は、位置パルス信号３３と基準パル
ス信号４３の時間ずれを検出した信号である。差信号
は、位置パルス信号３３と基準パルス信号４３のどちら
か早いほうの信号をトリガにしてカウントを開始し、他
方の信号でカウントを終了する。図３において、位置パ
ルス信号３３の１番目では基準パルス信号４３に差はな
く、２番目でβ₁ だけ進み、３番目ではβ₂ だけ遅延し
ている。

【００２２】周期修正ｄｏｗｎ信号４９と周期修正ｕｐ
信号５０は、周期計測ベース信号５２が図３に示されて
いる一定時間間隔のパルス信号で、この周期よりも十分
短く、かつ一回のパルス発生が周期計測ベース信号５２
の１周期以内で収まるパルス信号となる。周期修正ｄｏ
ｗｎ信号４９は、基準パルス信号４３が位置パルス信号
３３よりも遅延している場合にパルスを出力し、周期修
正ｕｐ信号５０は、逆の場合にパルスを出力する。

【００２３】周期修正ｄｏｗｎ信号４９と周期修正ｕｐ
信号５０で周期計測器３４のカウンタの値を操作するた
め、タイムベース信号３９が変化し、基準パルス信号４
３を位置パルス信号３３と同期をとるように補正が行わ
れる。

【００２４】以上、説明した内容で本発明の構成は同業
者には容易に類推することが可能であり、これ以上の詳
細な説明は省略する。

【００２５】図５は本方式と従来方式での印字位置決め
の違いを示した印字結果である。この図５は、一定位置
間隔で１ドットの印字を行った場合の目標印字位置８０
〜８４での結果である。従来方式では、目標印字位置８
１での印字誤差が、それ以後の印字位置ずれに積算され
た結果となっている。それに対し、本方式を用いた場合
には、目標印字位置８１での印字誤差はそれ以後に積算
されず、製品規格が印字ドット誤差０．５ドット以内と
なった場合に、速度変動を抑制することで図５に示すよ
うな印字結果になり、目標を達成することが可能であ
る。従って、本方式を用いることで、従来方式に比較し
高精度な印字が可能になる。

【００２６】

【発明の効果】本発明のシリアルプリンタの印字信号発
生装置を用いると、閉ループ方式のモータ駆動を行う装
置でも、印字位置決めを高精度に行うことが可能であ
る。

【００２７】また、本発明のシリアルプリンタの印字信
号発生装置を用いることで、本発明の印字信号発生方法
の印字信号発生の修正を瞬時にしかも簡単に実現するこ
とができる。従って、本発明の印字信号発生方法と印字
信号発生装置を組み合わせることで、安価に高精度な印
字位置決めを実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシリアルプリンタの印字信号発生方法
の一実施例を示すフロー図である。

【図２】本発明のシリアルプリンタの印字信号発生装置
の一実施例を示す構成図である。

【図３】図２で示した印字信号発生装置の装置における
各信号のタイムチャートである。

【図４】本発明で対象とするシリアルプリンタの構成図
である。

【図５】本方式と従来方式での印字位置決めの違いを示
した印字結果図である。

【符号の説明】

１ 印字信号検出 ２ 位置信号 ３ 位置信号周期計測 ４ 目標周期 ５ 位置信号周期計測 ６ 分周 ７ ベースパルス基本周期 ８ ベースパルス発生 ９ ベースパルス信号 １０ 印字信号発生 １１ 分周 １２ 基準信号 １３ 比較 １４ 比較修正信号 １５ 補正信号発生 １６ ベースパルス修正周期 ２０ 印字ヘッド ２１ ＤＣサーボモータ ２２ モータプーリ ２３ ベルト ２４ アイドルプーリ ２５ 印字ヘッドキャリジ ２６ プラテン ２７ リニアガイド ２８ ロータリエンコーダ ３０ エンコーダ ３１ エンコーダ信号 ３２ 位置信号変換器 ３３ 位置パルス信号 ３４ 周期計測器 ３５ エンコーダ周期 ３６ エンコーダ周期分周器 ３７ タイムベース周期 ３８ タイムベース信号発生器 ３９ タイムベース信号 ４０ 印字周期分周器 ４１ 印字信号 ４２ タイムベース基準分周器 ４３ 基準パルス信号 ４４ 比較器 ４５ 遅延信号 ４６ 進み信号 ４７ 負修正信号発生器 ４８ 正修正信号発生器 ４９ 周期修正ｄｏｗｎ信号 ５０ 周期修正ｕｐ信号 ５１ 印字ドライバ ８０〜８４ 目標印字位置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】印字ヘッドキャリジの位置信号あるいはそ
   れに相当するモータの回転角信号あるいはアイドルプー
   リの回転角信号のいずれかをエンコーダで検出し、得ら
   れるパルス信号を位置パルス信号とし、位置パルス信号
   に同期して印字信号を出力するシリアルプリンタの印字
   信号発生方法において、 位置パルス信号の目標周期および印字信号の目標周期の
   どちらも整数で割り切れる周期を目標周期とし、かつ位
   置パルス信号の周期に応じて変化するベースパルス信号
   のうちで、位置パルス信号の目標周期と同じ周期のパル
   ス信号を基準信号とし、 位置パルス信号と基準信号の差をとり、 位置パルス信号と基準信号の差に応じてベースパルス信
   号の周期の補正を行うことを特徴とするシリアルプリン
   タの印字信号発生方法。
2. 【請求項２】印字ヘッドキャリジの位置信号あるいはそ
   れに相当するモータの回転角信号あるいはアイドルプー
   リの回転角信号を位置パルス信号に変換する位置信号変
   換器と、位置信号発生器から出力される位置パルス信号
   の周期をカウントする周期計測器と、周期計測器から出
   力されるエンコーダ周期信号を分周するエンコーダ周期
   分周器と、得られたタイムベース周期に応じてタイムベ
   ース信号を出力するタイムベース信号発生器と、印字モ
   ードに応じた印字信号をタイムベース信号に応じて出力
   する印字周期分周器とを備えるシリアルプリンタの印字
   信号発生装置において、 タイムベース信号を印字ヘッドキャリジが一定速度で移
   動している場合にエンコーダから出力される位置信号と
   同周期になる基準パルス信号に分周するタイムベース基
   準分周器と、 基準パルス信号と位置パルス信号の差を検出する差信号
   検出器と、 基準パルス信号が位置パルス信号よりも遅延している場
   合に、周期計測器の周期計測ベース信号の１周期以内で
   信号の発生が終了する周期でかつ分周を行った負修正信
   号を発生して周期計測器のｄｏｗｎ信号入力に出力し、
   基準パルス信号が位置パルス信号よりも進んでいる場合
   に、周期計測器の周期計測ベース信号の１周期以内で信
   号の発生が終了する周期でかつ分周を行った正修正信号
   を発生して周期計測器のｕｐ信号入力に出力する修正信
   号分周分別器とを備え、 修正されたタイムベースパルス信号を出力することを特
   徴とするシリアルプリンタの印字信号発生装置。