JPH0654235A - ノイズ抽出回路とそれを用いた画像信号用ノイズ除去回路およびその方法 - Google Patents

ノイズ抽出回路とそれを用いた画像信号用ノイズ除去回路およびその方法

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JPH0654235A
JPH0654235A JP4225139A JP22513992A JPH0654235A JP H0654235 A JPH0654235 A JP H0654235A JP 4225139 A JP4225139 A JP 4225139A JP 22513992 A JP22513992 A JP 22513992A JP H0654235 A JPH0654235 A JP H0654235A
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circuit
signal
frequency
noise
subtraction
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JP4225139A
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Inventor
Mitsuharu Oki
光晴 大木
Seiichiro Iwase
清一郎 岩瀬
Norihisa Shirota
典久 代田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビデオ信号に含まれるノイズを高精度で抽出
できるノイズ抽出回路およびそれを用いるノイズ除去回
路を提供する。 【構成】 ノイズ抽出回路は,ビデオ信号をm行xn列
のブロックに細分化する回路16,細分化されたビデオ
信号について離散コサイン変換(DCT)を行い周波数
領域に信号に変換する回路18,DCT変換された周波
数空間において分離されたノイズを選択的に抽出する非
線形回路20,DCTとは逆の変換を行ない周波数領域
のノイズを実空間に戻すDCT回路22,および,回路
16における処理と反対の処理を行う回路24を有す
る。ノイズ除去回路の減算回路14において,現在フレ
ームのビデオ信号とフレームメモリ12に記憶されてい
る前回のフレームのビデオ信号とのフレーム差分を算出
し,上記ノイズ抽出回路がこのフレーム差分信号に含ま
れるノイズを抽出する。抽出されたノイズは減算回路1
0においてもとのビデオ信号から減じられ,ノイズが除
去されたビデオ信号がメモリ12に記憶され,外部に出
力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像信号処理回路とその
方法に関する。本発明は特に,画像信号に含まれるノイ
ズを抽出するノイズ抽出回路おびそれを用いたノイズ除
去回路(ノイズリデューサ)とその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像信号として,たとえば,テレビジョ
ン用映像信号(ビデオ信号)のS/Nを改善する方法は
すでに種々提案されている。その1つとして,ビデオ信
号はフレーム相関が非常に強いが、ノイズは相関がない
という特質に注目して,S/Nを改善するノイズリデュ
ーサが知られている。図27に従来の映像信号用ノイズ
除去回路(ビデオ信号用ノイズリデューサ)の回路を示
す。このノイズリデューサは,第1の減算回路501
と,1フレーム分のビデオ信号を記憶するフレームメモ
リ502と,第2の減算回路503と,非線形回路50
4が図示のごとく接続されて構成されている。非線形回
路504の非線形特性を図28に示す。この非線形特性
は,入力ビデオ信号が−F1〜F1の間で正弦曲線(ま
たはS字曲線あるいは2次曲線)で規定される値で非線
形化され,範囲−F,+Fを越える信号は除去されるこ
とを示す。
【0003】第2の減算回路503において,入力され
た現在のフレームの入力ビデオ信号VIDEOINからフ
レームメモリ502に記憶されている前回のフレームの
ビデオ信号VIDEO-1を減じる。減算回路503から
出力されるフレーム差分信号は,ビデオ信号本来の成分
が除去され,ビデオ信号に含まれるもとの動画部分の残
像とノイズ成分とを含む信号である。動画部分の残像部
分のレベルはノイズレベルに比べ比較的大きいから、そ
のしきい値をほぼF1とすると、図28に示す非線形特
性を持つ非線形回路504を通すことにより,動画部分
の残像は除去され,ノイズ成分のみ抽出することができ
る。第1の減算回路501において,抽出されたノイズ
成分を現在の入力ビデオ信号VIDEOINから減じると
, ビデオ信号に含まれるノイズ成分が除去され,ノイズ
成分を含まないビデオ信号を得ることができる。このビ
デオ信号をフレームメモリ502に一旦記憶して次フレ
ームのフレーム差信号を算出するために備え,このフレ
ームメモリ502に記憶したノイズ成分を含まないビデ
オ信号を出力ビデオ信号VIDEOOUT として出力す
る。
【0004】このノイズリデューサはビデオ信号が静止
画像である場合は良好にS/Nを改善するが,ビデオ信
号が動画であるときにはフレーム差分信号中に含まれる
低レベルの動き成分は全てノイズ成分とみなしているか
ら,ノイズ成分として抽出されてしまい、非線形回路5
04からは低レベルの動き成分とノイズ成分とを含んだ
信号が出力される。その結果,第1の減算回路501に
おいて,入力ビデオ信号VIDEOINからノイズ成分の
みならず振幅の小さい動画部分も除去してしまうという
問題がある。つまり,このノイズリデューサでは動画像
については高精度にノイズを除去することができない。
【0005】上述したノイズリデューサにおける問題を
解決するため,動画像のS/Nを改善するために好適な
映像信号用ノイズ除去回路(ノイズリデューサ)とし
て,アダマール変換を用いたノイズリデューサが提案さ
れている(たとえば,海老原,他,「アダマール変換を
用いたテレビジョン信号のノイズリデューサ」,テレビ
ジョン学会誌,vol.37,No.12(198
3),ページ1030−1036」参照)。図29にア
ダマール変換を用いたノイズリデューサの回路構成を示
す。このアダマール変換を用いたノイズリデューサは,
第1の減算回路501,フレームメモリ502,第2の
減算回路503,ブロック化処理回路505,アダマー
ル変換回路506,図28に示す非線形特性を持つ非線
形回路504,アダマール逆変換回路507,および,
ブロック分解処理回路508が図示のごとく接続されて
構成されている。
【0006】アダマール変換を用いたノイズリデューサ
は,ビデオ信号の統計的形質から導かれる,(1)ノイ
ズは信号成分に比べて振幅が小さい,(2)信号成分は
フレーム相関が大きくノイズはフレーム相関が小さい,
(3)信号成分および信号の動き成分は2次元相関が大
きくノイズは2次元相関が小さいという性質,さらに,
人間の視覚特性から導かれる,(a)ビデオ信号のノイ
ズは動画部よりも静止画部,輪郭部分よりも平面部分の
ほうが目立つ,(b)広域ノイズよりも狭域ノイズのほ
うが目立つ,(c)輝度ノイズと色差ノイズとでは同じ
S/Nでも目立ちかたが異なるという性質に着目してい
る。フレーム差分信号は2次元低域成分,縦方向成分,
斜め方向成分,信号としての特徴を表す成分に分解する
と,これらの特徴を持たないノイズがそれぞれの成分に
低レベルで均等に分散される。したがって,単にしきい
値分離によって各成分からノイズを抽出できる。抽出し
たノイズを再合成すれば,元のフレーム差分信号に含ま
れているノイズが高精度で得られる。このため,この例
では直交変換としてアダマール変換を適用する。
【0007】減算回路503において,上述したと同様
に現在の入力ビデオ信号VIDEOINからフレームメモ
リ502からの前回のフレームのビデオ信号VIDEO
-1が減じられ,フレーム差分信号が算出され,ビデオ信
号に含まれる動画部分の残像とノイズ成分が抽出され
る。抽出された動画部分の残像とノイズ成分とに対し
て,ブロック化処理回路505において2次元方向m行
xn列の小領域(ブロック)にブロック化する。さらに
ブロック化した各ブロックの動画部分の残像とノイズ成
分とを含む信号に対して,アダマール変換回路506に
おいてアダマール変換を行い,この実空間(real domai
n)のデータを周波数領域(frequency domain )のデー
タに変換する。2次元画像を小領域(ブロック)に分割
し,各領域にアダマール変換を施すことは,互いに直交
する波形郡と相関をとることを意味する。相関をとるべ
き波形が入力信号であるビデオ信号の統計的性質と密接
な関係をもつ場合,入力信号の特徴抽出が行われる。こ
の例では,ディジタル構成に適した直交変換として(4
x2)次の2次元アダマール変換をブロックに分割した
各フレーム差分信号に適用している。その変換アルゴリ
ズムを下記に記す。
【数1】
【0008】動画部分の残像部分は隣接位置同士で相関
があるので,ある特定の周波数領域に集中して表れる。
つまり振幅の大きな周波数領域上のデータとなる。ま
た、ノイズ成分は隣接位置同士で相関がないので、全て
の周波数領域に平均化されて振幅が小さい周波数領域上
のデータとして表れる。したがって,アダマール変換後
のデータに対して,動画の残像部分の周波数領域の振幅
の大きい値をしきい値(−F,+F)として,図28に
示す非線形特性を有する非線形回路504を通すことに
より,上述したノイズリデューサよりも高精度で動画部
分の残像とノイズ成分とを区別して、ノイズ成分のみを
高精度で抽出することができる。非線形回路504で抽
出したノイズ成分は周波数領域のデータであるから,ア
ダマール逆変換回路507においてアダマール逆変換を
施して実時間領域のノイズ成分に戻し,さらにブロック
分解処理回路508においてブロック分解をして入力ビ
デオ信号VIDEOINと同じ2次元状の実空間のノイズ
成分にする。ブロック分解処理回路508から出力され
る実空間のノイズ成分を減算回路501において,入力
ビデオ信号VIDEOINから減じると,ノイズ成分のな
いビデオ信号を得ることができ,このビデオ信号信号を
フレームメモリ502に一旦記憶し,出力ビデオ信号V
IDEOOUT として出力する。
【0009】このように、図29に示すノイズリデュー
サによれば,アダマール変換をして、一旦周波数領域の
データを作ることにより動画に対してもノイズ成分のな
いビデオ信号を出力することができる。なお,ブロック
化処理回路505におけるm行xn列のブロック化とし
ては,m,nのどちらか1つは少なくとも2以上であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ハイビジョン用ビデオ
信号など,より一層のノイズ成分が除去されたビデオ信
号を得ることが要望されている。しかしながら,上述し
たアダマール変換を用いた回路ではまだ依然として充分
高精度のノイズ抽出ができない。その理由は,周波数領
域のデータに変換するためにアダマール変換を用いてい
ることにある。たとえば,8次のアダマール変換の基底
ベクトルは図30(A)〜(H)に示す8つのベクトル
であり、これは正確には周波数領域の単位ベクトルでは
ない。なお,図において,横軸は周波数を示し,縦軸は
振幅(スペクトル)を示す。したがって,正確には周波
数領域とはいえないデータに対して、非線形回路504
でノイズ抽出をしていることになる。そのため,正確な
ノイズ抽出が出来ず、このアダマール変換を用いたノイ
ズリデューサは超高精度なノイズリデューサとは言えな
い。さらに具体的に述べると,図示した基底ベクトルに
はエッジを特徴づけるベクトルが含まれていない。動画
部分の残像は動体のエッジ部分に多く現れるが,アダマ
ール変換の基底ベクトルにはそれを特徴づける基底ベク
トルがなく,アダマール変換を用いたノイズリデューサ
は完全に動画部分の残像とノイズ成分とを区別すること
ができず,依然として,非常に精度高くノイズ成分を抽
出することができない。
【0011】上述した問題は,特定的な画像信号の例と
して,テレビジョン用映像信号(ビデオ信号)を例示し
たが,2次元状画像信号であって動画像を含み,ノイズ
成分が重畳されるその他の画像信号においても上記同様
の問題に遭遇する。本発明は上述したアダマール変換を
用いたノイズリデューサにもなお存在する上述した問題
を解決し,一層高精度に映像信号などの画像信号からノ
イズを抽出可能なノイズ抽出回路およびその方法を提供
することを目的とする。また本発明はこのノイズ抽出回
路を用いて,ノイズ成分を含まない映像信号などの画像
信号を提供するノイズ除去回路およびその方法を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決し,上述
した目的を達成するため,本発明においては,アダマー
ル変換およびアダマール逆変換に代えて,画像信号に含
まれる動画像とノイズ成分とを明瞭に識別可能なアダマ
ール変換およびアダマール逆変換以外の好適な周波数変
換を用いる。本発明によれば,実空間の2次元状画像信
号に含まれる動画像成分とノイズ成分とを識別可能に周
波数領域の信号に変換する周波数変換処理回路と,該周
波数変換された信号について所定のしきい値について非
線形処理を行いしきい値以内の信号成分のみを通過させ
る非線形回路と,該非線形回路から出力される信号を前
記周波数変換とは逆の変換をして2次元状の実空間の信
号に変換する周波数逆変換処理回路とを有する画像信号
処理回路が提供される。また本発明によれば,この画像
信号処理回路に適用される画像信号処理方法が提供され
る。
【0013】好適には,前記画像信号処理回路は,前記
実空間の2次元状画像信号をm行xn列のブロックに細
分化して前記周波数変換処理回路に印加するするブロッ
ク化処理回路と,前記周波数逆変換処理回路における該
周波数逆変換された信号を前記細分化と逆の統合処理を
行う回路とをさらに有し,前記周波数変換処理回路は前
記ブロック化処理回路におけるブロック細分化に応じた
次数の周波数変換処理を行うように構成され,前記周波
数逆変換処理回路はこの周波数変換処理回路における変
換と逆変換を行うように構成されている。
【0014】上記周波数変換および周波数逆変換として
は,好適には,(1)離散コサイン変換および離散コサ
イン逆変換,(2)これら離散コサイン変換および離散
コサイン逆変換を簡略化した直線近似離散コサイン変換
および直線近似離散コサイン逆変換,(3)Haar変
換およびHaar逆変換などがある。離散コサイン変換
および離散コサイン逆変換の数式,直線近似離散コサイ
ン変換および直線近似離散コサイン逆変換の数式,Ha
ar変換およびHaar逆変換の数式は後述する。
【0015】離散コサイン変換および離散コサイン逆変
換を適用した場合の本発明の画像信号処理回路は,前記
周波数変換処理回路は前記周波数変換として離散コサイ
ン変換処理を行う離散コサイン変換処理回路として構成
され,前記周波数逆変換処理回路は前記周波数逆変換回
路として離散コサイン逆変換処理を行う離散コサイン逆
変換処理回路として構成される。
【0016】この離散コサイン変換回路構成としては,
乗算回数を極力減少させるため,好適には,前記ブロッ
ク化処理回路から出力されるブロック信号について,所
定の関係を持った信号対として入力してその信号対の加
算結果と減算結果とを出力する複数の加減算回路が並列
に設けられた第1段の回路群と,該第1段の回路群内の
それぞれの加減算回路から出力される加算結果および減
算結果について,所定の関係を持った信号対として入力
してその信号対の加算結果と減算結果とを出力する複数
の加減算回路が並列に設けられた第2段の回路群と,該
第2段の回路群内のそれぞれの加減算回路から出力され
る加算結果および減算結果について,所定の関係を持っ
た信号対として入力してその信号対の加算結果と減算結
果とを出力する,前記第2段の加減算回路の個数の半分
の個数の複数の加減算回路,および,前記第2段の回路
群内のそれぞれの加減算回路から出力される加算結果お
よび減算結果について,所定の関係を持った信号対とし
て入力してその信号対を用いて所定の関係で係数乗算お
よび加減算処理を行う前記第2段の加減算回路の個数の
半分の個数の複数の第1の係数乗算加減算回路とを有す
る第3段の回路群と,該第3段の回路群内の前記係数乗
算加減算回路の出力に所定の係数を乗ずる係数乗算回路
を有する第4段の回路群とで構成される。
【0017】また前記離散コサイン変換回路の逆回路と
して構成される離散コサイン逆変換回路構成としては,
乗算回数を極力減少させるため,好適には,前記非線形
回路から出力される所定の非線形処理結果について所定
の係数を乗ずる係数乗算回路を有する第1段の回路群
と,該第1段の回路群の出力,および,前記非線形回路
から出力され前記第1段の回路群で処理されない出力に
ついて,所定の関係を持った信号対として入力してその
信号対の加算結果と減算結果とを出力する複数の加減算
回路,および,他の所定の関係を持った信号対として入
力してその入力対を用いて所定の関係で係数乗算および
加減算処理を行う第1の係数乗算加減算回路とを有する
第2段の回路群と,該第2の回路群の出力について,所
定の関係を持った信号対として入力してその信号対の加
算結果と減算結果とを出力する複数の加減算回路が並列
に設けられた第3段の回路群と,該第3段の回路群内の
それぞれの加減算回路から出力される加算結果および減
算結果について,所定の関係を持った信号対として入力
してその信号対の加算結果と減算結果とを出力する複数
の加減算回路が並列に設けられた第4段の回路群とで構
成される。
【0018】さらに好適には,前記離散コサイン変換回
路内の第4の回路群と,前記非線形回路と,前記離散コ
サイン逆変換内の第1の回路群とを一体構成する。
【0019】また本発明においては,画像信号処理回路
は,前記周波数変換処理回路は前記周波数変換として用
いる離散コサイン変換結果を直線近似する直線近似離散
コサイン変換処理を行う回路として構成され,前記周波
数逆変換処理回路は前記周波数逆変換回路として用いる
離散コサイン逆変換結果を直線近似する直線近似離散コ
サイン逆変換処理を行う回路とで構成される。
【0020】好適には,前記直線近似離散コサイン変換
処理回路は,第1の内積演算処理回路と,第2の内積演
算回路と,第1の内積演算回路と第2の内積演算回路と
の間に設けられ第1の内積演算回路の演算結果を第2の
内積演算回路に印加するとき所定の信号を並べ換えを行
う信号並べ換え回路とを有する。また好適には,前記直
線近似離散コサイン逆変換処理回路は,前記直線近似離
散コサイン変換回路の逆回路として構成され,第1の内
積演算処理回路と,第2の内積演算回路と,第1の内積
演算回路と第2の内積演算回路との間に設けられ第1の
内積演算回路の演算結果を第2の内積演算回路に印加す
るとき所定の信号を並べ換えを行う信号並べ換え回路と
を有する。
【0021】さらに本発明によれば,画像信号処理回路
は,前記周波数変換処理回路は前記周波数変換としてH
aar変換処理を行うHaar変換処理回路として構成
され,前記周波数逆変換処理回路は前記周波数逆変換回
路としてHaar変換逆変換処理を行うHaar変換逆
変換処理回路として構成される。
【0022】特定的には,前記画像信号はテレビジョン
用映像信号である。
【0023】さらに好適には,本発明の画像信号処理回
路は,テレビジョン用映像信号が印加される第1の減算
回路と,少なくとも1フレーム分(もしくは1フィール
ド分,以下同様)の映像信号を記憶するメモリと,前記
映像信号と前記メモリに記憶された少なくとも1フレー
ム前の映像信号との差分を算出する第2の減算回路と,
上記画像信号処理回路,すなわち,該第2の減算回路で
算出された差分信号を入力してm行xn列のブロックに
細分化して前記周波数変換処理回路に印加するするブロ
ック化処理回路と,実空間の前記フレーム差分信号に含
まれる動画像成分とノイズ成分とを識別可能に周波数領
域の信号に変換する周波数変換処理回路と,該周波数変
換された信号について所定のしきい値以内の周波数領域
におけるノイズ成分のみを通過させる非線形回路と,該
非線形回路から出力されるノイズ成分信号を前記周波数
変換とは逆変換をして2次元状の実空間のノイズ成分に
変換する周波数逆変換処理回路と,前記周波数逆変換処
理回路における該周波数逆変換されたノイズ成分を前記
細分化と逆の統合処理を行い,前記映像信号の同じ信号
形態に復元するブロック分解回路とを有する回路とを有
する。前記第1の減算回路は前記入力された映像信号か
ら前記ブロック分解回路から出力されるノイズ成分を減
じて,メモリに記憶させる。
【0024】
【作用】画像信号に含まれる動画像成分は相関がある。
一方,ノイズ成分は相関がない。したがって,画像信号
をこの特徴が正確に識別できる周波数変換,たとえば,
離散コサイン変換,Haar変換などを行えば,周波数
領域において,動画像とノイズ成分とを明瞭に識別でき
る。上記画像信号に含まれる動画像成分とノイズ成分と
を周波数領域において明瞭に区別する周波数変換とし
て,離散コサイン変換を例示してさらに詳細に述べる。
離散コサイン変換回路における離散コサイン変換の8次
の基底ベクトルを図3(A)〜(H)に示す。図におい
て,横軸は周波数を示し,縦軸はスペクトルを示す。図
30に示したアダマール変換の基底ベクトルと比較する
と明らかなように,この基底ベクトルは正確に周波数領
域の単位ベクトルになっている。したがって,周波数領
域において,正確に本来の画像成分と画像信号に含まれ
るノイズ成分とを識別できる。非線形回路において周波
数領域におけるノイズ成分のみを抽出する。離散コサイ
ン逆変換処理して抽出された周波数領域におけるノイズ
成分を実空間の信号に戻す。
【0025】2次元画像信号についてはm行xn列のブ
ロックに細分化して離散コサイン変換を行うと,周波数
領域において好適にノイズ成分を特徴づけることができ
る。このノイズ成分を非線形回路で抽出する。離散コサ
イン逆変換回路が抽出された周波数領域における信号を
実空間の信号に戻す。さらにブロック分解回路がブロッ
ク化処理回路において細分化した信号をもとの2次元状
信号に戻す。
【0026】離散コサイン変換および離散コサイン逆変
換は無理数を含む演算であるから,その演算を精度を低
下させない範囲で簡略化するため,離散コサイン変換お
よび離散コサイン逆変換に代えて,これらを直線近似す
る直線近似離散コサイン変換および直線近似離散コサイ
ン逆変換を用いることができる。図11に8次直線近似
離散コサイン変換の基底ベクトルを示す。この直線近似
離散コサイン変換の基底ベクトルは,図3に示した離散
コサイン変換の基底ベクトルに対して,直線近似したも
のであるが,近似程度によって精度を事実上低下させな
いで済む。直線近似離散コサイン変換の演算は内積演算
の組合せとなる。
【0027】周波数変換およびその逆変換の他の方法と
して,Haar変換およびHaar逆変換を適用するこ
とができる。Haar変換の基底ベクトルは,たとえ
ば,8次のHaar変換の場合,図25に示す特性とな
り,エッジを特徴づけるベクトルが基底ベクトルに含ま
れている。したがって,Haar変換を用いても正確に
本来の画像成分と画像信号に含まれるノイズ成分とを識
別できる。
【0028】画像信号としてテレビジョン用映像信号
(ビデオ信号)を考慮し,この映像信号に含まれるノイ
ズ成分を完全に除去するには,まずフレーム差分信号を
算出し,このフレーム差分信号について上述した画像信
号処理回路を用いて,フレーム差分信号に含まれる動画
像を保持し,ノイズ成分のみを抽出する回路として機能
させ,このノイズ抽出回路から正確に抽出されたノイズ
成分をもとの映像信号などの画像信号から減ずる。その
結果,ノイズ成分が正確かつほぼ完全に除去できる。
【0029】
【実施例】図1に本発明のノイズ抽出回路およびそれを
用いたノイズ除去回路の第1実施例として映像信号(ビ
デオ信号)用ノイズ除去回路の回路構成を示す。この映
像信号用ノイズ除去回路は,第1の減算回路10,フレ
ームメモリ12,第2の減算回路14,ブロック化処理
回路16,離散コサイン変換(DCT)回路18,非線
形回路20,離散コサイン逆変換(IDCT)回路2
2,ブロック分解回路24を有する。フレームメモリ1
2には1フレーム前の映像信号(ビデオ信号)が記憶さ
れている。第2の減算回路14は入力ビデオ信号VID
EOINからフレームメモリ12に記憶されている1フレ
ーム前のビデオ信号VEDEO-1を減じて, 動画部分の
残像とノイズとを含むフレーム差分信号S14を発生す
る。第2の減算回路14から出力されるフレーム差分信
号S14に含まれる動画部分の残像は隣接位置同士で相
関があるので、ある特定の周波数領域に集中して表れ
る。つまり、大きな振幅の(周波数領域上の)データと
なる。一方,ノイズ成分隣接位置同士で相関がないの
で、全ての周波数領域に平均化されて、小さい振幅の
(周波数領域上の)データとして表れる。
【0030】ブロック化処理回路16,DCT回路1
8,非線形回路20,IDCT回路22,ブロック分解
回路24は,フレーム差分信号S14,つまり元の入力
ビデオ信号VIDEOINに含まれているノイズ成分NO
ISEを正確に抽出するノイズ抽出回路として機能す
る。非線形回路20は図28と同様,図2に示す非線形
特性を有する。後述するように,ノイズ抽出回路で正確
に抽出されたノイズ成分NOISEが第1の減算回路1
0において入力ビデオ信号VIDEOINから減じられ
る。したがって,第1の減算回路10からはノイズ成分
NOISEが除去されたビデオ信号がフレームメモリ1
2に出力され,フレームメモリ12に記憶される。この
フレームメモリ12に記憶されたビデオ信号は次回のフ
レームに対して1つ前のフレームビデオ信号として使用
される他,フレームメモリ12に記憶されたノイズ成分
NOISEを含まないビデオ信号が出力ビデオ信号VI
DEOOUT として出力される。
【0031】ノイズ抽出回路としての,ブロック化処理
回路16,DCT回路18,非線形回路20,IDCT
回路22,および,ブロック分解回路24について述べ
る。ブロック化処理回路16は,2次元的な広がりを有
するフレーム差分信号S14をm行xn列の小領域(ブ
ロック)に細分化する。m,nのいずれかは少なくとも
2以上である必要がある。mとnとは,たとえば,m=
8,n=8のように等しくてもよい。ノイズ成分は,2
次元低域成分,縦方向成分,斜め方向成分,信号として
特徴をよく表す成分に分解した場合,これらの成分にお
いて低レベルで均等に分散する。そのため,ノイズ成分
を効果的に行うため,ブロック化処理回路16において
フレーム差分信号S14をm行xn列のマトリクス状の
ブロックに細分化する。
【0032】DCT回路18がフレーム差分信号S14
を細分化した各ブロックについて離散コサイン変換(D
CT)処理を行う。たとえば,8次のDCTについて述
べる。8次のDCTにおいては,ブロック化処理回路1
6においてフレーム差分信号S14を水平方向に8分割
し,垂直方向に8分割した64ブロックの画像データx
ij(i=0,1,2,・・,7,j=0,1,2,・
・,7)からなる行列Xを生成し,この行列Xの各ブロ
ックの画像データに離散コサイン変換を行うことにより
周波数領域(空間周波数領域)上の64点の要素c
ij(i=0,1,2,・・,7,j=0,1,2,・
・,7)からなる行列Cを得る。実空間上の行列Xおよ
び周波数領域上の行列Cとは下記式2で表される。
【数2】
【0033】離散コサイン変換はDCT変換行列Nおよ
びその転置行列Nt を用いて,下記式3で表される。
【数3】 式3における8次(8x8)のDCT行列Nは下記式4
で表される。
【数4】
【0034】8次の離散コサイン変換は,行列Xをそれ
ぞれ8個の要素からなる列ベクトルに分けた場合のこれ
ら8列の列ベクトルのそれぞれと行列Nとの乗算と,こ
の乗算の結果得られる行列を8行のそれぞれ8個の要素
からなる行ベクトルに分けた場合のこれら8行の行ベク
トルのそれぞれと転置行列Nt との乗算と分解した演算
できる。DCT回路18において,上述した離散コサイ
ン変換処理を行うことにより,実空間のフレーム差分信
号S14を周波数領域のフレーム差分信号に変換する。
図3(A)〜(H)に8次の離散コサイン変換の基底ベ
クトルを示す。図3(A)〜(H)に示す基底ベクトル
と,図30(A)〜(H)に示したアダマール変換の基
底ベクトルとを比較すると明瞭なように,図3(A)〜
(H)に示した基底ベクトルは信号を正確に周波数領域
に変換していることを示す。したがって,フレーム差分
信号S14を正確に周波数領域の信号に変換し,この周
波数領域において動画像の残像部分とノイズ成分とを正
確に区別できる。
【0035】非線形回路20は図2に示した非線形特性
を持つ。動画像の残像部分の周波数領域における振幅は
ノイズ成分の周波数領域における振幅よりも大きいか
ら,非線形特性として,動画像の残像部分のしきい値
を,図2の値F,−Fに設定ておけば,非線形回路20
からは周波数領域におけるノイズ成分のみが出力され
る。非線形回路20から出力されるノイズ成分は周波数
領域のデータであるから,IDCT回路22においてD
CT回路18における8次の離散コサイン変換処理と逆
の8次の離散コサイン逆変換(IDCT)を施して,非
線形回路20で抽出された周波数領域におけるノイズ成
分を実時間空間のノイズ成分に戻す。
【0036】8次の離散コサイン逆変換は,離散コサイ
ン逆変換(IDCT)変換行列N’およびその転置行列
N’t を用いると,下記式5で示される。
【数5】 IDCT行列N’は下記式6で表される。
【数6】
【0037】この8次の離散コサイン逆変換は,行列X
をそれぞれ8個の要素からなる列ベクトルに分けた場合
のこれら8列の列ベクトルのそれぞれとIDCT行列
N’との乗算と,この乗算の結果得られる行列を8行の
それぞれ8個の要素からなる行ベクトルに分けた場合の
これら8行の行ベクトルのそれぞれとIDCT転置行列
N’t との乗算と分解した演算できる。このようにID
CT回路22において,8次の離散コサイン逆変換を行
うことで,抽出された周波数領域におけるノイズ成分は
実空間におけるノイズ成分に戻される。IDCT回路2
2から出力されるノイズ成分はブロック化処理回路16
で細分化されたものであるから,ブロック分解回路24
においてブロック化処理回路16における処理と逆のブ
ロック分解(統合)処理をして,入力ビデオ信号VID
EOINのフレーム構成に対応した2次元状の連続した実
空間のデータに戻す。
【0038】ブロック分解回路24から出力される実空
間のノイズ成分NOISEを,第1の減算回路10にお
いて入力ビデオ信号VIDEOINから減じて,ノイズ成
分NOISEを除去したビデオ信号をフレームメモリ1
2に記憶させる。このようにフレームメモリ12にはノ
イズ成分NOISEが除去されたビデオ信号が記憶さ
れ,次のフレームに対するフレーム差分信号を算出する
のに使用される他,ノイズ成分を含まない出力ビデオ信
号VIDEOOUT としてこのフレームメモリ12から図
示しない後段の回路に出力される。
【0039】このように、フレーム差分信号S14に離
散コサイン変換を適用して,隣接する同士に相関があり
所定の周波数においてスペクトルが大きく振幅の大きい
動画像の残像部分と,隣接する同士に相関がなく広い周
波数範囲にわたって小さい振幅で分散するノイズ成分と
を明瞭に区分可能としている。したがって,フレーム差
分信号S14に離散コサイン変換を適用することによ
り,動画像の残像部分とノイズ成分とが明瞭に区分可能
になる。
【0040】DCT回路18における離散コサイン変換
の次数と,IDCT回路22における離散コサイン逆変
換の次数とは対応関係にある。たとえば,DCT回路1
8において8次の離散コサイン変換を行えば,IDCT
回路22において8次の離散コサイン変換を行う。同様
に,ブロック化処理回路16とブロック分解回路24と
は対応関係にある。たとえば,ブロック化処理回路16
において8x8のブロック細分化処理を行えば,ブロッ
ク分解回路24においても8x8のブロック分解処理を
行う。ブロック化処理回路16で細分化されたフレーム
差分信号S14について離散コサイン変換を行うのであ
るから,ブロック化処理回路16の細分化数とDCT回
路18における次数とも関連している。
【0041】なお,ブロック化処理回路16において,
mxnのブロックに細分化するとき、横方向にn画素単
位、縦方向にm画素単位で分割し各ブロック間の交わり
がないようにすると、ブロック化処理後のフレーム差分
信号にはブロック歪みが現れる可能性もある。このよう
なときには,横方向にp画素単位、縦方向にq画素単位
ずつずらしながらnxmのブロックを作成していき、各
ブロックに対してDCT回路18において離散コサイン
変換、IDCT回路22において逆離散コサイン変換を
して同一サンプル点同士を平均化すればよい。
【0042】上述した式4および式6に示した離散コサ
イン変換式および離散コサイン逆変換式を無理数を含
み,精度よく演算するにはビット長の大きな語長の乗算
を行わなければならない。また,乗算回数が非常に多
く,回路構成が非常に複雑になる。そこで,より好適に
は下記に述べる対策を講じた離散コサイン変換回路およ
び離散コサイン逆変換回路を用いることが望ましい。
【0043】上述した実施例は,フレーム差分信号S1
4として現在のフレームのビデオ信号と1フレーム前の
ビデオ信号との差をとった例を示したが,現在のフレー
ムのビデオ信号と2フレーム前,あるいは,それ以上前
のフレームのビデオ信号との差をとったものでもよい。
さらに上述した例は,フレーム信号について例示した
が,フィールド信号についても上記同様のノイズ処理を
行うことができる。
【0044】上述した離散コサイン変換(DCT)回路
18および離散コサイン逆変換(TDCT)回路22の
例として,2x4DCT回路,および,2x4IDCT
回路について述べる。2x4DCTおよび2x4IDC
Tは下記式7および式8で表される。
【数7】
【数8】 式7および式8における行列Mは2x4行列の原画像デ
ータを示し,行列Lは2x4行列の周波数領域における
画像データを示す。行列Q2,Q4は離散コサイン変換
するための2x2定数行列,4x4定数行列を示す。添
字tは転置行列を示す。式7および式8における定数行
列Q2,Q4は下記式9で表される。
【数9】
【0045】また行列Mおよび行列Lはそれぞれ下記式
10および式11で表される。
【数10】
【数11】
【0046】2次元(2x4)離散コサイン変換および
その逆変換である2次元(2x4)離散コサイン逆変換
は、上述した式から明らかなように,多くの乗算に基づ
く信号処理なので、その演算量は膨大である。そのた
め,そのままではハードウェア化したとき回路規模が大
きくなり過ぎる。たとえば,DCTにおいて、入力デー
タ行列Mに対して定数行列Q2との演算を行うのに16
回の乗算を必要とし、さらに行列Mと定数行列Q4との
演算を行うのに32回の乗算を必要とする。ゆえに,8
個の入力データ行列Mの要素、(xi ,yi )を入力し
てから8個の出力データ行列Lの要素、(zi ,wi
を出力するために、合計48回もの乗算を必要とする。
したがって,そのまま2x4DCTまたは2x4IDC
Tの演算を行う回路をハードウェア化すると,回路規模
が大きくなり過ぎる。そこで,乗算回数を少なくして,
ハードウエア回路構成を簡単化する回路構成を実現する
2x4DCTのアルゴリズムおよび2x4IDCTのア
ルゴリズムを考察する。結論的に言えば,本発明におい
ては,定数を因数分解し、同じ係数をくくり出すことに
より、乗算回数を減らす。
【0047】2x4DCTの第1実施例としての簡略化
した2x4DCTアルゴリズムを考察する。まず第1段
階の演算として乗算がない加減算のみの下記式12に基
づいて行う。
【数12】 次に第2段階の演算として加減算のみの式13を計算す
る。
【数13】 さらに第3段階の演算として乗算を含む式14を計算す
る。
【数14】 式14における定数R,S,Tを式15に示す。
【数15】 最後に第4段階の演算として式16を計算する。
【数16】 これにより,行列Lの要素zi ,wi (i=0,1,
2,3)を計算することが出来る。ただし,式16にお
ける4.0で割る除算は2進演算において4ビットシフ
トすればよいので,除算(乗算)とは考えなくてよい。
このDCT演算アルゴリズムによれば,式14において
2回,式16において4回,合計乗算回数は6回で済
む。
【0048】図4は上述した2x4DCTアルゴリズム
の処理を実現するハードウエア回路としての2x4DC
T回路の回路図である。この2x4DCT回路は,第1
段の加減算回路32,34,36,38,第2段の加減
算回路42,44,46,48,第3段の加減算回路5
2,56および第1の係数乗算加減算回路54,58,
および,第4段の係数乗算回路62,64,66,68
が図示のごとく接続されている。第1段の加減算回路3
2,34,36,38は式12で示した第1段階の演算
を行い,第2段の加減算回路42,44,46,48は
式13で示した第2段階の演算を行う。第3段の加減算
回路52,56および第1の係数乗算加減算回路54,
58は式14で示した第3段階の演算を行うが,加減算
回路52,56が乗算のない演算を行い,第1の係数乗
算加減算回路54,58が乗算を含む演算を行う。第4
段の係数乗算回路62,64,66,68は式16に示
す乗算を行う。なお,式16における4での割り算は上
述したように,データがバイナリ数のとき2ビットシフ
トするだけでよいから,除算(または1/4の乗算)を
必要とせず,図4に示した回路構成においては,4での
割り算回路は示していない。
【0049】加減算回路32,34,36,38はそれ
ぞれ1対の入力端子a1:b1に入力データx0:x
3,y0:y3,x1:x2,y1:y2を入力して,
それぞれその1対の出力端子c1:d1から式12に示
した1対の加算および減算データe0:e1,e2:e
3,e4:e5,e6:e7を出力する。図5(A)
に,これら加減算回路32,34,36,38の詳細代
表回路構成例を加減算回路70として図解する。図5
(A)に示した加減算回路70は加算回路701と減算
回路702を有し,入力端子a1およびb1に印加され
たデータを加算回路701で加算し,減算回路702で
入力端子a1に印加された信号から入力端子b1に印加
された信号を減じて,それぞれ出力端子c1,d1に出
力する。たとえば,加減算回路32を例示すると,入力
端子a1,b1にデータx0:x3が印加され,出力端
子c1および出力端子d1からそれぞれ e0=x0+x3 e1=x0−x3 として示される演算結果を出力する。その他の第1段加
減算回路34,36,38の演算も同様に行われる。同
様に,第2段の加減算回路42,44,46,48はそ
れぞれ図5(A)に示した加減算回路70の回路構成を
しており,式13に示す第2段階の演算を行って,デー
タ対f0:f1,f2:f3,f4:f5,f6:f7
を出力する。
【0050】第3段の加減算回路52,56は図5
(A)に示す加減算回路70の回路構成をしており,式
14に示す第3段階の演算のうち,乗算を含まない加減
算演算を行い,それぞれデータ対g0:g1,g4:g
5を出力する。第1の係数乗算加減算回路54,58
は,式14に示す第3段階の演算のうち,乗算を含む演
算を行いそれぞれデータ対g2:g3,g6:g7を出
力する。図5(B)に第1の係数乗算加減算回路54,
58の詳細回路構成として,第1の係数乗算加減算回路
72の回路構成を示す。第1の係数乗算加減算回路72
は,係数乗算回路721,第1の加算回路722,第2
の加算回路723,減算回路724を有する。たとえ
ば,第1の係数乗算加減算回路54は入力端子a2,b
2にデータf2:f6が印加され,第1の加算回路72
2において, α1=f2+f6 を算出し,係数乗算回路721において, α2=Rxf2を算出し,第2の加算回路723から出
力端子c2に g2=α1+α2=Rxf2+(f2+f6) を出力し,減算回路724から出力端子d2に g3=α2−α1=Rxf2−(f2+f6) を出力する。第1の係数乗算加減算回路58は入力端子
a2,b2にデータf3:f7を入力して,出力端子c
2,d2にデータ対g6:g7を出力する。係数乗算回
路62,64,66,68は式16に示すように,第1
の係数乗算加減算回路54,58の演算結果に係数(定
数)T,Rを乗ずる。上述したように,式16における
4での割り算は,たとえば,演算結果を2ビットシフト
すればよく,実際と割り算を行わない。図4に示した2
x4DCT回路は,第1の係数乗算加減算回路54,5
8,および,係数乗算回路62,64,66,68の6
個の乗算回路を含む回路が設けられているが,その他の
回路は加減算回路である。つまり,全体で6個の乗算回
路を含む回路構成であるから,全体の回路構成は簡単で
ある。
【0051】2x4DCTの逆変換である2x4IDC
Tアルゴリズムについて述べる。第1段階の演算とし
て,下記式17の演算を行う。
【数17】 次いで,第2段階の演算として下記式18の演算を行
う。
【数18】
【0052】さらに第3段階の演算として式19の演算
を行う。
【数19】 最後に第4段階の演算として式20に示す演算を行う。
【数20】 以上により,離散コサイン変換されたデータ対z0;z
2,z1;z3,z0;z2,z1;z3からもとのデ
ータ対x0;x3,y0;y3,x1;x2,y1;y
2が得られることが判る。つまり,行列〔M)の要素、
および,xi ,yくを計算することができ,乗算は6回
で済む。
【0053】図6は上述した2x4IDCTアルゴリズ
ムを実現する2x4IDCT回路の回路図である。この
2x4IDCT回路において,信号は右から左に流れ
る。この2x4IDCT回路は,第1段の係数乗算回路
82,84,86,88,第2段の加減算回路92,9
6および第2の係数乗算加減算回路94,98,第3段
の加減算回路102,104,106,108,およ
び,第4段の加減算回路112,114,116,11
8が図示のごとく接続されている。この回路において
も,式20に示されるように全体的に2で割る必要があ
るが,割り算に代えて1ビットシフトすればよい。
【0054】係数乗算回路82,84,86,88は式
17の右側に示した乗算を行う。加減算回路92,96
は図5(A)に示した加減算回路70と同じ回路構成で
あり,それぞれ乗算を行わない加減算データ対ff0:
ff4,ff1:ff5を出力する。第2の係数乗算加
減算回路94,98は図5(C)に示した加算回路74
1,,第1の減算回路742,係数乗算回路(または除
算回路)743,および,第2の減産回路744から構
成される第2の係数乗算加減算回路74として構成さ
れ,それぞれ,係数乗算加減算データ対ff2:ff
6,ff3:ff7を出力する。たとえば,第2の係数
乗算加減算回路94は入力端子a3,b3にデータgg
2,gg3を入力して,加算回路741,係数乗算回路
743の経路で ff2=(gg2+gg3)x(1/R) を算出して出力端子c2に出力し,減算回路742,加
算回路741,係数乗算回路743,および減算回路7
44の経路で, ff6=(gg2−gg3)−(gg2+gg3)x1/R を算出して出力端子c2に出力する。第2の係数乗算加
減算回路98も上記同様に演算を行う。加減算回路10
2,104,106,108はそれぞれ図5(A)に示
した回路構成をしており,式19に示した演算を行う。
加減算回路112,114,116,118はそれぞれ
図5(A)に示した回路構成をしており,式20に示し
た演算を行う。式20における2の割り算と割り算に代
えて1ビットシフトする。図6に示した2x4IDCT
回路は,係数乗算回路82,84,86,88,おび,
第2の係数乗算加減算回路94,98に乗算回路を含む
だけである。つまり,6個の乗算回路を含むだけである
から回路構成が簡単である。
【0055】さらに2x4DCTアルゴリズムの他の実
施例を述べる。第1段階において式21を計算する。
【数21】 第2段階において式22を計算する。
【数22】
【0056】第3段階において式23を計算する。
【数23】 第4段階において式24を計算する。
【数24】 これにより,行列Lの要素,および,パラメータzi
i を計算することができる。この2x4DCTアルゴ
リズムにおいても,乗算は6回で済む。
【0057】図7はこの2x4DCTアルゴリズムを実
現するハードウェア化した回路である。この2x4DC
T回路は,第1段の加減算回路122,124,12
6,128,第2段の加減算回路132,134,13
6,138,第3段の加減算回路142,146および
第3の係数乗算加減算回路144,148,および,第
4段の係数乗算回路152,154,156,158を
有する。第1段の加減算回路122,124,126,
128のそれぞれは図5(A)に示した回路構成を有
し,式21に示した演算を行う。第2段の加減算回路1
32,134,136,138のそれぞれは図5(A)
に示した回路構成を有し,式22に示した演算を行う。
第3段の加減算回路142,146のそれぞれは図5
(A)に示した回路構成を有し,式23におけるデータ
対g0:g1,g4:g5を算出する。第3の係数乗算
加減算回路144,148は図5(D)に示す回路構成
を有する。図5(D)に示した第3の係数乗算加減算回
路76は,式23におけるデータ対g2:g3,g6:
g7を算出するように,第1の減算回路761,係数乗
算回路762,加算回路763,および,第2の減算回
路764で構成される。たとえば,第3の係数乗算加減
算回路144の動作を述べる。入力端子a4,b4にデ
ータf2:f6が入力されると,第1の減算回路761
において(f2−f6)を算出し,係数乗算回路762
において(f6xR)を算出し,加算回路763におい
て(f2−f6)+(f6xR)を算出して出力端子c
4からg2=(f6xR)+(f2−f6)を出力し,
第2の減算回路764において(f2−f6)−(f6
xR)を算出して出力端子d4からg3=−(f6x
R)+(f2−f6)を出力する。第3の係数乗算加減
算回路148の動作も同様である。係数乗算回路15
2,154,156,158は第3の係数乗算加減算回
路144,148の出力に係数(定数)T,Sを乗じて
式24の右側のデータを算出する。図7に図解した回路
構成においても,式24に示した4で割る演算は2ビッ
トシフトすればよいから,割り算回路は示していない。
この2x4DCT回路においても,乗算回路は第3の係
数乗算加減算回路144,148および係数乗算回路1
52,154,156,158の6箇所だけである。
【0058】さらに2x4IDCTアルゴリズムの他の
例について述べる。この2x4IDCTアルゴリズムに
おいては,まず,第1段階の演算として,式25に示す
演算を行う。
【数25】 次いで,式26に示す第2段階の演算を行う。
【数26】
【0059】さらに第3段階の演算として式27に示す
演算を行う。
【数27】 第4段階の演算として式28の計算を行う。
【数28】 式28における2で割る演算は1ビットシフトする。以
上により,行列Mおよびパラメータxi ,yi を計算す
ることができる。このアルゴリズムにおいても,式26
における2回の乗算,式28における4回の乗算,合計
6回の乗算ですむ。
【0060】図8は上述した2x4IDCTアルゴリズ
ムをハードウエア回路で実現した回路図である。この2
x4IDCT回路は,第1段の係数乗算回路162,1
64,166,168,第2段の加減算回路172,1
76および第4の係数乗算加減算回路174,178,
第3段の加減算回路182,184,186,188,
および,第4段の加減算回路192,194,196,
198が図示のごとく接続されている。係数乗算回路1
62,164,166,168は式25の右側に示す演
算を行う加減算回路172,176はそれぞれ図5
(A)に示す回路構成をしており,式26に示したデー
タ対ff0:ff4およびff1:ff5を算出する。
第4の係数乗算加減算回路174,178は図5(E)
に示す第4の係数乗算加減算回路78として示す回路構
成をしており,式26のデータff2:ff6,ff
3:ff7を算出する。図5(E)に示す第4の係数乗
算加減算回路78は第1の加算回路781,減算回路7
82,係数乗算回路793,および第2の加算回路78
4を有する。たとえば,第4の係数乗算加減算回路17
4の動作を例示すると,入力端子a5,b5にデータg
g2:gg3が入力されると,第1の加算回路781に
おいて(gg2+gg3)を算出し,減算回路782に
おいて(gg2−gg3)を算出し,係数乗算回路78
3において(gg2−gg3)x(1/R)を算出し,
出力端子d5からff2=(gg2−gg3)x(1/
R)を出力し,第2の加算回路784において(gg2
+gg3)+(gg2−gg3)x(1/R)を算出し
出力端子c5からff6=(gg2+gg3)+(gg
2−gg3)x(1/R)を出力する。第4の係数乗算
加減算回路178の動作も上記同様である。加減算回路
182,184,186,188のそれぞれは図5
(A)に示す加減算回路70の回路構成を有し,式27
に示す計算を行う。加減算回路192,194,19
6,198のそれぞれは図5(A)に示す加減算回路7
0の回路構成を有し,式28に示す計算を行う。この回
路構成においても,式28に示した2で割る演算は1ビ
ットシフトすることにし,割り算回路は設けていない。
図8に示した2x4IDCT回路も,4個の係数乗算回
路162,164,166,168および2個の第4の
係数乗算加減算回路174,178,合計6個の乗算回
路を有する。
【0061】以上述べたように,本発明の実施例の2x
4DCT回路および2x4IDCT回路のいずれも乗算
回数が6回であり,乗算回数が少ない。そのため,回路
構成も簡単であり,演算速度も速い。
【0062】図4に示した2x4DCT回路または図7
に示した2x4DCT回路が,図1に示した映像信号用
ノイズ除去回路におけるDCT回路18として用いら
れ,図6に示した2x4IDCT回路または図8に示し
た2x4IDCT回路が図1に示したIDCT回路22
として用いられる。図9は図1に示し映像信号用ノイズ
除去回路として,図4または図7に示した2x4DCT
回路を用いた2x4DCT回路18A,図6または図8
に示した2x4IDCT回路を用いた2x4IDCT回
路22Aを有し,2x4DCT回路18Aに対応させて
2x4ブロック化処理回路16A,2x4IDCT回路
22Aに対応させて2x4ブロック分解回路24Aとし
て構成した回路例を示す。非線形回路20はそれぞれが
図2に示す非線形特性を有する8系列の非線形回路NL
からなる。この映像信号用ノイズ除去回路の基本動作は
すでに図1に示した映像信号用ノイズ除去回路の回路動
作と同じである。
【0063】図10は図9に示した映像信号用ノイズ除
去回路を変形した回路構成を示す。図10に示した映像
信号用ノイズ除去回路は,図9において,非線形演算要
素である,2x4DCT回内の係数乗算回路62,6
4,66,68または係数乗算回路152,154,1
56,158,および,2x4IDCT回路内の係数乗
算回路82,84,86,88または係数乗算回路16
2,164,166,168とを非線形回路20とを非
線形回路NL3,NL4,NL7,NL8として一体構
成させたものである。係数乗算回路62,64,66,
68または係数乗算回路152,154,156,15
8のいずれも固定の係数T,Rを乗じ,係数乗算回路8
2,84,86,88または係数乗算回路152,15
4,156,158のいずれも固定の係数1/T,1/
Rを乗じるから,これらを図2に示した非線形特性を上
記係数を乗じた新たな非線形特性として用いることがで
きる。非線形回路NL1,NL2,NL5,NL6は図
9に示す8系統の非線形回路NLと同様,図2に示す非
線形特性を有するものである。図9に示した映像信号用
ノイズ除去回路においては,12個の乗算回路が存在し
たが,図10に示した映像信号用ノイズ除去回路におい
ては8個の乗算回路を減少させることができ,乗算回路
は合計で4個減少する。
【0064】上述した映像信号用ノイズ除去回路は2x
4離散コサイン変換および2x4離散コサイン逆変換を
例示したが,その他の構成,たとえば,8x8離散コサ
イン変換および8x8離散コサイン逆変換などの回路構
成にすることもできる。ブロック化処理回路16および
ブロック分解回路24は,DCT回路18およびIDC
T回路22の次数に応じてブロック構成が規定される。
なお,ブロック化処理回路16におけるm行xn列に細
分化する場合,m,nのいずれかは少なくとも2以上で
ある必要がある。m行xn列にブロック化するとき,フ
レーム差分信号S14を横方向にn画素,縦方向にm画
素に分割し,各ブロック間に交わりがないようにする
と,ビデオ信号にはブロック歪みが現れる場合がある。
この場合には,横方向にp画素単位,縦方向にq画素単
位ずらしてmxnのブロックを作成し,各ブロックに対
して離散コサイン変換および離散コサイン逆変換をして
同一サンプる同士を平均化する。ただし,pはn未満,
qはm未満とする。たとえば,1画素単位の場合にはp
=q=1とする。
【0065】本発明のノイズ抽出回路およびそのノイズ
抽出回路を用いたノイズ除去回路の第2実施例を述べ
る。本発明の第1実施例は,基本的には離散コサイン変
換および離散コサイン逆変換を用いたノイズ抽出回路お
よびノイズ除去回路を示し,さらに,離散コサイン変換
および離散コサイン逆変換における乗算回数の数を低減
させた離散コサイン変換(DCT)およびその逆変換で
ある離散コサイン逆変換(IDCT)を用いた例を示し
たが,DCTおよびIDCTは無理数を含み,精度の高
いノイズ抽出および高精度でノイズを除去したビデオ信
号の提供を考慮すると,語長を大きくとる必要があり,
依然として回路構成が複雑になる。第2実施例は,DC
TおよびIDCTを用いたノイズ成分を高精度で検出で
きるノイズ抽出回路およびそれを用いた映像信号用ノイ
ズ除去回路と同等の精度を有し,無理数を用いないより
簡便な方法として,DCTおよびIDCTに代えて直線
近似DCTおよび直線近似IDCTを用いる。
【0066】以下,離散コサイン変換(DCT)および
離散コサイン逆変換(IDCT)と直線近似DCTおよ
び直線近似IDCTとの関係について述べる。8x8D
CTの数式は式3〜式4で表され,8x8IDCTは式
5〜式6で表され,その8x8DCTの基底ベクトルは
図3に示したものとなる。このようにDCT変換行列N
およびIDCT変換行列N’の要素は全て無理数であ
る。したがって,乗算回路の数を少なくしても,高精度
でノイズ成分を抽出するには語長の大きな回路構成にす
る必要があり,回路規模が大きくなる。第2実施例にお
いては,直線近似技法を適用して,図3に示した基底ベ
クトルを,実質的に精度を低下させない範囲で,図11
に示すように折れ線近似する,つまり直線近似する。
【0067】図3に示した8個の基底ベクトルについて
考察すると,座標X軸上の8ドット分の画像データは,
図3(A)に示すゼロクロスを有しない直線レベルと,
図3(B)〜図3(H)に示すように,1個〜7個のゼ
ロクロス点を有するコサイン波の8つの成分の係数に分
解される。このとき,式3および式4におけるDCT変
換行列Nは8個のそれぞれの成分の個数が8個の基底ベ
クトルによって構成され,8個の基底ベクトルはそれぞ
れ図3に示した直線レベルと連続波であるコサイン波を
8ドットの幅を等分した8点でサンプリングしてデータ
として構成されている。図11に示した基底ベクトル
は,図3に示した連続波であるコサイン曲線を折れ線で
近似しており,これら折れ線は,座標X軸上における8
ドット分の幅の画像データは8個の成分の係数に分解さ
れ,これら8個の成分の係数が周波数領域(空間)上の
画像データとなる。図11に示した例では,下記に示す
直線および折れ線となる。 (1)図11(A)に示すように,値が1/2の直線レ
ベル (2)図11(B)に示すように,値が8ドット分の幅
の範囲で(1,−1)と直線的に変化する直線 (3)図11(C)に示すように,2本の直線を接続し
て形成される値が(1,−1,1と変化して2個のゼロ
クロス点を有する折れ線 (4)図11(D)に示すように,3本の直線を接続し
て形成される値が(1,−1,1,−1)と変化して3
個のゼロクロス点を有する折れ線 (5)図11(E)に示すように,4本の直線を接続し
て形成される値が(1,−1,1,−1,1)と変化し
て4個のゼロクロス点を有する折れ線 (6)図11(F)に示すように,5本の直線を接続し
て形成される値が(1,−1,1,−1,1,−1)と
変化して5個のゼロクロス点を有する折れ線 (7)図11(G)に示すように,6本の直線を接続し
て形成される値が(1,−1,1,−1,1,−1,
1)と変化して6個のゼロクロス点を有する折れ線 (8)図11(G)に示すように,7本の直線を接続し
て形成される値が(1,−1,1,−1,1,−1,
1,−1)と変化して7個のゼロクロス点を有する折れ
線 このように連続波を折れ線を用いて直線近似を行っても
ほぼ式3〜式4に示したDCTと同様の実空間から周波
数領域への変換およびその逆変換が可能となる。つま
り,8ドット分の画像データを8個集積して構成される
式3で定義される8行x8列の行列Xに対してその直線
近似DCTを施すことにより,式3で定義される周波数
領域の上に8行x8列の行列Cを得ることができる。こ
の変換は折れ線つまり直線近似をしているので,ここで
は直線近似DCTと呼ぶ。
【0068】8x8直線近似DCTを,変換行列Mおよ
びこの行列Mの転置行列M’を用いて式29および式3
0として示す。
【数29】
【数30】
【0069】直線近似DCTの逆変換である8x8直線
近似IDCTは,変換行列Mおよびこの行列Mの転置行
列M’t を用いて式31および式32に示す。
【数31】
【数32】
【0070】図11に示した8x8のDCTを直線近似
した直線近似DCTを一般的に言えば,ブロック化処理
回路16においてm行xn列に細分化するとき,j個の
M次曲線(M=1,2,3,・・,n−1)を接続して
形成されるゼロクロス点がj回生ずるような曲線をその
j次の成分として用いる。図11に示した例は,M=1
としてj本の曲線を接続して形成され,j個のゼロクロ
ス点を有する折れ線をそのj次の成分としている。Mの
数を大きくとれば,直線近似DCTは本来のDCTの特
性により近づくことになる。
【0071】図12は本発明の第2実施例としての直線
近似DCTおよび直線近似IDCTを適用した映像信号
用ノイズ除去回路の回路図である。図12に示した映像
信号用ノイズ除去回路は,第1の減算回路10,フレー
ムメモリ12,第2の減算回路14の他に,直線近似D
CTおよび直線近似IDCTを用いたノイズ抽出回路を
有する。このノイズ抽出回路は,ブロック化処理回路1
6,直線近似DCT回路19,非線形回路20,直線近
似IDCT回路23,および,ブロック分解回路24を
有する。この映像信号用ノイズ除去回路の動作は,上述
したように,第2の減算回路14において入力ビデオ信
号VIDEOINとフレームメモリ12からのビデオ信号
VIDEO-1とのフレーム差分信号S14を算出する。
このフレーム差分信号S14をブロック化処理回路16
でm行xn列のブロックに細分化し,直線近似DCT回
路19においてブロック化処理回路16からの実空間に
おける信号を周波数領域に変換し,非線形回路20にお
いて周波数領域におけるノイズ成分を抽出し,直線近似
IDCT回路23においてこの周波数領域のノイズ成分
を実空間に戻し,ブロック分解回路24においてフレー
ム差分信号S14と同じ構成の信号に統合する。ブロッ
ク分解回路24からは実空間のノイズ成分NOISEの
みが出力され,第1の減算回路10において入力ビデオ
信号VIDEOINに対してノイズ成分NOISEが除去
されてノイズ成分NOISEを持たないビデオ信号がフ
レームメモリ12に記憶され,出力ビデオ信号VIDE
OUT として出力される。
【0072】図12に示した直線近似DCT回路19お
よびIDCT回路22の詳細について,8x8直線近似
DCTおよび8x8直線近似IDCTを例示して述べ
る。式29および式30に示した変換行列Mを式33に
示すように,8行x8列の2つの行列D1と行列D2と
の積に分解する。
【数33】
【0073】この場合、式33の8次の直線近似DCT
変換は次のように表すことができる。
【数34】 式34において、行列D1t および行列D2t はそれぞ
れ行列D1および行列D2の転置行列であり、行列〔b
ij〕は(D1xD1t )の演算により得られ要素がbij
(0≦i,j≦7)である8行x8列の行列を示す。式
34より、8次の直線近似DCT演算は、(a)まず6
4個の行列Xと行列D1とを用いて行列〔bij〕を求め
た後に、(b)行列D2〔bij〕D2t の演算を行うこ
とにより実行されることが分かる。なお、この演算はバ
イナリデータを用いたデータの演算を予定しており,
(1/8)の乗算は単なる3ビットシフト演算で実行で
きるので、以下,乗算としての説明を省略する。行列D
2は対角成分のみが0(ゼロ)でないある値を有し対角
成分以外が全て0(ゼロ)の行列であり、その演算:D
2〔bij〕D2t は行列〔bij〕の要素bijに順次
{(1/2)・(1/2),(4/291)・(4/2
91),・・・,(4/291)・(4/291)}の
中から選ばれた定数を乗算することにより行われる。
【0074】図13は式34に示した演算を実行するた
めの8次の直線近似DCT演算回路を示す。この8次の
直線近似DCT演算回路19Aは,第1の8次内積演算
回路19a,データ配列回路19b,第2の8次内積演
算回路19c,および,係数乗算回路19dで構成され
る。第1の8次内積演算回路19aに行列Xの64個の
要素をシリアルに供給し、この第1の8次内積演算回路
19aは式34における(D1X)の演算を行列D1と
行列Xを構成する8個の列ベクトルとの乗算に分解して
行う。行列D1を8個の行ベクトルに分解すれば、その
行列D1と行列Xとの乗算は8次のベクトル同士の64
回の内積演算で求めることができる。第1の8次内積演
算回路19aの出力データをデータ配列回路19bに供
給する。データ配列回路19bは、第1の8次内積演算
回路19aから列ベクトルの形式で出力される行列(D
1X)の配列を変換することにより行列(D1X)を行
ベクトルの形式で後段の第2の8次内積演算回路19c
に供給する。第2の8次内積演算回路19cは、式34
における行列(D1X)と転置行列D1t との乗算を行
ベクトルと列ベクトルとの内積に分解して実行するが,
この演算は実質的に行列D1と行列Xとの乗算と等価で
ある。したがって,第2の8次内積演算回路19cは第
1の8次内積演算回路19aと同一の構成にすることが
できる。第2の8次内積演算回路19cから式34に示
した行列(D1XD1t )の要素bijがシリアルに出力
されるので、この要素bijを係数乗算回路19dの一方
の入力端子に供給し、他方の入力端子に係数αkを供給
する。係数乗算回路19dからはその要素bijに係数α
kを乗算した積が順次出力される。式33から行列D2
の対角成分の2乗の集合は{(1/2)・(1/2),
(4/291)・(4/291),・・・,(4/29
1)・(4/291)}であるため、その係数αkをそ
の集合の中から順次選択することにより、係数乗算回路
19dにおいて,式34に示す(D2〔bij〕D2t
の演算が実行される。
【0075】図14〜図16に第1の8次内積演算回路
19Aの詳細回路構成を示す。第1の8次内積演算回路
19Aは,入力データが並列に印加される8個の乗算回
路19A1〜19A8,累加算回路19A11,7個の
累加減算回路19A12〜19A18,および,パラレ
ル・シリアル変換回路19A2が図示の如く接続されて
いる。式33から明らかなように,行列D1は要素が
1,48,3,・・という簡単な整数のみである。8個
の乗算回路19A1〜19A8はこれらの演算を行う。
乗算回路19A1,19A5は入力データに1を乗ずる
回路であるが,実際には乗算を行わず,入力データをそ
のまま出力する。β乗算回路19A2,19A4,19
A6,19A8はそれぞれ,図15に図示された回路構
成を有する。図15に示すβ乗算回路は,係数乗算回路
201〜206,選択スイッチ207,208,およ
び,加算回路209を有する。入力データはこれらの係
数乗算回路201〜206においてそれぞれ係数(定
数)32,16,8,2,1が乗ぜられる。ただし,こ
れらの定数32,16,8,2,1はバイナリデータを
5ビット,4ビット,3ビット,1ビット,0ビットシ
フトすればよいので,係数乗算回路201〜206は実
際には回路が複雑になる乗算回路として構成されるので
はなく,簡単な回路構成のシフト回路として構成され
る。これら入力データに乗じられた値が選択スイッチ2
07によって選択出力される乗算結果のいずれか,乗算
回路204の乗算結果,および,選択スイッチ208に
よって選択出力される乗算結果のいずれかが,加算回路
209において加算される。つまり,β乗算回路19A
2,19A4,19A6,19A8はそれぞれ,入力デ
ータに(11,25,32,48)の内の何れかである
定数βを乗算する。γ乗算回路19A3,19A7はそ
れぞれ,図16に示す,乗算回路211,212,選択
スイッチ213,および,加算回路214を有し,それ
ぞれ入力データに(1,3)のうちのいずれかである変
数γを乗算する。これらγ乗算回路19A3,19A7
においても,乗算回路211,212は単なるシフト回
路として構成され,乗算回路構成をとらない。乗算回路
19A1の乗算結果が累加算回路19A11に印加され
て加算される。7個の乗算回路19A2〜19A8の乗
算結果が7個の累加減算回路19A12〜19A18に
印加されて累加減算される。累加算回路19A11,お
よび,累加減算回路19A12〜19A18の演算結果
が,パラレル・シリアル変換回路19A2に印加されて
シリアルデータとして出力される。
【0076】図14に示した第1の8次内積演算回路1
9Aの動作を整理すると,乗算回路19A1と累加算回
路19A11とにより,式33に示した行列D1の第1
行の行ベクトルと行列Xの各列ベクトルとの内積が計算
され,β乗算回路19A2と累加減算回路19A12と
により行列D1の第2行の行ベクトルと行列Xの各列ベ
クトルとの内積が計算される。以下同様に,他の乗算回
路19A3〜19A8とこれらの下段の累加減算回路1
9A13〜19A18と組合せにより行列D1の第3行
以下の各行ベクトルと行列Xの各列ベクトルとの内積が
計算される。これにより,図14に示した第1の8次内
積演算回路19Aによって式34における行列(D1
X)の演算が行われることになる。
【0077】図17に図14〜図16に示した第1の8
次内積演算回路19Aの他の回路構成を示す。図17に
示した第1の8次内積演算回路19A’は上述した第1
の8次内積演算回路19Aより簡略化した回路構成をし
ている。行列Xの各列ベクトルの要素をI0〜I7とす
ると、シリアルの入力データI0〜I7をシリアル/パ
ラレル(S/P)変換回路226に供給し、このS/P
変換回路26は順次並列の8個のデータI0〜I7を出
力する。これらデータの内の下位の4個のデータI0〜
I3を第1の4入力のデータセレクタ227Aの入力部
に供給し、上位の4個のデータI4〜I7を第2の4入
力のデータセレクタ227Bの入力部に供給し、データ
セレクタ227Aの出力を加算回路228の一方の入力
部に供給し、データセレクタ227Bの出力を直接また
は2の補数器229を介して2入力のデータセレクタ2
30の入力部に供給し、このデータセレクタ230の出
力を加算回路228の他方の入力部に供給する。2の補
数器229は、入力データに−1を乗算する。
【0078】加算回路228からの1入力がシリアル/
パラレル(S/P)変換回路231を介して2出力とな
り,このS/P変換回路31の出力の内の下位側のデー
タを入力データを1倍する乗算回路211Cおよび入力
データに1又は3の何れかの定数γを乗ずるγ乗算回路
213Cに供給し、そのS/P変換回路231の出力の
内の上位側のデータを入力データに(11,25,3
2,48)の内の何れかの定数βを乗ずるβ乗算回路2
12Eおよび他のβ乗算回路212Fに供給する。演算
ユニット232Aにおいて、乗算回路211Cの出力を
直接または2の補数器233を介して2入力のデータセ
レクタ234の入力部に供給し、このデータセレクタ2
34の出力を加算回路235の一方の入力端子に供給
し、この加算回路235の出力に継続接続された2個の
単位遅延素子としてのレジスタ236A及び236Bを
介してこの加算回路235の他方の入力端子に戻す。レ
ジスタ236Bの出力およびレジスタ236Aの出力が
それぞれこの演算ユニット32Aの第1の出力および第
2の出力となる。他の演算ユニット232B〜232D
も演算ユニット232Aと同じ回路構成をしなおり,そ
れぞれ,乗算回路213C,212E,212Fの出力
を入力して第1の出力および第2の出力を生成する。こ
れらの第1の出力および第2の出力が8ビットパラレル
入力を1ビットシリアル出力とするパラレル/シリアル
(P/S)変換回路37に印加され,このP/S変換回
路37よりシリアルの出力のデータを得る。
【0079】図17に示した第1の8次内積演算回路1
9A’における式34における行列(D1X)の演算動
作について述べる。行列Xの列ベクトルの要素をI0〜
I7、行列(D1X)の列ベクトルの要素をO0〜O7
とすると、その演算(D1X)は式35に示すように分
解して表現することができる。
【数35】 数33で表される行列D1の形から、この例では式35
の演算を下記式36に示すように変形する。
【数36】 この変形から式36の演算は、(Ii+I7−i)(i
=0,1,……,7)の演算、(Ii−I7−i)の演
算、これらと整数の定数との乗算及びこれらの乗算結果
の累加算に分解できることが分かる。
【0080】図17に示した第1の8次内積演算回路1
9A’においては,加算回路228は(Ii±I7−
i)の演算を実行し、乗算回路211C〜212Fはそ
の演算結果と整数の定数との乗算を実行し、演算ユニッ
ト232A〜232Dは累積的な加減算を実行する。図
15に示したβ乗算回路は1個の3入力の加算回路20
9を有し、図16に示したγ乗算回路は1個の2入力の
加算回路214を有しており,図17に示した第1の8
次内積演算回路19A’は全体として10個の2入力の
加算回路を有する。また,図14に示した第1の8次内
積演算回路19Aは全体として18個の2入力の加算回
路を有しているが,図17に示した回路構成によれば回
路規模をより小さくすることができる利益がある。
【0081】次に、式31および式32に示した8次の
直線近似IDCTおよびその回路構成について述べる。
図18は図12に示した直線近似IDCT回路23の1
例として8x8直線近似IDCT回路23Aの回路構成
を示す。8x8直線近似IDCT回路23Aは,第1の
8次内積演算回路23A1,データ配列変換回路23A
2,および,第2の8次の内積演算回路23A3を有す
る。第1の内積演算回路23A1に式31における行列
Cの要素cijをシリアルに供給する。この内積演算回路
は、式31における変換行列M′と行列Cとの乗算を複
数の内積演算に分解して実行する。この内積演算回路か
らはその乗算結果の行列が8個の列ベクトルとして順次
出力される。データ配列変換回路23A2は第1の内積
演算回路23A1から出力される8個の列ベクトルを8
個の行ベクトルに変換し、これら8個の行ベクトルを第
2の8次の内積演算回路23A3に供給する。第2の8
次の内積演算回路23A3は、式31における行列〔M
C〕と行列M′t との演算を複数の内積演算に分解して
実行して、得られた行列Xの各要素Xijをシリアルに出
力する。なお、式32におけるバイナリ数2の乗算はシ
フト演算のみで実行できる。
【0082】第2の8次の内積演算回路23A3は第1
の8次の内積演算回路23A1と同一に回路構成するこ
とができる。この場合、式31および式32から本例の
変換行列M′の要素は全て±2-n(n=1,2,・・
・),または,(±2-n±2-m)(m=1,2,……)
で表すことができ、内積演算回路23A1および内積演
算回路23A3は乗算回路を使用することなく加減算回
路のみで構成することができる。したがって,従来のI
DCT演算回路に比べて回路規模をきわめて小さくでき
るという利益がある。
【0083】図19〜図21に内積演算回路23A1お
よび23A4の回路構成を示す。図19において、符号
247は1入力で8出力のシリアル/パラレル(S/
P)変換器を示し、このS/P変換器247に行列Cの
各要素cijをシリアルに供給し、このS/P変換器24
7より行列Cの列ベクトルの8個の要素I0〜I7を並
列に出力する。符号248Aおよび248Bはそれぞれ
要素I0およびI4に(1/2)を乗算する乗算回路、
符号249A〜249Dはそれぞれ要素I1,I3,I
5,I7に(1/8,3/8,5/8,7/8)の内の
何れかの定数δを乗算するδ乗算回路、符号250Aお
よび250Bはそれぞれ要素I2及びI6に1/4又は
3/4の何れかの定数εを乗算するε乗算回路を示す。
符号251A〜251Gはそれぞれ同一構成の演算ユニ
ットを示し、これら演算ユニット251A〜251Gに
乗算回路249A,250A,249B,248B,2
49C,250Bおよび249Dの出力を供給する。た
とえば,演算ユニット251Aにおいては、δ乗算回路
249Aの出力を直接または2の補数器252を介して
2入力のデータセレクタ253の入力部に供給し、この
演算ユニット251Aは入力データに1又は−1を乗算
して得られるデータを出力する。乗算回路248Aの出
力および演算ユニット251A〜251Gの出力を加算
回路254で全て加算することにより、最終的な出力で
ある行列(M′C)の各列ベクトルの要素を得る。
【0084】図19に示す内積演算回路の動作について
述べる。行列Cの列ベクトルの要素をI0〜I7、行列
(M′C)の列ベクトルの要素をO0〜O7とすると、
本例では式31および式32における演算〔M′C〕を
下記式37に示す演算に分解して行う。
【数37】 式37の演算は式31および式32の変換行列M′の具
体的な形を考慮すると下記式38に変形することができ
る。
【数38】 たとえば,要素O0を求める場合には、(a)(I0/2+
I4/2) の演算は乗算回路248A、248B、演算ユニ
ット251Dおよび加算回路254により行われ、
(b)(3I2/4 +I6/4) の演算はε乗算回路250A、
250B、演算ユニット251B、251Fおよび加算
回路254により行われ、(c)(7I1/8 +5I3/8 +3I
5/8 +I7/8) の演算はδ乗算回路249A〜249D、
演算ユニット251A,251C,251E,251G
および加算回路254により行われる。
【0085】図20にδ乗算回路249A,249B,
249Cの回路構成を示す。入力データをそれぞれ入力
データに定数1,1/2,1/4,1/8を乗算する乗
算回路255,256A,257A,258に供給し、
乗算回路255,256Aおよび257Aの出力を3入
力のデータセレクタ259の入力部に供給し、このデー
タセレクタ259の出力を加算回路262の一方の入力
部に供給し、乗算回路258の出力を直接または2の補
数器260を介して2入力のデータセレクタ261の入
力部に供給し、このデータセレクタ261の出力を加算
回路262の他方の入力部に供給する。データセレクタ
259および261でのデータの選択を切り換えること
により、入力データに(1/8,3/8,5/8,7/
8)の内の何れかの定数を乗算することができる。
【0086】図21にε乗算回路250A,250Bの
回路構成を示す。入力データをそれぞれ入力データにそ
れぞれ定数1/2および1/4を乗算する乗算回路25
6Bおよび257Bに供給し、これら乗算回路256
B,257Bの出力を加算回路263で加算し、この加
算回路263の出力を2入力のデータセレクタ264の
一方の入力部に供給し、乗算回路257Bの出力をこの
データセレクタ264の他方の入力部に供給する。デー
タセレクタ264におけるデータの選択を切り換えるこ
とにより入力データに1/4または3/4の何れかの定
数を乗算することができる。この場合、1/2〜1/8
の乗算は単なるシフト演算であり乗算回路256A等は
シフト回路で代用できるため、図21の内積演算回路は
回路構成が簡略化され回路規模が小型である。
【0087】図19に示した回路において、加算回路2
54は7個の2入力の加算回路で構成でき、δ乗算回路
249A,249B,249C,および,ε乗算回路2
50A,250Bはそれぞれ1個の2入力の加算回路を
有するのみであるため、この内積演算回路は合計で13
個の2入力の加算回路を用いて構成することができる。
【0088】図22に図19〜図21に示した8次の内
積演算回路23A1,23A3の他の回路構成例を示
す。S/P変換器247より並列に出力される8個のデ
ータI0〜I7の内でデータI9,I2,I4,I6を
4入力のデータセレクタ265Aの入力部に供給し、デ
ータI1,I3,I5,I7を他の2個の4入力のデー
タセレクタ265B,265Cの入力部に供給する。デ
ータセレクタ265Aの出力を入力データに1/2を乗
算する乗算回路248C,および,入力データに1/4
または3/4の何れかの定数を乗算するε乗算回路25
0Cを介して2入力のデータセレクタ265Dの入力部
に供給し、データセレクタ265B,265Cの出力を
入力データに(1/8,3/8,5/8,7/8)の何
れかの定数δを乗算するδ乗算回路249Eつ249F
に供給する。符号266A〜266Eはそれぞれ2の補
数器267と2入力のデータセレクタ268とより構成
される演算ユニットを示し、これら演算ユニット266
A〜266Eは入力データに1又は−1を乗算する。そ
して、データセレクタ265D、δ乗算回路249Eお
よびδ乗算回路249Fの出力をそれぞれ演算ユニット
266A〜266Cを介して加算回路269A〜269
Cの一方の入力部に供給し、加算回路269Aの出力を
縦続接続された単位遅延素子としての4個のレジスタ2
70A〜270Dを介して加算回路269Aの他方の入
力部に戻し、レジスタ270A,270Bの出力をデー
タ保持用のレジスタ271A,271Bを介して2入力
のデータセレクタ273の入力部に供給し、レジスタ2
70C,270Dの出力をデータ保持用のレジスタ27
1C,271Dを介して2入力のデータセレクタ272
の入力部に供給する。
【0089】加算回路269Bの出力を継続接続された
レジスタ270E,270Fを介して加算回路269B
の他方の入力部に戻し、レジスタ270E,270Fの
出力をレジスタ271E,271Fを介して4入力のデ
ータセレクタ274の2個の入力部に供給し、加算回路
269Cの出力をレジスタ270G,270Hを介して
加算回路269Cの他方の入力部に戻し、レジスタ27
0G,270Hの出力をレジスタ271G,271Hを
介してデータセレクタ274の他の2個の入力部に供給
する。データセレクタ272の出力データ,データセレ
クタ273の出力より演算ユニット266Dを介して得
られた出力データ,および,データセレクタ274の出
力より演算ユニット266Eを介して得られた出力デー
タを加算回路275で加算することにより、最終的な出
力を得る。
【0090】図22に示した8次の内積演算回路の動作
を述べる。入力データをI0〜I7、出力データをO0
〜O7として、式37で定義される8次の直線近似ID
CTの演算を式38の演算に分解して行う。この場合、
式38における(I0/2+I4/2) および(3I2/4+I6/4)などの
演算は,加算回路269Aにより計算され、式38にお
ける(7I1/8+5I3/8+3I5/8+I7/8)の演算は加算回路269
Bにより計算され、式38における(3I1/8-7I3/8+I5/8+
5I7/8)の演算は加算回路269Cで計算される。図22
に示した回路において、加算回路275は2個の2入力
の加算回路で構成できるため、この内積演算回路は合計
で8個の2入力の加算回路を使用するのみで構成するこ
とができる。従って、図22の回路例は図19の回路例
に比べて回路規模が小型化している。
【0091】8次の直線近似DCT演算および直線近似
IDCT演算を施した後のデータの再現性につき検討す
る。原画像データの語長を8ビットとする。この場合、
原データと復元データとの平均2乗誤差をΣとして、画
像データの再現性を表す指標として式39に示すように
再現性のSN比を定義する。
【数39】 この再現性のSN比は、原データと復元データとの差が
小さくなる程に大きくなる。再量子化における語長を直
流成分については9ビット、その他の成分については7
ビットとすると、従来のDCT及びIDCTを用いた変
換による再現性のSN比は36.1dB、本例の8次の
直線近似DCT及び直線近似IDCTを用いた変換によ
る再現性のSN比は34.6dBであった。たとえば,
再量子化における語長を直流成分については9ビット、
その他の成分については6ビットとした場合には、従来
のDCT及びIDCTを用いた変換による再現性のSN
比は31.0dB、本例の8次の直線近似DCT及び直
線近似IDCTを用いた変換による再現性のSN比は2
9.6dBであった。このことは本例の8次の直線近似
DCT及び直線近似IDCTによる再現性は従来のDC
T及びIDCTによる再現性と同等であることを意味す
る。
【0092】図23は図12に示した本発明の第2実施
例としてのノイズ抽出回路を有するノイズ除去回路の基
本回路内の,直線近似DCT回路19および直線近似I
DCT回路23に,上述した8x8直線近似DCT回路
19Aおよび8x8直線近似IDCT回路23Aを適用
した構成を示す。8x8直線近似DCT回路19Aは,
第1の8次内積演算回路200,配列変換回路210,
第2の8次内積演算回路220,および,定数乗算回路
230で構成されている。8x8直線近似IDCT回路
23Aは,第1の8次内積演算回路250,配列変換回
路260,第2の8次内積演算回路270で構成されて
いる。第1の8次内積演算回路200は,図14〜図1
7に示した8x8直線近似DCT回路19Aとして構成
される。第2の8次内積演算回路220も第1の8次内
積演算回路200と同様,図14〜図17に示した8x
8直線近似DCT回路19Aとして構成される。第1の
8次内積演算回路250は,図19〜図22に示した8
x8直線近似IDCT回路23Aとして構成される。第
2の8次内積演算回路270も,図19〜図22に示し
た8x8直線近似IDCT回路23Aとして構成され
る。
【0093】図24に図23に示したノイズ抽出回路を
有するノイズ除去回路の変形回路構成を示す。図24に
示した回路は,図23における定数乗算回路230を非
線形回路20と一体化させ,新たな非線形回路20Bを
設けて,定数乗算回路230を除去し,回路構成を簡略
化したものである。この回路簡略化の考えかた,およ
び,非線形回路20Bの特性は,図9に示したノイズ除
去回路を図10に示した回路に変形したときと同様であ
る。
【0094】上述実施例は本発明を8ドットx8ドット
のブロック毎に変換を行う場合に適用したものである
が、他の任意の大きさのブロックを対象とする変換に適
用することができる。たとえば,行列Xを実空間上の4
行x4列の行列、行列Cを周波数空間上の4行x4列の
行列、4次の直線近似DCT用の変換行列をM4、この
行列の転置行列をM4t とすると、4次の直線近似DC
Tは下記式40で表すことができる。
【数40】
【0095】また、行列M4の逆行列をM4’とする
と、4次の直線近似IDCTは下記式41のように表す
ことができる。
【数41】 式41より直線近似IDCT用の変換行列M4’の要素
は±1/2又は(±1/2±1/4)で表すことができ
ることが分かるが、これにより4次の直線近似IDCT
演算においては、乗算回路が不要になる。この4次の直
線近似DCTおよび直線近似IDCTについての再現性
を上記8次の直線近似DCTおよび直線近似IDCTに
おける再現性と同様ように,高い再現性が得られた。
【0096】同様に,16次の直線近似DCT用の変換
行列M16および16次の直線近似IDCT用の変換行
列(即ち、行列M16の逆行列)M16’も求めること
ができる。この16次の場合でも、直線近似IDCT用
の変換行列M16’の要素は全て±2-n又は(±2-n±
-m)であることが分かっている。そのため、16次の
直線近似IDCT演算においても、演算回路が不要にな
る。16次の場合にも、本例の直線近似DCT及び直線
近似IDCTによる再現性は、従来のDCT及びIDC
Tによる再現性と同等であることが確かめられている。
【0097】なお、上述実施例では,たとえば,図11
に示すように、画像データについて直線(正確には「線
分」)を接続して形成される折れ線の成分の係数を求め
るようにしているが、そのような折れ線の変わりにM次
曲線(Mは2以上の整数)を接続して形成される曲線の
成分の係数を求めるようにしてもよい。次数が大きくな
る程に原データと復元データとの再現性は向上するが、
演算は複雑化する。ただし、M次曲線を使用する場合に
はコサイン波の場合と異なり変換行列の要素に無理数が
含まれることがないため、演算回路がDCT及びIDC
Tを使用する場合に比べて簡略化される。
【0098】本発明のノイズ抽出回路およびこのノイズ
抽出回路を用いたノイズ除去回路の第3実施例として,
Haar変換を用いたノイズ抽出回路およびこのノイズ
抽出回路を用いた映像信号用ノイズ除去回路を述べる。
上述したように,従来の周波数領域のデータに変換する
ためにアダマール変換を用いたノイズ抽出回路において
は,たとえば,8次のアダマール変換の基底ベクトルは
図30に示す8つのベクトルであり、これらベクトルに
はエッジを特徴づけるベクトルが含まれていないから,
動画部分の残像は、動体のエッジ部分に多く表れるが、
それを特徴づける基底ベクトルがないという問題があ
る。この問題を解決するため,第3実施例においては,
たとえば,8次のHaar変換として下記式42および
式43で規定される(定義される)Haar変換を用い
る。
【数42】
【数43】
【0099】8次のHaar変換の規定ベクトルは,図
25に示すように,エッジを特徴づけるベクトル,たと
えば,図25(E)〜(H)に示す第4ベクトル、第5
ベクトル、第6ベクトル、第7ベクトル)が基底ベクト
ルとなっており、Haar変換を用いてフレーム差分信
号を周波数領域のデータに変換すると,超高精度に動画
部分の残像とノイズを区別できる。つまり、Haar変
換を使用することにより,フレーム差分信号S14に含
まれるノイズ成分NOISEを 超高精度に抽出でき
る。
【0100】図26に本発明の第3実施例のノイズ抽出
回路を有する映像信号用ノイズ除去回路の回路図を示
す。この映像信号用ノイズ除去回路は,第1の減算回路
10,フレームメモリ12,第2の減算回路14,およ
び,Haar変換を用いたノイズ抽出回路から構成され
る。Haar変換を用いたノイズ抽出回路は,ブロック
化処理回路16,Haar変換回路26,非線形回路2
0,Haar逆変換回路28,および,ブロック分解回
路24から構成される。たとえば,8次のHaar変換
および8次のHaar逆変換をもちいれば,このノイズ
抽出回路は,8x8ブロック化回路16A,8次のHa
ar変換回路26A,非線形回路20,8次のHaar
逆変換回路28A,8x8ブロック分解回路24とな
る。
【0101】第2の減算回路14において,入力ビデオ
信号VIDEOINからフレームメモリ12のビデオ信号
VIDEO-1を減じてフレーム差分信号S14を算出す
る。8x8ブロック化回路16Aにおいて,第2の減算
回路14からのフレーム差分信号S14に対して8×8
のブロックにブロック化し、8x8Haar変換回路2
6において,式42および式43に示すHaar変換を
行う。即ち、実空間のデータを周波数領域のデータに変
換する。動画部分の残像は、Haar変換後はエッジを
特徴づけるベクトルに集中して表れる。つまり、大レベ
ルの(周波数領域上の)データとなる。また、ノイズ
は、隣接位置同士で相関がないので、全ての周波数領域
に平均化されて、微小レベルの(周波数領域上の)デー
タとして表れる。従って、Haar変換後のデータに対
して 従来と同じ非線形回路を通すことにより高精度で
「動画部分の残像」と「ノイズ」を区別して、ノイズの
みを抽出することが出来る。この抽出データ(非線形回
路の出力)は 周波数領域のデータであるからHaar
逆変換回路28においてHaar逆変換し,8x8ブロ
ック分解回路24においてブロック分解をして実空間の
データにする。
【0102】ノイズ抽出回路において抽出されたノイズ
成分NOISEは第1の減算回路10において入力ビデ
オ信号VIDEOINから減じられる。その結果,第1の
減算回路10からはノイズ成分NOISEが除去された
ビデオ信号が出力され,フレームメモリ12に記憶さ
れ,さらに出力ビデオ信号VIDEOOUT として出力さ
れる。
【0103】Haar変換回路26およびHaar逆変
換回路28も,それぞれ,DCT回路18およびIDC
T回路22と同様に構成することができる。たとえば,
式4に示す8次の離散コサイン変換と式43に示す8次
のHaar変換とを比較すると,いずれも行列演算であ
るから,Haar変換においても,上述した離散コサイ
ン変換と同様の回路を構成することができる。8次のH
aar変換は式43に示すように,要素に0が多く,式
4に示した8次の離散コサイン変換を実現する上述した
回路よりも簡単な回路構成となる。上述したように,乗
算回数を極力少なくする方法をとることができ,特に,
離散コサイン変換に比較して,また要素に0が多いの
で,その回路構成は簡単になる。Haar逆変換回路に
ついても,Haar変換回路と同様に簡単な回路構成で
実現できる。
【0104】以上,本発明のノイズ抽出回路およびこの
ノイズ抽出回路を用いた映像信号用ノイズ除去回路の構
成例として,従来のアダマール変換およびアダマール逆
変換に代えて,(1)離散コサイン変換および離散コサ
イン逆変換を用いた例,(2)離散コサイン変換および
離散コサイン逆変換を簡略化した直線近似離散コサイン
変換および直線近似離散コサイン逆変換を適用した例,
(3)Haar変換およびHaar逆変換を適用した例
を述べた。また,離散コサイン変換および離散コサイン
逆変換を実現する回路構成として,極力,乗算回数を減
少させる回路構成例を考察した。同様に,直線近似離散
コサイン変換および直線近似離散コサイン逆変換を実現
する回路構成として,極力,乗算回数を減少させる回路
構成例を考察した。しかしながら,本発明のノイズ抽出
回路および映像信号用ノイズ除去回路の実施に際して
は,上述した実施例に限定されず,ビデオ信号に含まれ
るノイズ成分を高い精度で抽出するため,周波数変換と
周波数逆変換を適用する他の手法を適用することができ
る。
【0105】また上記実施例においては,テレビジョン
用映像信号(ビデオ信号)をノイズ抽出の対象として例
示したが,本発明のノイズ抽出回路およびそれを用いた
ノイズ除去回路においては,ビデオ信号信号に限らず,
動画像成分を有し,ノイズ成分が重畳される種々の画像
信号,たとえば,画像伝送システムにおける画像信号な
どにおけるノイズ成分の抽出とその除去に適用できる。
【0106】
【発明の効果】本発明によれば,動画像を含む画像信号
に重畳されたノイズ成分を高い精度でノイズ成分のみを
抽出できるノイズ抽出回路が提供される。また本発明に
よれば,そのノイズ抽出回路を用いノイズ除去回路が提
供される。さらに本発明によれば,上記ノイズ抽出回路
およびノイズ除去回路における乗算回路を少なくし,回
路構成を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノイズ抽出回路を有するノイズ除去回
路の第1実施例として離散コサイン変換および離散コサ
イン逆変換を適用した回路構成図である。
【図2】図1に示したノイズ抽出回路における非線形回
路の非線形特性を示すグラフである。
【図3】図1に示したDCT回路における離散コサイン
変換として,8次離散コサイン変換の基底ベクトルを示
す図である。
【図4】図1に示した8x8DCT回路の回路構成図で
ある。
【図5】図4に示した回路の詳細回路構成図である。
【図6】図1に示した8x8IDCT回路の回路構成図
である。
【図7】図1に示した8x8DCT回路の他の回路構成
図である。
【図8】図1に示した8x8IDCT回路の他の回路構
成図である。
【図9】図1に示したノイズ抽出回路を有するノイズ除
去回路に,図4〜図8に示した回路を一体化させた概略
回路構成図である。
【図10】図1に示したノイズ抽出回路を有するノイズ
除去回路に,図4〜図8に示した回路を一体化させた他
の概略回路構成図である。
【図11】本発明の第2実施例としてのノイズ抽出回路
を有するノイズ除去回路に適用される直線近似離散コサ
イン変換の基底ベクトルを示すグラフである。
【図12】図11に示した直線近似離散コサイン変換,
および,直線近似離散コサイン逆変換を適用したノイズ
抽出回路を含むノイズ除去回路の回路構成図である。
【図13】図12に示した直線近似DCT回路としての
8x8直線近似DCT回路の基本構成図である。
【図14】図13に示した8次内積演算回路の回路構成
図である。
【図15】図14に示したβ乗算回路の回路図である。
【図16】図14に示したγ乗算回路の回路図である。
【図17】図13に示した8次内積演算回路の他の回路
構成図である。
【図18】図12に示した直線近似IDCT回路として
の8x8直線近似IDCT回路の基本構成図である。
【図19】図18に示した8次内積演算回路の回路構成
図である。
【図20】図19に示したδ乗算回路の回路図である。
【図21】図19に示したε乗算回路の回路図である。
【図22】図18に示した8次内積演算回路の他の回路
構成図である。
【図23】図12に示した直線近似離散コサイン変換お
よび直線近似離散コサイン逆変換を用いたノイズ抽出回
路を含むノイズ除去回路に,図12〜図22に示した回
路を適用する回路構成図である。
【図24】図12に示した直線近似離散コサイン変換お
よび直線近似離散コサイン逆変換を用いたノイズ抽出回
路を含むノイズ除去回路に,図12〜図22に示した回
路を適用する他の回路構成図である。
【図25】本発明の第3実施例としてのノイズ抽出回路
を有するノイズ除去回路に適用されるHaar変換の基
底ベクトルを示すグラフである。
【図26】図25に示したHaar変換,および,Ha
ar逆変換を適用したノイズ抽出回路を含むノイズ除去
回路の回路構成図である。
【図27】従来の第1のノイズ抽出回路を有するノイズ
除去回路の回路図である。
【図28】図27に示した非線形回路の特性を示すグラ
フである。
【図29】従来の第2のアダマール変換およびHaar
逆変換を用いたノイズ抽出回路を有するノイズ除去回路
の回路図である。
【図30】図29に示したアダマール変換回路における
8次アダマール変換の基底ベクトルを示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10・・第1の減算回路 12・・フレームメモリ 14・・第2の減算回路 16・・ブロック化処理回路 16A・・8x8ブロック化回路 18・・離散コサイン変換(DCT)回路 18A・・8x8DCT回路 19・・直線近似DCT回路 19A・・8x8直線近似DCT回路 19a・・第1の8次内積演算回路 19b・・データ配列変換回路 19c・・第2の8次内積演算回路 19d・・係数乗算回路 20・・非線形回路 22・・離散コサイン逆変換(IDCT)回路 22A・・8x8IDCT回路 24・・ブロック分解回路 24A・・8x8ブロック分解回路 26・・Haar変換回路 28・・Haar逆変換回路 32,34,36,38・・加減算回路 42,44,46,48・・加減算回路 52,56・・加減算回路 54,58・・第1の係数乗算加減算回路 62,64,66,68・・係数乗算回路 70・・加減算回路 72・・第1の係数乗算加減算回路 74・・第2の係数乗算加減算回路 76・・第3の係数乗算加減算回路 78・・第4の係数乗算加減算回路 82,84,86,88・・係数乗算回路 92,96・・加減算回路 94,98・・第2の係数乗算加減算回路 102,104,106,108・・加減算回路 112,114,116,118・・加減算回路 122,124,126,128・・加減算回路 132,134,136,138・・加減算回路 142,146・・加減算回路 144,148・・第3の係数乗算加減算回路 152,154,156,158・・係数乗算回路 162,164,166,168・・係数乗算回路 172,176・・加減算回路 174,178・・第4の係数乗算加減算回路 182,184,186,188・・加減算回路 192,194,196,198・・加減算回路 200・・第1の8次内積演算回路 210・・配列変換回路 220・・第2の8次内積演算回路 230・・定数乗算回路 250・・第1の8次内積演算回路 260・・配列変換回路 270・・第2の8次内積演算回路 501・・減算回路 502・・フレームメモリ 503・・減算回路 504・・非線形回路 505・・ブロック化処理回路 506・・アダマール変換回路 507・・非線形回路 507・・アダマール逆変換回路 508・・ブロック分解処理回路

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実空間の2次元状画像信号に含まれる動画
    像成分とノイズ成分とを識別可能に周波数領域の信号に
    変換する周波数変換処理回路と, 該周波数変換された信号について所定のしきい値で非線
    形処理した該しきい値以内の信号成分のみを通過させる
    非線形回路と, 該非線形回路から出力される信号を前記周波数変換とは
    逆の変換処理をして前記2次元状画像信号と同じ実空間
    の信号に変換する周波数逆変換処理回路とを有する画像
    信号処理回路。
  2. 【請求項2】前記実空間の2次元状画像信号をm行xn
    列のブロックに細分化して前記周波数変換処理回路に印
    加するブロック化処理回路と, 前記周波数逆変換処理回路における該周波数逆変換され
    た信号を前記ブロックに細分化する処理と逆の処理を行
    う回路とをさらに有し, 前記周波数変換処理回路は前記ブロック化処理回路にお
    けるブロック細分化に応じた次数の周波数変換処理を行
    うように構成され, 前記周波数逆変換処理回路はこの周波数変換処理回路に
    おける変換と逆の変換を行うように構成されている請求
    項1記載の画像信号処理回路。
  3. 【請求項3】前記周波数変換処理回路は前記周波数変換
    として離散コサイン変換処理を行う離散コサイン変換処
    理回路として構成され, 前記周波数逆変換処理回路は前記周波数逆変換回路とし
    て離散コサイン逆変換処理を行う離散コサイン逆変換処
    理回路として構成されている請求項1または2記載の画
    像信号処理回路。
  4. 【請求項4】前記離散コサイン変換処理回路は, 前記ブロック化処理回路から出力されるブロック信号に
    ついて,所定の関係を持った信号対として入力してその
    信号対の加算結果と減算結果とを出力する複数の加減算
    回路が並列に設けられた第1段の回路群と, 該第1段の回路群内のそれぞれの加減算回路から出力さ
    れる加算結果および減算結果について,所定の関係を持
    った信号対として入力してその信号対の加算結果と減算
    結果とを出力する複数の加減算回路が並列に設けられた
    第2段の回路群と, 該第2段の回路群内のそれぞれの加減算回路から出力さ
    れる加算結果および減算結果について,所定の関係を持
    った信号対として入力してその信号対の加算結果と減算
    結果とを出力する,前記第2段の加減算回路の個数の半
    分の個数の複数の加減算回路,および,前記第2段の回
    路群内のそれぞれの加減算回路から出力される加算結果
    および減算結果について,所定の関係を持った信号対と
    して入力してその信号対を用いて所定の関係で係数乗算
    および加減算処理を行う前記第2段の加減算回路の個数
    の半分の個数の複数の第1の係数乗算加減算回路とを有
    する第3段の回路群と, 該第3段の回路群内の前記係数乗算加減算回路の出力に
    所定の係数を乗ずる係数乗算回路を有する第4段の回路
    群とを有する請求項3記載の画像信号処理回路。
  5. 【請求項5】前記離散コサイン逆変換処理回路は,前記
    離散コサイン変換回路の逆回路として構成され, 前記非線形回路から出力される所定の非線形処理結果に
    ついて所定の係数を乗ずる係数乗算回路を有する第1段
    の回路群と, 該第1段の回路群の出力,および,前記非線形回路から
    出力され前記第1段の回路群で処理されない出力につい
    て,所定の関係を持った信号対として入力してその信号
    対の加算結果と減算結果とを出力する複数の加減算回
    路,および,他の所定の関係を持った信号対として入力
    してその入力対を用いて所定の関係で係数乗算および加
    減算処理を行う第1の係数乗算加減算回路とを有する第
    2段の回路群と, 該第2の回路群の出力について,所定の関係を持った信
    号対として入力してその信号対の加算結果と減算結果と
    を出力する複数の加減算回路が並列に設けられた第3段
    の回路群と, 該第3段の回路群内のそれぞれの加減算回路から出力さ
    れる加算結果および減算結果について,所定の関係を持
    った信号対として入力してその信号対の加算結果と減算
    結果とを出力する複数の加減算回路が並列に設けられた
    第4段の回路群とを有する請求項4記載の画像信号処理
    回路。
  6. 【請求項6】前記離散コサイン変換回路内の第4の回路
    群と,前記非線形回路と,前記離散コサイン逆変換内の
    第1の回路群とを一体構成したことを特徴とする請求項
    5記載の画像信号処理回路。
  7. 【請求項7】前記周波数変換処理回路は前記周波数変換
    として用いる離散コサイン変換結果を直線近似する直線
    近似離散コサイン変換処理を行う回路として構成され, 前記周波数逆変換処理回路は前記周波数逆変換回路とし
    て用いる離散コサイン逆変換結果を直線近似する直線近
    似離散コサイン逆変換処理を行う回路として構成されて
    いる請求項1または2記載の画像信号処理回路。
  8. 【請求項8】前記直線近似離散コサイン変換処理回路
    は,第1の内積演算処理回路と,第2の内積演算回路
    と,第1の内積演算回路と第2の内積演算回路との間に
    設けられ第1の内積演算回路の演算結果を第2の内積演
    算回路に印加するとき所定の信号を並べ換えを行う信号
    並べ換え回路とを有する請求項7記載の画像信号処理回
    路。
  9. 【請求項9】前記直線近似離散コサイン逆変換処理回路
    は,前記直線近似離散コサイン変換回路の逆回路として
    構成され,第1の内積演算処理回路と,第2の内積演算
    回路と,第1の内積演算回路と第2の内積演算回路との
    間に設けられ第1の内積演算回路の演算結果を第2の内
    積演算回路に印加するとき所定の信号を並べ換えを行う
    信号並べ換え回路とを有する請求項8記載の画像信号処
    理回路。
  10. 【請求項10】前記周波数変換処理回路は前記周波数変
    換としてHaar変換処理を行うHaar変換処理回路
    として構成され, 前記周波数逆変換処理回路は前記周波数逆変換回路とし
    てHaar変換逆変換処理を行うHaar変換逆変換処
    理回路として構成されている請求項1または2記載の画
    像信号処理回路。
  11. 【請求項11】前記画像信号はテレビジョン用映像信号
    である請求項1〜10のいずれか記載の画像信号処理回
    路。
  12. 【請求項12】テレビジョン用映像信号が印加される第
    1の減算回路と, 少なくとも1フレーム分もしくは1フィールド分の映像
    信号を記憶するメモリと, 前記映像信号と前記メモリに記憶された少なくとも1フ
    レーム前もしくは少なくとも1フィールド前の映像信号
    との差分を算出する第2の減算回路と, 該第2の減算回路で算出された差分信号を入力してm行
    xn列のブロックに細分化して前記周波数変換処理回路
    に印加するブロック化処理回路と, 実空間の前記差分信号に含まれる動画像成分とノイズ成
    分とを識別可能に周波数領域の信号に変換する周波数変
    換処理回路と, 該周波数変換された信号について所定のしきい値以内の
    周波数領域におけるノイズ成分のみを通過させる非線形
    回路と, 該非線形回路から出力されるノイズ成分信号を前記周波
    数変換とは逆変換をして2次元状の実空間のノイズ成分
    に変換する周波数逆変換処理回路と, 前記周波数逆変換処理回路における該周波数逆変換され
    たノイズ成分を前記細分化と逆の統合処理を行い,前記
    映像信号の同じ信号形態に復元するブロック分解回路と
    を有し, 前記第1の減算回路は前記入力された映像信号から前記
    ブロック分解回路から出力されるノイズ成分を減じて,
    前記メモリに記憶させる請求項1〜11記載のノイズ除
    去回路。
  13. 【請求項13】実空間の2次元状画像信号に含まれる動
    画像成分とノイズ成分とを識別可能に周波数領域の信号
    に変換し, 該周波数変換された信号について所定のしきい値以内の
    信号成分のみを通過させる非線形処理をし, 該非線形処理結果を前記周波数変換処理とは逆の変換を
    する画像信号処理方法。
  14. 【請求項14】前記周波数変換の前に前記実空間の2次
    元状画像信号をm行xn列のブロックに細分化し, 前記周波数逆変換処理後,前記周波数逆変換された信号
    を前記細分化と逆の統合処理を行う段階をさらに有する
    請求項13記載の画像信号処理方法。
  15. 【請求項15】前記周波数変換処理として離散コサイン
    変換処理を行い, 前記周波数逆変換処理として離散コサイン逆変換処理を
    行う請求項13または14記載の画像信号処理方法。
  16. 【請求項16】前記周波数変換処理は前記周波数変換と
    して用いる離散コサイン変換結果を直線近似する直線近
    似離散コサイン変換処理を行い, 前記周波数逆変換処理は前記周波数逆変換として用いる
    離散コサイン逆変換結果を直線近似する直線近似離散コ
    サイン逆変換処理を行う請求項13または14記載の画
    像信号処理方法。
  17. 【請求項17】前記周波数変換処理は前記周波数変換と
    してHaar変換処理を行い, 前記周波数逆変換処理は前記周波数逆変換としてHaa
    r逆変換処理を行う請求項13または14記載の画像信
    号処理方法。
  18. 【請求項18】前記画像信号はテレビジョン用映像信号
    である請求項13〜17のいずれか記載の画像信号処理
    方法。
  19. 【請求項19】現在のフレームもしくはフィールドのテ
    レビジョン用映像信号と少なくとも1フレーム分もしく
    は少なくとも1フィールド分の映像信号との差分を算出
    し, この差分信号を入力してm行xn列のブロックに細分化
    し, 実空間の前記差分信号に含まれる動画像成分とノイズ成
    分とを識別可能に周波数領域の信号に変換し, 該周波数変換された信号について所定のしきい値以内の
    周波数領域におけるノイズ成分のみを通過させる非線形
    処理し, 該周波数領域におけるノイズ成分信号を前記周波数変換
    とは逆の変換をして2次元状の実空間のノイズ成分に変
    換する周波数逆変換処理をし, 該周波数逆変換されたノイズ成分を前記細分化処理と逆
    の統合処理を行い, 該統合されたノイズ成分を前記現在のフレームもしくは
    フィールドの映像信号から減じて該映像信号に含まれる
    ノイズ成分を除去する請求項13〜17のいずれか記載
    のノイズ除去方法。
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JP2011242295A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Kyoto Univ 分光装置、測定装置、およびデータ処理方法
KR20230024428A (ko) 2020-07-09 2023-02-20 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 유가 금속을 회수하는 방법

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