JPH0654174B2 - 電子レンジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は調理器としての機能を有するとともに、置物と
しての機能をも兼ね備えた電子レンジに関するものであ
る。

〔従来の技術〕

近年において、電子レンジは炎が生じないので安全性が
高い等の利点を有し、種々のものが提案されている。

例えば、単身者等を対象とした被加熱物を単にあたため
る機能だけを有する単機能型の電子レンジの他に、単に
あたためる機能のみならず装置本体内の上側と下側にヒ
ーターを配置し、この上下双方のヒーターの熱で被加熱
物を包みこんで加熱するいわゆるオーブンの機能を有す
るオーブン電子レンジや、被加熱物の表面にこげめをつ
けて焼くことのできる、いわゆるグリル機能を有する電
子レンジ等の多機能型の電子レンジが提案されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような多種類の機能を有する従来の
電子レンジは、いずれの機能も調理に関する実用性にの
み着目してなされたものであり、興趣性をも兼ね備えた
電子レンジは存在してなかった。

本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、実用性のみ
ならず興趣性をも兼ね備えた電子レンジを提供すること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本発明が提供する手段は被加
熱物が載置されるターンテーブルを回転させるための回
転駆動手段及び高周波を発生して前記被加熱物を加熱す
るための加熱手段を具備する本体と、この本体を覆うよ
うにドーム状に形成され、透過部を有し、前記回転駆動
手段により回転駆動されるドーム体と、前記本体内に配
置されて前記ドーム体を照明する照明手段を有して構成
した。

〔作用〕

本発明はターンテーブルに載置された被加熱物を加熱す
るための加熱手段を有しており、この加熱手段を動作さ
せることにより調理を行なうことができる。またドーム
状に形成されたドーム体を前記ターンテーブルと同期し
て回転させるとともに、このドーム体を内側から照明す
ることによりドーム体の透過部から光が漏れ、興趣性を
発揮するようにしている。従って、本発明が提供する電
子レンジは調理器としての機能と置物としての機能を兼
ね備えている。

〔実施例〕

以下図面を参照して本発明に係る一実施例を詳細に説明
する。

まず第１図を参照して全体的な構成を説明する。

本発明に係る電子レンジは本体である基台１と複数のド
ーム体から成るドーム部３とから構成されている。基台
１は被加熱物を載置するためのターンテーブルと、この
ターンテーブルを回転させる回転駆動手段と、高周波を
発生して被加熱物の水の分子に摩擦運動を起こさせて熱
を発生し、被加熱物の外側と内側を同時に且つ迅速に加
熱するための加熱手段とを具備している。また基台１の
縁部５にはモード切替スイッチ７と、タイマ９と、表示
部１１が設けられている。モード切替スイッチ７はレン
ジモードとイルミネーションモードとを切替えるための
スイッチであり、例えばモード切替スイッチ７を左方向
へ移動させるとレンジモードに設定され、逆に右方向へ
移動させるとイルミネーションモードに設定される。イ
ルミネーションモードに設定すると後で説明するスクリ
ーンドーム１５を回転させていわゆる回転照明置物とし
て機能させることができる。また、レンジモードに設定
するとスクリーンドーム１５を回転させると同時に加熱
手段を動作させて被加熱物を加熱することができる。タ
イマ９は分単位のタイマ時間を設定するためのタイマス
イッチ９ａと、秒単位のタイマ時間を設定するためのタ
イマスイッチ９ｂとを有している。表示部１１は複数の
ＬＥＤ１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄ，１１ｅから形
成されており、電子レンジが動作を開始してからの経過
時間、又は残り時間に応じて対応するＬＥＤ１１ａ，１
１ｂ，…１１ｅが順次点灯、又は明滅することにより電
子レンジの動作状態を表示する。

ドーム部３は第２図に示す如く外側から順に装着ドーム
１３と、スクリーンドーム１５と、ネットドーム１７と
耐熱ドーム１９とから構成されている。各ドームは光を
透過させる透過性又は半透過性の部材により基台１を覆
うようにほぼ半円球のドーム状に形成されている。装着
ドーム１３には装着部２１と、この装着部２１の反対側
に係合部２３とを設けている。装着部２１は基台１側の
装着受部２５へ係合され、また係合部２３は基台１側の
係合受部２７へ係合されるものであり、この装着部２１
と係合部２３とを基台１へ係合させることによりドーム
部３を基台１へ装着することができる。

次に第４図を参照して装着部２１と、装着受部２５を詳
細に説明する。

第４図(D)に示すように装着受部２５はシャフト４９
と、このシャフト４９を支持するための一対の支持体４
７ａ，４７ｂとから形成されている。また装着部２１は
シャフト４９を係合するための係合凹部２１ａを有して
いる。第４図(A)はシャフト４９を係合凹部２１ａに係
合させて装着ドーム１３を基台１へ装着した状態を示し
ており、装着ドーム１３を基台１から取り外す場合は第
４図(B)に示すように装着ドーム１３を外側、すなわち
時計方向へ回転させる。すると第４図(C)に示すように
係合凹部２１ａとシャフト４９との係合が外れて装着ド
ーム１３を基台１から取り外すことができる。

再び第２図を参照するに、スクリーンドーム１５は全体
が光透過性を有する部材、例えば乳白色の合成樹脂等か
ら形成され、その表面又は裏面には種々の形状で成る模
様部２９が散点状に配されている。この模様部２９には
透過性若しくは半透過性を有する多色の塗料が塗布さ
れ、いわゆる着色模様を形成している。尚、このスクリ
ーンドーム１５全体を不透明とし、その側面に複数の透
孔を模様部２９として形成し、この模様部２９から光が
漏れるようにしても構わない。またスクリーンドーム１
５は後で説明する回転駆動手段によって回転駆動される
ようになっている。ネットドーム１７は加熱手段が発す
る高周波を遮弊し得る部材により網目状に形成されてい
る。最内側の耐熱ドーム１９は合成樹脂や強化ガラス等
の耐熱性の部材により形成されている。

次に第３図を参照して電子レンジの内部構成を説明す
る。

第３図(B)はターンテーブルを装着しない状態の平面図
であり、第３図(A)はターンテーブルを装着し、第３図
(B)のＡ−Ａから断面にした場合の縦断面図である。

第３図(A)に示すようにターンテーブル３１の下側には
回転板３３が回転自在に設けられ、この回転板３３の先
端にはドーム部３を照明するための照明ランプ３５ａ，
３５ｂ，３５ｃが取付けられている。またスクリーンド
ーム１５が装着される基台１の部位には凹部３７が形成
され、この凹部３７には第３図(C)に示すようなローラ
３９が所定間隔毎に配置されている。従って、ドーム部
３が基台１へ装着されたときには、第３図(D)に示す如
くスクリーンドーム１５の下端部が複数のローラ３９へ
当接しており、この複数のローラ３９が回転することに
よりスクリーンドーム１５を回転させる。回転駆動部４
１はモータやギア等の駆動力伝達機構部を有しており、
ターンテーブル３１と、回転板３３と、複数のローラ３
９を同期的に回転駆動する。従って、ターンテーブル３
１の回転に同期してスクリーンドーム１５が回転し、こ
の回転するスクリーンドーム１５が照明ランプ３５ａ，
３５ｂ，３５ｃによって三方向から照明される。回路部
４３は被加熱部を加熱するための加熱部等の種々の回路
部を有している。

次に第５図を参照して回路部４３とその周辺装置を説明
する。

交流電源ＰＷが整流回路５１，５３と接続されている。
この整流回路５１，５３によって整流された脈流はそれ
ぞれコンデンサ５５，５７によって平滑化された後に制
御回路５９、コントロールユニット６３へ与えられる。

制御回路５９は加熱部６１、回転駆動部４１と接続され
るとともに、コントロールユニット６３と接続されてい
る。制御回路５９はコントロールユニット６３からの情
報に応じて加熱部６１、回転駆動部４１を動作させる。
加熱部６１はマグネトロンと、このマグネトロンを駆動
させるためのマグネトロン駆動装置等を有しており、マ
グネトロンから発生する高周波によってターンテーブル
３１へ載置された被加熱物を加熱する。また回転駆動部
４１は制御回路５９からの制御指令に応じてスクリーン
ドーム１５及びターンテーブル３１を回転させる。

コントロールユニット６３はマイクロコンピュータ等の
制御処理部を有しており、タイマ９からのタイマ情報及
びモード切替スイッチ７からの情報に応じて駆動回路６
７、音響回路６９を制御する。駆動回路６７はコントロ
ールユニット６３からの制御指令に応じて表示部１１
（ＬＥＤ１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄ，１１ｅ）と
照明ランプ３５（３５ａ，３５ｂ，３５ｃ）の点灯又は
消灯を行なう。音響回路６９はコントロールユニット６
３からの制御指令に応じて特定の音響信号をスピーカＳ
Ｐへ出力する。これにより例えば特定のメロディー等が
スピーカＳＰから出力される。

次に作用を説明する。まずレンジモードにおける作用を
説明する。調理者がモード切替スイッチ７を操作してレ
ンジモードに設定するとともに、タイマ９を操作して所
望の調理時間を設定すると、コントロールユニット６３
はモード切替スイッチ７からの情報を解読してレンジモ
ードに設定されたことを判断するとともに、タイマ９か
らのタイマ情報を解読して設定された調理時間を判断す
る。またコントロールユニット６３はレンジモードに係
る制御処理を実行し、制御回路５９、駆動回路６７及び
音響回路６９を動作させる。制御回路５９はコントロー
ルユニット６３からの制御指令に応じて設定された調理
時間の間だけ加熱部６１及び回転駆動部４１を動作させ
る。これによりターンテーブル３１とスクリーンドーム
１５が同期して回転し、このターンテーブル３１の上に
載置された被加熱物が加熱部６１によって加熱される。
駆動回路６７はコントロールユニット６３からの制御指
令に応じて複数のＬＥＤ１１ａ，１１ｂ，…１１ｅのう
ち、調理経過時間又は残り時間に対応するＬＥＤを点灯
させる。これにより調理者は表示部１１を視認すること
により調理経過時間又は残り時間を容易に認識すること
ができる。音響回路６９はコントロールユニット６３か
らの制御指令に応じて調理時間の間だけ音響信号をスピ
ーカＳＰへ出力する。これにより調理者はスピーカＳＰ
から出力されるメロディー等を聞くことにより調理中で
あることを容易に認識することができる。

また、駆動回路６７はコントロールユニット６３からの
制御指令に応じて調理時間のあいだ照明ランプ３５ａ，
３５ｂ，３５ｃを点灯させる。この照明ランプ３５ａ，
３５ｂ，３５ｃは回転板３３の先端へ取付けられてお
り、ターンテーブル３１と同期して回転する。このよう
に回転する照明ランプ３５ａ，３５ｂ，３５ｃによって
ドーム部３が照明され、所望の色に着色された模様部２
９を通過した光がドーム部３の周面に投影される。従っ
て、調理が終了するまでの待ち時間のあいだ視覚的な楽
しさを提供することがてきる。

次にイルミネーションモードにおける作用を説明する。

モード切替スイッチ７を操作してイルミネーションモー
ドに設定するとコントロールユニット６３はモード切替
スイッチ７からの情報を解析してイルミネーションモー
ドに設定されたことを判断する。これによりコントロー
ルユニット６３はイルミネーションモードに係る制御処
理を実行する。制御回路５９はコントロールユニット６
３からの制御指令に応じて加熱部６１の動作を禁止する
とともに回転駆動部４１をタイマ９によって設定された
タイマ時間のあいただけ動作させる。以後の動作は前述
したレンジモードにおける動作と同様であり、回転する
ドーム部３が照明ランプ３５ａ，３５ｂ，３５ｃによっ
て照明され、所望の色に着色された模様部２９を通過し
た光がドーム部３の周面に投影される。

尚、上記実施例において、照明ランプ３５ａ，３５ｂ，
３５ｃが取付けられた回転板３３は、ターンテーブル３
１と同期して回転するように構成されているが、固定し
ても良いのは勿論である。

又、回転する照明ランプ３５ａ，３５ｂ，３５ｃの動き
と、回転するスクリーンドーム１５に配された模様部２
９の動きとを関連付けるように構成すると、更に興趣性
を喚起することができる。

また、調理中にスピーカＳＰから出力されるメロディー
の種類を調理の経過時間に応じて変更するように構成す
ると、調理の状況等を容易に判断することができる。

更に、音声合成装置を内蔵し、使用方法、操作手順、注
意事項等を音声によりスピーカＳＰから出力するように
構成すると安全性及び操作性の改善を図ることができ
る。

〔発明の効果〕

以上説明してきたように本発明によれば、ターンテーブ
ルに載置された被加熱物を加熱するための加熱手段を具
備し、透過部を有するドーム体をターンテーブルと同期
して回転させるとともに、このドーム体を内側から照明
するように構成したので、ドーム体の透過部から光が漏
れ調理器としての実用的機能と置物としての機能を兼ね
備えた電子レンジを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る一実施例を示した斜視図、第２図
は第１図のドーム部を詳細に示した斜視図、第３図は本
発明に係る電子レンジの断面図、第４図は装着部と装着
受部を示した説明図、第５図は第１図の実施例に組込ま
れる回路部のブロック図である。 １……基台、１５……スクリーンドーム、３１……ター
ンテーブル、３５ａ，３５ｂ，３５ｃ……照明ランプ、
４１……回転駆動部、６１……加熱部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被加熱物が載置されるターンテーブルを回
   転させるための回転駆動手段及び高周波を発生して前記
   被加熱物を加熱するための加熱手段を具備する本体と、
   この本体を覆うようにドーム状に形成され、透過部を有
   し、前記回転駆動手段により回転駆動されるドーム体
   と、前記本体内に配置されて前記ドーム体を照明する照
   明手段とを有することを特徴とする電子レンジ。