JPH0653683B2 - 慢性痛あるいは慢性咳を治療する経口用組成物 - Google Patents

慢性痛あるいは慢性咳を治療する経口用組成物

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JPH0653683B2 JP17686688A JP17686688A JPH0653683B2 JP H0653683 B2 JPH0653683 B2 JP H0653683B2 JP 17686688 A JP17686688 A JP 17686688A JP 17686688 A JP17686688 A JP 17686688A JP H0653683 B2 JPH0653683 B2 JP H0653683B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は腸の運動異常を誘発することなう慢性痛あるい
は慢性咳にかかった患者を治療する経口用組成物に関す
る。
重症の慢性痛あるいは慢性咳にかかった患者の治療は多
くの重大な臨床的むずかしさを示す。モルヒネ,メタド
ン,コデイン,メペリジンおよびオキシコドンのような
麻薬あるいはオピオイド鎮痛剤は、例えば進行性癌,肺
疾患,変性関節疾患および慢性腹痛にかかっている患者
のような患者にしばしば投与される。しかしながら、長
期に及ぶオピオイド投与の望ましくない副作用のほか
に、長期作用のオピオイド鎮痛剤の慢性的使用は重症の
便秘や腸運動減弱の他の症状をもたらすことはよく知ら
れている。慢性的な麻薬投与の便秘作用に対する耐性が
いつかは発展することは信じられているけれども、これ
は極端にゆっくりと発展する。実際、耐性の発展は、限
定的な時間因子のためあるいは鎮痛剤の量は耐性がその
鎮痛効果に対して発展するにつれて普通は増やさねばな
らないので、年取った患者あるいは未期患者の場合には
あまり重大ではない。
慢性痛あるいは慢性咳に対するオピオイド鎮痛剤投与に
より引き起こされる便秘および腸運動減弱の他の症状は
患者にとって不快にするだけでなく、治療プログラムや
患者の根元にある症状を複雑にすることがある。実際
に、慢性便秘は心臓病患者や老人患者にとっては新たな
健康の危険を引き起こすことがある。
長期に及ぶオピオイド鎮痛療法を受けた患者の便秘を緩
解する従来の方法は各種の緩下剤,下剤,便軟化剤およ
び潤滑剤の投与、食事の調整等を含む。ある場合には、
便秘によって引き起こされる不快感や腸破裂の潜在的危
険性は痛みの治療における制限因子となることもあり、
また鎮痛剤の用量は与えられたレベルで一定に保持され
るかあるいは腸の固有運動性を改善するためには減量し
なければならないこともある。
経口投与に対して重大な全身作用をもつある種のオピオ
イド拮抗薬がオピオイド作用物質の長期投与によって誘
発される腸運動減弱に反作用するために用いられる。勿
論、実用化するためには、鎮痛剤あるいは鎮咳剤に対す
る補助薬として経口投与されるこのような拮抗薬は痛み
を軽減したりあるいは咳を減退させるために投与される
オピオイド作用物質の鎮痛あるいは鎮咳効果を実質的に
妨害してはならない。このように、米国特許第4,176,18
6号においては、ノルオキシモルホンの第四級誘導体を
構成する化合物族はその鎮痛活性を妨害することなく麻
薬性鎮痛剤の腸固有運動阻害性副作用を予防または軽減
するのに有用であることが明らかにされている。
米国特許第4,176,186号に発表されている化合物および
慢性痛患者の便秘の問題を軽減するために前記のように
示唆された同類の薬物は多くの欠点をもつ。このような
物質は欠陥−脳障壁を交叉せず、従って、脳を通じて調
停されるオピオイド剤のこの鎮痛効果を実質的に妨害し
ないけれども、前記で示唆された拮抗薬は脊髄,未梢知
覚システム,脳下垂体および基底視床下部を通じて調停
される鎮痛作用を十分に妨害すると考えられ、これらの
全てが重要なオピオイドリセプタを含むと信じられる。
さらに、第四級拮抗薬は消化管リセプタを含むオピオイ
ドリセプタに対して親和力が弱く、麻薬による腸運動性
減弱に反作用するのには効果的ではない。さらに、前記
の第四級拮抗化合物は容認できないほどの高い毒性をも
つことが認められており、そのために慢性痛患者に長期
間投与することは特に不適切とされている。第四級化合
物を用いる慢性の痛みあるいは咳をもつ患者の可能性の
あるあるいは満足すべき方法は今だに発表されていな
い。
簡単に言うと、オピオイド療法を受けている慢性痛ある
いは慢性咳患者の腸運動性減弱の重症の合併症を軽減す
る安全で、有効な、実用的方法は、このような方法が長
い間臨床的に必要とされてきたにもかわらず、これまで
開発されていない。
腸固有運動性の障害を誘発または悪化することなく慢性
痛あるいは慢性咳患者の症状を軽減する安全で、有効な
方法を提供することが本発明の目的である。
前記のように長期のオピオイド療法を必要とする患者に
適した方法を提供することが本発明の別の目的である。
便秘や他の腸運動減弱の症状を予防および軽減するため
にその痛みまたは咳のための投薬に付随して慢性痛また
は慢性咳患者に薬物を投与することから成る前記のよう
な方法を提供することが本発明のさらにその上の目的で
ある。
本発明のなお別の目的は、鎮痛または鎮咳剤投薬に付随
して投与される薬物が後者の鎮痛または鎮咳作用を重大
に減少または損わないところの前記の方法を提供するこ
とである。
本発明のなおその上の目的は、オピオイド鎮痛剤に対す
る補助薬として投与される薬剤が経口的に投与すること
ができ、低い毒性レベルと望ましくない副作用の低い発
現率を示すところの前記のような方法を提供することで
ある。
本発明のなお別の目的は、補助剤が経口的に投与された
場合全身的生物適合性が少ししかないかあるいは全くな
く、腸運動減弱を予防または軽減するのに有効なオピオ
イド拮抗剤から成るところの前記の方法を提供すること
である。
前記の方法で使用するのに適した組成物を提供すること
が本発のさらに進んだ目的である。
これらの目的およびその後に明らかになるであろう他の
目的と一致して、本発明は、簡単に言うと、慢性痛ある
いは慢性咳患者、例えば、進行性癌,肺疾患あるいは進
行性,変性関節疾患のある患者を便秘のような腸固有運
動性の疾患を誘発または悪化することなく治療する方法
にある。主題の方法はオピオイド鎮痛剤あるいは鎮咳剤
の有効量と非経口的経路によって投与した場合に全身的
に生物適合的であるが、経口的に投与した場合には実質
的に非生物適合的であるオピオイド拮抗薬の組合せ投与
あるいは共投与から成る。適切なオピオイド鎮痛剤はモ
ルヒネ,メペリジン,オキシコドン,メタドン等を含
む。最も一般的に用いられるオピオイド鎮咳剤の中には
コデインとヒドロコドンがある。適当な拮抗薬の例はナ
ロキソン,ナロキソン・グルクロニドおよびナルメフェ
ン・グルクロニドを含む。
本発明によると、慢性痛あるいは慢性咳の患者はオピオ
イド鎮痛剤または鎮咳剤約1.5〜約100mgおよび適当
なオピオイド拮抗薬(下にさらに詳く定義)約1mg〜約
18mgから成る1〜2用量ユニットを1日1〜5回経口投
与を受ける。この2つの薬物は錠剤,カプセル剤,カプ
レット剤あるいは調製された経口溶液の形で組成物中に
組み合わせて投与されるか、あるいは水,ジュースまた
は他の飲料のような適当な液体賦形薬中に投与の時に一
緒に溶かすか、懸濁される。この2つの薬物はまた非同
時的方法で共投与されるすなわち薬物の1つが投与さ
れ、そのin vivo活性のある間に他の薬物が投与
される。
本発明は麻薬単独の使用からくる腸運動減弱の開始を同
時に予防し、あるいは運動減弱を同時に軽減しながら、
慢性痛の患者あるいは慢性咳のある患者を長期にわたっ
て治療する方法に関する。これらの方法はオピオイド鎮
痛剤または鎮咳剤の薬学的に有効な量と活性型で全身的
な生物適合性が少ししかないかまたは全くないオピオイ
ド拮抗薬を組みわせて経口投与することから成り、従っ
て、経口投与した時に実質的に全身的な拮抗薬作用がな
い。
本発明の方法で使用されるオピオイド作用物質は全ての
既知の安全で、有効なオピオイド鎮痛剤、短期および長
期作用のオピオイド鎮痛剤、例えばモルヒネ,メペリジ
ン,オキシコドン,メタドン,ヒドロモルホン,コデイ
ン,ヒドロコドンおよびプロポキシフェンを含む。主題
の方法は単に作用物質と拮抗薬の経口投与に関するもの
であるから、選ばれたオピオイド鎮痛剤または鎮咳剤は
高度の経口活性をもたねばならず、経口投与に対して安
全でなければならない。
本発明の方法で使用するのに適したオピオイド拮抗薬
は、下で時には“適切なオピオイド拮抗薬”として考え
られるが、経口的に投与した場合、全身的な拮抗薬作用
がわずかしかないか全くあってはならない。拮抗薬はこ
こで指示されているようにオピオイド作用物質と組み合
わせて与えられる場合オピオイド作用物質の鎮痛作用を
中和あるいは実質的に打ち消すならばそれは余り価値は
ないので、低度の経口的全身作用が本発明で用いられる
オピオイド拮抗薬の必要な特性である。
適当なオピオイド拮抗薬は一般に2つのタイプをもって
いる: 1.非経口的に投与した場合高度の拮抗作用を表すが、
経口投与された場合には実質的に代謝され(少なくとも
95%)、全身的な拮抗作用を失う薬物。このような拮抗
薬は、例えばナロキソン(N−アリル−14−ヒドロキシ
ジヒドロノルモルフィノン)を含む。
2.拮抗薬代謝産物、例えばナロキソン・グルクロニド
およびナルフェン(6−メチレン−6−デスオキシ−N
−シクロプロピルメチル−14−ヒドロキシ・ジヒドロノ
ルモルフィン)グルクロニド、これらは不活性な代謝産
物あるいは非経口的に活性な拮抗薬である、 の形である薬物。
経口投与した場合には生物適合性が乏しいある種のオピ
オイド拮抗薬は実質的に未変化の形で腸に達し、腸壁を
通じて門脈循環に吸収されるが、次いで速やかに代謝さ
れ、肝臓で不活性化されることが発見されている……例
えばナロキソンは肝臓でナロキソン・グルクロニドに代
謝され、これは全身的な拮抗薬活性は少ししかないか全
くない。なお、腸のあへん剤リセプタに達することによ
って、これらの拮抗薬はオピオイド作用物質の胃腸管に
対する運動減弱誘発作用を遮断することができ、こうし
て長期の麻酔性鎮痛薬療法を受けた患者の便秘の初まり
を予防または症状を軽減することができ、オピオイド作
用物質の鎮痛作用を妨害または除去しない。
上で詳述されたグルクロニド代謝産物またオピオイド鎮
痛剤を投与された慢性痛患者の便秘の初まりを予防し、
そのひどさを減少させるが、それは腸壁の細菌活性また
は酵素の活性によって脱グルクロニデートされ、拮抗薬
塩基、すなわちナロキソンおよびナルメフェン、の形で
ある程度まで腸壁に達するからと考えられる。このよう
に、これらの代謝産物は経口投与された場合前薬物とし
て作用すると信じられる。ここで用いられているよう
に、“前薬物”というタームはin vitro不活性
であるが、in vivoでは少なくともある程度まで
は薬学的に活性な形に変換される物質を表している。
我々の共同出願の米国特許第828,533号,1986年12月15
日出願で、1984年12月10日出願の米国特許第680,230号
の継続であり、これは1983年2月4日出願の米国特許第
464,110号の継続である、において我々はイディオパシ
ーまたは自然の便秘、すなわち、例えば麻薬作用物質の
慢性投与によって起らない便秘、を緩解する場合のナロ
キソンおよび他の拮抗薬の利用性を発表した。我々はそ
の特許の3ページに、ここに発表された発明は麻薬のよ
うなオピオイド作用物質の作用を中和するためにオピオ
イド拮抗薬を使用することに関してはいないことを強調
した。本発明はオピオイド鎮痛剤のような麻薬作用物質
の全身効果を中和しないが、全身的な作用物質活性を遮
断または妨害しないで胃腸運動性に対する作用物質の腸
レベルの作用に反作用するために特定のオピオイド拮抗
薬を使用することに関する。さらに、本発明の方法は、
ひどい便秘の合併症により患者の不快感を増さず、ある
いは根元的な疾病を悪化させることなく、適当な鎮痛お
よび鎮咳作用を確保する痛みまたは咳のある患者の急性
または慢性治療の首尾一貫した方法を提供するためにオ
ピオイド鎮痛剤と鎮咳剤および適当な拮抗薬の詳細な用
量範囲と割合を提供する。
本発明の新しい方法に従って、慢性痛または慢性咳にか
かっている患者、例えば、進行性癌、肺疾患,変性関節
疾患,重症の外傷からの回復中にある患者などはオピオ
イド作用物質を適当な拮抗薬の1あるいは2用量ユニッ
トを1日に1〜5回投与される。本発明に従って用いら
れるオピオイド鎮痛剤または鎮咳剤は、例としてモルヒ
ネ,メペリジン,オキシコドン,ヒドロモルホン,メタ
ドン,コデイン,ヒドロコドンおよびプロポキシフェン
のような長期間使用で安全かつ有効であることが認めら
れている短期および長期作用薬物が考えられる。
オピオイド薬物の用量範囲は用量ユニット当り約1.5
から約100mgであり、1または2ユニットが1日5回投
与され、オピオイド作用物質の1日の用量範囲は約1.
5〜約1,000mgとなる。次の表は特定のオピオイド鎮痛
剤に対する実証的な範囲である: 本発明で使用される適当なオピオイド拮抗薬は、前に考
察したように、経口投与しても腸あへん剤リセプタに対
してオピオイド作用物質の運動減弱誘発作用を遮断する
ように作用することのできる全身的拮抗作用が少ししか
ないか全くないものである。このような適切な拮抗薬は
ナロキソンのような5%以下の程度が非代謝型で胃腸管
から吸収されるものを含む。さらに、全身作用が少しし
かないか全くない麻薬拮抗薬の代謝産物、例えばナロキ
ソン・グルクロニドおよびナルメフェン・フルクロニ
ド、はまた前薬物として作用することから、本発明の目
的に適していると認められた。本発明で使用するのに適
したオピオイド拮抗薬に対する主な資格は、共投与され
たオピオイド作用物質の鎮痛効果を大きく減少すること
なく腸運動性に対する不利なオピオイド作用に拮抗する
ことである。
本発明に従って、慢性痛または慢性咳患者はオピオイド
鎮痛剤の各用量と一緒にナロキソンまたは他の適当な拮
抗薬の用量を1日1〜5回投与される。各用量は両薬物
から成る1以上の用量ユニットを含む。この2種の薬物
は、例として、従来の担体,結合剤,賦形剤,崩壊剤,
潤滑剤,甘味剤および他の薬学的に受容できる添加剤を
添加したカプセル剤,錠剤,カプレット剤,シロップ
剤,エリキシル剤などを含む薬学的に受容できる経口用
量型で固定した割合で組み合わせることができる。代り
に、オピオイド作用物質と拮抗物質の用量はより患者に
受け入れられやすくするために果汁のような両立できる
飲料に粉末の形で添加することができる。オピオイド作
用物質および適切な拮抗薬はまた作用物質と拮抗物質の
1〜5用量ユニットを用いて患者に別々に投与する非同
時的なやり方で患者に共投与してもよい。
本発明の方法で使用するのに適した麻薬拮抗物質の勧め
られる用量範囲は用量ユニット当り約1〜約18mgであ
る。12〜18mgのようなより大量の拮抗物質がコデインや
プロポキシフェンのような比較的弱い薬物には必要とさ
れ、ユニット当り1〜5mgのようなより少量の拮抗物質
はモルヒネやメペリジンのようなより強い作用物質に必
要とされる。次表は作用物質と拮抗物質の代表的ユニッ
トと1日の用量である。
便秘や他の腸運動減弱の他の症状を誘発または悪化する
ことなく有効な鎮痛や中枢的鎮咳作用を与えることによ
って慢性痛または慢性咳患者を治療する本方法の新規性
は、オピオイド作用物質および拮抗物質(第1にナロキ
ソン)の組み合わせはここで明らかにされている目的の
ためには組み合わせで、あるいは腸レベルのオピオイド
効果の局所的拮抗が望まれる場合には別の治療方法で前
記のオピオイド作用物質と経口的には効果のない拮抗物
質で明らかであるという事実によって減少はしない。
例えば、米国特許第3,493,657号では、ナロキソンはオ
ピオイドによって引き起される呼吸抑制を除去するため
にあへん剤アルカロイドと組み合わせて有効であること
が明らかにされている。しかしながら、ナロキソンの有
益な胃腸作用はこの特許では明らかにされていないだけ
なく、そこに指示されている組合せ処方は非経口的使用
についてのみである。非経口的に投与された作用物質−
拮抗物質組み合せ剤は、経口投与された製剤と同じ位有
効に腸固有運動性を改善しないで、拮抗物質は作用物質
の鎮痛効果を非常に減少させるので本発明の方法では有
用ではないだろう。
米国特許第3,966,940号においては、オピオイド鎮痛剤
とナロキソンの組み合わせから成る経口的に有効な組成
物が発表されている。しかしながら、これらの組み合せ
処方は、非経口投与に対して無痛覚,多幸症あるいは肉
体的従属症を引き起さないために、主にに薬物濫用の予
防に有用であると発表されている。ヘロインやモルヒネ
耽溺者によるような非経口的濫用を防ぐために経口投与
された麻薬に“混ぜ物をする”目的でナロキソンを用い
ることは以前の方法でよく知られている。しかしなが
ら、麻薬誘導性の便秘を予防するのにナロキソンが経口
的に有効であるために、このような組み合わせ薬が慢性
痛患者の治療に有用であるとする発表はこれまで特許に
もあるいは医学文献にもない。さらに、患者による非経
口的濫用可能性が重大な問題ではない慢性痛患者を治療
するために前記のような作用物質−拮抗物質経口製剤を
用いることはその分野の専門医ではなかったことであ
る。
オピオイド鎮痛剤を非経口的濫用の予防に適したナロキ
ソンの別の組み合わせは米国特許第4,582,835号に発表
されている 次の実施例は本発明の方法と組成物を説明するが、どの
点においてもっばら技法,薬剤,用量型あるいは本発明
の範囲内になるように使用しなければならない用量を指
示するようには考えられていない。
次の実施例は主題の患者について実施された力価測定研
究を示す。オピオイド鎮痛剤と拮抗物質は患者に経口的
に共投与され、その用量範囲は便通の重大な増加が便の
正味重量の増加と麻薬禁断症状または痛みの再発の微候
により認められる点まで調節される。前記の結果を得る
ために最適であることが力価測定により明らかにされた
用量法は“最適用量法”として実施例で紹介されてい
る。
実施例−1 患者No.1は9年間の左下腹部四分一区分の腹痛,鼓腸
および直腸出血と5年間の発作のある42才の女性であっ
た。彼女の最適用量法はプロポキシフェン65mgとナロキ
ソン18mgを経口的にbid(1日2回)投与であること
がわかった。
実施例−2 患者No.2は15年間の麻薬中毒と5年間の麻薬メタド
ン維持療法を受けた33才の男性であった。入院の2年前
に、患者は30フイートの梯子から転落し、脳出血,左大
腿骨と鎖骨の骨折と2次的疼痛を受けた。この患者の最
適用量法はメタドン100mg,オキシコドン5mgおよびナ
ロキソン8mgをqd(1日1回)投与することであるこ
とがわかった。
実施例−3 患者No.3は13年間の自動車衝突後の2次的脊髄損
傷,対麻痺,慢性痛および便秘がある59才の女性であっ
た。彼女の最適用量法はメタドン10mg,オキシコドン5
mgおよびナロキソン8mgをtid(1日3回)であるこ
とが分った。
実施例−4 患者No.4は13年間の左乳房切除と右肺切除後の2次
的疼痛をもった53才の女性であった。彼女の最適用量法
は1日1〜4回ナロキソン10〜12mgと同様に1日5回オ
キシコドン10mgを投与することであることがわかった。
実施例−5 患者No.5は13年間の偽閉鎖と診断された間欠性の小
腸閉鎖と慢性的麻薬従属症とメタドン維持療法を来たす
2次的慢性痛をもつ27才の女性であった。彼女の最適用
量法はメタドン100mgをナロキソン4mgと一緒にqd
(1日1回)投与することであることがわかった。
このように、発明の各種の目的を満たし、実用の条件に
合うように調整された新規の方法と組成物が提供される
ことが分るであろう。
いろいろな考えられる具体例が前記発明についてつくら
れ、また各種の変化が前記で説明される具体例で認めら
れたので、ここに述べられている全ての事柄は実証的で
あって、限られた意味ではないと理解することができ
る。
新規であるとして特許請求され、専売特許証により保護
されることが望まれるものは添付の特許請求の範囲で説
明される。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オピオイド鎮痛剤または鎮咳剤の薬学的に
    有効な量、および 経口投与した場合実質的に全身的な拮抗作用のないオピ
    オイド拮抗物質または拮抗物質前薬物の薬学的に有効な
    量、 からなる、腸運動減弱の発生を同時に回避しながら全身
    的な鎮痛または中枢的鎮咳作用を与えるために長期にわ
    たって慢性痛や咳のある患者を治療するのに有効な経口
    用組成物。
  2. 【請求項2】オピオイド鎮痛剤または鎮咳剤の薬学的に
    有効な量が用量ユニット当り約1.5mgから約100mgで
    あり、また オピオイド拮抗物質または拮抗物質前薬物の薬学的に有
    効な量が用量ユニット当り約1mgから18mgである、 特許請求の範囲第1項の組成物。
  3. 【請求項3】用いられたオピオイド拮抗物質が5%以下
    の程度まで非代謝型で胃腸管を通じて血流に吸収される
    オピオイド拮抗物質である特許請求の範囲第1項の組成
    物。
  4. 【請求項4】前記オピオイド拮抗物質がナロキソンであ
    る特許請求の範囲第1又は2項の組成物。
  5. 【請求項5】拮抗物質前薬物が非経口的に活性な拮抗物
    質の代謝産物の形となっている特許請求の範囲第1項の
    組成物。
  6. 【請求項6】拮抗物質前薬物がナロキソン・グルクロニ
    ドおよびナルメフェン・グルクロニドから成るグループ
    から選ばれる特許請求の範囲第5項の組成物。
  7. 【請求項7】オピオイド鎮痛剤または鎮咳剤がモルヒ
    ネ,メペリジン,オキシコドン,ヒドロモルホン,メタ
    ドン,コデイン,ヒドロコドンおよびプロポキシフェン
    から成るグループから選ばれる特許請求の範囲第1項の
    組成物。
  8. 【請求項8】前記経口用量型がカプセル剤,カプレット
    剤,錠剤,シロップ剤およびエリキシル剤から成るグル
    ープから選ばれる特許請求の範囲第1項の組成物。
  9. 【請求項9】鎮痛剤または鎮咳剤および拮抗物質または
    拮抗物質前薬物の各々の少なくとも1つの用量ユニット
    から成る用量が患者に投与する時に液体飲料中に溶解す
    るか懸濁させる特許請求の範囲第1項の組成物。
  10. 【請求項10】拮抗物質の前記用量ユニットがナロキソ
    ン約1mgから約18mgを含む特許請求の範囲第9項の組成
    物。
  11. 【請求項11】鎮痛剤または鎮咳剤の前記用量ユニット
    が少なくとも1種のオピオイド鎮痛剤または鎮咳剤約
    1.5mgから約100mgを含む特許請求の範囲第9項の組
    成物。
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