JPH0653397B2 - 歯付ベルトの製造方法 - Google Patents
歯付ベルトの製造方法Info
- Publication number
- JPH0653397B2 JPH0653397B2 JP14581685A JP14581685A JPH0653397B2 JP H0653397 B2 JPH0653397 B2 JP H0653397B2 JP 14581685 A JP14581685 A JP 14581685A JP 14581685 A JP14581685 A JP 14581685A JP H0653397 B2 JPH0653397 B2 JP H0653397B2
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- JP
- Japan
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- toothed belt
- base cloth
- mold
- manufacturing
- rubber
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は歯付ベルトの製造方法の改良に関する。さらに
詳しくは歯付ベルトの加硫成型において、製造金型内部
より、被カバー材である基布を吸引密着させることによ
り、成型性に優れ、かつ、耐久性良好な歯付ベルトを製
造する方法に関するものである。
詳しくは歯付ベルトの加硫成型において、製造金型内部
より、被カバー材である基布を吸引密着させることによ
り、成型性に優れ、かつ、耐久性良好な歯付ベルトを製
造する方法に関するものである。
従来の技術 近年、歯付ベルトは各種機械の駆動、自動車伝動部、さ
らに事務用機器の伝動部等多分野において使用されてい
るが、高速回転、高温度などの苛酷な条件下で使用され
る為、その表面に使用する基布の特性として切断強力、
平面摩耗強力が、歯付ベルトの耐久性向上の点で重要視
されている。
らに事務用機器の伝動部等多分野において使用されてい
るが、高速回転、高温度などの苛酷な条件下で使用され
る為、その表面に使用する基布の特性として切断強力、
平面摩耗強力が、歯付ベルトの耐久性向上の点で重要視
されている。
従来、歯付ベルトの製造方法としては、歯付ベルト成型
時に第1図に示すような金型1の上に、基布2、抗張体
3、ゴム4の順に置き、加圧下で加硫して第3図の歯付
ベルトとするものである。すなわち、加硫前の歯付ベル
トの基布2は平面であり、第1図から第2図になる過程
で、基布2が伸ばされ、ゴム4は抗張体3の粗い目を通
過して歯付ベルトが成型される。この為、基布2は歯型
の歯高に応じて数10%伸びる必要がある。この数10
%の伸度を基布2に与える為に、基布2の緯糸には、一
般的に仮撚加工糸が使用されているが、この際、基布の
ストレッチが小さいと歯付ベルト成型時に基布2が歯型
に充分密着することができず歯型異状のベルトを発生す
る原因となつていた。
時に第1図に示すような金型1の上に、基布2、抗張体
3、ゴム4の順に置き、加圧下で加硫して第3図の歯付
ベルトとするものである。すなわち、加硫前の歯付ベル
トの基布2は平面であり、第1図から第2図になる過程
で、基布2が伸ばされ、ゴム4は抗張体3の粗い目を通
過して歯付ベルトが成型される。この為、基布2は歯型
の歯高に応じて数10%伸びる必要がある。この数10
%の伸度を基布2に与える為に、基布2の緯糸には、一
般的に仮撚加工糸が使用されているが、この際、基布の
ストレッチが小さいと歯付ベルト成型時に基布2が歯型
に充分密着することができず歯型異状のベルトを発生す
る原因となつていた。
また、基布緯糸の仮撚加工糸は、伸縮性を出し易くする
為に伸度の大きい原糸を使う必要があり、相対的に原糸
強度の低いものが使用されてきた。さらには仮撚加工を
施す過程に於て、より伸縮性を発揮させる為に、一般衣
料用仮撚条件よりも高温で、しかも低速加工される為、
強度はさらに低下し、歯付ベルトにした時の耐久性に於
ても不利になつていた。
為に伸度の大きい原糸を使う必要があり、相対的に原糸
強度の低いものが使用されてきた。さらには仮撚加工を
施す過程に於て、より伸縮性を発揮させる為に、一般衣
料用仮撚条件よりも高温で、しかも低速加工される為、
強度はさらに低下し、歯付ベルトにした時の耐久性に於
ても不利になつていた。
発明が解決しようとする問題点 本発明は上記の問題点を解消し、歯付ベルトの成型性並
びに同ベルトの耐久性を向上させた歯付ベルトの製造方
法を提供するものである。
びに同ベルトの耐久性を向上させた歯付ベルトの製造方
法を提供するものである。
問題点を解決するための手段 すなわち、本発明は、歯付ベルトの製造において、少な
くとも金型の凹部に吸引孔を有する歯付ベルトの金型
に、あらかじめ基布を吸引孔を通して吸引し、密着させ
た後、ゴムを積層し、加圧下で加硫することを特徴とす
る歯付ベルトの製造方法である。
くとも金型の凹部に吸引孔を有する歯付ベルトの金型
に、あらかじめ基布を吸引孔を通して吸引し、密着させ
た後、ゴムを積層し、加圧下で加硫することを特徴とす
る歯付ベルトの製造方法である。
以下、本発明に係る歯付ベルトの製造方法を添付図面に
より詳細に説明する。
より詳細に説明する。
第4図は、本発明の歯付ベルト製造に用いる金型の部分
断面斜視図を示し、金型1の凹部に歯付ベルト用の基布
が充分密着しうる程度の吸引孔5を設け、金型内部より
吸引できるものにする必要がある。吸引孔の大きさ、
数、形状は、基布を充分吸引密着させることができる程
度とし、使用する基布の曲げ硬さ、気密度ならびに金型
内部吸引圧力に応じて設定することが好ましい。
断面斜視図を示し、金型1の凹部に歯付ベルト用の基布
が充分密着しうる程度の吸引孔5を設け、金型内部より
吸引できるものにする必要がある。吸引孔の大きさ、
数、形状は、基布を充分吸引密着させることができる程
度とし、使用する基布の曲げ硬さ、気密度ならびに金型
内部吸引圧力に応じて設定することが好ましい。
基布に使用する糸は、合成繊維マルチフィラメントであ
ればどんな素材でもよい。例えば、耐久性はナイロン
6、ナイロン66が優れ、また、耐熱性はナイロン6
6、ポリエステル、芳香族ポリアミドが優れれているの
で適宜使いわければよい。また、経糸と緯糸との素材の
組合せも、上記特性を考慮して適宜組合せればよい。
ればどんな素材でもよい。例えば、耐久性はナイロン
6、ナイロン66が優れ、また、耐熱性はナイロン6
6、ポリエステル、芳香族ポリアミドが優れれているの
で適宜使いわければよい。また、経糸と緯糸との素材の
組合せも、上記特性を考慮して適宜組合せればよい。
次に基布の織組織は、平織、綾織、朱子織いづれでもよ
いが、耐摩耗性は平織が最もよいことから平織にするこ
とが好ましい。
いが、耐摩耗性は平織が最もよいことから平織にするこ
とが好ましい。
また、基布には金型への吸収性をあげる為に熱可塑性樹
脂又は未加硫ゴムをコーティングした方がよい。但しこ
の場合樹脂層又は未加硫ゴム層を厚くしすぎると基布の
曲げ硬さが増して逆効果になる場合もあるので、基布の
織密度に応じて適宜、樹脂又は未加硫ゴムの付着量を調
整することが好ましい。さらに樹脂又は未加硫ゴムの種
類は熱可塑性樹脂又は未加硫ゴムであればどのようなも
のでもよいが、ゴム4との接着性を考慮すれば、ゴム4
と同一素材のものが好ましい。
脂又は未加硫ゴムをコーティングした方がよい。但しこ
の場合樹脂層又は未加硫ゴム層を厚くしすぎると基布の
曲げ硬さが増して逆効果になる場合もあるので、基布の
織密度に応じて適宜、樹脂又は未加硫ゴムの付着量を調
整することが好ましい。さらに樹脂又は未加硫ゴムの種
類は熱可塑性樹脂又は未加硫ゴムであればどのようなも
のでもよいが、ゴム4との接着性を考慮すれば、ゴム4
と同一素材のものが好ましい。
基布を金型に充分吸引密着させた後は、第5図に示す如
く基布2とゴム4の間に抗張体3を介在させて加圧加硫
を行なう。この時必要に応じて、その他の積層材を入れ
てもよい。
く基布2とゴム4の間に抗張体3を介在させて加圧加硫
を行なう。この時必要に応じて、その他の積層材を入れ
てもよい。
加圧加硫条件は、使用するゴムの種類に応じて適宜決め
ればよい。
ればよい。
実施例 下記、第1表に示す基布を作り、その各々について横方
向の物性の測定結果を第2表に示す。
向の物性の測定結果を第2表に示す。
上記、第1表、第2表より、緯糸に仮撚糸を使用した基
布Iは、同ストレート糸使いの基布IIに位べて、明らか
に強力が劣る。基布Iでは緯糸方向の伸長性を出す為に
緯糸に仮撚加工糸を使用するものである。
布Iは、同ストレート糸使いの基布IIに位べて、明らか
に強力が劣る。基布Iでは緯糸方向の伸長性を出す為に
緯糸に仮撚加工糸を使用するものである。
上記基布Iは従来の歯付ベルトに使用される基布の一例
であり、基布IIは本発明の歯付ベルト製造方法で使用可
能な基布である。
であり、基布IIは本発明の歯付ベルト製造方法で使用可
能な基布である。
次に上記の基布をそれぞれについて、第4図に示す装置
を用い、その上に基布I及び基布IIをのせ、金型の内部
圧を負圧にして吸引密着させ、さらに第5図の如く抗張
体未加硫CRゴムをのせた後、10Kg/cm2の加圧下1
50℃で30分間加硫成型して歯付ベルトを製造し、第
6図に示すチャックを用いて定速引張り試験機にて歯形
部の剪断力を測定した。その結果を第3表に示す。
を用い、その上に基布I及び基布IIをのせ、金型の内部
圧を負圧にして吸引密着させ、さらに第5図の如く抗張
体未加硫CRゴムをのせた後、10Kg/cm2の加圧下1
50℃で30分間加硫成型して歯付ベルトを製造し、第
6図に示すチャックを用いて定速引張り試験機にて歯形
部の剪断力を測定した。その結果を第3表に示す。
さらに同様の方法で製造した歯付ベルトを140℃雰囲
気中で72時間放置後の測定結果を第4表に示す。
気中で72時間放置後の測定結果を第4表に示す。
以上の如く、本発明による製造方法によつて得られた歯
付ベルトは、従来方法により製造されるものに比較し
て、歯部の剪断力、さらには高温下に於る耐熱性に於て
も明らかに優れているものであつた。
付ベルトは、従来方法により製造されるものに比較し
て、歯部の剪断力、さらには高温下に於る耐熱性に於て
も明らかに優れているものであつた。
発明の効果 本発明の歯付ベルトの製造方法によれば次の効果が得ら
れる。
れる。
(1) 基布の伸縮性が不要の為、基布の素材は仮撚性を
無視して機能性のみを追して選定できる。そのために織
組織は、平織、綾織、朱子織いずれも可能である。
無視して機能性のみを追して選定できる。そのために織
組織は、平織、綾織、朱子織いずれも可能である。
(2) 従来仮燃糸の伸縮性のバラツキによつて発生して
いた基布の目曲りや、歯付ベルトの歯型異常がなくな
る。
いた基布の目曲りや、歯付ベルトの歯型異常がなくな
る。
(3) 上記(1)、(2)の結果、耐熱性、耐久性に優れた歯
付ベルトが得られ、且つ生産性の優れた製造方法であ
る。
付ベルトが得られ、且つ生産性の優れた製造方法であ
る。
第1図は従来の金型による歯付ベルトの加硫方法の加硫
前部分断面図を示す。 第2図は従来の金型による歯付ベルトの加硫方法の加硫
中部分断面図を示す。 第3図は歯付ベルト製品の部分断面図である。 第4図は本発明の歯付ベルト金型の部分斜視図である。 第5図は本発明の金型による歯付ベルトの加硫方法の加
硫前部分断面図である。 第6図は実施例歯付ベルト試験片の試験に用いるチャッ
クの断面図である。 1……金型、2……基布、3……抗張体、4……ゴム、
5……吸引孔、6……チャック。
前部分断面図を示す。 第2図は従来の金型による歯付ベルトの加硫方法の加硫
中部分断面図を示す。 第3図は歯付ベルト製品の部分断面図である。 第4図は本発明の歯付ベルト金型の部分斜視図である。 第5図は本発明の金型による歯付ベルトの加硫方法の加
硫前部分断面図である。 第6図は実施例歯付ベルト試験片の試験に用いるチャッ
クの断面図である。 1……金型、2……基布、3……抗張体、4……ゴム、
5……吸引孔、6……チャック。
Claims (1)
- 【請求項1】歯付ベルトの製造において、少なくとも金
型の凹部に吸引孔を有する歯付ベルトの金型に、あらか
じめ基布を吸引孔を通して吸引し、密着させた後、ゴム
を積層し、加圧下で加硫することを特徴とする歯付ベル
トの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14581685A JPH0653397B2 (ja) | 1985-07-04 | 1985-07-04 | 歯付ベルトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14581685A JPH0653397B2 (ja) | 1985-07-04 | 1985-07-04 | 歯付ベルトの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS627532A JPS627532A (ja) | 1987-01-14 |
JPH0653397B2 true JPH0653397B2 (ja) | 1994-07-20 |
Family
ID=15393799
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14581685A Expired - Lifetime JPH0653397B2 (ja) | 1985-07-04 | 1985-07-04 | 歯付ベルトの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0653397B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6101846A (en) | 1997-02-06 | 2000-08-15 | Micron Technology, Inc. | Differential pressure process for fabricating a flat-panel display face plate with integral spacer support structures |
JP6071370B2 (ja) | 2012-09-21 | 2017-02-01 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
WO2020011342A1 (de) * | 2018-07-10 | 2020-01-16 | Walther Flender Gmbh | Verfahren zum herstellen von treibriemen |
-
1985
- 1985-07-04 JP JP14581685A patent/JPH0653397B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS627532A (ja) | 1987-01-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |