JPH0651099U - ライフジャケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案はライフジャケットを着用したままで
も、機敏な動作が可能となり、身体と一体感を出すこと
が出来るライフジャケットを提供することにある。 【構成】 ライフジャケットの後部分を構成する後身４
と、後身頃４に取り付けられている浮力体５において、
浮力体５の上部を後身頃４の上部に取りつけるととも
に、浮力体５の下部を前記ライフジャケット１の下部に
ベルト等で取り付けてなるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、救命用、海難事故防止、海上作業時等に用いられるライフジャケッ トに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のライフジャケットは、厚さ２ｃｍ程度の板状の合成樹脂の独立発泡材を 前身頃及び後身頃の形状に成形したものを浮力体として、前身頃及び後身頃に縫 着固定して内装した構造のものがよく知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のライフジャケットに内装されている厚手の浮力体は柔軟性に乏しく、曲 げた場合には元にもどろうとする剛性力が強く働くので、これを着用していると 、前かがみの作業などの際、背中が自由に曲げられない等の欠点があったので、 機敏な動きを要求される作業の場合にはこのようなライフジャケットの着用がか えって危険を招くこともあった。

【０００４】 又、通気性も悪く、これを着用して長時間作業すると背中に汗をかき着用して いる人に不快感を感じさせた。更に、経済面においては浮力体が破損したり、老 朽劣下した場合等に浮力体だけを交換することができない為、ライフジャケット 全体を交換しなければならないので非常に不経済でもあった。

【０００５】 本考案は、上記の欠点を鑑み、利用性の高いライフジャケットの提供を目的と する。即ち、第一の目的は前かがみの作業等の際、浮力体の剛性力の影響を受け ずに背中を自由に曲げることのできるライフジャケットの提供であり、又、第二 の目的は浮力体を交換することができる経済的なライフジャケットの提供である 。更に、第三の目的は、蒸れることを防ぐライフジャケットの提供である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記第一の目的を達成するための主たる手段は身体の前部分を覆う前身頃と、 前記前身頃に内装された前部浮力体と、身体の後部分を覆う後身頃と、前記後身 頃を覆う後部浮力体とを備えたライフジャケットにおいて、前記後身頃と、前記 後部浮力体とを少なくとも肩口近傍で固着し、肩口近傍を中心として揺動自在と した点に係るライフジャケットとして構成されている。尚、上記第二の目的を達 成するための主たる手段は身体の前部分を覆う前身頃と、前記前身頃に設けられ た前部浮力体と、身体の後部分を覆う後身頃と、前記後身頃に設けられた後部浮 力体とを備えたライフジャケットにおいて、前記前部浮力体、又は、前記後部浮 力体とを分離自在なる固着具を介して、前記前身頃、又は、前記後身頃に固着し た点に係るライフジャケットとして構成される。更に、第三の目的を達成する為 の手段は通気孔を設けることによりなる。

【０００７】

【作用】

上記の如く構成されたライフジャケットにおいて、請求項１に関しては、例え ば、前かがみ等の縦方向の動きに関しては、肩の動きに対応して前記後部浮力体 は上方に引っ張られるが、肩口を中心に揺動自在に後部浮力体が取り付けられて いるので、後身頃は後部浮力体の剛性力の影響を受けない、叉、身体をねじる等 の横方向の動きに対しても肩口を中心に揺動自在に後部浮力体が取り付けられて いるので、後身頃は後部浮力体の剛性力の影響を受けない。即ち、後身頃が身体 に密着して着用されていても、浮力体の剛性力が後身頃に影響を与えないのであ る。

【０００８】 更に請求項２に関しては、前身頃と前部浮力体とを、又、後身頃と後部浮力体 とを固着具により、分離自在な状態に固着すれば、浮力体が破損したり、又、老 朽劣下した場合には浮力体のみを交換することができる。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１０】 図１〜図３は本考案のライフジャケットの構成を説明する図である。１はライ フジャケットであって、身体の前部分を覆う前身頃２と、前身頃２に内装されて いる前部浮力体３と、身体の後部分を覆う後身頃４と、後身頃４を覆う後部袋体 ６と、後部袋体６に内装されている後部浮力体５と、緊締具の一例であるベルト 体７と、連結体の一例である帯体８とによって構成されている。尚、緊締具は緊 締するものであれば、紐、バンド等にフック体等を取りつけたものでもよい。

【００１１】 後部浮力体５が内装されいる後部袋体６はその上部がライフジャケット１の肩 口ａに縫着され、肩口近傍を中心として揺動自在に取り付けられる。又、その下 部にはベルト体７が縫着され、前身頃の下部に縫着された止金に取り付けられる 。連結体の一例である帯体８はその一端を後身頃４に強く縫着され、他端は後部 袋体６の下部に強く縫着されている。尚、帯体８は長さに余裕をもたせ後身頃４ と後部袋体６とを連結しているので後部袋体６及び後身頃４に影響を与えない。

【００１２】 図４はライフジャケト１の使用状態を説明している図である。ライフジャケッ ト１を着用し、前屈み等の縦方向の運動をした場合には、肩の動きに対応して後 部袋体６は矢印Ｂの方向に引っ張られる。しかし、後部袋体６の下部はベルト体 ７によって前身頃２の腹部側面付近に縫着された止金具で取り付けられているの で、ベルト体７が斜め上に傾くことにより肩の動きに対応することができる。即 ち、ベルト体７が後部袋体６に上下に動く余裕を与えながら前身頃２の腹部側面 付近に取り付けられているので、後部浮力体５の剛性力が身体に伝わらないので ある。

【００１３】 又、ライフジャケット１は横方向の動きに対して、後部袋体６の側面は後身頃 ４に固着されていないので、後部袋体６は後部浮力体５の剛性力を身体に伝えな いのである。尚、帯体８はベルト体７が破損等により切れた場合に後部浮力体６ と後身頃４とを繋ぎ止めるものである。

【００１４】 本考案のライフジャケット１は、後部浮力体５の剛性力が身体に直接に影響を 与えないので、これを着用して作業等を行った場合には動きやすく、且つ、身体 にかかる負担が少なく、快適に作業をすることができる。

【００１５】 図５は通気孔を設け、更に前部浮力体３及び後部浮力体５を分離自在とした別 の実施例を説明する図である。身体の前部分を覆う前身頃２と、前身頃２に固着 されている前部袋体１０と、前部袋体１０に内装されている前部浮力体３と、身 体の後部分を覆う後身頃４と、後身頃４に固着されている後部袋体６と、後部袋 体６に内装されている後部浮力体５と、帯体８とを備えたライフジャケット１に おいて、前身頃２と、前部袋体１０と、後身頃４と、後部袋体６とに固着具の一 例であるファスナーを縫着し、更に、後身頃４に通気孔９を設けた点に係るライ フジャケットとして構成されている。

【００１６】 更に詳しく説明すると、前部袋体１０は前部浮力体３を内装しており、その周 囲には固着具であるファスナーが縫着されている。叉、前部袋体１０に対応して 前身頃２にもファスナーが縫着され、このファスナーにより、前身頃２と前部袋 体１０が分離自在に固着されているのである。更に、後身頃４の肩口近傍ａにフ ァスナーを縫着し、更に、後部袋体６の上部と帯体８の一方端にもファスナーが 縫着され、このファスナーによって後身頃４と後部袋体６が分離自在に固着され ることになる。

【００１７】 次に通気孔９に関して説明すると、べルト体７をライフジャケット１の脇部分 の幅を広くとり、前身頃２の脇部分に縫着された止金に取り付けられると、後身 頃４と後部袋体６との密着力が弱くなり隙間ができ通気孔９を通して体温を逃が し、ライフジャケット１の内側が蒸れるのを防ぐのである。叉、ベルト体７が脇 部分を狭くとり止金に取り付けると、後身頃４と後部袋体６との密着力が強くな り隙間がなくなり体温が逃げるのを防ぐのである。尚、ベルト体７及び連結体８ は後部袋体６と、前身頃２又は後身頃４とをつなぐものであればゴム，紐等に限 られない。

【００１８】 前部浮力体３及び後部浮力体５が着脱可能となったライフジャケットは浮力体 の破損等により交換が必要な場合には、簡単に交換することができるので長期に 渡り使用することができる。尚、固着具はファスナーには限定されない。又、通 気性を調整することができるので蒸れるのを調整することができる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案のライフジャケトは上記のとおり構成されているので、利用性の高いラ イフジャケットを提供することができる。即ち、請求項１は身体への負担が少な いライフジャケットを提供することができるという効果があり、。又、請求項２ は浮力体を交換することができるという経済的効果がある。更に、請求項３は通 気性を調整できるので蒸れるのを防ぐという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のライフジャケットの正面斜視図であ
る。

【図２】本考案のライフジャケットの背面斜視図であ
る。

【図３】本考案のライフジャケットの側面斜視図であ
る。

【図４】本考案の使用状態を説明する図である。

【図５】浮力体を分離自在としたライフジャケットを説
明する図である。

【符号の説明】

１ ライフジャケット ２ 前身頃 ３ 前部浮力体 ４ 後身頃 ５ 後部浮力体 ９ 通気孔

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 身体の前部分を覆う前身頃と、前記前身
   頃に内装された前部浮力体と、身体の後部分を覆う後身
   頃と、前記後身頃を覆う後部浮力体とを備えたライフジ
   ャケットにおいて、前記後身頃と、前記後部浮力体とを
   少なくとも肩口近傍で固着し、肩口近傍を中心として揺
   動自在としたことを特徴とするライフジャケット。
2. 【請求項２】 身体の前部分を覆う前身頃と、前記前身
   頃に設けられた前部浮力体と、身体の後部分を覆う後身
   頃と、前記後身頃に設けられた後部浮力体とを備えたラ
   イフジャケットにおいて、前記前部浮力体、又は、前記
   後部浮力体とを分離自在なる固着具を介して、前記前身
   頃、又は、前記後身頃に固着したことを特徴とするライ
   フジャケット。
3. 【請求項３】 後身頃に通気孔を設けてなる請求項１又
   は請求項２に記載のライフジャケット。