JPH0650712A - 絶対位置検出装置 - Google Patents

絶対位置検出装置

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JPH0650712A
JPH0650712A JP20157592A JP20157592A JPH0650712A JP H0650712 A JPH0650712 A JP H0650712A JP 20157592 A JP20157592 A JP 20157592A JP 20157592 A JP20157592 A JP 20157592A JP H0650712 A JPH0650712 A JP H0650712A
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JP
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value
atomic scale
circuit
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JP20157592A
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Yasuo Oka
康雄 岡
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】位置検出を高精度に行い得る絶対位置検出装置
を提供する。 【構成】補正データの書き込み時に、代表補正データ決
定回路114のレジスタに一つの原子尺出力値ZAに対
し複数フレーム分の補正データΔZ(A)を格納し、そ
れから平均値等の代表補正データΔZ(A)′を求め、
これを補正メモリ111の所定アドレスに書き込む。位
置検出時には、加算器112で原子尺出力値ZAに補正
メモリ111より読み出される補正データΔZ(A)′
を加算し、規原子尺出力値ZA′を得、代表値決定回路
113で複数の規原子尺出力値ZA′より代表値ZAAを
得る。代表補正データΔZ(A)′を使用することで、
光ショット雑音等の正規性雑音による原子尺出力値ZA
や、基準尺出力値ZRの誤差のばらつきに起因する補正
データの誤差範囲が小さくなり、位置検出精度を高くで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ストライプ状のスケ
ールパターンに対して固体撮像素子が所定角だけ傾けて
配され、この固体撮像素子の出力信号より絶対位置情報
を検出する絶対位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は絶対位置検出装置の一例を示すも
のである。同図において、1はエンコード板であり、こ
のエンコード板1は、矢印方向にリニアに移動するよう
になされる。エンコード板1には、図9に示すように、
コードパターン領域11およびストライプパターン領域
12が設けられている。コードパターン領域11にはグ
レイコードを示す6トラック(6ビット)のパターンが
形成され、ストライプパターン領域12には複数のスト
ライプパターンが平行かつ等間隔に形成される。グレイ
コードは、2進数を表現するコードのひとつで、バイナ
リーコードと異なり、数が1つ変化する毎に全桁の中で
1つだけ変化するという特徴がある。
【0003】2はCCD撮像素子であり、このCCD撮
像素子2はエンコード板1に対向して配設される。この
撮像素子2はエンコード板1に対してわずかな角度θだ
け傾斜して取り付けられる。3は例えば発光ダイオード
で構成される光源であり、エンコード板1を挟んで撮像
素子2と対向するように配設される。
【0004】なお、エンコード板1は、例えば石英ガラ
ス1aの下面にスケールパターン(ストライプパター
ン、コードパターン)1bが形成されてなり、また撮像
素子2は受光素子部2aの上面に透明保護ガラス2bが
配されてなっている(図10参照)。
【0005】このような配置関係において、光源3から
の光がエンコード板1を通過して撮像素子2に供給さ
れ、撮像素子2の撮像面にコードパターンおよびストラ
イプパターンが映し出されて撮像される。図11は撮像
画面を示しており、HおよびVは撮像素子2の水平およ
び垂直方向、Zはエンコード板1の移動方向である。撮
像素子2より各ライン毎に順次出力される画素信号は位
置データ検出回路4(図8に図示)に供給される。
【0006】ここで、Z軸がV軸に対してわずかな角度
θだけ傾斜しているため、ストライプパターンのエッジ
像に対応するあるラインのストライプパターン領域12
に対応する画素信号のレベルが徐々に小さくなり、所定
の量子化範囲に入る場合がある。ここで、画素信号の最
大レベルを100%とするとき、例えば65〜85%の
範囲が量子化範囲に設定される。
【0007】位置データ検出回路4では、まず画素信号
が上限側から量子化範囲に入る画素のアドレス(h↓,
v↓)および量子化値q↓がラッチされる。例えば、6
5〜85%の範囲が16ステップに量子化され、量子化
値q↓は4ビットで表される。次に、量子化値q↓が得
られるラインのコードパターン領域11の各トラックに
対応する画素信号が2値化されてコード値s↓が読み取
られる。なお、上述したように画素信号のレベルが徐々
に小さくなって量子化範囲に入る全てのラインに対し
て、画素アドレス(h↓,v↓)および量子化値q↓が
ラッチされると共に、コード値s↓が読み取られる。
【0008】また、位置データ検出回路4で検出される
各組の位置データ(画素アドレス(h↓,v↓)、量子
化値q↓、コード値s↓)は処理回路5に順次供給さ
れ、数1で絶対位置情報Z↓が求められる(図12参
照)。
【0009】
【数1】
【0010】ここで、Zh ↓,v↓,s↓(q↓) 、ZH,V(h
↓,v↓) 、ZS(s ↓) はそれぞれ数2で表されるため、
絶対位置情報Z↓は数3で示すようになる。
【0011】
【数2】
【0012】
【数3】
【0013】ここで、kq は1量子化ステップに対応す
る位置変位(変換係数)、ks はストライプパターン領
域12におけるストライプピッチである。受光素子PE
の水平方向および垂直方向のピッチをそれぞれPH およ
びPV とすると、画素アドレス(h↓,v↓)における
座標(PH ・h↓,PV ・v↓)のZ軸への投影位置Z
o は、Zo =PH ・h↓sin θ+PV ・v↓cos θとな
る(図13参照)。kh はPH ・sin θであり、kv は
PV ・cos θである。
【0014】数2のZH,V(h ↓,v↓) およびZS(s ↓)
の式は、エンコード板1のストライプパターンと撮像素
子2の画素を規則的に配列することで成立し、kh =P
H ・sin θの分解能で絶対位置情報Z↓を与える。つま
り、受光素子PEの水平方向の画素ピッチPH をZ軸に
投影したときの距離はPH ・sin θとなる(図14参
照)。なお、受光素子PEの垂直方向の画素ピッチPV
をZ軸に投影したときの距離はPV ・cos θとなる。ま
た、数2のZh ↓,v↓,s↓(q↓) の式は、微小区間kh
で比例関係q↓・kq が成立すればよく、画素信号の位
置変換特性の直線性のよい範囲に量子化範囲を設定する
ことで可能となる(図15参照)。
【0015】図16はエンコード板1と撮像素子2との
配置関係を示したものであり、ストライプパターン領域
12のストライプパターンSPの光透過部や光吸収部の
幅は6μm、水平、垂直の画素ピッチPH 、PV は10
μm、コードパターンのトラック幅は10μm、撮像素
子2の画素数は13×18(垂直×水平)、エンコード
板1の傾斜角θは1/50ラジアンである。この場合、
kh =PH ・sin θ≒0.2μmとなる。図において、
q↓を付した受光素子PEからは上限側より量子化範囲
に入る画素信号が得られ、q↑を付した受光素子PEか
らは下限側より量子化範囲に入る画素信号が得られる。
ただし、量子化範囲は45〜55%である。
【0016】また、フレーム(撮像視野)内の各位置デ
ータに対応して処理回路5で求められる絶対位置情報Z
↓は代表値決定回路6に順次供給される。この代表値決
定回路6では、複数の絶対位置情報Z↓に基づいて代表
値が決定される。
【0017】ところで、処理回路5で求められる絶対位
置情報Z↓は、受光素子PEの感度、光源3の強度や発
光波長の変化により画素信号が変動したり、量子化レベ
ルのドリフト等で変動する。そこで、本出願人は先に、
下限側から量子化範囲に入ったときの量子化値q↑を使
用して絶対位置情報Z↑を求め、これら2つの値の加算
平均値(Z↓+Z↑)/2を絶対位置情報ZA とするこ
とを提案した(特開平1−174916号公報)。絶対
位置情報ZA は、上述した受光素子PEの感度等の変
動、量子化レベルのドリフト等でZ↓とZ↑が互いに逆
方向に動くため、変動しない値となる。ここで、絶対位
置情報Z↑は数4で求められる(図17参照)。(h
↑,v↑)は量子化値q↑が得られる画素アドレス、s
↑は対応するコード値である。
【0018】
【数4】
【0019】ここで、Zh ↑,v↑,s↑(q↑) 、ZH,V(h
↑,v↑) 、ZS(s ↑) はそれぞれ数5で表され、絶対位
置情報Z↑は数6で示すようになる。
【0020】
【数5】
【0021】
【数6】
【0022】このように加算平均値(Z↓+Z↑)/2
を絶対位置情報ZA とする場合には、図8の例の処理回
路5では、複数組のZ↓、Z↑より絶対位置情報ZA が
求められる。そして、代表値決定回路6では、複数の絶
対位置情報ZA に基づいて代表値が決定される。
【0023】ところで、数3、数6は、厳密にはエンコ
ード板1のストライプパターンSPと撮像素子2の画素
を規則的に配列することを前提として成立する。ストラ
イプパターンSPの加工精度と撮像素子2の画素配列位
置加工精度がともに位置検出精度よりも高い場合には、
1フレームの処理で得られる複数の絶対位置情報ZAが
一致し、代表値決定回路6で代表値を決定することがで
きる。しかし、逆の場合には、複数の絶対位置情報ZA
が一致することは希で、代表値を決定できなくなる。
【0024】つまり、位置検出精度がストライプパター
ンSPの加工精度および撮像素子2の画素配列位置加工
精度を上回る場合には、撮像素子2の各画素の特性は均
一でなく全て異なり、また1本のストライプのエッジパ
ターンも各画素に対応して異なった直線上にあるとしな
ければならない。そのため、数3、数6を使用して絶対
位置情報ZAを求め、代表値を決定することは困難とな
る。
【0025】また、図8に示すような絶対位置検出装置
では、撮像素子2の撮像視野(画素数)を大きくし、よ
り多くの絶対位置情報ZA から代表値を決定すると、さ
まざまな外乱があっても安定した高精度な絶対位置情報
が得られ易くなる。しかし、撮像素子2の撮像視野を大
きくすると、以下のような問題が生じる。
【0026】絶対位置情報ZA は、構造的な規則性のあ
る外乱(θの変動、撮像素子2やエンコード板1のZ方
向の伸縮)によりH、V方向の各成分毎に狂い、その分
散の度合いはH、V方向の撮像視野にそれぞれ比例して
大きくなる。そして、分散が大きくなれば代表値精度は
その分悪くなる。
【0027】また、図8の例のようにスケールパターン
を露光撮像し、画素電荷をシーケンシャルに読み出す仕
組みでは、撮像視野(画素数)に比例してスキャンタイ
ムが長くなり、1フレームの周期が長くなる。そのた
め、絶対位置情報ZA の出力周期が長くなり、応答性の
悪いものとなる。
【0028】さらに、撮像素子2の撮像視野を大きくし
て絶対位置情報ZA が多くなると、代表値決定回路6で
の計算量が増大する。そのため、代表値決定が遅くな
り、応答性が悪くなる。
【0029】そこで、本出願人は、先に高精度の絶対位
置情報を良好に、かつ応答性よく得ることができる絶対
位置検出装置を提案した。
【0030】まず、分解能(位置検出精度)を上げるた
めに、撮像面上にマスクスリットパターンを形成する例
を説明する。
【0031】この例においては、撮像素子2の透明保護
ガラス2bの面上に、水平方向に受光素子PEの中心を
結ぶ線と平行なスリット状のマスクパターン(マスクス
リットパターン)MSPが形成される(図19(A)に
図示)。このマスクスリットパターンMSPは、受光素
子PEの中心部にスリットSLTが対応するように形成
される。このようにマスクスリットパターンMSPが形
成される場合であって、エンコード板1がない状態で
は、スリットSLTに対応する受光素子面で光強度が最
大となる(図19(B)に図示)。
【0032】このようにマスクスリットパターンMSP
が形成された撮像素子2の表面にエンコード板1が近
接、例えば密着して配される(図18(A)に図示)。
エンコード板1と撮像素子2との密着面はそれぞれ平滑
処理され、密着摺動可能とされる。
【0033】この場合、エンコード板1、従ってストラ
イプパターンSPのZ方向への移動によってスリットS
LTの光透過幅は0〜wM (wM はスリット幅)まで変
化し、この光透過幅の変化に伴って画素信号は最小MIN
から最大MAX まで変化する(図18(B)に図示)。
【0034】撮像素子2より後段の回路は、図8の例と
同様に構成される。すなわち、撮像素子2より各ライン
毎に順次出力される画素信号が位置データ検出回路4に
供給される。そして、この位置データ検出回路4で、画
素信号のレベルが徐々に小さくなって量子化範囲に入る
全てのラインに対して、画素アドレス(h↓,v↓)お
よび量子化値q↓がラッチされると共に、コード値s↓
が読み取られる。そして、位置データ検出回路4で検出
される各組の位置データ(画素アドレス(h↓,v
↓)、量子化値q↓、コード値s↓)が処理回路5に順
次供給され、数7で絶対位置情報Z↓が求められる(図
20参照)。
【0035】
【数7】
【0036】ここで、Z′h ↓,v↓,s↓(q↓) 、Z′H,
V(h ↓,v↓) 、ZS(s ↓) はそれぞれ数8で表されるた
め、絶対位置情報Z↓は数9で示すようになる。
【0037】
【数8】
【0038】
【数9】
【0039】また、位置データ検出回路4で、画素信号
のレベルが徐々に大きくなって量子化範囲に入る全ての
ラインに対して、画素アドレス(h↑,v↑)および量
子化値q↑がラッチされると共に、コード値s↑が読み
取られる。そして、位置データ検出回路4で検出される
各組の位置データ(画素アドレス(h↑,v↑)、量子
化値q↑、コード値s↑)も処理回路5に順次供給さ
れ、数10で絶対位置情報Z↑が求められる(図21参
照)。
【0040】
【数10】
【0041】ここで、Z′h ↑,v↑,s↑(q↑) 、Z′H,
V(h ↑,v↑) 、ZS(s ↑) はそれぞれ数11で表される
ため、絶対位置情報Z↑は数12で示すようになる。
【0042】
【数11】
【0043】
【数12】
【0044】数8、9、11、12におけるkq 、ks
、kh およびkv は、数2、3、5、6におけるもの
と同様である。このように処理回路5で求められる絶対
位置情報Z↓、Z↑は1個ずつ対とされ、絶対位置情報
ZA =(Z↓+Z↑)/2が求められる。そして、代表
値決定回路6からは複数の絶対位置情報ZA に基づいて
1つの代表的な絶対位置情報が出力される。
【0045】この例においては、ストライプパターンS
PのZ方向への移動によるスリットSLTの光透過幅の
変化に伴って画素信号は最小MIN から最大MAX まで変化
する。そのため、光の回折現象、光源3の大きさ、受光
素子PEの大きさに関係なく、スリット幅wM によって
変換係数が決まる。つまり、スリット幅wM を小さくす
ることにより変換係数を大きくすることができ、従来の
ものに比べて分解能を上げることができる。また、変換
特性(図18の(B)参照)に、受光素子PEの形状加
工精度がほとんど関係せず、専らマスクスリットパター
ンMSPの加工精度が大きく影響する。しかし、マスク
スリットパターンMSPは高精度の加工が容易であるた
め、画素間のバラツキの小さい均一な特性を得ることが
できる。
【0046】次に、温度変動があっても絶対位置情報Z
A が安定した値となり、高精度の位置検出を行なうため
の技術について説明する。図22(A)は、Z↓、Z
↑、ZA の関係をまとめたものである。Z↓、Z↑は、
温度変動により受光素子PEの感度や光源3の強度ある
いは発光波長等が変化することにより、かなり変動す
る。しかし、上述したように互いに逆方向に等量だけ変
動すれば、ZA は変動することなく高精度な位置情報と
なる。
【0047】さて、Z↓、Z↑の検出画素の温度による
変動量に差が発生しないようにするためには、全く同じ
特性にしておく必要がある。2つの画素特性をできるだ
け近付けるには、両画素を接近させることである。両画
素アドレスをそれぞれ(h↓,v↓)、(h↑,v↑)
とすると、最も接近するとき|h↓−h↑|=0、|v
↓−v↑|=1となる。|h↓−h↑|や|v↓−v↑
|は、スケール移動位置に関係しない値である。さら
に、両画素の画素信号が共に量子化範囲0〜Q−1内の
中心値Q/2となるとき最も接近する。図22(B)
は、このときのパターン条件を示したものであり、数1
3は最接近の条件を表わしている。
【0048】
【数13】
【0049】図23は最接近条件(数13)を満足する
パターン例を示し、図24はその撮像素子全体の画素信
号状態(映像パターン)例を示すものである。この例で
は、撮像素子2の受光素子PEの垂直、水平のピッチP
V 、PH が10μm、ストライプパターン領域12の画
素数が14×13(垂直×水平)、コードパターン領域
11の画素数が14×12(垂直×水平)である。マス
クスリットパターンMSPの光透過部の幅(スリット幅
wM )が1μm、その光吸収部の幅が9μmである。ま
た、ストライプパターンSPの光透過部の幅が1.2μ
m、その光吸収部の幅Psrが1.4μmで、ストライプ
ピッチPs が2.6μmである。エンコード板1のコー
ドパターン領域11には12トラック(12ビット)の
パターンが形成されている。このエンコード板1のスケ
ール長は10.6mmである。さらに、エンコード板1
の傾斜角θは1/200ラジアンであり、kh =PHsin
θ≒0.05μmである。
【0050】図24のコードパターン領域11のドット
は、ストライプパターン領域12の画素信号が量子化値
q↓となるため、同一水平ラインの読み出すべき画素を
示している。なお、図25には、画素信号と光透過幅と
の関係(位置信号変換特性)を示している。量子化範囲
を70〜90%とし、量子化数を11とすれば、kq=
0.01μmとなる。また、図26は、図23および図
25の例に対応したストライプパターンSPとマスクス
リットパターンMSPの位置関係を示したものである。
q↓が存在するVアドレス0、1、7、8、13に対応
してコードパターン領域12より読み取られるコード値
s↓は、表1に示すようになる。図26では、垂直方向
の拡大率を水平方向の拡大率より大きくしている。
【0051】
【表1】
【0052】ところで、ストライプパターンSPとマス
クスリットパターンMSPが数13を満足するように設
計されていても、温度変化により受光素子PEの感度や
光源3の強度が変化するため、|h↓−h↑|=0が成
立しなくなることがある。例えば、温度が上がると受光
素子PEの感度が上がるため、h↓は増加し、逆にh↑
は減少する。このような温度変動によりq↓、q↑が得
られる画素どうしが水平方向に離れることに対しては、
光源3を駆動する電流や点灯時間等を制御することによ
り、容易に|h↓−h↑|=0を保持できる。
【0053】ここで、1回の撮像で得られる個々の絶対
位置情報ZA に対する|h↓−h↑|の値は略同じであ
るが、同一とはならない。したがって、数14の値が最
も小さくなるようなフィードバック制御をすることにな
る。一般に温度変動は緩やかであるため、Nを1フレー
ム内のZA の個数に限定する必要はなく、多数のフレー
ムに拡大して、Nを大きくしてもよい。
【0054】
【数14】
【0055】数13の条件(最接近条件)を満足すると
き、q↓、q↑を得る画素が最も接近する。そのため、
q↓、q↑を得る両画素の特性が略等しくなり、温度変
動による感度変動の差も小さくなる。また、両画素の温
度差も小さくなり、この温度差による感度差も小さくな
る。さらに、照度は光路長の逆二乗の法則で決まるが、
光路長の差が小さい両者の照度差も小さくなる。このよ
うに両画素間の諸特性の差が小さくなり、Z↓、Z↑の
変動量に差がなくなり、絶対位置情報ZA はほとんど変
動しない安定した値となり、nmオーダの高精度の位置
検出を行なうことができる。
【0056】以上の2つの技術により、位置検出精度が
ストライプパターンSPのパターン等の加工精度をはる
かに上回るようになる。ここで、数9および数12を使
用すると、絶対位置情報ZA =(Z↓+Z↑)/2は数
15に示すようになる。ただし、Z(0A)={Z↓
(0↓)+Z↑(0↑)}/2である。
【0057】
【数15】
【0058】位置検出精度がストライプパターンSPの
パターン等の加工精度よりも悪い場合は、Z(0A )を
一定値ZoA で表わしてZA を求めれば(数16参
照)、複数の絶対位置情報ZA が一致するため、代表値
を決定することができる。
【0059】
【数16】
【0060】また、位置検出精度が加工精度を上回る場
合、数16を適用すると、絶対位置情報ZA の値が加工
精度の範囲内でバラツキ、代表値を決定することができ
なくなる。そこで、数16の右辺に補正データを付加し
て、数17に示すように絶対位置情報ZA ′とする。こ
こで、ΔZ(h↓,v↓,s↓,h↑,v↑,s↑)
は、加工精度程度の補正データである。補正データΔZ
(h↓,v↓,s↓,h↑,v↑,s↑)は、画素アド
レス(h↓,v↓)、コード値s↓、の組合せと、画素
アドレス(h↑,v↑)、コード値s↑の組合せとをさ
らに組み合わせた状態に対する補正データである。
【0061】
【数17】
【0062】図27は、数17で示すように絶対位置情
報ZA′を得、位置検出精度がストライプパターンSP
のパターン等の加工精度をはるかに上回るような場合に
も良好に代表値を決定できるようにした絶対位置検出装
置を示すものである。
【0063】同図において、110は撮像式絶対位置検
出器であり、この検出器110には、図8の絶対位置検
出装置におけるエンコード板1、CCD撮像素子2、光
源3、位置データ検出回路4および処理回路5が含まれ
る。また、111は補正メモリであり、h↓,v↓,s
↓,h↑,v↑,s↑の各組合せに対する補正データΔ
Z(A)が格納される。ここで、(A)は(h↓,v
↓,s↓,h↑,v↑,s↑)を表わしている。
【0064】検出器110で求められる絶対位置情報Z
A は加算器112に供給される。また、この絶対位置情
報ZA を求めるZ↓、Z↑に関する(A)のデータが補
正メモリ111にアドレス情報として供給され、対応す
る補正データΔZ(A)が読み出されて加算器112に
供給される。
【0065】加算器112からは、ZA に補正データΔ
Z(A)が付加された絶対位置情報ZA ′が出力され
(数17参照)、代表値決定回路113に供給される。
【0066】補正メモリ111への補正データΔZ
(A)の書き込みは、次のようにして行なわれる。つま
り、検出器110には要求される位置検出精度の保証さ
れた基準スケール(他の撮像式絶対位置検出器でも可)
120が機械的に連結される(図27に破線で図示)。
検出器110のエンコード板(スケール)を移動(同時
に基準スケール120のスケール位置が移動)させて得
られる絶対位置情報ZA と、これに対応して基準スケー
ル120より得られる絶対位置情報ZRとが減算器12
1に順次供給される。そして、減算器121の出力デー
タ(ZR −ZA )が補正データΔZ(A)として補正メ
モリ111に順次供給され、検出器110からの(A)
のデータで指定されるアドレスに書き込まれる。
【0067】ところで、q↓、q↑を得る画素(受光素
子PE)どうしが上述した最接近条件を満足するときに
は、h↑=h↓、v↑=v↓+1、s↑=s↓−nの関
係が成立するため、補正メモリ111のアドレスをh
↓,v↓,s↓のデータで指定することができる。この
場合、補正メモリ111が必要とする容量(アドレス空
間)は、h↓,v↓,s↓の取り得る値の数をHo ,V
o ,So とすれば、Ho×(Vo−1)×(So−n)×
(データ幅)となる。
【0068】図23、図24に示す例では、Ho =1
3,Vo =14,So =212(10.6mm≒212×2.
6μm)であり、データ幅を8ビットとすると、メモリ
容量は13×(14−1)×(212−3)×8ビット≒
700Kバイトになる。最接近条件を少し緩めて|h↓
−h↑|≦1にすると、700Kバイト×3=2.1M
バイトとなる。
【0069】ここで、絶対位置情報ZA ′を得るまでの
過程を、物理学用語を用いて再度説明する。
【0070】撮像素子2の画素とストライプエッジの組
合せ構成を素粒子尺と呼ぶ。素粒子尺は↓と↑の2種類
がある。画素信号が量子化範囲に入っている画素(活性
値画素)が存在するとき(活性化時)、絶対位置情報Z
↓、Z↑をそれぞれ出力する。
【0071】図28は、↓素粒子尺出力範囲の分布例
(図23、図24の例に対応)を示したものである。こ
の場合、kv 、ks とki との間には、数18の関係が
成立する。lとmは互いに素の自然数であり、図23お
よび図24の例では、l=50、m=13である。i
↓、i↓+1とv↓、s↓の関係は、数19に示すよう
になる。v↓の値が0と13の↓素粒子尺群は、Z↓値
が一致して重なっている。
【0072】
【数18】
【0073】
【数19】
【0074】図29は、↑素粒子尺出力範囲の分布例
(図23、図24の例に対応)を示したものである。i
↑、i↑+1とv↑、s↑の関係は、数20に示すよう
になる。v↑の値が0と13の↑素粒子尺群は、Z↑値
が一致して重なっている。
【0075】
【数20】
【0076】図30は、↓、↑素粒子尺出力範囲の分布
例(図23、図24の例に対応)を示したものである。
絶対位置情報Z↓、Z↑が最接近条件(|h↓−h↑|
=0、q↓+q↑=Q)を満足するとき、Z↓=Z↑と
して図示している。
【0077】この場合、bの一点鎖線で示すひとつの直
線と交わる点が出力点となる。「○」は↓素粒子尺の出
力点、「×」は↑素粒子尺の出力点を表している。そし
て、最接近条件がくずれた場合、それぞれの出力点は等
距離δだけ離れた破線上の点となる。なお、aの直線と
交わる点は、図24の例の画素信号状態(映像パター
ン)における素粒子尺の出力点を示している。
【0078】この構成は、ストライプパターンの撮像領
域が画素単位で細かく分割されるため、ゴミ等の外乱が
画素よりも大きい場合はその大きさの限られた範囲だけ
に、画素より小さい場合は1個分の画素だけに影響し、
他の健全な部分に波及しないようにすることができる。
【0079】温度外乱による受光素子感度や光源光量の
変動等の一様な変動に対しては同類の素粒子尺出力は一
斉に等量だけ変動する。そして、Z↓、Z↑の素粒子尺
出力は互いに逆方向に等量だけ変動する。この特性に着
目し、温度等の一様外乱に不感となるように絶対位置情
報ZA =(Z↓+Z↑)/2を求める。この↓素粒子尺
と↑素粒子尺を組合せて絶対位置情報ZA となる部位を
原子尺と呼ぶ。
【0080】図31は、原子尺出力範囲の分布例(図2
3、図24の例に対応)を示したものである。同図にお
いて、vA =(v↓+v↑)/2=v↓+1/2、sA
=(s↓+s↑)/2=s↓−3/2、hA =(h↓+
h↑)/2、qA =(q↓+q↑)/2である。bの一
点鎖線で示すひとつの直線と交わる点が出力点となる。
「Δ」は出力点を示している。
【0081】hA が整数でない原子尺は、|h↓−h↑
|=1の場合のものであり、2つが重なっている。最接
近条件がくずれた場合は、図示した原子尺の出力範囲が
変動し、h↓とh↑の組合せも変わる。しかし、qA =
0の点は不動で、範囲の総和も不変である。
【0082】なお、aの直線と交わる点は、図24の例
の画素信号状態(映像パターン)における原子尺の出力
点を示している。
【0083】このように原子尺出力ZA は、一様外乱に
対して不動となる。しかし、位置検出精度が加工精度を
上回ると、マスクスリットパターンMSPやストライプ
パターンSPが基準位置からずれていることや、画素感
度等の特性が均等でないことが明らかになり、個々の絶
対位置情報ZA が基準スケール120からの絶対位置情
報ZR から外れる。そのため、絶対位置情報ZA に補正
量が加算されて絶対位置情報ZA ′となる。補正された
原子尺を規原子尺と呼ぶ。
【0084】上述の説明で使用した素粒子尺、原子尺、
規原子尺をまとめると、以下のようになる。
【0085】素粒子尺=(h,v)画素と(s)ストラ
イプエッジの組合せ 活性時・・・Z↓またはZ↑を出力 原子尺=↓素粒子尺+↑素粒子尺 活性時・・・ZA =(Z↓+Z↑)/2を出力 規原子尺=原子尺+補正量 活性時・・・ZA ′=ZA +ΔZ(A)を出力 ただし、ΔZ(A)=ZR −ZA 一回の撮像(同一フレーム)で活性化される複数の規原
子尺は、撮像視野内に一様に点在する(図24参照)。
図27の代表値決定回路113では、一回の撮像から得
られる複数個の絶対位置情報ZA ′から一つの正しいと
思われる代表値ZAAが決定されて出力される。
【0086】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、↓,
↑素粒子尺に対する受光素子の感度等の均等変動による
一様変動性の誤差は原子尺構成とすることで解決できる
が、受光素子の光ショット雑音などの正規性雑音による
誤差や画素信号の量子化による誤差等の素粒子出力値の
不確定性誤差は、除去されることなく原子尺出力値ZA
に現われるため検出精度に限界がある。
【0087】しかも、補正データ決定時に、この原子尺
出力値ZAの不確定性誤差が補正データΔZ(A)に誤
差として入り込む。位置検出時に、原子尺出力値ZAに
補正データΔZ(A)を加えて規原子尺出力値ZA′を
得ることから、代表値を決める規原子尺出力値ZA′の
集団における誤差範囲は原子尺出力値ZAの誤差範囲と
補正データΔZ(A)の誤差範囲を加えたものとなり、
原子尺出力値ZAの誤差範囲より大きく、およそ2倍に
なってしまい、検出精度がさらに低下する問題がある。
【0088】そこで、この発明では、原子尺出力値等に
不確定性誤差があっても高精度な位置検出を行い得る絶
対位置検出装置を提供するものである。
【0089】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
撮像式絶対位置検出器と、この検出器より出力される原
子尺出力値と基準尺との差を補正データとし、複数フレ
ーム分の補正データより代表補正データを決定する補正
データ決定回路と、この補正データ決定回路より出力さ
れる代表補正データが検出器からの原子尺アドレスに基
づいて格納される補正メモリと、位置検出時に検出器か
らの原子尺アドレスに基づいて補正メモリより読み出さ
れる補正データを加算して規原子尺出力値を得る加算回
路と、この加算回路より出力される複数の規原子尺出力
値の代表値を決定する代表値決定回路とを備えてなるも
のである。
【0090】請求項2記載の発明は、撮像式絶対位置検
出器と、この検出器より出力される原子尺出力値と基準
尺との差を補正データとし、複数フレーム分の補正デー
タより代表補正データを決定する補正データ決定回路
と、この補正データ決定回路より出力される代表補正デ
ータが検出器からの原子尺アドレスに基づいて格納され
る補正メモリと、検出器より出力される複数フレーム分
の原子尺出力値を平均化する平均回路と、位置検出時に
平均回路で平均化された原子尺出力値に検出器からの原
子尺アドレスに基づいて補正メモリより読み出される補
正データを加算して規原子尺出力値を得る加算回路と、
この加算回路より出力される複数の規原子尺出力値の代
表値を決定する代表値決定回路とを備えてなるものであ
る。
【0091】請求項3記載の発明は、補正データ決定回
路では、検出器のスケールを静止させて露光量を微小等
量ずつ変化させた、または露光量を一定にしてスケール
を微小等距離ずつ変位させたフレーム群の中で、一つの
素粒子尺の出力変化の1周期分のフレーム群における補
正データの平均値を代表補正データとするものである。
【0092】請求項4記載の発明は、撮像式絶対位置検
出器と、この検出器からの原子尺アドレスに基づいて補
正データが格納される補正メモリと、検出器より出力さ
れる複数フレーム分の原子尺出力値を平均化する平均回
路と、位置検出時に平均回路で平均化された原子尺出力
値に検出器からの原子尺アドレスに基づいて補正メモリ
より読み出される補正データを加算して規原子尺出力値
を得る加算回路と、この加算回路より出力される複数の
規原子尺出力値の代表値を決定する代表値決定回路と、
検出器より出力される原子尺アドレス、平均回路より出
力される原子尺出力値、加算回路より出力される規原子
尺出力値および代表値決定回路より出力される代表値と
を収容する修復用レジスタと、代表値決定回路より出力
される代表値と加算回路より出力される規原子尺出力値
との差の絶対値が所定値を越えるとき、補正メモリの対
応する原子尺アドレスの補正データを、代表値決定回路
より出力される代表値と平均回路より出力される原子尺
出力値との差に書き換える修復判定回路とを備えてなる
ものである。
【0093】
【作用】請求項1記載の発明においては、複数フレーム
分の補正データより代表補正データを決定して使用する
ため、原子尺出力値や基準尺の正規性雑音等の不確定性
誤差に起因する補正データの誤差を小さくでき、位置検
出を高精度に行い得る。
【0094】請求項2記載の発明においては、複数フレ
ーム分の補正データより代表補正データを決定して使用
するため、原子尺出力値や基準尺の正規性雑音等の不確
定性誤差に起因する補正データの誤差を小さくでき、位
置検出を高精度に行い得る。また、位置検出時に複数フ
レーム分の原子尺出力値の平均値に補正データを加算し
て規原子尺出力値を得るため、規原子尺出力値の誤差範
囲が原子尺出力値の誤差範囲より小さくなり、位置検出
を一層高精度に行ない得る。
【0095】請求項3記載の発明においては、補正デー
タ決定回路で、一つの素粒子尺の出力変化の1周期分の
フレーム群における補正データの平均値を代表補正デー
タとするので、量子化誤差に起因する補正データの誤差
範囲をデータ数分の1に小さくでき、位置検出をより高
精度に行い得る。
【0096】請求項4記載の発明においては、補正デー
タの決定後に入り込むゴミ等の様々な外乱で規原子尺が
狂っても、規原子尺出力値の補正データを自己修復でき
るため、長期間にわたって高精度な位置検出を維持し得
る。また、位置検出時に複数フレーム分の原子尺出力値
の平均値を使用すると共に、補正データの修復をこの平
均値を使用して行なうため、補正データの誤差範囲を小
さくでき高精度な位置検出を行い得ると共に、自己修復
によって全ての補正データを決定する場合の原子尺のつ
なぎ目誤差を小さくでき、スケールの直線性をよくし得
る。
【0097】
【実施例】まず、素粒子尺の誤差(真値からのずれ量)
について説明する。この素粒子尺の誤差は次の4つから
なると推測される。 パターンずれなどによる再現性がある固定誤差 ↓,↑素粒子尺に対する受光素子感度などの均等変動
による一様変動性の誤差 受光素子の光ショット雑音などの正規性雑音による誤
差 受光素子からの画素信号の量子化による誤差 この内、上述したように原子尺構成にすることにより
の誤差を除去でき、また原子尺出力値にに補正データを
加えた規原子尺出力値とすることにより、の誤差を除
去できる。
【0098】,の誤差は、,と比べれば小さい
が、それぞれ不規則性やランダム性があり不確定であ
り、統計的に取り扱うことができる。図7は、,の
誤差の確率分布特性を示している。同図において、σ
n,σqは,によるばらつき成分、kqは1量子化ス
テップに対応する位置変位である。代表値決定回路11
3(図27参照)で規原子尺出力値ZA′を平均化した
代表値ZAAの誤差は統計的に評価すれば,の誤差よ
り小さくなっている。
【0099】原子尺出力値ZAの誤差εAは、による
固定した部分と、,の不確定性誤差によるばらつき
部分からなる。誤差εAのばらつき範囲σAは、数21と
して実測できる。ここで、f=0,1,2,・・・,F
−1で、Fはフレーム数、(εA)fはfフレームのεA
の値を表わしている。
【0100】
【数21】
【0101】誤差εAのばらつき範囲σAは、,によ
るばらつき成分をそれぞれσn,σqとすれば、数22で
表わすことができる。σqは量子化によるものであるか
ら、σq=kq(量子化単位)となり、σAを知ることに
よってσnを知ることができる。
【0102】
【数22】
【0103】さて、図27の例では、補正データΔZ
(A)がZR−ZAで決定されるため、ZRの誤差範囲
をσRとすると、補正データΔZ(A)の誤差範囲σΔ
は、数23で示すようになる。
【0104】
【数23】
【0105】そして、規原子尺出力値ZA′は、ZA′
=ZA+ΔZ(A)から求めるため、補正データΔZ
(A)の誤差は規原子尺出力値ZA′に対し固定した誤
差になり、規原子尺出力値ZA′の誤差範囲はσAとな
る。しかし、代表値を決定する規原子尺集団としての誤
差範囲はσA+σΔ=2σA+σRとなり、σAとの比は2
σA+σR/σA=2+σR/σAとなって、σAの2倍以上
になっている。
【0106】以下、図1を参照しながら、この発明の一
実施例について説明する。この図1において、図27と
対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略
する。
【0107】本例においては、補正メモリ111の前段
に代表補正データ決定回路114が設けられる。この決
定回路114は、一つの原子尺出力値ZAに対し複数フ
レーム分の補正データΔZ(A)=ZR−ZAを格納す
るレジスタを備えており、補正データの書き込み時に
は、このレジスタに一つの原子尺出力値ZAに対し複数
フレーム分の補正データΔZ(A)を格納し、この複数
フレーム分の補正データΔZ(A)の平均値、中央値、
中心値等の代表補正データΔZ(A)′を求める。
【0108】そして、このように決定回路114で求め
られる代表補正データΔZ(A)′は補正メモリ111
に順次供給され、検出器110からの(A)=(h↓,
v↓,s↓,h↑,v↑,s↑)のデータ(原子尺アド
レス)で指定されるアドレスに書き込まれる。
【0109】位置検出時には、検出器110で求められ
る原子尺出力値ZAが加算器112に供給される。ま
た、この原子尺出力値ZAを求める素粒子尺Z↓,Z↑
に関する。(A)のデータが補正メモリ111にアドレ
ス情報として供給され、対応する補正データΔZ
(A)′が読み出されて加算器112に供給される。
【0110】加算器112からは、原子尺出力値ZAに
補正データΔZ(A)′が付加された規原子尺出力値Z
A′が出力され(数24参照)、代表値決定回路113
に供給されて代表値ZAAが決定される。
【0111】
【数24】
【0112】ところで、正規性雑音などによる正規分布
特性の誤差ではF(自然数)個の平均値のばらつきが1
個のときのばらつきの1/√Fになる等、平均値にする
と正規分布特性のままばらつきが小さくなる法則があ
る。
【0113】そこで、上述したようにある一つの原子尺
出力値ZAの補正データΔZ(A)を複数求め、例えば
数25で示すように平均値を代表補正データΔZ
(A)′とすれば、σnがσn/√Fに減少し、σRも正
規分布特性であればσR/√Fとなる。つまり、光ショ
ット雑音等の正規性雑音による原子尺出力値ZAや、基
準尺出力値ZRの誤差のばらつきに起因する補正データ
の誤差範囲が小さくなる。
【0114】
【数25】
【0115】そのため、代表補正データΔZ(A)′の
誤差範囲σΔ′は、図27の例で使用される補正データ
Δ(A)の誤差範囲σΔより小さくなる。したがって、
本例における規原子尺集団の誤差範囲σA+σΔ′は、
図27の例における誤差範囲σA+σΔに比べて小さく
なり、位置検出精度を高くできる。
【0116】ところで、正規性雑音によるばらつき範囲
は、上述したようにF個の補正データΔZ(A)を平均
した代表補正データΔZ(A)′を使用することで、1
/√Fに縮小できる。しかし、量子化による誤差は単純
に連続してデータを集めると片寄りが発生し、平均値の
ばらつき範囲は縮小されない。
【0117】そこで、量子化に起因する補正データの誤
差範囲を小さくするためには、量子化回路での量子化単
位kqよりも細かな微小等量ステップで変化させ、ある
一つの素粒子尺出力値の変化の1周期分のフレーム群に
おける一つの原子尺出力値の複数補正データΔZ(A)
の平均値を代表補正データΔZ(A)′とすればよい。
ここで、微小等量ステップで変化させる方法として、次
の(a)、(b)の方法がある。
【0118】(a)スケールを固定静止させ、光源の点
灯時間や電流または撮像素子のシャッタ時間などを制御
し、露光量を微小等量ステップで単調変化させる。
【0119】(b)露光量を一定にし、圧電アクチュエ
ータの電圧などを制御し、スケールを微小等量ステップ
で単調変位させる。
【0120】微小等量ステップ変化により、素粒子尺の
q値は周期的に増加または減少する。ある原子尺の↓素
粒子尺のq↓値の変化があったフレームから次の変化の
前のフレームまでが1周期分のフレームの集まりであ
る。そして、どの素粒子尺もほぼ同じ長さの周期である
から、↓素粒子尺の1周期分は↑素粒子尺の1周期分で
もあり、原子尺の1周期をおよそ均等に分割している
(図2に図示)。図2において、「●」、「○」、
「△」、「×」、「□」の点は、各フレームでの素粒子
尺、原子尺の出力値を示している。
【0121】1周期の均等分割フレームの個数をFと
し、σn=σR=0で、σq=kqだけであるとすると、代
表補正データΔZ(A)′(数25参照)のばらつき範
囲はσq/√Fとなる。
【0122】つまり、(a)の方法では、ZRが常に一
定値ZR0であるから、代表補正データΔZ(A)は数
26で示され、そのばらつき範囲は数27で表わされ
る。
【0123】
【数26】
【0124】
【数27】
【0125】ここで、数28のMIN,MAXは、ZA
の(q↓−q↑)/2で決まり、数29に示すようにな
るため、代表補正データΔZ(A)′のばらつき範囲は
σq/√Fとなる。
【0126】
【数28】
【0127】
【数29】
【0128】ところで、実際kq》σnであるよりもkq
≦σnである場合が多く、q値に不確定性があり、q↓
の変化点が定めにくく、1周期分を精度よく捕らえられ
ないことや、また数30のばらつき範囲が1よりも大き
くなることによって、代表補正データΔZ(A)′の誤
差範囲σΔ′が1/Fkqよりも大きくなってしまう問
題がある。
【0129】
【数30】
【0130】これに対しては微小等量ステップの各点で
F′(自然数)フレームの繰り返しデータを集め平均化
することにより、σnをσn/√F′にして、kq》σn/
√F′が成り立つようにする。また、微小等量ステップ
も一様変動が加わるため、それ程正確でないなど、代表
補正データΔZ(A)′の誤差範囲が大きくなる傾向が
あり、1周期分だけでなく、数周期分の平均値にするこ
とより誤差範囲のより小さな安定した代表補正データΔ
Z(A)′を得ることができる。
【0131】上述したように、不確定性誤差による補正
データΔZ(A)のばらつき分布の中心に近い値である
高精度な代表補正データΔZ(A)′を使用することに
より、規原子尺集団の誤差範囲をσA+σΔ′(<σA+
σΔ)に改善できる。
【0132】なお、スケールが静止し、応答時間に余裕
があり、検出時間が十分与えられる場合には、位置検出
時に、上述した(a)の方法で得られる複数フレームの
原子尺出力値ZAを平均化した原子尺出力値ZAaを数
31で求め、この原子尺出力値ZAaを加算器112に
供給するようにしてもよい。
【0133】
【数31】
【0134】すなわち、位置検出時に、図3に示すよう
に、検出器110より(a)の方法で得られる複数フレ
ームの原子尺出力値ZAが平均回路115に供給され、
この平均回路115で形成される原子尺出力値ZAaが
加算器112に供給される。なお、図3において、その
他は図1の例と同様に構成される。
【0135】原子尺出力値ZAaの誤差範囲σA′は数3
2に示すようになり、原子尺出力値ZAの誤差範囲σA
より小さくなるため、規原子尺集団の誤差範囲をσA′
+σΔ′(<σA+σΔ′)に改善できる。
【0136】
【数32】
【0137】ここで、図23、図24に示す構成の検出
器110において、規原子尺集団の誤差範囲σA+σ
Δ、σA+σΔ′、σA′+σΔ′はそれぞれ以下に示す
ようになる。
【0138】以下の説明では、正規性のσを√σ2で表
わし、それらの合成則が√σ12+√σ22=√(σ12+σ
22)(2乗和の平方根)であるとする。
【0139】σA=√σn2+σq=√102+10=20
nm、σR=√102nmである場合、σΔ=σA+σR=
√102+10+√102=√(2×102)+10≒2
4nmとなり、 σA+σΔ=√102+10+√(2×102)+10 =√(3×102)+20 ≒37nm、 となる。
【0140】次に、補正データΔZ(A)′がF′=2
6(同一点での繰り返しデータ数)F=23(原子尺の1
周期の分割点数)のF′×F=29=512フレームの
平均値であれば、σΔ′は数33に示すようになる。
【0141】
【数33】
【0142】したがって、 σA+σΔ′=√102+10+√0.4+1.3 =√100.4+11.3 ≒21nm となる。
【0143】そして、位置検出時のZAaがF′=24
F=22、F′×F=26=64フレームの平均値であれ
ば、σA′は数34に示すようなる。
【0144】
【数34】
【0145】したがって、 σA′+σΔ′=√1.6+2.5+√0.4+1.3 =√2+3.8 ≒5nm となる。
【0146】ところで、ストライプパターンSPやマス
クスリットパターンMSP面にゴミが付着するなどさま
ざまな外乱で原子尺の動作点がずれ規原子尺出力値Z
A′は狂うが、検出装置自らの代表値を基準にして、こ
の狂った規原子尺出力値ZA′の補正データΔZ(A)
を正しい値に修復することを提案した(特願平4−16
3002号)。
【0147】補正データΔZ(A)の書き換えには、検
出時のようなスケールを動かせないなどの制約がなく、
また十分な時間があるため、上述した(a)や(b)の
方法によって原子尺出力値ZAa(数31参照)を求
め、同一フレーム内に納まるN個の規原子尺出力値Z
A′の補正データΔZ(A)を自己修復回路で書き換え
ることにより、補正データΔZ(A)の誤差範囲σΔを
書き換え前より小さくできる。
【0148】図4は、補正データΔZ(A)を原子尺出
力値ZAaを使用して書き換えできるようにした例であ
る。この図4において、図27と対応する部分には同一
符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0149】本例において、補正メモリ111には、検
出器110より出力される原子尺アドレス(A)に対応
して1フレーム分の補正データΔZ(A)=ZR−ZA
が格納される。この補正メモリ111への補正データΔ
Z(A)の書き込みは、切換スイッチ122がa側に、
切換スイッチ123がc側に接続され、図27の例にお
けると同様にして行なわれる。
【0150】また、切換スイッチ123がc側に接続さ
れた状態で、上述した(a)や(b)の方法で検出器1
10より出力される複数フレームの原子尺出力値ZAは
平均回路115に供給されて平均化され、原子尺出力値
ZAaが求められる。平均回路115より出力される原
子尺出力値ZAaは加算器112に供給される。また、
原子尺出力値ZAaを求めるZ↓、Z↑に関する(A)
のデータ(原子尺アドレス)が補正メモリ111にアド
レス情報として供給され、補正メモリ111より対応す
る補正データΔZ(A)が読み出されて加算器112に
供給される。そして、加算器112からは原子尺出力値
ZAaに補正データΔZ(A)が付加された規原子尺出
力値ZA′が出力され、代表値決定回路113で代表値
ZAAが決定される。
【0151】116は修復用レジスタおよび修復判定回
路を有する修復部である。修復用レジスタには、同一フ
レーム内の原子尺出力値ZAaと、その原子尺アドレス
(A)と、その規原子尺出力値ZA′および代表値ZAA
が蓄えられる。そして、修復判定回路によって代表値Z
AAと規原子尺出力値ZA′との差の絶対値|ZAA−Z
A′|がある値(狂っているとみなすスレッショルド
値)より大きいと判定するとき、修復部116より補正
メモリ111に、対応するZAA−ZAaが切換スイッチ
122のb側を介して供給されると共に、対応する原子
尺アドレス(A)が切換スイッチ123のd側を介して
供給される。これにより、補正メモリ111の補正デー
タΔZ(A)の書き換えが行なわれ、規原子尺が修復さ
れる。
【0152】図4の例において、書き換え前の補正デー
タΔZ(A)の誤差範囲をσΔ0とすると、規原子尺集
団の誤差範囲はσA′+σΔ0となり、ZA′のN個の平
均値が代表値ZAAである場合の誤差範囲は、数35に示
すようになる。
【0153】
【数35】
【0154】そのため、ZAA−ZAaの値に書き換えた
補正データΔZ(A)の誤差範囲は、数36に示すよう
になり、書き換え前の補正データΔZ(A)のそれより
小さくなる。
【0155】
【数36】
【0156】ここで、図23、図24に示す構成の検出
器110において、σA=√102+10=20nm、σ
R=√102nmである場合、 σΔ0=σA+σR =√102+10+√102 =√(2×102)+10≒24nm である。
【0157】ZAaがF′=26、F=23、F′×F=
9=512フレームの平均値であれば、原子尺出力値
ZAaの誤差範囲σA′は数37に示すようになる。
【0158】
【数37】
【0159】そして、例えばN=6に対し、σqにラン
ダムに性があれば、数38が成り立ち、、σΔ1は数3
9に示すようになる。
【0160】
【数38】
【0161】
【数39】
【0162】ただし、N個のσΔ0=σA+σRが、基準
尺の同時同一値で決定されている場合は、σRの平均値
による縮小がなく、σΔ1は数40に示すようになる。
【0163】
【数40】
【0164】このように、補正データΔZ(A)の誤差
範囲σΔは、24nmから13〜16nmに改善され
る。
【0165】なお、図4の例には図示せずも、図1の例
と同様に補正メモリ111の前段に代表補正データ決定
回路114を配して構成することもできる。すなわち、
複数のZAA−ZAaの平均値等の代表値を補正メモリ1
11に書き換え(修復)データとして供給してもよい。
【0166】ところで、スケールの一点から微小変位を
繰り返し、すべての補正データΔZ(A)を決定する二
点指示位置検出システムにおいては、スケールの直線性
が重要であるが、微小変位での原子尺の継ぎ目の誤差範
囲は継ぎ目ごとに累積し、スケールの直線度を決める一
因となる。
【0167】原子尺の継ぎ目誤差は、同一フレーム内に
現われる原子尺群の代表値同士の差で、直前の微小変位
点で補正データが決定された原子尺群の代表値ZAA1
と、この代表値ZAA1を基準として補正データが書き込
まれた原子尺群の代表値ZAA2との差である。
【0168】図5は、あるフレーム位置から原子尺の一
部が出入りし、一部が残る程度にスケール位置を微小変
位させる例を示している。この例では、1フレーム内に
現われる原子尺の半数(ここではNとする)が微小変位
ごとに入れ替わり、同一フレーム内を二分した原子尺群
の代表値同士、ZAA1とZAA2の差が継ぎ目誤差である。
ZAA1を基準にしてΔZ(A)=ZAA1−ZAを決め、次
にZA′=ZA+ΔZ(A)を求めると、ZA′はσA
+σAのばらつき範囲があり、N個のZA′の平均値ZA
A2のばらつき範囲は数41に示すようになり、これが一
つの継ぎ目の誤差範囲σΔΔとなる。
【0169】
【数41】
【0170】J個の継ぎ目の誤差範囲は数42に示すよ
うになり、微小変位ピッチをkhとすると、J×khはス
ケール長であり、数43はスケールの直線度を表わすも
のとなる。
【0171】
【数42】
【0172】
【数43】
【0173】数43から、図4の例のように複数フレー
ムの原子尺出力値ZAを平均化した原子尺出力値ZAa
を使用し、σAより小さいσA′にすれば直線性がよくな
ることがわかる。例えば、σA=√σn2である場合、σ
A′=σA/√Fで、σΔΔは数41であるから、直線度
は数44で示すようになる。
【0174】
【数44】
【0175】N=3、F=216≒65,000、kh=
0.05μm、J=スケール長/微小変位=10mm/
0.05μm=200,000、σA=√102nmとす
ると、直線度は1.4×10-6すなわち±0.7×10
-6となる。
【0176】さて、上述したように直線性のよいスケー
ルにする場合、ZAaの値が高精度(σA′で評価され
る)になり、ZAA−ZAaで求める補正データΔZ
(A)も高精度になり、補正データΔZ(A)のビット
長を長くしなければならない。F=216の場合σA′=
σA/28で8ビット以上追加する必要がある。この補正
データΔZ(A)の高精度も微小変位を繰り返し、次々
に補正データを決定するときは必要であるが、位置検出
時には応答性条件によりFを大きくできないため不要で
ある。
【0177】図6に示すように、1フレーム分のΔZ
(A)が納まるロングワードの継ぎ目専用の補正メモリ
117を補正メモリ111と並列に設ける。この図6に
おいて、図4と対応する部分には同一符号を付して示し
ている。
【0178】微小変位を繰り返し、補正データΔZ
(A)を決定するとき、直前の微小変位点でZAA−ZA
aとして書き込まれた1フレームの半数の原子尺出力値
の補正データを継ぎ目専用メモリ117から読み出し、
それぞれに対応するZAaを加えて規原子尺出力値Z
A′とし、これらから代表値ZAAを求め、残り半数の原
子尺出力値の補正データをZAA−ZAaとして継ぎ目専
用の補正メモリ117と補正メモリ111に並行して書
き込む。位置検出時には補正データΔZ(A)を補正メ
モリ111から読み出す。
【0179】継ぎ目専用の補正メモリ117にはせいぜ
い数10個の原子尺出力値に対応した補正データが格納
され、一方補正メモリ111には例えば数10万個の原
子尺出力値に対応した補正データが格納され、補正メモ
リ117の容量は補正メモリ111の容量に比べてはる
かに少なくて済む。
【0180】図6の例においては、継ぎ目専用の補正メ
モリ117を設けることで、補正メモリ111のビット
数を長くしなくても済み、(直線性をよくするために長
くしたビット数)×(原子尺個数)分だけ補正メモリ1
11の容量を削減できる。
【0181】図5の例では、スケール長10mmの場
合、原子尺個数は10mm/0.05μm×{(3+
4)/2}=700,000個であり、長くしたビット
数が8ビットであるとすると、約700Kバイト削減で
きる。
【0182】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、複数フレ
ーム分の補正データより代表補正データを決定して使用
するため、原子尺出力値や基準尺の正規性雑音等の不確
定性誤差に起因する補正データの誤差を小さくでき、位
置検出を高精度に行なうことができる。
【0183】請求項2記載の発明によれば、複数フレー
ム分の補正データより代表補正データを決定して使用す
るため、原子尺出力値や基準尺の正規性雑音等の不確定
性誤差に起因する補正データの誤差を小さくでき、位置
検出を高精度に行なうことができる。また、位置検出時
に複数フレーム分の原子尺出力値の平均値に補正データ
を加算して規原子尺出力値を得るため、規原子尺出力値
の誤差範囲が原子尺出力値の誤差範囲より小さくなり、
位置検出を高精度に行なうことができる。
【0184】請求項3記載の発明によれば、補正データ
決定回路で、一つの素粒子尺の出力変化の1周期分のフ
レーム群における補正データの平均値を代表補正データ
とするので、量子化誤差に起因する補正データの誤差範
囲をデータ数分の1に小さくでき、位置検出をより高精
度に行なうことができる。
【0185】請求項4記載の発明によれば、補正データ
の決定後に入り込むゴミ等の様々な外乱で規原子尺が狂
っても、規原子尺出力値の補正データを自己修復できる
ため、長期間にわたって高精度な位置検出を維持でき
る。また、位置検出時に複数フレーム分の原子尺出力値
の平均値を使用すると共に、補正データの修復をこの平
均値を使用して行なうため、補正データの誤差範囲を小
さくでき高精度な位置検出を行なうことができると共
に、自己修復によって全ての補正データを決定する場合
の原子尺のつなぎ目誤差を小さくでき、スケールの直線
性をよくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】微小等量ステップ変化による素粒子尺、原子尺
の周期性を示す図である。
【図3】他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図4】他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図5】前フレームの原子尺が残るような微小変位例を
示す図である。
【図6】他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図7】不確定性誤差因子(正規性雑音、量子化)によ
る誤差分布を示す図である。
【図8】絶対位置検出装置の構成を示す図である。
【図9】エンコード板のパターンを示す図である。
【図10】絶対位置検出装置の要部の具体構成を示す図
である。
【図11】撮像素子の撮像画面を示す図である。
【図12】絶対位置情報Z↓の説明のための図である。
【図13】Z軸への座標変換を説明するための図であ
る。
【図14】分解能を説明するための図である。
【図15】位置信号変換特性例を示す図である。
【図16】エンコード板と撮像素子との配置関係を示す
図である。
【図17】絶対位置情報Z↑の説明のための図である。
【図18】(A)は絶対位置検出装置の構成を示す図で
あり、(B)はその画素信号の変化を示す図である。
【図19】(A)は撮像素子のマスクスリットパターン
を示す図、(B)は受光素子面の光強度を示す図であ
る。
【図20】絶対位置情報Z↓の説明のための図である。
【図21】絶対位置情報Z↑の説明のための図である。
【図22】Z↓、Z↑検出画素の位置関係と最接近時の
パターン条件を示す図である。
【図23】Z↓、Z↑検出画素接近時のパターンの実例
を示す図である。
【図24】撮像素子全体の画素信号状態(映像パター
ン)例を示す図である。
【図25】画素信号と光透過幅との関係を示す図であ
る。
【図26】ストライプパターンとマスクスリットパター
ンとの位置関係を示す図である。
【図27】絶対位置検出装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図28】↓素粒子尺出力範囲の分布例を示す図であ
る。
【図29】↑素粒子尺出力範囲の分布例を示す図であ
る。
【図30】↓,↑素粒子尺出力範囲の分布例を示す図で
ある。
【図31】原子尺出力範囲の分布例を示す図である。
【符号の説明】
1 エンコード板 2 CCD撮像素子 3 光源 4 位置データ検出回路 5 処理回路 11 コードパターン領域 12 ストライプパターン領域 110 撮像式絶対位置検出器 111 補正メモリ 112 加算器 113 代表値決定回路 114 代表補正データ決定回路 115 平均回路 116 修復部 117 継ぎ目専用の補正メモリ 120 基準スケール SP ストライプパターン MSP マスクスリットパターン SLT スリット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像式絶対位置検出器と、 この検出器より出力される原子尺出力値と基準尺との差
    を補正データとし、複数フレーム分の補正データより代
    表補正データを決定する補正データ決定回路と、 この補正データ決定回路より出力される代表補正データ
    が上記検出器からの原子尺アドレスに基づいて格納され
    る補正メモリと、 位置検出時に上記検出器からの原子尺アドレスに基づい
    て上記補正メモリより読み出される補正データを加算し
    て規原子尺出力値を得る加算回路と、 この加算回路より出力される複数の規原子尺出力値の代
    表値を決定する代表値決定回路とを備えてなる絶対位置
    検出装置。
  2. 【請求項2】 撮像式絶対位置検出器と、 この検出器より出力される原子尺出力値と基準尺との差
    を補正データとし、複数フレーム分の補正データより代
    表補正データを決定する補正データ決定回路と、 この補正データ決定回路より出力される代表補正データ
    が上記検出器からの原子尺アドレスに基づいて格納され
    る補正メモリと、 上記検出器より出力される複数フレーム分の原子尺出力
    値を平均化する平均回路と、 位置検出時に上記平均回路で平均化された原子尺出力値
    に上記検出器からの原子尺アドレスに基づいて上記補正
    メモリより読み出される補正データを加算して規原子尺
    出力値を得る加算回路と、 この加算回路より出力される複数の規原子尺出力値の代
    表値を決定する代表値決定回路とを備えてなる絶対位置
    検出装置。
  3. 【請求項3】上記補正データ決定回路では、上記検出器
    のスケールを静止させて露光量を微小等量ずつ変化させ
    た、または上記露光量を一定にして上記スケールを微小
    等距離ずつ変位させたフレーム群の中で、一つの素粒子
    尺の出力変化の1周期分のフレーム群における上記補正
    データの平均値を代表補正データとすることを特徴とす
    る請求項1または2記載の絶対位置検出装置。
  4. 【請求項4】 撮像式絶対位置検出器と、 上記検出器からの原子尺アドレスに基づいて補正データ
    が格納される補正メモリと、 上記検出器より出力される複数フレーム分の原子尺出力
    値を平均化する平均回路と、 位置検出時に上記平均回路で平均化された原子尺出力値
    に上記検出器からの原子尺アドレスに基づいて上記補正
    メモリより読み出される補正データを加算して規原子尺
    出力値を得る加算回路と、 この加算回路より出力される複数の規原子尺出力値の代
    表値を決定する代表値決定回路と、 上記検出器より出力される原子尺アドレス、上記平均回
    路より出力される原子尺出力値、上記加算回路より出力
    される規原子尺出力値および上記代表値決定回路より出
    力される代表値とを収容する修復用レジスタと、 上記代表値決定回路より出力される代表値と上記加算回
    路より出力される規原子尺出力値との差の絶対値が所定
    値を越えるとき、上記補正メモリの対応する原子尺アド
    レスの補正データを、上記代表値決定回路より出力され
    る代表値と上記平均回路より出力される原子尺出力値と
    の差に書き換える修復判定回路とを備えてなる絶対位置
    検出装置。
JP20157592A 1992-07-28 1992-07-28 絶対位置検出装置 Pending JPH0650712A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9027604B2 (en) 2009-05-11 2015-05-12 Emd Millipore Corporation Sealing means, kit and method for sealing of hollow hoses of flexible material

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9027604B2 (en) 2009-05-11 2015-05-12 Emd Millipore Corporation Sealing means, kit and method for sealing of hollow hoses of flexible material

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