JPH0650507A - ボイラ装置 - Google Patents

ボイラ装置

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JPH0650507A
JPH0650507A JP20516192A JP20516192A JPH0650507A JP H0650507 A JPH0650507 A JP H0650507A JP 20516192 A JP20516192 A JP 20516192A JP 20516192 A JP20516192 A JP 20516192A JP H0650507 A JPH0650507 A JP H0650507A
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Toshimitsu Ichinose
利光 一ノ瀬
Kimiyo Tokuda
君代 徳田
Masaharu Oguri
正治 大栗
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Choryo Engineering Co Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Choryo Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 火力発電事業用等のボイラ装置で燃焼排ガス
中の窒素酸化物や未燃分を低減すること。 【構成】 ボイラ火炉(101)の上部に主バーナ(1
03),下部に燃焼ガス排出口(130),その中間に
追加空気投入ノズル(106)をそれぞれ設けて、下向
きに燃焼させる。燃焼ガス(124)の流れと逆方向に
浮力が生じるので、還元領域(121)と酸化領域(1
22)のどちらの領域でも、燃焼ガス(124)の滞留
時間が長くなり、窒素酸化物の還元,未燃分の燃焼が充
分に行なわれて、それらの量が低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発電用,工場用等に使用
する蒸気発生用ボイラや化学工業炉等に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は従来のボイラ装置の一例を示す概
略縦断面図、図9は図8のIX−IX水平断面拡大図であ
る。これらの図において、(01)はボイラ火炉本体,
(02)はボイラ火炉内,(03)は主バーナ,(0
4)は主バーナ用燃料ノズル,(05)は追加空気投入
装置,(06)は追加空気投入ノズル,(07)は排ガ
ス煙道,(08)は蒸気過熱管群,(09)はエコノマ
イザ,(10)は脱硝器,(11)は空気加熱器,(1
2)は電気集塵器,(13)は誘引通風機,(14)は
煙突,(15)は押込通風機,(16)は風道,(1
7)は燃料,(18)は燃焼用空気,(19)は主バー
ナ用燃焼用空気,(20)は追加空気,(21)は還元
領域,(22)は酸化領域,(23)は燃焼灰捕集槽,
(24)は燃焼ガス,(25)は燃料供給管,(26)
は仮想円筒をそれぞれ示す。
【0003】このような装置において、押込通風機(1
5)により送り込まれて来た燃焼用空気(18)は、空
気加熱器(11)において所定温度に昇温され、風道
(16)を通して主バーナ(03)と追加空気投入装置
(05)へ送り込まれる。主バーナ(03)へ送り込ま
れた燃焼用空気(18)は、主バーナ用燃焼用空気(1
9)として主バーナ(03)からボイラ火炉内(02)
中心部に仮想される鉛直な円筒(26)に対して接線方
向に吹き込まれる。燃料(17)(液体,気体または微
粉固体)は、図示されてない燃料供給設備から燃料供給
管(25)を通って主バーナ(03)へ送り込まれ、主
バーナ用燃料ノズル(04)から上記仮想円筒(26)
に対して接線方向に噴射される。ボイラ火炉内(02)
へ噴射された燃料(17)は、図示されてない着火源に
よって着火し、主バーナ用燃焼用空気(19)の酸素を
消費しながら燃焼する。
【0004】この燃焼により、燃料(17)中の窒素分
は窒素酸化物(以下NOx と称する)に転換し、これが
燃焼ガス(24)中に含まれる。このNOx を低減する
対策として、通常、主バーナ用燃焼用空気(19)の量
は主バーナ用燃料ノズル(04)から投入される燃料
(17)量の量論比以下に調節される。このため主バー
ナ後流部と追加空気(20)投入部間のボイラ火炉内
(02)に還元領域(21)が形成される。還元領域
(21)における燃焼ガス(24)は酸素不足燃焼によ
り多量の可燃分を含有したものとなるが、NOx がN2
に還元され、代ってNH3 やHCN等の中間生成物が発
生する。還元領域(21)後流には追加空気投入ノズル
(06)を装着した追加空気投入装置(05)が設けら
れていて、可燃分を含んだ燃焼ガス(24)中に追加空
気(20)を吹き込み、酸化領域(22)を形成する。
燃焼ガス(24)中の可燃分はこの酸化領域(22)内
で燃焼する。また還元領域(21)で生成した中間生成
物は酸化領域(22)における酸化反応で一部がNOx
へ転換する。
【0005】酸化領域(22)を出た燃焼ガス(24)
は蒸気過熱管群(08),エコノマイザ(09),脱硝
器(10),空気加熱器(11),電気集塵器(12)
を経て,誘引通風機(13)により煙突(14)から大
気放出される。
【0006】このようなボイラで低NOx ,低未燃分燃
焼を達成するためには、 1) 燃料(17)と主バーナ用燃焼用空気(19)の
拡散混合が短時間で充分に行われること。 2) 還元領域(21)においてその火炉容積を有効に
利用できること。 3) 酸化領域(22)における燃焼ガス(24)と追
加空気(20)の拡散混合が良く、且つその火炉容積を
有効に利用できること。 が必要である。
【0007】ところが前記従来のボイラでは、燃焼が上
向き方向に行なわれるため、高温のボイラ火炉内(0
2)では浮力が生じる。その結果、燃料(17)と主バ
ーナ用燃焼用空気(19)に吹き抜け現象が生じて火炉
容積を有効利用できず、また拡散混合が劣化して均質な
還元領域(21)の形成ができなくなる。そこで充分な
NOx の還元を行うためには、還元領域(21)の容積
を大きくして燃焼ガス(24)の滞留時間を長くする、
すなわち還元領域(21)の容積と燃焼ガス(24)の
流量との比率を大きくする必要があった。この浮力によ
る吹き抜け現象は酸化領域(22)でも生じるので、燃
焼ガス(24)中可燃分の燃焼を完遂させるためには、
還元領域(21)同様に酸化領域(22)の容積も大き
くして、燃焼ガス(24)の滞留時間を長くする必要が
あった。
【0008】このように従来のボイラには、上向き燃焼
による吹き抜け現象のため火炉容積を有効に利用でき
ず、また燃料(17)と主バーナ用燃焼用空気(19)
の混合劣化により低NOx ・低未燃分燃焼が困難になる
という欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のボイラで大形の
ものは、前記図8および図9に例示されるように、主バ
ーナ(03)が下部に設けられ、上向きに燃焼する。こ
のような燃焼方式の場合、高温の炉内(02)では浮力
が生じるため、燃料(17)と主バーナ用燃焼用燃焼用
空気(19)に吹き抜け現象が生じて火炉容積を有効利
用できず、また拡散混合が劣化すので均質な還元領域
(21)の形成ができなくなる。したがって、NOx
充分に還元するためには、還元領域(21)における燃
焼ガス(24)の滞留時間を長くする必要がある。同様
に酸化領域(22)でも、燃焼ガス(24)中可燃分の
燃焼を完遂させるためには、酸化領域(22)における
燃焼ガス(24)の滞留時間を長くする必要がある。
【0010】このように従来のボイラは、上向き燃焼に
よる吹き抜け現象のため火炉容積を有効に利用できず、
また燃料(17)と主バーナ用燃焼用空気(19)の混
合劣化のため低NOx ・低未燃分燃焼が困難になるとい
う欠点を持っていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の課
題を解決するために、竪型角筒状の蒸発管壁で構成され
た火炉と、同火炉の下部の側壁に開口し、排ガス煙道に
連通する燃焼ガス排出口と、上記火炉の上部に配され、
火炉中心部に仮想される鉛直な円筒面に対して接線方向
に、かつ水平方向または下方に傾いた方向に、燃料と燃
焼用空気とを噴射する複数の主バーナと、上記主バーナ
の下方で上記燃焼ガス排出口の上方に配され、火炉中心
部に仮想される鉛直な円筒面に対して接線方向に追加空
気を噴射する複数の追加空気投入ノズルと、同追加空気
投入ノズルを上下にチルトさせる手段と、上記排ガス煙
道内に配された後流伝熱器とを備えたことを特徴とする
ボイラ装置;ならびに竪型角筒状の蒸発管壁で構成され
た主火炉と、同主火炉の下部から横方向に延び、排ガス
煙道に連通する副火炉と、上記主火炉の上部に配され、
主火炉中心部に仮想される鉛直な円筒面に対して接線方
向に燃料と燃焼用空気とを噴射する複数の主バーナと、
上記副火炉内に追加空気を噴射する複数の追加空気投入
ノズルと、上記排ガス煙道内に配された後流伝熱器とを
備えたことを特徴とするボイラ装置を提案するものであ
る。
【0012】
【作用】前記第1の解決手段においては、火炉上部に設
けられた主バーナから噴射された燃料は、燃焼用空気と
拡散混合しながら燃焼し、下降してゆく。高温の火炉内
では浮力が生じるため、燃料と燃焼用空気は吹き抜けが
無く、両者の拡散混合が促進される。 燃焼用空気量を
適切に調節すれば、主バーナ下方の追加空気投入ノズル
部までの火炉内に還元領域が形成される。その還元領域
における燃焼ガスは、酸素不足燃焼により多量の可燃分
を含有したものとなるが、燃料と燃焼用空気には流れと
逆の上向きに浮力が生じるため吹き抜けが無くなり、火
炉容積が有効に利用されることになって、燃料の燃焼に
よって発生した燃焼ガス中のNOxがN2 に還元される
率が高まることになる。
【0013】燃焼ガスは還元領域において含有NOx
2 に還元された後、還元領域の後流において追加空気
を吹き込まれ、酸化領域を形成する。燃焼ガス中の可燃
分は、この酸化領域内で燃焼するが、酸化領域において
も燃焼ガスと追加空気には流れと逆の上向きに浮力が生
じるため吹き抜けが無くなり、燃焼ガスと追加空気の拡
散混合が促進され、燃焼完遂が容易となる。この結果、
低NOx ・低未燃分燃焼が実現する。
【0014】また前記第2の解決手段においては、上記
作用のほか、竪型の主火炉の下部から横方向に延びる副
火炉の中に追加空気投入ノズルを設け、そのすぐ後の排
ガス煙道内に後流伝熱器を配設するので、追加空気の噴
射投入によって発生する火炎の輻射熱を後流伝熱器で有
効に吸収することができる。
【0015】
【実施例】図1は本発明の第1実施例を示す概略縦断面
図、図2は図1のII−II水平断面拡大図である。これら
の図において、(101)はボイラ火炉本体,(10
2)はボイラ火炉内,(103)は主バーナ,(10
4)は主バーナ用燃料ノズル,(105)は追加空気投
入装置,(106)は追加空気投入ノズル,(107)
は排ガス煙道,(108)は蒸気過熱管群(後流伝熱
器),(109)はエコノマイザ,(110)は脱硝
器,(111)は空気加熱器,(112)は電気集塵
器,(113)は誘引通風機,(114)は煙突,(1
15)は押込通風機,(116)は風道,(117)は
燃料,(118)は燃焼用空気,(119)は主バーナ
用燃焼用空気,(120)は追加空気,(121)は還
元領域,(122)は酸化領域,(123)は燃焼灰捕
集槽,(124)は燃焼ガス,(125)は燃料供給
管,(126)は仮想円筒,(127)は温調用燃料,
(128)は温調用バーナ,(129)は温調用燃料供
給管,(130)は燃焼ガス排出口をそれぞれ示す。
【0016】本実施例では、竪型角筒状の蒸発管壁で構
成されたボイラ火炉本体(101)の上部に複数の主バ
ーナ(103)が配されていて、火炉中心部に仮想され
る鉛直な円筒面(126)に対して接線方向に、かつ水
平方向または下方に傾いた方向に、燃料(117)と主
バーナ用燃焼用空気(119)とを噴射する。また上記
ボイラ火炉本体(101)の下部の側壁には、排ガス煙
道(107)に連通する燃焼ガス排出口(130)が開
口している。更に上記主バーナ(103)よりも下方で
上記燃焼ガス排出口(130)よりも上方位置に追加空
気投入装置(105)が設けられ、その中に配された複
数の追加空気投入ノズル(106)から、上記仮想円筒
面(126)に対して接線方向に追加空気を噴射する。
この追加空気投入ノズル(106)は、上下方向の吹込
み角度を任意に調節できるようになっている。また、こ
の追加空気投入ノズル(106)の中心部には、温調用
バーナ(128)が装備されていて、燃料供給管(12
5)から分岐され配管された温調用燃料供給管(12
9)を通して燃料(117)全体量の10%以下が温調
用燃料(127)として圧送されてくる。
【0017】ボイラ火炉本体(101)の下方には燃焼
灰捕集槽(123)が設けられ、ボイラ火炉内(10
2)で燃焼した燃料(117)の燃焼灰で、炉底に落下
してくるものを捕集し、処理する。図8に示される従来
のボイラでは、ボイラ火炉本体(01)内の上部と排ガ
ス煙道(07)内に蒸気過熱管群(08)が設けられて
いたが、本実施例では、蒸気過熱管群(108)等の後
流伝熱器をボイラ火炉本体(101)内には設置せず、
それらを排ガス煙道(107)内のみに配置して、燃焼
灰の処理を容易にし、かつ還元領域(121)と酸化領
域(122)における燃焼ガス(124)滞留時間を長
く確保できるようにした。
【0018】押込通風機(115)により送り込まれて
来た燃焼用空気(118)は、空気加熱器(111)に
おいて所定温度に昇温され、風道(116)を通して主
バーナ(103)と追加空気投入装置(105)へ送り
込まれる。主バーナ(103)へ送り込まれた燃焼用空
気(118)は、主バーナ用燃焼用空気(119)とし
て主バーナ(103)からボイラ火炉内(102)の中
心部の仮想円筒(126)に対して接線方向に吹き込ま
れる。一方燃料(液体,気体または微粉固体)(11
7)は、図示されてない燃料供給設備から燃料供給管
(125)を経て主バーナ(103)へ送り込まれ、主
バーナ用燃料ノズル(104)から上記の仮想円筒(1
26)に対して接線方向に噴射される。ボイラ火炉内
(102)へ噴射された燃料(117)は、図示されて
いない着火源によって着火して主バーナ用燃焼用空気
(119)と拡散混合しつつ燃焼し、ボイラ火炉内(1
02)を旋回しながら下降して行くが、高温のボイラ火
炉内(102)では上向きに浮力が働くため、燃料(1
17)と主バーナ用燃焼用空気(119)の吹き抜けが
無くなり、両者(117),(119)の拡散混合が促
進される。燃料(117)の燃焼によって燃焼ガス(1
24)が生成されるが、その燃焼ガス(124)には燃
料(117)中窒素(N)分が転換して生じたNOx
含有される。
【0019】主バーナ(103)から投入される主バー
ナ用燃焼用空気(119)の量は、主バーナ用燃料ノズ
ル(104)から投入される燃料(117)の量論比以
下に調節され、主バーナ後流部と追加空気(120)投
入部間のボイラ火炉内(102)に還元領域(121)
が形成される。還元領域(121)における燃焼ガス
(124)は酸素不足燃焼により多量の可燃分を含有し
たものとなるが、NOxがN2 に還元され、代ってNH
3 やHCN等の中間生成物が発生する。還元領域(12
1)におけるNOx の還元は、燃料(117)と主バー
ナ用燃焼用空気(119)の拡散混合を促進して、いか
に均質な還元領域(121)を形成できるかによって、
その良否が決まる。
【0020】還元領域(121)を出た燃焼ガス(12
4)は、還元領域(121)出口部において、吹込方向
を任意に設定できる追加空気投入ノズル(106)によ
って追加空気(120)を投入され、酸化領域(12
2)を形成して可燃分を燃焼,消滅させる。また、還元
領域(121)において発生したNH3 やHCN等の中
間生成物も、この酸化領域(122)において酸化さ
れ、一部がNOx に転換して燃焼ガス(124)中に含
まれる。
【0021】酸化領域(122)内の温度は上記追加空
気(120)の投入によって低下し、酸化領域(12
2)における可燃分の燃焼が劣化する。そこでその対策
として、燃料供給管(125)から分岐して配管された
温調用燃料供給管(129)を通って送られて来る温調
用燃料(127)を、温調用バーナ(128)によって
酸化領域(122)内へ噴射して燃焼させ、酸化領域
(122)内の温度を高める。
【0022】酸化領域(122)を出た燃焼ガス(12
4)は蒸気過熱管群(108),エコノマイザ(10
9),脱硝器(110),空気加熱器(111),電気
集塵器(112)を経て誘引通風機(113)により煙
突(114)から大気放出される。
【0023】図3,図4および図5は、発明者等が実施
した燃焼試験における実測データについて、例示したも
のである。まず図3は、還元領域の各火炉断面における
CO2 分布偏差率と燃焼ガス滞留時間との関係を、上向
き燃焼の場合と下向き燃焼の場合について示したもので
ある。CO2 分布偏差率とは、還元領域の各火炉断面に
おけるCO2 分布実測値のうち最大値と最小値の差を平
均値で除したものであり、燃焼ガス滞留時間とは、主バ
ーナ中心から各火炉断面までの時間について示したもの
である。
【0024】次に図4は、還元領域におけるNOx 還元
率と燃焼ガス滞留時間との関係を、上向き燃焼の場合と
下向き燃焼の場合について示したものである。ここで還
元領域におけるNOx 還元率は、還元領域入口のNOx
濃度と還元領域出口のNOx濃度との差を還元領域入口
のNOx 濃度で除し、その商を1から減じたものとして
定義した。
【0025】図3より、上向き燃焼では還元領域(2
1)の各火炉断面におけるCO2 分布偏差率が大きく、
火炉容積が有効利用されてないと見做せる。その結果、
図4に示すようにNOx 還元率が低いので、NOx 還元
率を高めるには還元領域(21)における燃焼ガス(2
4)滞留時間を長くする必要があり、必然的にボイラ本
体(01)が高くなることになる。それに対して下向き
燃焼の場合は、CO2 分布偏差率が小さく、均質な還元
領域(121)であることが示されている。したがって
下向き燃焼の場合、燃焼ガス(124)の滞留時間が短
くても高いNOx還元率が得られる。
【0026】図5は、酸化領域の各火炉断面におけるC
O分布偏差率と追加空気(AA)投入部から各火炉断面
までの燃焼ガス滞留時間との関係を、上向き燃焼と下向
き燃焼の場合について示したものである。この図におい
て酸化領域の各火炉断面におけるCO分布偏差率は、各
火炉断面におけるCOの最大値と最小値の差を、追加空
気投入前の酸化領域入口におけるCO平均値で除したも
のとして定義した。下向き燃焼の場合は、還元領域(1
21)と同様に酸化領域(122)においてもCO分布
偏差率が小さく、上向き燃焼に比べて追加空気と燃焼ガ
スの拡散混合が優れていることが、図5から判る。
【0027】上記のとおり、ボイラ火炉本体(101)
の上方に主バーナ(103)を設けて下向き燃焼をさ
せ、主バーナ(103)の下方後流に還元領域(12
1)と酸化領域(122)を形成して、その酸化領域
(122)の入口部に追加空気投入装置(105)を設
けることにより、低NOx - 低未燃分燃焼が実現する。
【0028】次に図6は本発明の第2実施例を示す概略
縦断面図である。この図において、(201a)は主火
炉,(201b)は副火炉,(203)は主バーナ,
(205)は追加空気投入装置,(207)は排ガス煙
道,(208)は蒸気過熱管群(後流伝熱器),(21
7)は燃料,(219)は主バーナ用燃焼用空気,(2
20)は追加空気,(224)は燃焼ガス,(231)
はクリンカをそれぞれ示す。
【0029】本実施例では、竪型角筒状の蒸発管壁で構
成された主火炉(201a)の上部に複数の主バーナ
(203)が配されていて、主火炉中心部に仮想される
鉛直な円筒面に対して接線方向に燃料(217)と主バ
ーナ用燃焼用空気(219)とを噴射する。また上記主
火炉(201a)の下部から副火炉(201b)が横方
向に延びて、排ガス煙道(207)に連通している。そ
して上記副火炉(201b)内に追加空気(220)を
噴射する複数の追加空気投入装置(205)が設けら
れ、更に上記排ガス煙道(207)内には、蒸気過熱器
等の後流伝熱器(208)が配されている。
【0030】このようなボイラ装置において、主バーナ
(203)から投入される燃料(217)と燃焼用空気
(219)により、主火炉内(201a)内に旋回流を
おこしながら燃焼を行なう。ここに投入される燃料と空
気の比は当量比よりも大きく空気不足なので、還元燃焼
が行なわれる。そしてその燃焼排ガスは下方向へ流れ、
すぐ横方向へ向きを変えて副火炉(201b)に流入す
る。横方向に流れる始めの部分には追加空気投入装置
(205)が設けられており、ここで燃料の燃焼完結に
必要な空気を投入する。したがって、この副火炉(20
1b)内で低NO x ,低煤塵の完全燃焼が行なわれる。
また、副火炉(201b)内の火炎による輻射熱は、す
ぐ後流の後流伝熱器(208)で吸収される。
【0031】なお、前記の主火炉(201a)内で生成
し、炉壁に付着して剥離するスラグやクリンカ(23
1)は、ボイラ下方の燃焼灰捕集槽(前記図1の符号
(123))に落下し回収される。もし仮に、後述図7
(b)に示されるように主火炉(201a)の下部に後
流伝熱器を配置したとすると、輻射熱はその伝熱部で有
効に吸収できるが、その場合は上部の主バーナ(20
3)部の炉壁に付着・剥離したスラグやクリンカの落下
により、伝熱管が破損することになる。本実施例では、
横方向に延びる副火炉(201b)内に後流伝熱器(2
08)を配置したので、後流伝熱器(208)は落下す
るスラグやクリンカによる破損もなく、かつ燃焼による
輻射熱を有効に吸収することができる。
【0032】図7は各種ボイラにおける各部の熱吸収比
率を比較して示したものである。図7中(a)は前記図
8に示された従来のボイラ装置であり、(b)は上述し
たようにスラグやクリンカによる後流伝熱器破損のトラ
ブルが生じ得るものである。(c)は前記図1および図
2により説明した第1実施例であるが、吸収熱のアンバ
ランスにより、ボイラ火炉本体部の熱吸収方法に関して
技術的に若干の困難性がある。(d)は本第2実施例で
あって、従来同様の熱吸収バランスで、しかも火炉がコ
ンパクトとなり、かつ重量物がボイラ下部にあるので、
ボイラコストを大幅に低減できる。
【0033】
【発明の効果】本発明においては、火炉の上部に主バー
ナを設け、その主バーナの下方後流に還元領域と酸化領
域を形成させるとともに、その酸化領域の入口部に追加
空気投入ノズルを設けて、下向き燃焼を行なわせるの
で、火炉内に燃焼ガス流と逆方向に生じる浮力によっ
て、還元領域におけるNOx 還元と酸化領域における可
燃分燃焼がともに効率良く行なわれ、低NOx ・低未燃
分燃焼が可能となる。
【0034】また、火炉を竪型の主火炉と横型の副火炉
に分割し、副火炉内に追加空気を噴射するノズルを設け
た場合は、追加空気の投入によって発生する火炎の輻射
熱を後流伝熱器で有効に吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例を示す概略縦断面図
である。
【図2】図2は図1のII−II水平断面拡大図である。
【図3】図3はCO2 分布偏差率と燃焼ガス滞留時間と
の関係を示す図である。
【図4】図4はNOx 還元率と燃焼ガス滞留時間との関
係を示す図である。
【図5】図5はCO分布偏差率と燃焼ガス滞留時間との
関係を示す図である。
【図6】図6は本発明の第2実施例を示す概略縦断面図
である。
【図7】図7は各種ボイラにおける各部の熱吸収比率を
比較して示す図である。
【図8】図8は従来のボイラ装置の一例を示す概略縦断
面図である。
【図9】図9は図8のIX−IX水平断面拡大図である。
【符号の説明】
(01) ボイラ火炉本体 (02) ボイラ火炉内 (03) 主バーナ (04) 主バーナ用燃料ノズル (05) 追加空気投入装置 (06) 追加空気投入ノズル (07) 排ガス煙道 (08) 蒸気過熱管群 (09) エコノマイザ (10) 脱硝器 (11) 空気加熱器 (12) 電気集塵器 (13) 誘引通風機 (14) 煙突 (15) 押込通風機 (16) 風道 (17) 燃料 (18) 燃焼用空気 (19) 主バーナ用燃焼用空気 (20) 追加空気(AA) (21) 還元領域 (22) 酸化領域 (23) 燃焼灰捕集槽 (24) 燃焼ガス (25) 燃料供給管 (26) 仮想円筒 (101) ボイラ火炉本体 (102) ボイラ火炉内 (103) 主バーナ (104) 主バーナ用燃料ノズル (105) 追加空気投入装置 (106) 追加空気投入ノズル (107) 排ガス煙道 (108) 蒸気加熱管群 (109) エコノマイザ (110) 脱硝器 (111) 空気加熱器 (112) 電気集塵器 (113) 誘引通風機 (114) 煙突 (115) 押込通風機 (116) 風道 (117) 燃料 (118) 燃焼用空気 (119) 主バーナ用燃焼用空気 (120) 追加空気 (121) 還元領域 (122) 酸化領域 (123) 燃焼灰捕集槽 (124) 燃焼ガス (125) 燃料供給管 (126) 仮想円筒 (127) 温調用燃料 (128) 温調用バーナ (129) 温調用燃料供給管 (130) 燃焼ガス排出口 (201a) 主火炉 (201b) 副火炉 (203) 主バーナ (205) 追加空気投入装置 (207) 排ガス煙道 (208) 蒸気加熱管群(後流伝熱器) (217) 燃料 (219) 主バーナ用燃焼用空気 (220) 追加空気 (224) 燃焼ガス (231) クリンカ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大栗 正治 長崎市深堀町5丁目717番地1 長菱エン ジニアリング株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 竪型角筒状の蒸発管壁で構成された火炉
    と、同火炉の下部の側壁に開口し、排ガス煙道に連通す
    る燃焼ガス排出口と、上記火炉の上部に配され、火炉中
    心部に仮想される鉛直な円筒面に対して接線方向に、か
    つ水平方向または下方に傾いた方向に、燃料と燃焼用空
    気とを噴射する複数の主バーナと、上記主バーナの下方
    で上記燃焼ガス排出口の上方に配され、火炉中心部に仮
    想される鉛直な円筒面に対して接線方向に追加空気を噴
    射する複数の追加空気投入ノズルと、同追加空気投入ノ
    ズルを上下にチルトさせる手段と、上記排ガス煙道内に
    配された後流伝熱器とを備えたことを特徴とするボイラ
    装置。
  2. 【請求項2】 竪型角筒状の蒸発管壁で構成された主火
    炉と、同主火炉の下部から横方向に延び、排ガス煙道に
    連通する副火炉と、上記主火炉の上部に配され、主火炉
    中心部に仮想される鉛直な円筒面に対して接線方向に燃
    料と燃焼用空気とを噴射する複数の主バーナと、上記副
    火炉内に追加空気を噴射する複数の追加空気投入ノズル
    と、上記排ガス煙道内に配された後流伝熱器とを備えた
    ことを特徴とするボイラ装置。
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