JPH0650226U - 投射形陰極線管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液冷結合装置の構造を改善した投射形陰極
線管を提供する。 【構成】 本考案の投射形陰極線管は、ネックの後端
に電子銃が内蔵されその他端にスクリーンが備えられた
フェースプレートを有するファンネルと、スクリーンを
その内面に具備するフェースプレートに対応する前面ガ
ラスを有する四角形放熱板がフェースプレートに密着結
合され、前記フェースプレートと放熱板の前面ガラスの
間には液体冷媒層が存在し、四角形放熱板の各角の部分
にボルトにより結合される締結部が形成されており、各
ボルトには前記ファンネルの側面に接触される留め金及
びスプリングが備えられ、この各々の留め金がファンネ
ル（Funnel）部を圧着固定している。 【効果】 これにより、高圧印加の時アーク発生の危険
がなく、不必要な嵩及び重量が減り、効率的な製品生産
が提供される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は投射形陰極線管に係り、特に液冷結合装置の構造を改善した投射形陰 極線管に関する。

【０００２】

【従来の技術】

赤色（Red）、緑色（Green）、青色（Blue）の３原色を発光する三つの特殊の 陰極線管を発光させ、拡大レンズ及び反射鏡を利用し、画像を投射拡大させるＴ Ｖシステムを所謂プロジェクション（Projection）ＴＶという。これは従来の一 般ＴＶ受像機と同じく陰極線管が使用されているが、画像を形成しスクリーンに 示す方式に於て他の方法を取る。即ち、従来の一般ＴＶ陰極線管は画面の大きさ が限られていた。これは大型陰極線管を製作する技術上の様々な問題もあるが、 大型化による自重もやはり大型陰極線管製作の限界を決定づける要因として作用 する。従って、このような問題点を解決しながら大型画面が得られる手段として 、前記のプロジェクションＴＶが台頭した。これは一般のＴＶ陰極線管に於ての 電子銃の役割を陰極線管自体が果たし、陰極線管より出た光は色選別鏡を経て投 射レンズ（Projection lens）を通過するようになる。その後再び反射鏡により 反射された光は、陰極線管と別に分離された最終の大型スクリーンに画像を形成 する。これがプロジェクションＴＶシステムの一般的な原理である。

【０００３】 ところが、このようなプロジェクションＴＶに於て、陰極線管のパネル（Pane l）部では熱が相当発生し、これを処理しなければならない問題が生ずる。従っ て、液体冷媒が内在する一種の放熱装置である液冷結合装置をパネル前面部に備 えるようになった。これに対する一例を図１に示し、具体的な構成を調べて見る 。

【０００４】 図１は従来の投射形陰極線管に於て、液冷結合装置を概略的に示した側面図で あり、図２はこれに対する平面図である。示した通り、陰極線管１の側面には高 圧が印加されるアノードキャップ（Anode cap）２が形成されている。その前面 には４つのボルト３のボルト締めにより、陰極線管１を放熱板６に圧着固定させ る締めプレート５が設置されている。そして、ボルト３には締め圧着力の微細調 整のためスプリング４が備えられている。

【０００５】 一方、図２で示した通り、締めプレート５は一体形に成され、陰極線管１をネ ック（neck）部から挿入できるよう中心部に所定の大きさを有する貫通孔が形成 されている。その周囲近くにやはりボルト３による締結のための４つの貫通孔が 所定の間隔で形成されている。

【０００６】 ところが、このような構造の従来の液冷結合装置は、やむをえず締めプレート ５がアノードキャップ２の近くを通り、アノード電極に近接するので、アノード に高圧印加の際、アーク（Arc）発生の危険が生じる。のみならず、陰極線管１ と放熱板６の結合の時中心取りが難しく、不必要に重量が大きいという短所を有 する。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前記の問題点を改善するために案出されたもので、その目的はアーク 放電の危険がなく、不必要な嵩及び重量を減らす液冷結合装置を具備する投射形 陰極線管を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するために本考案による投射形陰極線管は、ネックの後端に 電子銃が内蔵され、その他端にスクリーンが備えられたフェースプレートを有す るファンネルと、スクリーンをその内面に具備するフェースプレートに対応する 前面ガラスとを有する四角形放熱板が、フェースプレートに密着結合され、前記 フェースプレートと放熱板の前面ガラスの間には所定の厚さの液体冷媒層が存在 し、四角形放熱板の各角の部分にボルトにより結合される締結部が形成されてお り、各ボルトには前記ファンネルの側面に接触される所定の大きさの接触面を有 する折曲形の留め金及びスプリングが備えられ、この各々の留め金がファンネル （Funnel）部を圧着固定している構造よりなることを特徴とする。

【０００９】 四角形放熱板の各角の部分にボルトにより結合される締結部が形成されており 、各ボルトには前記ファンネルの側面に接触される留め金及びスプリングが備え られ、この各々の留め金がファンネル（Funnel）部を効率的に圧着固定すること ができる。

【００１０】

【作用】

本考案による投射形陰極線管では、個別的なボルト締結部による固定結合方式 を取っており、ボルトの締め圧着力を効率的に利用するようになる。

【００１１】

【実施例】

図３を参照すれば、放熱板６の上に陰極線管１が前面パネル（Panel）を放熱 板に向かうよう安着され、図４で示した通り、前記放熱板６の各角部分にボルト 締結部が備えられ、陰極線管１が放熱板６に固定され、陰極線管はボルト３に締 結され締められる留め金７により放熱板に結合される。そして、締め圧着力の微 細調整のため留め金７の下部にはスプリング４が装着されている。

【００１２】 このようなボルト締結部を中心とした図３のＡ部分に対する拡大詳細図を図５ で示した。図示した通り、留め金７は所定の厚さ及び幅を有する金属構造体とし て、陰極線管１からボルト３までの支持台部と、陰極線管１のファンネルに密着 される圧着部より構成されている。特に、圧着部は陰極線管１の曲面部に密着さ れなければならないので、やはりその接触面部が曲面から形成されており、中心 部にはボルトの締め力を圧着力に転換し、陰極線管１を圧着するパッド７ａが支 持台部及び圧着部に跨がって備えられている。のみならず、圧着部の陰極線管接 触面部には、陰極線管の接触部分損傷防止はもちろん振動及び滑り防止のため密 着保護ゴム７ｂが装着されている。一方、陰極線管のフェースプレート１ａと前 面ガラス１０の間には液体冷媒９が充填しており、前記フェースプレート１ａと 放熱板６の接触部分には密閉用ゴム８が備えられ冷媒９の漏出を防ぐ。

【００１３】 一方、図６では本考案の第２実施例としてボルト締結部の留め金７の上部に補 強部材１１を備えた形態を示した。図示した通り、Ｖ字形の鉄板よりなる補強部 材１１は所定の弾力を持つ折り曲げ構造体である。これは陰極線管１と留め金７ との接触面が傾斜をなしており、ボルト３の下向き締め力が傾斜面に沿って上側 に分散することを防ぐ役割をする。これは結局パッド７ａ周辺接触面の力を陰極 線管１の中心部に向かうようにし、センタリング（Centering）管理の円滑を図 る。図７でも本考案の第３実施例に於て、留め金７′の支持部材の一部がＳ字形 に折り曲げられた形態が示されている。これは留め金７′自体が前記第２実施例 の補強部材１１の持つ弾性力を有する。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の投射形陰極線管は、液冷結合装置に於て従来の一体形締めプレートと は異なり、各々個別的なボルト締結部による固定結合方式を取る。従って、高圧 印加の際アーク（Arc）発生の危険がない。また、陰極線管を固定させる結合部 材、即ち、留め金の構造がボルトの締め圧着力を陰極線管の中心部に向かうよう 誘導するようなっているので、センタリング管理が容易である。そして不必要な 嵩及び重量を減らし、製品生産に相当な効率をもたらす。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の投射形陰極線管を陰極線管の短辺側に眺
めた側面図。

【図２】前記図１に於ての投射形陰極線管の平面図。

【図３】本考案による投射形陰極線管を陰極線管の短辺
側に眺めた側面図。

【図４】前記図３に於ての投射形陰極線管の平面図。

【図５】本考案による投射形陰極線管に於て、図３のＡ
で示した液冷結合装置の第１実施例を陰極線管の長辺側
に眺めた概略的な構成図。

【図６】本考案による投射形陰極線管に於て、図３のＡ
で示した液冷結合装置の第２実施例を陰極線管の長辺側
に眺めた概略的な構成図。

【図７】本考案による投射形陰極線管に於て、図３のＡ
で示した液冷結合装置の第３実施例を陰極線管の長辺側
に眺めた概略的な構成図。

【符号の説明】

１ 陰極線管 １ａ フェースプレート ３ ボルト ４ スプリング ６ 放熱板 ７、７′ 留め金 ７ａ パッド ７ｂ 密着保護ゴム ８ 密閉用ゴム ９ 液体冷媒 １０ 前面ガラス １１ 補強部材

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ネックの後端に電子銃が内蔵され、そ
   の他端にスクリーンが備えられたフェースプレートを有
   するファンネルと、スクリーンをその内面に具備するフ
   ェースプレートに対応する前面ガラスを有する四角形放
   熱板が、フェースプレートに密着結合され、前記フェー
   スプレートと放熱板の前面ガラスとの間には所定の厚さ
   の液体冷媒層が存在し、四角形放熱板の各角の部分にボ
   ルトにより結合される締結部が形成されており、各ボル
   トには前記ファンネルの側面に接触される所定の大きさ
   の接触面を有する折曲形の留め金及びスプリングが備え
   られ、この各々の留め金がファンネル部を圧着固定して
   いる構造よりなることを特徴とする投射形陰極線管。
2. 【請求項２】 前記留め金には、パッド及び密着保護
   ゴムが装着されていることを特徴とする請求項１記載の
   投射形陰極線管。
3. 【請求項３】 前記ボルト締結部のボルトには、Ｖ字
   形に折り曲げられた鉄板補強部材が備えられていること
   を特徴とする請求項１記載の投射形陰極線管。
4. 【請求項４】 前記留め金は、ボルト締め部分がＳ字
   形に折り曲げられていることを特徴とする請求項１記載
   の投射形陰極線管。