JPH0650136A - 多段ハニカムヒーター - Google Patents

多段ハニカムヒーター

Info

Publication number
JPH0650136A
JPH0650136A JP4202062A JP20206292A JPH0650136A JP H0650136 A JPH0650136 A JP H0650136A JP 4202062 A JP4202062 A JP 4202062A JP 20206292 A JP20206292 A JP 20206292A JP H0650136 A JPH0650136 A JP H0650136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
honeycomb
honeycomb heater
heater
stage
upstream
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4202062A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3058992B2 (ja
Inventor
Fumio Abe
文夫 安部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP4202062A priority Critical patent/JP3058992B2/ja
Priority to US08/091,917 priority patent/US5465573A/en
Publication of JPH0650136A publication Critical patent/JPH0650136A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3058992B2 publication Critical patent/JP3058992B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性のハニカム構造体からなる複数個のハ
ニカムヒーターが排ガスの流路方向に沿って配置されて
なる多段ハニカムヒーターで、該複数個のハニカムヒー
ターは活性成分として貴金属を含む耐熱性無機酸化物か
らなる触媒で被覆され、少なくとも最上流部のハニカム
ヒーターの触媒着火温度が隣接する下流部のハニカムヒ
ーターの触媒着火温度よりも低温である多段ハニカムヒ
ーターである。 【効果】 上流部のハニカムヒーターの方が下流部のハ
ニカムヒーターより低温着火特性となっているので、エ
ンジン作動時の排ガスによって上流部が冷却されても、
上流部のハニカムヒーター上に担持された触媒は着火温
度が確保でき、優れた排ガス浄化能を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数個のハニカムヒー
ターからなる多段ハニカムヒーターに関し、自動車の排
ガス浄化系に用いるためのプレヒーター等として好適に
使用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の排ガス中の窒素酸化物
(NOX )、一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)
等の有害物質を浄化するための自動車用排ガス浄化装置
の研究開発が活発に行われているが、特に近年において
は、排ガス規制の強化とともに、エンジン作動時(コー
ルドスタート時)におけるこれら有害物質の浄化が重要
な技術課題となっている。すなわち、エンジン作動直後
のように排ガスの温度が低いときは、触媒がその着火温
度に到達しないので浄化能が低く、そのうえ、この時期
は、連続運転をしているときに比べ、大量のHCを排出
しているため、自動車の排ガスによる有害物質の全排出
量のうち、エンジン作動時の有害物質の排出量が大きな
割合を占めているのである。
【0003】そして、このような技術課題を達成する手
段の1つとして、通電発熱型ヒーターをエンジン作動前
又はエンジン作動と同時に通電し、ヒーター上に担持さ
せた触媒や、ヒーターの後方に近接させて配置したメイ
ン触媒を、触媒の着火温度まで速やかに昇温する技術が
注目されている。例えば、本願出願人が先に出願した、
特開平3−295184号公報には、多数の貫通孔を有
するハニカム構造体に、通電のための少なくとも2つの
電極を設けるとともに、該電極間にスリット等の抵抗調
節機構を設けた抵抗調節型ヒーターが開示されている。
また、特表平3−50911号公報には、電気的な加熱
ヒーターが、複数個、順次配列されたヒーターが開示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のヒーターは、その全体が均一に触媒着火温度にまで昇
温するのではなく、コールドスタート時に発生するまだ
温まっていない排ガスによって、ヒーターの上流部(排
ガスの入口側)が冷却され、この部分が触媒着火温度に
到達し難いという問題がある。
【0005】上記特開平3−295184号公報記載の
ヒーターは、スリット等の抵抗調節機構により発熱量を
制御でき、局所的又は全体的な昇温を行うことができる
とされているが、上述した問題の対策として、ヒーター
上流部の触媒の着火特性を改善するような工夫は何等開
示されていない。また、特表平3−50911号公報記
載のヒーターにおいても、複数個の外部スイッチを用い
て各ヒーターの通電を制御する方法が採られているもの
の、触媒の上流部については格別な工夫がとられていな
いので、上流部のガス冷却効果に対する対策は不十分で
ある。本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、
最上流部のハニカムヒーターを隣接する下流部のハニカ
ムヒーターより低温着火特性とした多段ハニカムヒータ
ーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、導電性のハニカム構造体からなる
複数個のハニカムヒーターが排ガスの流路方向に沿って
配置されてなる多段ハニカムヒーターであって、該複数
個のハニカムヒーターは活性成分として貴金属を含む耐
熱性無機酸化物からなる触媒で被覆され、少なくとも最
上流部のハニカムヒーターの触媒着火温度が隣接する下
流部のハニカムヒータの触媒着火温度よりも低温である
ことを特徴とする多段ハニカムヒーターが提供される。
【0007】本発明において触媒の着火温度とは、一定
量、一定組成の排ガスを実エンジンで発生させ、5〜1
0℃/minの一定速度で排ガスを昇温させ、NOx
CO,HC各々の入口と出口の濃度を測定し転化率を算
出し、転化率50%を示す時の入口ガス温度をT50%
(℃)とし、これを触媒の着火温度と定義する。一般に
ガス量は0.5〜1.5Nm3 /min,A/Fは14
〜19の範囲の任意の点で良いが、通常ストイキオ付近
のA/F=14.6を用いる。又、コールドスタート時
に発生する有害物質としてはHCが問題となっているの
で、HCの着火温度を低温にする様、種々の方法を用い
ることが肝要である。
【0008】本発明において、最上流部のハニカムヒー
ターの触媒着火温度を隣接する下流部のハニカムヒータ
の触媒着火温度よりも低温とする手段としては、触媒
の貴金属の担時量を調節する方法、触媒の貴金属の比
率を調節する方法、触媒の貴金属の種類を調節する方
法、ハニカムヒーターの幾何学的表面積を調節する方
法等がある。具体的には、最上流部のハニカムヒータ
ー上の貴金属の担持量を、隣接する下流部のハニカムヒ
ーター上の貴金属の担持量より多くすること;最上流
部のハニカムヒーター上の触媒の貴金属Rhの含有比率
を、隣接する下流部のハニカムヒーター上の触媒の貴金
属Rhの含有比率より大きくすること;最上流部のハ
ニカムヒーター上の触媒に少なくともPdを含有させる
こと;最上流部のハニカムヒーターの幾何学的表面積
を、隣接する下流部のハニカムヒーターの幾何学的断面
積より大きくすること;等が好ましい。
【0009】また、本発明においては、このような触媒
着火温度の調節に加え、上流側の排ガスによる冷却効果
自体を低減せしめる手段として、ハニカムヒーターの抵
抗及び/又は熱容量を調節することにより、最上流部の
ハニカムヒーターの投入電力/熱容量の値が、隣接する
下流部のハニカムヒーターの投入電力/熱容量の値より
も大きくなるようにすることが好ましい。
【0010】更に、本発明では、ハニカムヒーターが、
抵抗調節機構として、貫通孔軸方向に平行なスリットを
有していることが好ましく、また、ハニカム構造体が、
粉末原料をハニカム状に押出成形し、焼結させたもので
あれば一層好ましい。又、本発明では、複数個のハニカ
ムヒーターが、電気的に直列及び/又は並列に連結され
ていることが好ましい。なお、本発明においてハニカム
構造体とは、隔壁により仕切られた多数の貫通孔を有す
る一体構造をいい、例えば貫通孔の断面形状(セル形
状)は、円形、多角形、コルゲート形等の任意な形状が
使用できる。
【0011】
【作用】本発明の多段ハニカムヒーターは上記のように
構成され、最上流部に配置されたハニカムヒーターの触
媒着火温度を、隣接する下流部の触媒着火温度よりも低
温としたことにより、エンジン作動時の排ガスによって
上流部が冷却されても、上流部のハニカムヒーター上に
担持された触媒を着火温度に到達させることが可能とな
る。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において、最上流部のハニカムヒーターの触媒着火
温度を隣接する下流部の触媒着火温度よりも低温とする
手段の1つとして、まず、最上流部のハニカムヒーター
上に被覆する触媒の貴金属担持量を、隣接する下流部の
ハニカムヒーター上に被覆される触媒の貴金属担持量よ
りも多くする方法がある。触媒活性成分である貴金属の
担持量が多い方が基質の転化率が高く、低温着火特性と
なるこは明きらかである。
【0013】本発明で触媒活性成分として耐熱性無機酸
化物に含まれる貴金属は、白金(Pt)、パラジウム
(Pd)及びロジウム(Rh)のうちの少なくとも1種
の金属であり、Rhに関しては、多段ハニカムヒーター
を構成するハニカムヒーターのいずれかに担持されるよ
うにすることが好ましい。また、Pt、Pdのいずれか
一方又はこの両者を少なくとも最上流部ハニカムヒータ
ーに担持させることが、HCの浄化能向上の点で好まし
い。なお、Rhは他の金属と合金を作り易いので、他の
貴金属と分離して担持されることが好ましい。
【0014】そして、上記貴金属が、具体的には、最上
流部のハニカムヒーターに30〜120g/ft3 、隣
接する下流部のハニカムヒーターに20〜100g/f
3担持されることが好ましい。各々下限値を下回ると
着火特性と耐熱性が低下し、上限値を上回ると着火特性
は向上せず、むしろコスト高の原因となる。また、Rh
は20g/ft3 を超えて添加しても、着火特性の向上
が得られず、コスト高になるので好ましくない。
【0015】また、本発明でハニカムヒーター上に被覆
される触媒は、活性成分として上記貴金属を含む耐熱性
無機酸化物からなるものであるが、この耐熱性無機酸化
物としては、Al23 、TiO2 、SiO2 、ZrO2
等の比較的表面積の大きな(50m2 /g以上)酸化物
又はこれらの複合酸化物を用いる。これらの内、貴金属
との相互作用の点でAl23 、ZrO2の酸化物又は複
合酸化物を用いると触媒の耐久性が向上し好ましい。更
に、耐熱性無機酸化物には、CeO2やLa23 等の希
土類酸化物を含むと、触媒活性のウィンドウ幅が広がり
好ましい。
【0016】本発明において、最上流部のハニカムヒー
ターの触媒着火温度を隣接する下流部の触媒着火温度よ
りも低温とする別の手段としては、ハニカムヒーターの
構造を制御する方法、すなわち最上流のハニカムヒータ
ーの幾何学的比表面積(GSA)を隣接する下流のハニ
カムヒーターの幾何学的比表面積より大きくする方法が
ある。具体的には、最上流部のハニカムヒーターのGS
Aを20〜40cm2/cm3(ヒーター体積1cm3
たり貫通孔内部の全幾何学的表面積(cm2))、隣接す
る下流部のGSAを15〜35cm2/cm3の範囲とす
ることが好ましい。各々の下限値を下回ると着火特性が
低下し、上限値を上回ると圧損や耐熱衝撃性に問題が発
生する。
【0017】ハニカムヒーターのGSAを決める因子と
しては、セルの形状、セル密度、隔壁のリブ厚等がある
が、セル密度としては最上流部のハニカムヒーターを2
00〜800セル/インチ2 、隣接する下流部のハニカ
ムヒーターを100〜600セル/インチ2 とすること
が上記GSAを制御するのに好ましい。リブ厚について
は薄い方が熱容量の点で好ましいが、薄すぎると耐熱衝
撃性に問題が発生するので2〜10milの範囲とする
のが好ましい。
【0018】本発明においては、これらハニカムヒータ
ー上の触媒の貴金属担持量とGSAの両方を調節して、
上流側が排ガスによって冷却されても低温側で触媒が作
動するように、最上流部のハニカムヒーターの触媒着火
温度を制御することが好ましい。また、貴金属担時量、
GSAの調節の他、触媒に含まれる貴金属の比率や種類
の調節により、最上流部及び下流部のハニカムヒーター
の触媒着火温度を制御することも可能である。
【0019】貴金属の比率の調節による触媒着火温度制
御の具体例としては、最上流部のハニカムヒーター上の
触媒の貴金属Rhの含有比率を、隣接する下流部のハニ
カムヒーター上の触媒の貴金属Rhの含有比率より大き
くすることが好適な手段として挙げらる。この場合、R
hとRh以外の貴金属との重量比(Rh/Rh以外の貴
金属)を、最上流部のハニカムヒーターで0.2〜0.
5、下流部のハニカムヒーターで0〜0.5未満とする
ことがコストと性能の面から好ましい。
【0020】貴金属の種類の調節による触媒着火温度制
御の具体例としては、最上流部のハニカムヒーター上の
触媒に少なくともPdを含有させるという手段があり、
この場合、最上流部のハニカムヒーターのPd担持量は
10〜120g/ft3 とすることが好ましい。下流部
のハニカムヒーター上の触媒はPdを含んでもよいが、
最上流部より少量とする。
【0021】また、本発明では、これら触媒着火温度の
制御に加えて、ハニカムヒーターの抵抗及び/又は熱容
量を調節することにより、最上流部のハニカムヒーター
の投入電力/熱容量の値が、隣接する下流部の投入電力
/熱容量の値よりも大きくなるようにし、上流側のガス
による冷却効果自体を低減せしめるような構成をとるこ
とが最も好ましい。
【0022】最上流部のハニカムヒーターの投入電力/
熱容量の値が、隣接する下流部のハニカムヒーターの投
入電力/熱容量の値よりも大きくなるようにするための
抵抗の調節手法としては、本発明を構成する複数個のハ
ニカムヒーターを電気的に直列に連結し、少なくとも最
上流部のハニカムヒータの抵抗を、隣接する下流部のハ
ニカムヒーターの抵抗よりも大きくする方法や、複数個
のハニカムヒーターを電気的に並列に連結し、少なくと
も最上流部のハニカムヒータの抵抗を、隣接する下流部
のハニカムヒーターの抵抗よりも小さくする方法が好適
なものとして挙げられる。
【0023】ハニカムヒーターの抵抗は、開孔率、ハニ
カムヒーターの厚み、材質、気孔率等に関係するので、
これらを適宜調節することによっても所望の抵抗を得る
ことができるが、比較的簡易な工程で作製できるものと
して、ハニカムヒーターの貫通軸方向に平行なスリット
を設ける方法が好ましい。この場合、例えば、大きな抵
抗を得たいときは、スリットの本数を増加し、ハニカム
構造体内部を通過する電流路を長くすることで抵抗を増
すことができる。
【0024】また、最上流部のハニカムヒーターの投入
電力/熱容量の値が、隣接する下流部のハニカムヒータ
ーの投入電力/熱容量の値よりも大きくなるようにする
ための熱容量の調節手法としては、最上流部のハニカム
ヒーターの開孔率を、隣接する下流部のハニカムヒータ
ーの開孔率よりも大きくする方法や、最上流部のハニカ
ムヒーターの体積を、隣接する下流部のハニカムヒータ
ーの体積よりも小さくする方法が好適なものとして挙げ
られるが、その他、材質、気孔率、ウオッシュコート厚
の調節を行ってもよく、またこれら全部を調節すること
も可能である。
【0025】以上の抵抗及び/又は熱容量の調節によ
る、投入電力/熱容量の値の調節手法において、2段ハ
ニカムヒーターの場合は、上流部のハニカムヒーター
と、下流部のハニカムヒーターの投入電力/熱容量の値
の比が1.2〜5倍であることが好ましく、1.5〜
2.5倍であれば更に好ましい。1.2倍未満では、コ
ールドスタート時の上流部のヒーターの冷却を低減でき
ず、一方、5倍を超えると、浄化性能が低下する。ま
た、3段以上の多段ハニカムヒーターの場合は、最上流
部のハニカムヒーターと、これに隣接する下流部(2段
目)のハニカムヒーターの投入電力/熱容量の値の比
が、上記関係になることが必須であるが、3段目以降の
ハニカムヒーターに関しても、多段ヒーター全体の温度
が均一になるように投入電力/熱容量の値を調節する。
【0026】なお、本発明において、投入電力(kw)/熱
容量(J/℃)の値はハニカムヒーター昇温速度を示すもの
であり、それは最上流部のヒーターについて、10〜4
00(℃/sec)であることが好ましい。この値が10(℃/
sec)未満では浄化能が低下し、一方、400(℃/sec)を
超えると電力が大きくなり、システムの電力ロスが大き
い。更に好ましい範囲は15〜100(℃/sec)である。
【0027】以上のように、最上流部に配置されたハニ
カムヒーターの投入電力/熱容量の値を、隣接する下流
部のハニカムヒーターの投入電力/熱容量の値よりも大
きくなるように調節することにより、最上流部のハニカ
ムヒーターの方が下流部のハニカムヒーターより昇温速
度が速くなり、したがって、エンジン作動時の排ガスに
よる上流部の冷却効果自体を低減できるとともに、ヒー
ター全体をはぼ均一に触媒作用温度まで到達させること
ができる。また、上流部をより速く昇温させることによ
って、上流部で発生した触媒反応熱を、下流部の加熱に
積極的に活用できるので、排ガス浄化用のヒーターとし
てより好ましいものとなる。
【0028】本発明で用いるハニカム構造体の構成材料
としては、通電により発熱する材料からなるものであれ
ば制限はなく、金属質でもセラミックス質でもよいが、
機械的強度を考慮すると、金属質のものが好ましい。金
属質の場合、例えば、ステンレス鋼やFe−Cr−A
l、Fe−Cr、Fe−Al、Fe−Ni、W−Co、
Ni−Cr等の組成を有する材料からなるものが挙げら
れる。上記のうち、Fe−Cr−Al、Fe−Cr、F
e−Alが耐熱性、耐酸化性、耐食性に優れ、かつ安価
で好ましい。
【0029】更に、金属質の場合、フォイルタイプに形
成したものも、粉末原料をハニカム状に押出成形し、焼
結して作製したものも用いることができるが、後者のハ
ニカム構造体の方が、工程が簡略で低コスト化が図れる
点で好ましい。また、このように、いわゆる粉末冶金及
び押出成形法を用いて作製したヒーターは、テレスコー
プ現象が生じず、均一な発熱ができる点でも好ましいも
のである。また、ハニカム構造体は、多孔質であっても
非多孔質であってもよいが、多孔質のハニカム構造体の
方が触媒層との密着性が強く熱膨張差による触媒の剥離
が生ずることがほとんどないことから好ましい。
【0030】次に、本発明のハニカム構造体のうち、金
属質ハニカム構造体の製造方法の例を説明する。まず、
所望の組成となるように、例えばFe粉末、Al粉末、
Cr粉末、又はこれらの合金粉末などにより金属粉末原
料を調製する。次いで、このように調製された金属粉末
原料と、メチルセルロース、ポリビニルアルコール等の
有機バインダー、水を混合した後、この混合物を所望の
ハニカム形状に押出成形する。なお、金属粉末原料と有
機バインダー、水の混合に際し、水を添加する前に金属
粉末にオレイン酸等の酸化防止剤を混合するか、あるい
は予め酸化されない処理を施した金属粉末を使用するこ
とが好ましい。
【0031】続いて、押出成形されたハニカム成形体
を、非酸化雰囲気下1000〜1400℃で焼成する。
ここで、水素を含む非酸化雰囲気下において焼成を行な
うと、有機バインダーがFe等を触媒にして分解除去さ
れるので、良好な焼結体を得ることができ好ましい。焼
成温度が1000℃未満の場合、成形体が焼結せず、焼
成温度が1400℃を超えると得られる焼結体が変形す
るため好ましくない。
【0032】次いで、得られたハニカム構造体につい
て、抵抗調節機構を設けることが、比較的均一な昇温特
性を得られることから好ましく、抵抗調節機構として
は、貫通軸方向に平行なスリットが、簡易な工程で設け
られるので好ましい。この金属質ハニカム構造体は、全
体としてその抵抗値が0.001Ω〜0.5Ωの範囲と
なるように形成することが好ましい。また、上記したよ
うにハニカム構造体は多孔質であっても非多孔質もよく
その気孔率は制限されないが、強度特性、耐酸化性、耐
食性、及び触媒層との密着性の点から5〜25%の気孔
率を有することが好ましい。
【0033】本発明の多段ハニカムヒーターは、このよ
うなハニカム構造体に前述した触媒を被覆してなるハニ
カムヒーターが、複数個、電気的に直列及び/又は並列
に連結されたものであり、通電のための少なくとも2個
の電極が、任意のハニカムに構造体に接続される。ま
た、ハニカムヒーター間は導電性の材料で連結され、一
般に、缶体内に絶縁物を介在して保持される。なお、場
合によっては、一方の電極を缶体と接合し、アースとし
て用いることもできる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるもので
はない。
【0035】〔ハニカムヒーターの形成〕平均粒径44
μm以下の純Fe粉末、Cr−30重量%Al合金粉
末、F−50重量%Al粉末、Fe−20重量%B粉
末、及びY23粉末を、Fe−12Cr−10Al−
0.05B−0.5Y23という組成になるように添加
・混合した。更に、この混合物100gあたり、有機バ
インダーとしてメチルセルロース4g、酸化防止剤とし
てオレイン酸1gを添加して押出用坏土を調製し、直径
3.66インチ(92cm)のハニカム成形体を押出成
形により得た。得られたハニカム成形体を、90℃で1
6時間乾燥し、次いで、水素雰囲気下、1325℃の最
高温度で2時間保持して焼結した後、第1図に示すよう
に、貫通孔の軸方向にスリット12を入れて、表1に示
す担体No.A〜Dのハニカムヒーターを形成した。
【0036】
【表1】
【0037】〔触媒の調製〕市販のγ−Al23(BE
T表面積200m2 /g)に硝酸セリウム水溶液をセリ
ア換算で6重量%になるように含浸担持し、600℃で
3時間仮焼してアルミナ−セリア複合酸化物を得た。得
られたアルミナ−セリア複合酸化物を湿式法にて解砕
し、これにセリア粉末をγ−Al23に対し24重量%
添加し、更に貴金属の水溶液を添加した。このスラリー
を120℃で15時間以上乾燥し、更に550℃で3時
間焼成して、貴金属−γAl23−CeO2 複合酸化物
を得た。この複合酸化物は1種類の貴金属を含むもので
ある。次いで、得られた貴金属−γAl23−CeO2
複合酸化物を適量の酢酸存在下で湿式法にて解砕して担
持スラリーを得、これを第1層として表1に示す担体N
o.A〜Dのハニカムヒーターに被覆担持し、120℃
で乾燥後、550℃で3時間焼成した。更に、この第1
層の表面に、第1層に含まれる貴金属と異なる種類の貴
金属を含む第2層を、前述の方法を繰り返して被覆し
た。
【0038】〔多段ハニカムヒーターユニットの形成〕
触媒が被覆されたハニカムヒーターに電極を溶接し、更
に1段目(最上流部)と2段目(下流部)のハニカムヒ
ーター間を導電性の材料で連絡した後、ハニカムヒータ
ーの外周部に絶縁材を備えて缶体の中に収縮し、表2に
示す実施例1〜6及び比較例の多段(2段)ハニカムヒ
ーターユニットを形成した。
【0039】なお、実施例1〜6はすべて1段目のハニ
カムヒーターの触媒着火温度が2段目の触媒着火温度よ
り低温になるように構成したものであるが、実施例1は
貴金属の担持量により、実施例2は貴金属の比率(第1
層/第2層)により、また実施例3は貴金属の種類によ
り、それぞれ触媒着火温度を制御するものである。ま
た、実施例4はGSAにより制御を行うものであり、実
施例5はGSAによる触媒着火温度の制御に加え、スリ
ット本数の差による抵抗調節によって、1段目のハニカ
ムヒーターの投入電力/熱容量の値を2段目のハニカム
ヒーターの投入電力/熱容量の値よりも大きくし、上流
側の排ガスによる冷却効果自体の低減をも行うものであ
る。実施例6は、貴金属の担持量及び種類による触媒着
火温度の制御とともに、体積の差による熱容量の調節に
よって、実施例5と同様に上流側の冷却効果低減を行う
ものである。そして、これら実施例に対し、比較例の多
段ハニカムヒーターは、1段目と2段目のハニカムヒー
ターが同じ特性を有する従来の多段ハニカムヒーターに
対応するものである。
【0040】〔FTP試験〕排気量2400ccの試験
車を用い、床下位置に上記多段ハニカムヒーターを配置
した。なお、多段ハニカムヒーターの下流側には、フラ
ンジを介して、市販の3元触媒(直径3.66インチ、
長さ177mm、体積1.2l)を配置し、多段ハニカ
ムヒーターの前方には、二次空気導入孔を設けた。ま
た、12Vのバッテリーを2個直列にして、24Vの電
圧を多段ハニカムヒーターに印加できるようにした。こ
のような条件の下、FTP(Federal Test Procedure)
に準じて、Bagエミッションを測定した、なお、多段
ハニカムヒーターには、エンジンクランクと実質的に同
時に通電を開始し、1段目(最上流部)のハニカムヒー
ターの中心温度が300℃になるように、オン−オフ制
御で60秒間通電した。また、二次空気はエンジンクラ
ンクと同時に200l/minで導入し、40秒後に導入
停止した。得られた結果を表2に示す。
【0041】〔触媒着火特性〕1段目(最上流部)と2
段目(隣接する下流部)の触媒の着火特性を調べる目的
で、1段目と2段目のハニカムヒーター(触媒付)を別
個にキャンニングし、エンジンの実排ガス(流量1.1
3/min、A/F=14.6)を用い、ガス温度を10
0℃から10℃/minにて定速昇温させて、HCの転化
率が50%に到達した時の入口ガス温度をT50%
(℃)として求めた。得られた結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】上記試験結果より、本発明に係る実施例の
多段ハニカムヒーターの方が比較例のものよりも優れた
浄化能を示すことがわかる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多段ハニ
カムヒーターは、最上流部のハニカムヒーターが隣接す
る下流部のハニカムヒーターより低温着火特性となって
いるので、エンジン作動時の排ガスによって上流側が冷
却されても、上流部のハニカムヒーター上に担持された
触媒は着火温度が確保でき、優れた排ガス浄化能を発揮
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハニカム構造体のスリット形成状態の一例を示
す図である。
【符号の説明】
12 スリット

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性のハニカム構造体からなる複数個
    のハニカムヒーターが排ガスの流路方向に沿って配置さ
    れてなる多段ハニカムヒーターであって、該複数個のハ
    ニカムヒーターは活性成分として貴金属を含む耐熱性無
    機酸化物からなる触媒で被覆され、少なくとも最上流部
    のハニカムヒーターの触媒着火温度が隣接する下流部の
    ハニカムヒータの触媒着火温度よりも低温であることを
    特徴とする多段ハニカムヒーター。
  2. 【請求項2】 複数個のハニカムヒーターが、電気的に
    直列及び/又は並列に連結されている請求項1記載の多
    段ハニカムヒーター。
  3. 【請求項3】 最上流部のハニカムヒーター上の貴金属
    の担持量が、隣接する下流部のハニカムヒーター上の貴
    金属の担持量より多い請求項1又は2記載の多段ハニカ
    ムヒーター。
  4. 【請求項4】 最上流部のハニカムヒーターの幾何学的
    表面積が、隣接する下流部のハニカムヒーターの幾何学
    的断面積より大きい請求項1又は2記載の多段ハニカム
    ヒーター。
  5. 【請求項5】 ハニカムヒーターの抵抗及び/又は熱容
    量を調節することにより、最上流部のハニカムヒーター
    の投入電力/熱容量の値が、隣接する下流部のハニカム
    ヒーターの投入電力/熱容量の値よりも大きくなるよう
    にした請求項1ないし4のいずれかに記載の多段ハニカ
    ムヒーター。
  6. 【請求項6】 ハニカムヒーターが、抵抗調節機構とし
    て、貫通孔軸方向に平行なスリットを有している請求項
    1ないし5のいずれかに記載の多段ハニカムヒーター。
  7. 【請求項7】 ハニカム構造体が、粉末原料をハニカム
    状に押出成形し、焼結させたものである請求項1ないし
    6のいずれかに記載の多段ハニカムヒーター。
JP4202062A 1992-07-29 1992-07-29 多段ハニカムヒーター Expired - Fee Related JP3058992B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4202062A JP3058992B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 多段ハニカムヒーター
US08/091,917 US5465573A (en) 1992-07-29 1993-07-16 Multi-stage honeycomb heater

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4202062A JP3058992B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 多段ハニカムヒーター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0650136A true JPH0650136A (ja) 1994-02-22
JP3058992B2 JP3058992B2 (ja) 2000-07-04

Family

ID=16451317

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4202062A Expired - Fee Related JP3058992B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 多段ハニカムヒーター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3058992B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017136577A (ja) * 2016-02-05 2017-08-10 トヨタ自動車株式会社 電気加熱式触媒
JP2018053897A (ja) * 2013-03-22 2018-04-05 日本碍子株式会社 還元剤噴射装置、排ガス処理装置及び排ガス処理方法
WO2019171928A1 (ja) * 2018-03-08 2019-09-12 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 加熱ユニット
JP2020027766A (ja) * 2018-08-14 2020-02-20 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 熱媒体加熱装置及び車両用空調装置
CN114761117A (zh) * 2019-12-04 2022-07-15 托普索公司 通过电阻加热进行加热的原料气的吸热反应

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018053897A (ja) * 2013-03-22 2018-04-05 日本碍子株式会社 還元剤噴射装置、排ガス処理装置及び排ガス処理方法
JP2017136577A (ja) * 2016-02-05 2017-08-10 トヨタ自動車株式会社 電気加熱式触媒
WO2019171928A1 (ja) * 2018-03-08 2019-09-12 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 加熱ユニット
JP2019157670A (ja) * 2018-03-08 2019-09-19 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 加熱ユニット
JP2020027766A (ja) * 2018-08-14 2020-02-20 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 熱媒体加熱装置及び車両用空調装置
WO2020036017A1 (ja) * 2018-08-14 2020-02-20 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 熱媒体加熱装置及び車両用空調装置
CN114761117A (zh) * 2019-12-04 2022-07-15 托普索公司 通过电阻加热进行加热的原料气的吸热反应

Also Published As

Publication number Publication date
JP3058992B2 (ja) 2000-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5465573A (en) Multi-stage honeycomb heater
JP2848970B2 (ja) ハニカムヒーター及び触媒コンバーター
JP3506747B2 (ja) ハニカムヒーター
EP0638710B2 (en) Adsorbent for purification of automobile exhaust gas and method of controlling emission of unburnt hydrocarbons from internal combustion engine
JP2931362B2 (ja) 抵抗調節型ヒーター及び触媒コンバーター
JP3001281B2 (ja) ハニカムモノリスヒータ
US5288975A (en) Resistance adjusting type heater
JP2818473B2 (ja) 自動車排ガス浄化用触媒コンバーター装置及び自動車排ガスの浄化方法
US5234668A (en) Catalytic converter for use in automotive exhaust emissions control
JPH06233918A (ja) 排ガス浄化用触媒
US5229079A (en) Catalytic converter for use in automotive exhaust emission control
EP0875668B1 (en) Honeycomb heater
JPH08273805A (ja) 通電発熱可能なハニカム体
JP3058995B2 (ja) ハニカムヒーター
US5680503A (en) Honeycomb heater having a portion that is locally quickly heated
EP0465184B1 (en) Resistance adjusting type heater, catalytic converter and method of operating catalytic converter
US5194229A (en) Resistance heater, catalytic converter and method of operating catalytic converter
JP3058992B2 (ja) 多段ハニカムヒーター
US5649049A (en) Honeycomb heater having large hydraulic diameter orifices to narrow current flow
EP0465183B1 (en) Catalytic converter with resistance heater
JP3058991B2 (ja) 多段ハニカムヒーターおよびその運転方法
JP3145166B2 (ja) 抵抗調節型ヒーター
JP2818477B2 (ja) 自動車排ガス浄化用触媒コンバーター
JPH10325314A (ja) 抵抗調節型ヒーター及び触媒コンバーター
JP3091201B2 (ja) 自動車排ガス浄化用触媒コンバーター

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000321

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090421

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees