JPH064949B2 - 非木材パルプ用ソーダ回収方法 - Google Patents

非木材パルプ用ソーダ回収方法

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JPH064949B2
JPH064949B2 JP21835889A JP21835889A JPH064949B2 JP H064949 B2 JPH064949 B2 JP H064949B2 JP 21835889 A JP21835889 A JP 21835889A JP 21835889 A JP21835889 A JP 21835889A JP H064949 B2 JPH064949 B2 JP H064949B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、パルプ蒸解廃液(黒液ともいう)から酸化鉄
を苛性化剤および流動化媒体として苛性ソーダを回収す
る直接苛性化法流動床方式において、パルプ原料として
バガス(甘庶を圧搾して糖汁を抽出する際に生じる繊維
質廃物)などの非木材を用い、非木材パルプ廃液中に含
まれるシリカ(SiO2)を、この廃液(黒液)中にCO2ガス
を吹き込むことにより除去し、濃縮工程を経て、流動床
式回収ボイラに供給する非木材パルプ用ソーダ回収方法
に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、木材チップを蒸解したときに発生するパルプ蒸解
廃液(以下、パルプ廃液という)から苛性ソーダを回収
する場合、石灰法が実用化されている。しかしこの石灰
法は工程が複雑であり、また廃物を生じるので臭気対
策、排水対策が必要であり、苛性化率が悪いなどの欠点
を有していた。
これらの欠点を解消するために、特公昭51-12724号公報
に示されるように、繊維素物質の蒸解および漂白工程よ
り排出される実質的に硫黄化合物を含まないアルカリ廃
液を、濃縮後酸化鉄を加えて燃焼せしめ、得られた鉄酸
ソーダ(鉄酸ナトリウム)を水中に投入して抽出水溶液
として直接苛性ソーダを回収するとともに、抽出残渣と
して得られた酸化鉄を循環再使用する方法が提案されて
いる。この方法では、アルカリ廃液からの苛性ソーダと
生成は、おそらく廃液の燃焼によって廃液中に含まれて
いた有機物は分解し、生成物として得られた炭酸ソーダ
および/または酸化ソーダが下記の(1)式および(2)式の
如く酸化鉄と反応して鉄酸ソーダを生成し、これを水中
で処理することによって(3)式の如く、苛性ソーダと酸
化鉄が得られるものと考えられる。
Na2CO3+Fe2O3→Na2Fe2O4+CO2 (1) Na2O+Fe2O3→Na2Fe2O4 (2) Na2Fe2O4+H2O→2NaOH+Fe2O3 (3) また、上記の直接苛性化法における酸化鉄と炭酸ソーダ
および/または酸化ソーダとの反応を流動床にて実施す
る技術が、特開昭59-162128号公報、特開昭62-268886号
公報に開示されている。
しかし、以上のソーダ回収方法は、すべて木材をパルプ
原料としたものを対策としている。
一方、バガス、稲ワラなどの1年生非木材をパルプ原料
としたものからのソーダ回収については、不純物として
含まれるシリカの除去が必要であり、種々の方法が検討
されている。主な技術としては、パルプ廃液に炭素ガス
を吹き込むことにより、シリカを沈殿させて除去するも
のが知られている。(特開昭58-166983号公報、特表昭5
8-500719号公報参照)。
硫黄を用いない蒸解薬剤を使用するソーダパルプ法は、
非木材からの紙製造として、紙質面で適した方法である
が、その薬液回収については、非木材が含有するSiO2
引き起こす種々のトラブルのため、殆ど実施されておら
ず、また、酸化鉄を苛性化剤とする直線苛性化技術薬液
回収は、従来実施されていなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
非木材からのパルプ製造は、一般に、亜熱帯、熱帯地域
の諸国で実施されている。これらの諸国は、森林資源に
恵まれないこと、あるいは、開発途上国が多く、木材パ
ルプ輸入に際し十分な外資を持ち合わせないことなどに
より、こうした製造法が検討されている。
また、近年、森林資源の枯渇による地球的な環境問題が
話題となっており、森林資源の保護の観点からも、非木
材からのパルプ製造は注目されている。
非木材パルプからの紙製造を経済的に実施し、環境への
薬品の投棄を減少させるには、薬品の回収が必要である
が、非木材が含有するシリカのため、下記の点で問題が
あった。
(1) 黒液濃縮エバポレータでスケールが析出する。
(2) スメルト(炭酸ソーダの溶けたもの)の粘度増加
によるスメルトスパウトでの滞留・閉塞などのトラブル
が発生する。
(3) 石灰キルンでの塊状物生成によるキルントラブル
が発生する。
以上のトラブルに対処するためには、黒液からシリカを
除去する必要があり、種々の脱シリカ法が検討されてき
た。主なものは、前述のように、炭酸ガス(ボイラ排ガ
ス)を吹き込む方法であるが、つぎの理由により実施さ
れていなかった。
(1) 脱シリカ工程を付加することにより、工程が増
え、ソーダ回収の経済的メリットがでなくなる。
(2) ボイラ排ガスを吹き込む工程を付加することによ
り、プロセスが複雑となる。とくに、亜熱帯地方などの
開発途上国では、運転しやすいプロセスが好まれる。
また、直線苛性化法におけるソーダ回収ボイラからの排
ガスをCO2源とする場合、排ガス中に含まれる鉄酸ソー
ダが、脱シリカ工程に同伴し、CO2吹き込みの効果が発
揮されない。すなわち、pH低減が必要であるのに、鉄酸
ソーダが加水分解して苛性ソーダとなるため、十分な効
果が得られない等の問題があった。
本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので直接苛性化法
流動床ソーダ回収方式において、パルプ原料としてバガ
スなどの非木材を用い、非木材パルプ廃液中に含まれる
シリカを、この廃液中にCO2ガス源として、バガスのピ
ス(髄)を燃焼させるピスボイラの排ガスを使用し吹き
込むことにより除去するようにした非木材パルプ用ソー
ダ回収方法を提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段および作用〕
上記の目的を達成するために、本発明の非木材パルプ用
ソーダ回収方法は、第1図に示すように、パルプ原料を
蒸解するときに排出されるパルプ廃液を濃縮した後、酸
化鉄を苛性化剤および流動化媒体とする流動床式回収ボ
イラ6で燃焼せしめ、ついで生成物である鉄酸ソーダを
水中に投入して苛性ソーダおよび酸化鉄を回収し、酸化
鉄を流動床式回収ボイラ6へ循環する直線苛性化方式の
ソーダ回収方法において、パルプ原料として、バガス、
タケ、エスパルト、アシ、麦ワラ、稲ワラからなる1群
中より任意に選んだ非木材を用い、この非木材を脱ピス
処理した後、蒸解してパルプ原料を得、一方、脱ピス処
理により分解されたピスをピスボイラ3に導入して燃焼
せしめ、このピスボラの燃焼排ガス、蒸解に際し排出さ
れたパルプ廃液(希黒液)とを接触させて、パルプ廃液
中のシリカ分を沈殿させ分離・除去し、ついで濃縮した
後、濃パルプ廃液(濃黒液)を前記流動床式回収ボイラ
6へ供給することを特徴とするものである。
そして、ピスボイラ3の助燃用として、硫黄分の少ない
燃料を使用するのが望ましい。
石灰キルンによる従来のソーダ回収方法に比較して、酸
化鉄を苛性化剤とする直接苛性化技術によるソーダ回収
方法は、経済的なメリツトを有している。したがって、
石灰法ソーダ回収プロセスでは、経済的に問題であった
脱シリカ法付加プロセスが、直接苛性化法では、コスト
的に見合うレベルとなる。
ボイラ排ガスを吹き込む脱シリカ法は、炭酸ガスによる
黒液のpH低減を基本とするものであるが、流動床方式ソ
ーダ回収の場合、煙道にアルカリ性のダストが同伴する
ので、当該ガスを吹き込んでも効果的なpH低減を期待で
きない。
バガスからのパルプ製造に際しては、シリカなどの不純
物の含有量の高いピス(pith、髄)を除去し(脱ピ
ス)、繊維部分を蒸解するのが通例で、ピスはビスボイ
ラで燃焼して蒸気回収を図り、脱シリカのCO2源とし
て、ピスボイラの燃焼排ガスを用いる。
このようにして、流動床のアグロメレーションなどの原
因となるシリカを、黒液から予め問題のないレベルまで
除去し、濃縮した後、流動床式回収ボイラに投入し、蒸
気およびソーダ分を回収する。
また、蒸解工程では、硫黄化合物を含有しない蒸解薬剤
を使用する。この方法の一例として、ソーダ・AQ法、
過酸化水素・アルカリ性、酸素・アルカリ法などを挙げ
ることができる。
なお、バガスなどの非木材としては、SiO2含有量3wt%
以下のものを用いるのが望ましい。
〔実 施 例〕
以下、第1図を参照して本発明の好適な実施例を詳細に
説明する。ただしこの実施例に記載されている構成装置
の相対配置などは、とくに特定的な記載がない限りは、
本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではな
く、単なる説明例にすぎない。
第1図は、非木材としてバガスを使用する場合を示して
いる。バガスを脱ピス装置1で処理してSiO2含有量の高
いピス(髄)部分を除去した後、蒸解装置2で硫黄化合
物を含有しない薬剤で処理して蒸解し、パルプを得る。
脱ピス装置1で除去されたピスは、ピスボイラ3で燃焼
され、蒸気が回収される。
蒸解装置2からの希黒液は脱シリカ装置4に導入され、
ここでピスボイラ3からのボイラ燃焼排ガスと直接接触
させられる。なお、ピスボイラ3からの排ガス中に硫黄
化合物が含まれると好ましくないので、ピスボイラ3の
助燃用燃料は、硫黄分の少ない燃料を使用しなければな
らない。希黒液は燃焼排ガス中のCO2によりpHが下が
り、希黒液中のシリカ(SiO2)が沈殿するので、これを
分離・除去する。
脱シリカされた希黒液は、薄膜式エバポレータ、ディス
クエバポレータなどの濃縮装置5に導入されて濃縮され
た後、この濃黒液は流動床式回収ボイラ6に供給され
る。この流動床式回収ボイラ6には、粒状鉄鉱石などの
粒状酸化鉄が供給される。流動床の層温度は900〜1100
℃、望ましくは950〜1000℃とし、Fe/Naは1.0以上とな
るようにする。流動層形成材としては、高純度鉄鉱石
(Fe2O3)を粒状としたもの、または粉状のものを造粒
したものが用いられる。
流動床式回収ボイラ6からの鉄酸ソーダは、水を満たし
た苛性化装置7に投入されて、苛性ソーダ水溶液と回収
酸化鉄とに抽出・分離される。回回酸化鉄は、必要に応
じて一部または全部を造粒した後、流動床式回収ボイラ
6に循環され、回収苛性ソーダ水溶液は蒸解装置2に循
環される。
回収酸化鉄は、通例乾燥後、造粒工程あるいはそのまま
流動床式回収ボイラ6に循環させられるが、乾燥、造粒
工程の図示を省略している。
〔発明の効果〕
本発明は上記のように構成されているので、つぎのよう
な効果を奏する。
(1) ピスボイラからの燃焼排ガスを、脱シリカのCO2
とすることにより、非木材を原料とするパルプ製造と、
直接苛性化法流動床ソーダ回収とを経済的よく組み合わ
せて実施することができる。
(2) (1)のようにシステム化することにより、熱帯、亜
熱帯諸国(インドネシア、タイ、インド、エジプト、中
国など)に対する非木材を原料とするソーダ回収可能な
パルプ製造プロセスの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の非木材パルプ用ソーダ回収方法を実施
する装置の一例を示す説明図である。 1…脱ピス装置、2…蒸解装置、3…ピスボイラ、4…
脱シリカ装置、5…濃縮装置、6…流動床式回収ボイ
ラ、7…苛性化装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルプ原料を蒸解するときに排出されるパ
    ルプ廃液を濃縮した後、酸化鉄を苛性化剤および流動化
    媒体とする流動床式回収ボイラで燃焼せしめ、ついで生
    成物である鉄酸ソーダを水中に投入して苛性ソーダおよ
    び酸化鉄を回収し、酸化鉄を流動床式回収ボイラへ循環
    する直接苛性化方式のソーダ回収方法において、パルプ
    原料として、バガス、タケ、エスパルト、アシ、麦ワ
    ラ、稲ワラからなる1群中より任意に選んだ非木材を用
    い、この非木材を脱ピス処理した後、蒸解してパルプ原
    料を得、一方、脱ピス処理により分離されたピスをピス
    ボイラに導入して燃焼せしめ、このピスボイラの燃焼排
    ガスと、蒸解に際し排出されたパルプ廃液とを接触させ
    て、パルプ廃液中のシリカ分を沈殿させ分離・除去し、
    ついで濃縮した後、濃パルプ廃液を前記流動床式回収ボ
    イラへ供給することを特徴とする非木材パルプ用ソーダ
    回収方法。
  2. 【請求項2】ピスボイラの助燃用として、硫黄分の少な
    い燃料を使用することを特徴とする請求項1記載の非木
    材パルプ用ソーダ回収方法。
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