JPH064870Y2 - 食器洗浄機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ．産業上の利用分野 この考案は、食器洗浄機に関し、特に噴射穴から噴射す
る洗浄水の反作用により回転する噴射ノズルを備えた食
器洗浄機に関するものである。

ｂ．従来の技術 第４図は従来の食器洗浄機の噴射ノズルの一例を示す要
部断面図、第５図は第４図の要部拡大図であり、羽根状
の噴射ノズル１は、ほぼ凹状の表カバー２とほぼ凹状の
裏カバー３との周縁部４，５同士が固着されてその内部
に空洞部６が形成されている。噴射ノズル１は、その中
央部に回転フランジ部７が設けられ、また回転フランジ
部７の両側の裏カバー３に間隔を置いて複数個の噴射穴
８が形成されている。この噴射ノズル１は、すすぎ用の
温水が通る内管10と洗剤入りの洗浄水が通る外管11との
二重構造からなるノズル支持体12に回転自在に支持され
ている。

ノズル支持体12には半径方向に突出した一対の押さえ部
９が形成されている。この両押さえ部９の間に突円環状
の回転フランジ部７がワッシャ13を介して遊嵌してい
る。摩擦係数の小さい材質からなるワッシャ13は、回転
フランジ部７の水平部7aと押さえ部９の水平部9aとの間
に位置しており、噴射ノズル１の回転を円滑にする役目
をしている。なお、符号14は食器を洗剤で洗浄後食器
（図示せず）に向けて温水を噴射するすすぎ用噴射ノズ
ルを示すものである。

従来の食器洗浄機は上記のように構成され、洗浄ポンプ
（図示せず）から圧送された洗剤入りの洗浄水は、送液
管15から開口部16を通って噴射ノズル１に送られ、噴射
穴８から食器かご（図示せず）内の食器に向けて噴射さ
れる。このとき、洗浄水が噴射穴８から噴射されるとき
の反作用により噴射ノズル１には回転力が付与され、そ
の結果噴射ノズル１は回転フランジ部７を中心に回転さ
れ、洗浄水は食器全体に噴射される。そして、噴射ノズ
ル１が回転している時、ワッシャ13は、押さえ部９およ
び回転フランジ部７の水平部7aに対して相対的な回転運
動をしている。

ｃ．考案が解決しようとする問題点 上記のような従来の食器洗浄機においては、ワッシャ13
は押さえ部９、回転フランジ部７の両水平部9a,7aしか
保護しておらず、噴射ノズル１が回転する時に、回転フ
ランジ部７の垂直部7bがノズル支持体12と直接接触する
ので、噴射ノズルの回転に伴い垂直部7bが摩耗により破
損してしまい、洗浄水が噴射穴以外から噴射して、洗浄
能力が低下してしまうという問題があった。

また、ワッシャ13は非常に小さくかつ薄いものなので、
掃除の際、ワッシャ13の破損・紛失・取り付け忘れ等が
頻繁に起こるという問題点もあった。

この考案は、かかる問題点を解決するためになされたも
ので、回転フランジ部７、ノズル支持体12の摩耗を抑え
ることができる等の食器洗浄機を得ることを目的とす
る。

ｄ．問題点を解決するための手段 この考案に係る食器洗浄機は、噴射ノズル１の回転フラ
ンジ部７とノズル支持体12との間に設けられ噴射ノズル
１の回転を円滑にするよう前記回転フランジ部７の水平
部7aおよび垂直部7bを被うようにした円筒状のノズルホ
ルダ20は、噴射ノズル１の回転フランジ部７に固定手段
により固定されているものである。

ｅ．作用 この考案においては、回転フランジ部７の水平部7a、垂
直部7bがノズルホルダ20により被われているので、噴射
ノズルの回転中、その水平部7a、垂直部7bがノズル支持
体12による直接摺動摩擦を受けることはない。

ｆ．実施例 以下、この考案の実施例を図について説明する。第１図
ないし第３図はこの考案の一実施例を示すもので、第４
図、第５図と同一または相当部分は同一符号を付し、そ
の説明は省略する。

図において、回転フランジ部７の上部、下部にはそれぞ
れ断面Ｔ字状をした円筒状のノズルホルダ20が設けられ
ている。摩擦係数の小さい材料からなるノズルホルダ20
の端部には溝部21が形成されており、この溝部21に回転
フランジ部７の半径方向に突出した凸部22が係合して、
噴射ノズル１とノズルホルダ20との間の相対的な回転は
防止されている。また、ノズルホルダ20は回転フランジ
部７にしまりばめにより嵌合されて回転フランジ部７と
ノズルホルダ20とは一体化されている。

このように構成された食器洗浄機においては、回転フラ
ンジ部７の水平部7a、垂直部7bがノズルホルダ20により
被われているので、噴射ノズル１が回転フランジ部７を
中心に回転している時、水平部7a、垂直部7bが直接摺動
摩擦を受けることはなくなり、回転フランジ部７の摩耗
破損は起こらない。

また、回転フランジ部７はノズルホルダ20により保護さ
れて補強されているので、非常に精密な工作により作ら
れた回転フランジ部７がノズル支持体12に取り付ける時
に、タンク（図示せず）等の部品に触れて損傷するよう
なことはない。

さらに、回転フランジ部７とノズルホルダ20とは一体化
しているので、例えば掃除の際にノズルホルダ20の紛失
・破損等は起こらない。

なお、ノズルホルダ20を回転フランジ部７に固定する固
定手段は、回転フランジ部７に溝部を形成し、またノズ
ルホダル20に凸部を突設し、この凸部を前記溝部に係合
し、そしてノズルホルダ20を回転フランジ部７にしまり
ばめにより嵌着してなるものでもよい。

また、食器洗浄機の下部に設けられ上方に洗浄水が噴射
される噴射ノズルにもこの考案を適用することができ
る。

さらに、この考案はすすぎ用噴射ノズル14とノズル支持
体12との間にも適用することができる。

ｇ．考案の効果 以上説明したように、この考案によれば、噴射ノズル１
の回転フランジ部７とノズル支持体12との間に、噴射ノ
ズル１の回転を円滑にするように回転フランジ部７の水
平部7a、垂直部7bを被うようにした円筒状のノズルホル
ダ20を回転フランジ部７に固定して設けたので、噴射ノ
ズル１の回転に伴う回転フランジ部７のノズル支持体12
との直接摺動摩耗を無くすることができ、摩耗による破
損で噴射穴８以外の所から洗浄水が噴射して洗浄能力が
低下するという虞はない。

また、ノズルホルダ20を噴射ノズル１の回転フランジ部
７に固定手段により固定したことにより、回転フランジ
部７はノズルホルダ20により保護されており、非常に精
密な工作により作られた回転フランジ部７がノズル支持
体12に取り付ける時に、タンク等の部品に触れて損傷す
るようなことはなく、また例えば掃除の際にノズルホル
ダ20の紛失・破損等は起こらないという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す全体斜視図、第２図
は第１図のII-II線に沿う断面図、第３図は第２図の要
部拡大図、第４図は従来の食器洗浄機の噴射ノズルの一
例を示す要部断面図、第５図は第４図の要部拡大図であ
る。 １……噴射ノズル、７……回転フランジ部、 7a……水平部、7b……垂直部、 ８……噴射穴、12……ノズル支持体、 20……ノズルホルダ。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】突円環状の回転フランジ部(7)を有すると
   共に複数個の噴射穴(8)から噴射する洗浄水の反作用に
   より回転する噴射ノズル(1)と、この噴射ノズル(1)に洗
   浄水を供給すると共に噴射ノズル(1)を回転自在に支持
   するノズル支持体(12)とを備えている食器洗浄機におい
   て、前記回転フランジ部(7)と前記ノズル支持体(12)と
   の間に設けられ前記噴射ノズル(1)の回転を円滑にする
   よう前記回転フランジ部(7)の水平部(7a)および垂直部
   (7b)を被うようにした円筒状のノズルホルダ(20)を有し
   ているとともに、このノズルホルダ(20)は噴射ノズル
   (1)の回転フランジ部(7)に固定手段により固定されてい
   ることを特徴とする食器洗浄機。
2. 【請求項２】固定手段は、ノズルホルダ(20)の端部に形
   成された溝部(21)に回転フランジ部(7)の内周壁に突設
   された凸部(22)が係合され、かつノズルホルダ(20)が回
   転フランジ部(7)にしまりばめにより嵌着されてなる実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の食器洗浄機。
3. 【請求項３】固定手段は、回転フランジ部(7)に形成さ
   れた溝部にノズルホルダ(20)に突設された凸部が係合さ
   れ、かつノズルホルダ(20)が回転フランジ部(7)にしま
   りばめにより嵌着されてなる実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の食器洗浄機。