JPH0648704B2 - 電子デバイスの試験方法および試験装置 - Google Patents

電子デバイスの試験方法および試験装置

Info

Publication number
JPH0648704B2
JPH0648704B2 JP60252015A JP25201585A JPH0648704B2 JP H0648704 B2 JPH0648704 B2 JP H0648704B2 JP 60252015 A JP60252015 A JP 60252015A JP 25201585 A JP25201585 A JP 25201585A JP H0648704 B2 JPH0648704 B2 JP H0648704B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary electron
substrate
voltage
substrate voltage
electron signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP60252015A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62112336A (ja
Inventor
正浩 吉沢
章 菊池
康 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP60252015A priority Critical patent/JPH0648704B2/ja
Publication of JPS62112336A publication Critical patent/JPS62112336A/ja
Publication of JPH0648704B2 publication Critical patent/JPH0648704B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tests Of Electronic Circuits (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Testing Of Individual Semiconductor Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、VLSI等の電子デバイスを、荷電ビームを
用いて検査する電子デバイスの試験方法および試験装置
に関するものである。
〔従来の技術〕
VLSI等の微細な電子デバイスの製造工程では、レジ
スト、配線幅などの寸法管理とともに、レジストの残
り、配線形成時などのエッチングの残り等のパタン形成
における欠陥の検出が重要であり、従来は走査電子顕微
鏡あるいは測長装置を用いて観察を行っていた。上記の
ような走査電子顕微鏡を用いてパタン寸法を測定する装
置としては、例えば特公昭59-761号に示された装置があ
る。上記装置は、試料の走査線あるいは二次信号波形に
重ねて2つの可動位置マーカを表示させ、マーカ信号の
発生間隔からマーカ間の距離を算出するものである。上
記方式では、まず二次元走査による走査像を見ながら測
定者が測定したい位置にくるようにマーカの位置を調節
したのち、上記マーカ間隔と倍率とから距離を算出する
構成になっている。従来の走査電子顕微鏡では、偏向器
に加える走査信号と同期してブラウン管に走査信号を加
えて、二次電子信号の変化を表示することにより二次電
子像を得ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術では、パタン検査を行い設計パタンと異な
る欠陥があることが判明しても、二次電子信号量の大小
とパタンの凹凸は必ずしも一致しないので、その欠陥が
レジスト残り、エッチング残りであるのか、あるいは薄
膜が残っていて一部分だけがエッチングされているのか
等の区別をすることが難しい。これらは、膜厚、エッチ
ング時間等のプロセスデータから類推して経験的に判断
を下していた。このため欠陥の原因解析やその対処に手
間がかかるという欠点があった。
また、あるパタンを観察する場合、観察パタンの形状が
あらかじめ判っているときには、上記形状から、どちら
がラインでどちらがスペースかを識別することが可能で
ある。しかし従来方法では、現在観察している位置が設
計パタンのどの場所に相当するのか判らない場合や、ラ
インとスペースの間隔がほぼ等しい場合には、区別する
ことができない。上記場合には、測定している加速電圧
での二次電子信号量の大小だけでラインかスペースかを
判断しなければならない。しかし上記二次電子信号量の
大小は、照射時間等によって変る場合や、材質による差
がほとんどない場合もある。このような時に、従来法で
は区別できないという欠点があった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、従来欠陥検査に使われていた寸法測定装置、
走査電子顕微鏡すなわち電子ビームを走査させて照射す
る手段と、二次電子を検出する手段と、二次電子信号量
の走査信号に対する変化を検出する手段をもち、二次電
子信号像を表示する構成に加えて、電子ビームが照射さ
れたときに基板のチャージアップを抑制する電圧を印加
する手段と、上記抑制電圧の変化に対する二次電子信号
量の変化を検出する手段とを設け、電子デバイスの製造
途中でレジストや薄膜のエッチング残り等のパタンの欠
陥およびその原因を、検査することができる電子デバイ
スの試験方法および試験装置を得るようにしたものであ
る。
〔作用〕 上記構成による電子デバイス試験装置において、基板の
チャージアップを抑制し、荷電ビームを基板上で走査し
て二次電子検出を行い、場所による二次電子信号量の変
化を参照パタンデータと比較することにより、上記パタ
ンの欠陥個所を検出し、ついで上記欠陥個所の二次電子
信号量の基板電圧依存性を測定し、上記依存性をデータ
ベースに貯えられている二次電子信号量の基板電圧依存
性と比較し、上記欠陥個所の材料を特定する。上記試験
方法は、抑制電圧例えば基板電圧に対する二次電子信号
量が材料により特有の特性を持っていることを利用した
ものであるが、従来、上記特性を電子デバイスの検査に
用いるという考えはなかったものである。
〔実施例〕
つぎに本発明の実施例を図面とともに説明する。第1図
は本発明による電子デバイスの試験装置における一実施
例を示す構成図、第2図は上記試験装置の他の実施例を
示す構成図、第3図は基板電圧の効果を示し、(a)は
基板電圧0V、(b)は基板電圧9Vの場合をそれぞれ
示す図、第4図はチャージアップ防止に最適な基板電圧
を求めるフローチャートを示す図、第5図はパタン検出
の工程を示す図で、(a)はパタン形状、(b)は二次
電子信号量の変化、(c)は材質による基板電圧依存性
をそれぞれ示す図、第6図は二次電子信号量の基板電圧
依存性の一例を示す図で、加速電圧を(a)は0.7kV、
(b)は0.8kV、(c)は0.9kV、(d)は1kVとした場
合をそれぞれ示す図、第7図は二次電子信号量の基板電
圧依存性の変化を示す図で、(a)はSiO上の孤立
Alパタン、(b)はSiOの抜きパタンがある場合を
それぞれ示す図、第8図は規格化した二次電子信号量の
基板電圧依存性を示す図、第9図はウェハ上方に電極を
設置して電極に逆バイアス電圧を印加する場合を示す構
成図、(a)は電子光学鏡筒の下に電極を設けた場合、
(b)は電極の一部がメッシュ状に形成されている場合
をそれぞれ示す図である。
第1図において、図示していない電子銃から発生した電
子ビーム1は、偏向電極2および対物レンズ3を経てス
テージ5上に装填された電子デバイスの基板4を照射す
る。6は上記基板4に電圧(基板電圧)を印加するため
の基板電圧電源である。上記基板電圧電源6は基板4の
チャージアップを抑制するために使われる。電子ビーム
1を照射することにより、上記基板4から発生した二次
電子を二次電子検出器7で検出し、増幅器8に入力す
る。電子ビーム1の照射は偏向電極2に加える電圧を変
化することによって基板4上を走査する。第1図には1
組の偏向電極2しか図示していないが、X、Yの2方向
に偏向するために実際には2組の偏向電極を用いる。本
実施例は基板電圧に対する二次電子信号量の変化をブラ
ウン管9に表示する装置構成例を示している。電子ビー
ム1の走査信号は走査信号発生器10で発生し、偏向アン
プ11および倍率設定回路12を介して偏向電極2に加え
る。これと同時に、走査信号をドライブアンプ13を介し
てブラウン管9に入力している。ブラウン管9のX軸入
力は上記走査信号か、基板電圧かをスイッチで切換える
ようにしてある。上記ブラウン管9はX−Yレコーダで
あってもよく、X軸に走査信号か基板電圧、Y軸に二次
電子信号量(増幅器8の出力)を入力している。
第2図は本発明による電子ビーム試験装置の他の実施例
図であり、制御計算機14により基板電圧等を制御して欠
陥検査を行う装置構成例である。二次電子検出器7の出
力信号は増幅器8およびADコンバータ15を介して制御
計算機14に入力している。また制御計算機14からDAコ
ンバータ16により基板電圧を供給する構成になってい
る。また偏向電極2に加える偏向電圧はDAコンバータ
17および電源増幅器18を用いて設定する。19は表示装置
であり、走査信号に対する二次電子信号量の変化、ある
いは基板電圧に対する二次電子信号量の変化を表示す
る。20はデータベースであり、種々の材質およびその組
合わせ、加速電圧、面積比に対して、二次電子信号量の
加速電圧依存性がメモリしてある。上記データベース20
と実測のデータとを、後述するように比較して検査を行
う。またデータベース20として、あらかじめ二次電子信
号量の基板電圧依存性を測定しておく場合、種々の材質
およびその組合わせ、面積比、加速電圧をパラメータと
しておくことが望ましい。
本発明の試験方法は概略つぎのような工程で行う。
(1)基板のチャージアップを制御する。
(2)電子ビームを基板上で走査させ、二次電子を検出
する。
(3)場所による二次電子信号量の変化と、該信号量の
変化に対応するデータと比較して欠陥個所を検出する。
さらに必要があれば以下の試験を行う。
(4)欠陥個所の二次電子信号量の基板電圧依存性と同
じ条件について、あらかじめデータベースにたくわえら
れている二次電子信号量の基板電圧依存性を比較する。
(5)欠陥個所の材料を特定する。
上記の基本工程に対して、二次電子信号量に代えて後述
するところの、基板電圧がOVの時のSiO2の二次電子信
号量を基準にして規格化した二次電子信号量比を用いて
もよい。
上記の各工程について、さらに詳しく説明する。試験を
行うに際しては、まず最初に、基板をチャージアップが
殆どない状態に設定しなければならない。チャージアッ
プを制御するにはつぎのようにする。一般に二次電子放
出比δは表面電位の関数になっており、表面電位が高い
と表面からの離脱確率が小さくなりδが小さくなる。し
たがって基板電圧が高いとδは減少する。電子ビーム1
の照射により放出された二次電子あるいは反射電子は、
周囲の電界により二次電子検出器7に到達しないで基板
4の方へ戻ってしまうために、二次電子信号量が小さく
なる。この場合、基板4に捕えられる電子の量は、表面
電位が高い場所ほど多くなる。このため表面電位が高い
場所ほど電子が多く捕えられて表面電位がより多く減少
するとともに、基板4に捕えられる全電子の量が多くな
り、基板4面内の表面電位を均一化する効果が大きくな
る。したがって基板4の表面電位を全体的にあげると、
表面電位が均一化(チャージアップ抑制、コントラスト
減少)する。また表面電位が高いと二次電子信号量は二
次電子が基板4に捕えられる分だけ減少するので、相対
的に反射電子の割合が増加する。このためチャージアッ
プ等の電位の影響が少ない像が得られる効果もある。第
3図は基板電圧の効果を示す図で、二次電子信号波形の
基板電圧による変化を示している。ビーム電流、基板電
圧を変化させて同一個所を測定し、500ÅのSiO2上のAl
パタンを2kVで測定した例で、(a)が基板電圧OV、
(b)が基板電圧9Vの場合を示している。第3図
(a)ではチャージアップが生じているために、ビーム
電流が小さい場合にも二次電子信号量が場所によって変
化し、一定になっていない。これに対し(b)ではビー
ム電流が大きい場合にもAl、SiO2部分の二次電子信号量
がほぼ一定になっている。また二次電子信号波形も台形
になっており、パタン寸法の測定の際に測定が容易にな
る。半導体、金属の基板表面に絶縁膜がない場合には、
基板4を装填するステージ5に基板電圧を加えれば、表
面電位がそのまま変化する。また表面が絶縁膜で覆われ
ている基板でも、基板電圧を加えることで、表面電位を
変化させることができる。すなわち、ビームの照射によ
り表面電位が変化すると、絶縁膜内に電界を生じ、基板
電圧が変ると容量結合により絶縁膜内の電界を介して表
面電位が変化する。このため表面が絶縁膜で覆われてい
る基板に対しても、基板電圧の変化によりチャージアッ
プを抑制することができる。
チャージアップを防止するのに最適な基板電圧を求める
フローチャートを第4図に示す。まず加速電圧を設定し
たのち、ステージ5を移動して位置調整を行う。その
後、ビームをオンし、二次電子信号波形(二次電子信号
量の走査信号に対する変化)を測定する。上記二次電子
信号波形から、配線部分と下地部分(ライン部分とスペ
ース部分)のエッジを検出する。ついでそれぞれのライ
ン、スペース部分の二次電子信号波形を、最小2乗法で
二次曲線または直線で近似する。すなわち、まず二次曲
線としてS=ax2+bx+cと近似し、この時のaの絶対値が
あらかじめ設定しておいたある値aよりも小さけれ
ば、直線S=px+qで近似する。上記aの値はラインや
スペースの幅によって変る値である。上記計算をライ
ン、スペースのそれぞれ、あるいはチャージアップが生
じやすいことがあらかじめ判っている材質の部分につい
て行う。ここで直線で近似でき、かつその傾きpが小さ
ければチャージアップが生じていないことになる(チャ
ージアップがなければp=0となる)。この場合には、
その時のpまたはaをメモリする。q、b、cは、チャ
ージアップが生じているかどうかをみる目的には必要な
いが、二次電子信号量の材量によるコントラストの違い
を検出し、コントラストを調整する場合に用いることが
できる。上記繰返しを行い|a|、|b|の最小となる
を求めれば、その値が最適値であるから上記最適値
を基板電圧に設定する。
つぎに第5図(a)に示すようにパタンを検査する場合
を例にとって、上記の工程を説明する。第5図(a)に
示すパタンに、矢印の方向で電子ビームを照射する。こ
の時得られる二次電子信号量の場所による変化を第5図
(b)に示す。二次電子信号量の基板電圧依存性は材質
によって異なり、例えば第5図(c)に示す特性にな
る。基板電圧が上記の値に設定された場合(例えばV=
K)には、AlとSiO2とでは放出される二次電子信号量が
それぞれSAlとSSiO2のように異なる。したがって第5
図(a)のように本来Alのパタン100の他に、エッチン
グ残りの小さなAl101があると、その場所で二次電子信
号量が変化して第5図(b)のような特性になる。
一方、パタンデータおよび材質、第5図(c)に示す特
性から計算されて計算機にたくわえられている参照デー
タは、第5図(b)の点線で示す特性を持っている。従
って第5図(b)の実線と点線の特性を比較することに
より、第5図(a)のAl101が当初のパタンデータには
ない欠陥であることが判定できる。さらに、上記欠陥部
分の二次電子信号量の大きさから、欠陥部分の材料を特
定することができる。
欠陥部分の材料の特定が第5図(b)の点線の値だけで
は十分でない場合には、上記部分の二次電子信号量の基
板電圧依存性を利用することにより、より精度よく特定
することができる。
つぎに材料による特性の違いの具体例を第6図に示す。
第6図は二次電子信号量の基板電圧依存性の一例を示し
た図であり、厚さ300ÅのSiO2上のAZレジストパタン
を測定している。●印の実線がSiO2、▲印の破線が上記
レジストを表わしている。加速電圧は、(a)が0.7k
V、(b)が0.8kV、(c)が0.9kV、(d)が1kVで、
同一パタンを同一倍率で測定している。なおここでは、
レジストの領域は全体のほぼ55%である。まず、加速電
圧が0.7kVの場合には、二次電子信号量はSiO2の方がレ
ジストよりも大きく、基板電圧を増すとSiO2、レジスト
ともに二次電子信号量は減少するが、大小関係は逆転し
ていない。また加速電圧が1kVの場合には、二次電子信
号量はSiO2の方がレジストよりも小さいが、やはり基板
電圧の増加に対して二次電子信号量の大小の逆転は生じ
ていない。上記の場合に対して、加速電圧が0.8kVおよ
び0.9kVの場合には、基板電圧がOVのときレジストの
方が二次電子信号量Sが大きく、基板電圧の増加にとも
なって二次電子信号量は減少してくる。これに対してSi
O2の二次電子信号量も基板電圧の増加にともなって減少
しているが、その変化は小さい。このため、二次電子信
号量の大小関係が基板電圧6V付近で逆転している。こ
のことは、SiO2とレジストとでは、基板電圧の効果の受
けやすさが異なることによると考えられる。このように
二次電子信号量の基板電圧依存性は、材質の違いを反映
しており、前記したように材質の違いを検出するのに用
いることができる。
また、材料を特定する際には以下のようにしてもよい。
上記二次電子信号量の大きさが反転する基板電圧の大き
さは、照射時間に依存し、照射時間とともに増加して徐
々に飽和する傾向にある。これはレジスト部分の二次電
子信号量の増加が、SiO2部分よりも大きいためである。
したがって、二次電子信号量の時間変化、あるいは二次
電子信号量が反転する基板電圧の時間変化を測定し、上
記変化を従来データと比較することにより材質の違いを
検出することができる。上記測定に用いる装置構成は第
2図に示したものでよく、ビーム照射後に、二次電子信
号量の値を計算機に逐次読み込んでいけばよい。
つぎに上記した材料による特性の違いを利用した一実施
例を記す。パタンを観察し、どちらがラインかスペース
かを区別するには、本発明に記載した試験方法、すなわ
ち二次電子信号量の基板電圧に対する変化の割合(その
基板電圧依存性)を、データベースにあるデータと比較
する方法を用いればよい。例えば、SiO2上のレジストの
場合を例にとると、ラインかスペースかの区別、すなわ
ちSiO2かレジストかの区別がつかない場合に二次電子信
号量の基板電圧依存性を測定する。第5図から明らかな
ように、二次電子信号量の変化はSiO2よりもレジストの
方が大きいので、二次電子信号量の基板電圧に対する変
化の割合が大きい方がレジストであることが判る。加速
電圧は、あらかじめ材質が判っていれば測定しやすい加
速電圧を用いればよく、SiO2上のレジストの場合には0.
8ないし0.9kV付近の加速電圧ならば二次電子信号量の逆
転がおこるので測定しやすい。しかし、必ずしも二次電
子信号量の逆転がおこる加速電圧である必要はない(逆
転がおこらない場合は、変化の割合が大きい加速電圧を
選ぶ)。
また、電子デバイスのパタンの欠陥検査等を上記のよう
に行っている際には、パタンの面積比にも注意しなくて
はならない。つまり、二次電子信号量の基板電圧依存性
は、材質、加速電圧等が同じでもその面積比によって変
ってくる。第7図はSiO2上のAlで、同一パタンを白黒反
転した場合、すなわち孤立パタンか抜きパタンかの違い
によって、二次電子信号量の基板電圧依存性が変化する
ことを示した図である。(a)はSiO2上に孤立のAlパタ
ンがある場合、(b)はSiO2の抜きパタンがある場合で
あり、斜線で示した部分がAlになっている。測定の加速
電圧は2kVであり、●印の実線がSiO2、▲印の破線がAl
を表わしている。(a)の方が(b)に比べて基板電圧
が低い領域において二次電子信号量を急激に変化してい
る。(b)の方が二次電子信号量の変化が全体的にゆる
やかである。これは以下のように解釈できる。ここでは
薄いSiO2上にAlが形成されており、基板電圧の効果はSi
O2の部分に生じやすい。上記SiO2部分の面積は、(a)
の場合にはおよそ94%、(b)の場合にはおよそ8%で
ある。このため、基板電圧を同じだけ変化させても、
(a)の方が表面電位の変化する部分が多くなる。した
がって(a)では基板電圧に対して二次電子信号量が変
化しやすい。一方(b)では、基板電圧を変化させた効
果が表面にあらわれにくいので、基板電圧を変化させて
も二次電子信号量の変化は少ない。なお、ここでは二次
電子信号量の基板電圧依存性を測定する際に、基板電圧
を変化させて二次電子信号波形を測定し、上記波形から
それぞれの二次電子信号量を検出している。しかし、各
基板電圧に対して二次電子信号波形を測定しなくても、
ライン、スペースそれぞれの部分を点照射しながら基板
電圧を変化させてもよい。
上記実施例中の二次電子信号量は、規格化されたものを
用いているが、必ず規格化しなくてもよい。しかし、本
実施例の規格化の理由と方法とをつぎに記す。二次電子
信号量はビーム電流に伴って変化するので、二次電子信
号量に基板電圧依存性を表わす場合、ビーム電流がパラ
メータになる。したがってビーム電流によらない二次電
子信号量−基板電圧特性を利用することが検査上望まし
い。ある材質の、ある基板電圧の時の値で、二次電子信
号量を規格化すると、二次電子信号量の基板電圧依存性
はビーム電流にほとんどよらない曲線になるので、これ
を欠陥原因検査に用いるのがよい。規格化の仕方は、二
次電子信号波形(二次電子信号量の走査信号に対する変
化)を測定し、基板の中にある配線に着目して基板電圧
を変化させ、その部分における二次電子信号量の基板電
圧依存性を測定し、基板電圧が0Vの時のSiO2の二次電
子信号量を基準に規格化する。第6図、第8図の二次電
子信号量も上記のように規格化している。第8図は規格
化した二次電子信号量の基板電圧依存性を示した図であ
る。ビーム電流は大きい方から、実線、破線、一点鎖線
の3水準の場合をそれぞれ示している。上記第8図から
規格化した場合には、ビーム電流による差は殆どないこ
とが判る。
上記実施例は、ウェハ周辺の電界を変えることによって
ウェハに捕えられる二次電子信号量を変化させるため
に、ステージもしくは基板に電圧を印加している。しか
し、ステージもしくは基板をグランドレベルに接地し、
ウェハの上方に電極を設置して該電極に逆のバイアス電
圧を印加してもよい。第9図はその例を示した図であ
り、第2図と同じ番号のものは同じものを示している。
(a)は電子光学鏡筒の下に、絶縁物21を介して電極22
を設置し、該電極22にバイアス電圧を加える構成であ
る。(b)は電極22の一部、すなわち電極22の二次電子
検出器7の方向がメッシュ状に形成されている。上記電
極22にDAコンバータ16によって、計算機14から電圧を
供給する。また二次電子信号量はADコンバータ15によ
り計算機14に読み込む装置構成である。なお、ウェハ4
の直上にメッシユ電極を設けて電極電位を変化させるこ
と、あるいは、ステージ5もしくは基板4はグランドレ
ベルに接地し、電子ビームの鏡筒の電位を、−10〜10V
程度浮かせることによっても、同じ効果が得られること
はもちろんである。
上記実施例は電子ビームの走査について記したが、イオ
ンビーム等を含めた荷電ビームについても同様のことが
いえる。
〔発明の効果〕
上記のように本発明による電子デバイスの試験方法およ
び試験装置は、荷電ビームを照射する手段と、二次電子
検出器とを有する電子デバイスの試験方法および試験装
置において、被測定デバイスを装填する試料台またはデ
バイスの基板自体に電圧(基板電圧)を加え、上記基板
電圧の変化に対する二次電子信号量の変化を測定し、試
料材質、面積比、加速電圧をパラメータとする二次電子
信号量の基板電圧依存性のデータベースとを比較するこ
とによって、電子デバイスの製造途中で、レジストや薄
膜のエッチング残り等のパタの欠陥およびその原因を検
出し、必要があれば上記欠陥付近の材料を決定すること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による電子デバイスの試験装置における
一実施例を示す構成図、第2図は上記試験装置の他の実
施例を示す構成図、第3図は基板電圧の効果を示し、
(a)は基板電圧0V、(b)は基板電圧9Vの場合を
それぞれ示す図、第4図はチャージアップ防止に最適な
基板電圧を求めるフローチャートを示す図、第5図はパ
タン検出の工程を示す図で、(a)はパタン形状、
(b)は二次電子信号量の変化、(c)は材質による基
板電圧依存性をそれぞれ示す図、第6図は二次電子信号
量の基板電圧依存性の一例を示す図で、加速電圧を
(a)は0.7kV、(b)は0.8kV、(c)は0.9kV、
(d)は1kVとした場合をそれぞれ示す図、第7図は二
次電子信号量の基板電圧依存性の変化を示す図で、
(a)はSiO2上の孤立Alパタン、(b)はSiO2の抜きパ
タンがある場合をそれぞれ示す図、第8図は規格化した
二次電子信号量の基板電圧依存性を示す図、第9図は基
板上方に電極を設置して電極に逆バイアス電圧を印加す
る場合を示す構成図で、(a)は電子光学鏡筒の下に電
極を設けた場合、(b)は電極の一部がメッシュ状に形
成されている場合をそれぞれ示す図である。 1……荷電ビーム、4……基板 5……ステージ、6……基板電圧電源 7……二次電子検出器、9……ブラウン管 14……制御計算機、15……ADコンバータ 16……DAコンバータ、19……表示装置 20……データベース、22……電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 第46回応用物理学会学術講演会 講演予 稿集 P.350 4p−R−1 昭和60年 10月1日

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電ビームを照射する手段と、二次電子検
    出器とを有する電子デバイスの試験方法において、被測
    定デバイスを装填するステージまたはデバイスの基板自
    体に電圧(基板電圧)を加え、上記基板電圧の変化に対
    する二次電子信号量の変化を測定し、試料材質、面積
    比、加速電圧をパラメータとする二次電子信号量の基板
    電圧依存性のデータベースと比較することを特徴とする
    電子デバイスの試験方法。
  2. 【請求項2】荷電ビームを照射する手段と、二次電子検
    出器とを有する電子デバイスの試験装置において、被測
    定デバイスを装填するステージまたはデバイスの基板自
    体に電圧を加える電源と、上記ステージまたはデバイス
    の基板に加える電圧(基板電圧)の変化に対する二次電
    子信号量の変化を測定する装置とを有することを特徴と
    する電子デバイスの試験装置。
  3. 【請求項3】上記ステージまたはデバイスの基板自体に
    電圧を加える電源は、上記ステージもしくは基板をグラ
    ンドレベルに接地し、上記基板の上方に設けた電極に逆
    バイアスを印加する電源であることを特徴とする特許請
    求の範囲第2項に記載した電子デバイスの試験装置。
JP60252015A 1985-11-12 1985-11-12 電子デバイスの試験方法および試験装置 Expired - Fee Related JPH0648704B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60252015A JPH0648704B2 (ja) 1985-11-12 1985-11-12 電子デバイスの試験方法および試験装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60252015A JPH0648704B2 (ja) 1985-11-12 1985-11-12 電子デバイスの試験方法および試験装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62112336A JPS62112336A (ja) 1987-05-23
JPH0648704B2 true JPH0648704B2 (ja) 1994-06-22

Family

ID=17231388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60252015A Expired - Fee Related JPH0648704B2 (ja) 1985-11-12 1985-11-12 電子デバイスの試験方法および試験装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0648704B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5542478B2 (ja) * 2010-03-02 2014-07-09 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線顕微鏡

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
第46回応用物理学会学術講演会講演予稿集P.3504p−R−1昭和60年10月1日

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62112336A (ja) 1987-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5006795A (en) Charged beam radiation apparatus
JP3563283B2 (ja) 基板検査用高速電子線計測装置及び基板検査方法
JP4657394B2 (ja) ウエハにおける欠陥を検知する方法及び装置
US7276693B2 (en) Inspection method and apparatus using charged particle beam
US7388365B2 (en) Method and system for inspecting specimen
US7602197B2 (en) High current electron beam inspection
JP2007265931A (ja) 検査装置及び検査方法
US5874309A (en) Method for monitoring metal corrosion on integrated circuit wafers
JPH0682718B2 (ja) 電子デバイスの試験装置およびその使用方法
US20080099675A1 (en) Inspection apparatus and an inspection method
US7145140B2 (en) Method of determining whether a conductive layer of a semiconductor device is exposed through a contact hold
JP3509348B2 (ja) 測長用電子顕微鏡
JPH0794562A (ja) 微細パターンの測定装置
US6952105B2 (en) Inspection method and apparatus for circuit pattern of resist material
US8309922B2 (en) Semiconductor inspection method and device that consider the effects of electron beams
JP3494068B2 (ja) 荷電粒子線装置
JP4095510B2 (ja) 表面電位測定方法及び試料観察方法
JPH0648704B2 (ja) 電子デバイスの試験方法および試験装置
JP4537730B2 (ja) 半導体検査方法及びそのシステム
JPS6231931A (ja) 電子ビ−ム照射装置および該装置による試験、測定方法
JP2005191017A (ja) 走査型電子顕微鏡
JP2006024921A (ja) 荷電粒子ビームによる検査方法および検査装置
JP6995648B2 (ja) 計測検査装置
JPH0467550A (ja) 電子ビーム装置及びその画像取得方法
JP2000173528A (ja) 走査型電子顕微鏡

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees