JPH0648008B2 - 自動調心型ローラパック - Google Patents

自動調心型ローラパック

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JPH0648008B2
JPH0648008B2 JP15559189A JP15559189A JPH0648008B2 JP H0648008 B2 JPH0648008 B2 JP H0648008B2 JP 15559189 A JP15559189 A JP 15559189A JP 15559189 A JP15559189 A JP 15559189A JP H0648008 B2 JPH0648008 B2 JP H0648008B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 (産業上の利用分野) この発明は工作機械、物流荷役機械(コンベヤー)、事
務用機器等の二つの部材が相対的に直線移動する部分に
介在させ、これら二部材の相対的移動を軽快にする所謂
リニヤローラパックに関する。
(従来の技術) 従来この種のリニヤロールパックにおいては第4図及び
第5図に記載してある様にローラ支持部材1に多数のロ
ーラ2が循環できるローラ循環路3が形成してあり、こ
の中に装備してある各ローラ群の一部は前記支持部材1
の一面に於いて僅かに突出するように設けられ、これら
順次突出するローラ群を他部材に接触させて使用してい
るものが知られている。
更にこの公知のものはローラパック全体が自動調心出来
るように、フィッテングプレート4を取付けたり、使用
時の逃げによるガタを除去するために予圧をかけるウエ
ッジブロックを別に必要とする。
(発明が解決しようとする課題) ところがこの公知のものにおいては、各ローラ2群はロ
ーラ循環路3や前記他部材との接触により、これらの微
妙な凹凸、ローラ2の心円度、荷重の変位などによりこ
れらの回転軸が、ローラ2群の進行方向に対し、常に直
角な状態が維持出来ず、各ローラ2の左右何れかが他端
より先行傾斜する所謂スキューイングを起こし、順次相
隣るローラ同士の接触圧力の上昇と、ローラ2の回転方
向とローラパックの進行方向との差によりローラパック
に対する移動抵抗が大きくなる欠点を有している。
このスキューイングの影響を少なくするには、ローラ2
の長さを短くする以外に解決策がないが、安定性と負荷
容量が小さくなる。
そこでこの発明は各ローラを循環式とせず、位置固定型
とし、相隣るローラ同士を離反させて、スキューイング
の問題を解決すると共に、各ローラを自動調心型とし
て、前記のローラ周面と接触する部材の微妙な凹凸、ロ
ーラの心円度誤差、各ローラ2群の平行度誤差、荷重の
変位などにも充分に追従するようにし、各ローラ2の長
さを短くしなくとも、円滑な転動と安定性のある移動が
出来るようにすることを目的とする。
ロ.発明の構成 (課題を解決するための手段) 前記課題を達成するためにこの発明はローラ群支持部材
に多数のローラが平行に支持してあり、これら全てのロ
ーラ群の周面の一部が前記支持部材の一面より僅かに突
出し、同一平面に位置してあるものに於いて、 前記各ローラのローラ支持軸は前記ローラ支持部材に回
転不能で、かつ相互に平行に間隔をおいて支持してあ
り、各ローラ支持軸にはセラミック製のローラがそれぞ
れ回転自在に嵌合させてあり、各ローラは隣のローラと
非接触に装備してあり、かつ各ローラの長さの中心位置
には、前記ローラ支持軸の外周面と前記ローラの内周面
の内の何れか一方に円周方向のベアリングボール群支持
溝が刻設してあり、この支持溝にはこの溝底と他の部材
の双方に転動接触する多数のベアリングボール群が適当
なリテーナを介在させて装備してあり、各ローラ支持軸
の外周面と各ローラ内周面との間の間隙はそれぞれ両端
に至る程大きくなり、各ローラ支持軸外周面と各ローラ
内周面の内の何れかの面が中心角で0.05゜乃至1.
0゜の範囲でテーパとしてあり、然も各ローラのピッチ
は相隣るローラが非接触のピッチとしてあることを特徴
とする自動調心型リニヤローラパックとする。
また前記課題を達成するために、前記自動調心型リニヤ
ローラパックの前記各ローラ群とそのベアリングボール
群とそのローラ支持軸のうち相接する二種の部材の内少
なくとも一方の部材は窒化珪素よりなるセラミックであ
ることを特徴とする場合もある。
また前記課題を達成するために、前記自動調心型リニヤ
ローラパックの前記各ローラの少なくとも内周面は弗素
樹脂を基材とするエンジニヤリングプラスチックである
ことを特徴とする場合もある。
(発明の作用) 叙上のように構成しているこの発明のローラパックを使
用するには、前記直線的に相対移動する相対する移動面
の内の何れかの部材の面に、ローラ群が突出してる面と
相対するローラ支持部材の面を当てて固定する。この
時、前記ローラパックの各ローラ軸が二つの部材の移動
方向と直角になるようにする。而して各ローラを他部材
の移動面に当接させて使用する。
このようにして前記二つの部材を相対的に移動すると、
各ローラはそのローラ支持軸に対して、数個のベアリン
グボールを介して、転動接触してかつ当接部材の移動面
を転動して、ローラパック全体がこれが取付けてある部
材と共に移動する。
前記移動面の僅かな凹凸乃至ローラパックに偏荷重その
他の原因による力が作用し、前記個々のローラ全体若し
くは一部がそのローラ支持軸に対して傾斜する力を受け
ると、これらのローラは中心のベアリングボール列を支
点として、そのローラ支持軸線に対して、前記ギャップ
の範囲内つまり中心角が0.05゜乃至1.0゜に傾斜
し、また前記力がベアリングボール列の反対側に作用す
れば、これらローラは反対方向に傾斜し、これらの作用
がなければベアリングボール列部分でのみローラはロー
ラ支持軸に支えられて回転する。即ち各ローラは個々独
立に自動調心しながら転動する。
前述の各ローラが個々独立して傾斜したときに、これら
ローラ乃至ローラ支持軸のテーパ面がこれと相対するロ
ーラ支持軸外周面又はローラ内周面と接触したときに
は、これらは滑り接触をしながらローラはローラ支持軸
に対して回転する。この場合各ローラはそのローラ支持
軸に対して前記傾斜範囲内において如何に傾斜しようと
相隣るローラ同志は接触しないで回転する。
請求項第2項記載のローラパツクに於いてはローラパッ
クが移動面に対して移動するとき、各ローラとそのベア
リングボール群、ベアリングボール群とそのローラ支持
軸、及びローラとローラ支持軸の内それぞれ少なくとも
片方の部材が窒化珪素よりなるセラミック製であるが
ら、前記ベアリングボール群とこれと転動する部材は特
に潤滑剤を用いないで用いる。
請求項第3項の場合も請求項第2項と同様に使用する。
(実施例) 今この発明の代表的な実施例に就いて説明する。
10は支持部材であり、通常鋼材の長立方体のブロック
よりなり、その一面(第1図及び第2図では下面)中央
にローラ列が装備される溝11が刻設され、この溝11
の両側の平行な下方に突出した壁部12の下面には所定
ピッチで以つて、ローラ支持軸嵌合窪み13が前記溝1
1の長さ方向とは直角に数個設けてある。
20はスリーブ状の各ローラであり、窒化珪素よりなる
セラミック又は少なくとも内周面は弗素樹脂を基材とす
るエンジニヤリングプラスチックであり、通常内外径は
全長等しく10乃至20mmとしてあり、長さは10乃至
30mmとしてあるが、この大きさは目的に応じて任意に
選択されるもので、限定的な意味はない。このローラは
セラミック又は弗素樹脂又はこの樹脂系のエンジニヤリ
ングプラスチック製スリーブの表面に鋼製のスリーブを
堅く嵌合したものでもよい。25はローラ支持軸であ
り、金属製又は前記セラミツクと同材質よりなり、前記
ローラ20中に挿通され両端部26が前記支持部材10
の窪み13に回転不能に嵌合される。前記ローラ支持軸
25のローラ20が嵌合している部分の中央には円周方
向にベアリングボール群支持溝27が刻設してあり、こ
のベアリングボール群支持溝27の中には、複数個の窒
化珪素よりなるセラミック製のベアリングボール28が
適当なリテーナ35によって所定ピッチの間隔を於いて
設けてあり、これらベアリングボール28群は前記ロー
ラ20の内周面とベアリングボール群支持溝27の底の
部分と転動接触させてある。各ベアリングボール28の
直径は1乃至5mm程度としてあるが、これも限定的意味
はなく、目的の荷重に応じて適宜定める。前述のリテー
ナ35は弗素樹脂またはこの樹脂を主材とする射出成形
可能なエンジニヤリングプラスチック製が好ましい。
前記ローラ20とローラ支持軸25は前述のベアリング
ボール28溝の接触位置を中心に両端に至る程ギップが
大きく、ローラ支持軸25は両端寄りに至るわずかに細
くテーパ状になっており、ベアリングボール群支持溝2
7の両側にテーパ面29が対称的に設けてある。このテ
ーパ面29の中心角は0.05゜乃至1.0゜としてあ
る。
前記ローラ支持軸25にテーパ面29を設ける代りにロ
ーラ20の両周面を両端に至る程僅かに径が太くなるテ
ーパ内周面としても、この発明としては同じである。
前記ローラ支持軸25の両端の支持部材10と嵌合する
両端部26とローラ20の端部の間はローラ内径より大
きい外径を持つ鍔30がそれぞれ設けてあり、ローラ2
0がローラ支持軸25の軸線方向に徒に移動しないよう
にしてある。
前述のローラ支持軸25は実施例のものにおいては、組
立の都合上、それぞれ左右2部材よりなり、中央部穴2
5aと突小軸25bが相互に嵌合して一本のローラ支持
軸25を構成している(第1図参照)。
14は一対のローラ支持軸押えであり、前記支持部材1
0の両側面15にボルト止めされ、一対のローラ支持軸
押え14の内方に張出した張出し部16によって、前記
の内窪み13に嵌合しているローラ支持軸25の両端部
26を下側から押えている。
前述の支持部材10から僅かにそれぞれ突出している各
ローラ20は全て同一平面に接触出来る位置に設けてあ
る。
図示の例に於いては各ローラ20の直径な同一のものを
示したが、両端部のローラの直径を他のものより大きく
し、支持力を大きくしたものでもこの発明の実施例に含
まれる。
(実施例の作用) この発明のものと同様に作用を為し重ねての説明を省略
する。
各ローラ20の傾斜角つまりテーパ面29の中心角はロ
ーラパックに作用する最大傾斜位置によって前記許容範
囲の内で予め設計して定める。
ハ.発明の効果 前述のように構成し作用を為すこの発明のものにおいて
は、各ローラを循環式ではなく位置固定型であるから、
公知のローラパツクの様にローラ群の循環路を要せず、
支持部材の構造が簡単で背丈が低くなり、全体としてコ
ンパクトとなる。また各ローラは位置固定型とし、相隣
るローラ同士を離反させて、スキューイングによる移動
抵抗の増大の問題を解決すると共に、各ローラを自動調
芯型としてあるために、前記のローラ周面と接触する部
材の微妙な凹凸、ローラの心円度誤差、取り付けの平行
度誤差、荷重の変位なども充分に追従するようにし、各
ローラの長さを短くしなくとも、円滑な転動と安定性の
ある移動が出来る。また従来例のように特別なフィッテ
ングプレートを必要としない。
又このローラが最大限に傾斜しローラの内周面とローラ
支持軸の外周面(図示の例ではテーパ面)が接触したと
きには前記ベアリングボール群の転動接触と前記テーパ
面の滑り接触の双方によって支持されることに成り、大
きな支持力が得られ、ローラパックに左右に変化する荷
重のかかる搬送手段の摺動部に介在させるのに適する。
また転動部分の何れかの部材が窒化珪素よりなるセラミ
ックにより形成されているから、特に潤滑油を必要とせ
ず、耐摩耗性、耐熱膨張性、耐腐触性に優れ剛性に富
み、潤滑油が使用出来ない化学工業の設備や半導体加工
設備の搬送手段のその他、真空室内などの移動部に適す
る。
また各ローラの少なくとも内周面が弗素樹脂系の樹脂で
形成されているものに於いては、殊の外摩擦係数が小さ
く、軽荷重のものに適する。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明に係るものを示すものであり、第1図は
この発明の代表的な実施例を示す縦断正面図、第2図は
第1図の一部縦断一部省略側面図、第3図はベアリング
ボール部のローラの縦断側面図、第4図は従来公知のロ
ーラパックの一部縦断側面図、第5図は第4図の縦断正
面図である。 図中主な符号 10……支持部材、11……溝 12……壁部、20……各ローラ 25……ローラ支持軸 27……ベアリングボール群支持溝 28……ベアリングボール 29……テーパ面、30……鍔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ローラ群支持部材に多数のローラが平行に
    支持してあり、これら全てのローラ群の周面の一部が前
    記支持部材の一面より僅かに突出し、同一平面に位置し
    てあるものに於いて、 前記各ローラのローラ支持軸は前記ローラ支持部材に回
    転不能で、かつ相互に平行に間隔をおいて支持してあ
    り、各ローラ支持軸にはセラミック製のローラがそれぞ
    れ回転自在に嵌合させてあり、各ローラは隣のローラと
    非接触に装備してあり、かつ各ローラの長さの中心位置
    には、前記ローラ支持軸の外周面と前記ローラの内周面
    の内の何れか一方に円周方向のベアリングボール群支持
    溝が刻設してあり、この支持溝にはこの溝底と他の部材
    の双方に転動接触する多数のベアリングボール群が適当
    なリテーナを介在させて装備してあり、各ローラ支持軸
    の外周面と各ローラ内周面との間の間隙はそれぞれ両端
    に至る程大きくなり、各ローラ支持軸外周面と各ローラ
    内周面の内の何れかの面が中心角で0.05゜乃至1.
    0゜の範囲でテーパとしてあり、然も各ローラのピッチ
    は相隣るローラが非接触のピッチとしてあることを特徴
    とする自動調心型リニヤローラパック。
  2. 【請求項2】前記各ローラ群とそのベアリングボール群
    とそのローラ支持軸のうち相接する二種の部材の内少な
    くとも一方の部材は窒化珪素よりなるセラミックである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のリニヤロ
    ーラパック。
  3. 【請求項3】前記各ローラの少なくとも内周面は弗素樹
    脂を基材とするエンジニヤリングプラスチックであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のリニヤロー
    ラパック。
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