JPH0647672B2 - 低級炭化水素から液状炭化水素の製法 - Google Patents

低級炭化水素から液状炭化水素の製法

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JPH0647672B2
JPH0647672B2 JP61121289A JP12128986A JPH0647672B2 JP H0647672 B2 JPH0647672 B2 JP H0647672B2 JP 61121289 A JP61121289 A JP 61121289A JP 12128986 A JP12128986 A JP 12128986A JP H0647672 B2 JPH0647672 B2 JP H0647672B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は低級炭化水素から高収率で液状炭化水素を製造
する方法に関するものである。
特に、炭素数2ないし5のパラフィン系炭化水素および
オレフィン系炭化水素単独またはこれらの混合物から液
状炭化水素を製造する方法に関するものである。
従来技術 最近、重質油燃料の省エネルギー、石炭および原子力へ
の転換などから重質油が過剰になる傾向が生じ、その有
効利用が必要とされてきた。
重質油を熱分解又は接触分解しても選択的にガソリン留
分を取得することは困難で、分解率を高くするとガス状
炭化水素特にオレフィン類が多く生成する。このガス状
炭化水素を液状炭化水素へ変換することができれば、重
質油の分解を分解生成物の炭化水素の分布に関係なく附
加価値を増大させ、また分解装置の運転を柔軟にするこ
とができる利点がある。ガス状炭化水素を液状炭化水素
へ変換する反応は重合、異性化、不均化、分解、アルキ
ル化などの諸反応によるが、これらの反応はいずれもカ
ルボニウムイオン機構による反応である。
従って、酸性度は上記反応に影響をおよぼす。上記の諸
反応に適する酸の強度、酸量があると考えられる。
ガス状オレフィン系炭化水素の液状炭化水素への変換は
重合、異性化、不均化、分解、アルキル化、環化および
脱水素の逐次的あるいは競争的反応である。
反応生成物の選択性は触媒の酸強度と触媒量、水素化/
脱水素活性のバランスによって制御される。
本発明のメタロシリケート触媒は均一にメタルが骨格に
分散して組込まれているので、メタルの種類とSi/Meの
比とにより酸強度、酸量および水素化/脱水素活性が変
化する。
本発明のメタロシリケート触媒においてMeがZn、Cr、Mn
の場合には脱水素能が強く、Ni、Coは水素化能が強い特
徴がある。反応生成物は触媒の酸性度とバランスで特徴
が強くでるので、酸性度および反応条件を調整すること
により液状炭化水素(C以上の炭化水素)中の芳香族
炭化水素含量を増減することができる。触媒の劣化は主
として生成した芳香族炭化水素の縮合、炭化によるカー
ボンの堆積によるものであるが、芳香族炭化水素の生成
および分解活性を制御することによって再生までの触媒
寿命をのばすことができる。
発明の解決しようとする問題点 本発明者は、特定のペンタシル型のメタロシリケート触
媒を用いて、炭素数2ないし5の炭化水素を特定の酸性
度を有する触媒と特定の反応条件下で処理すれば収率よ
く液状炭化水素に変換できることを見出して本発明に到
達したものである。
本発明は、炭素数2ないし5のパラフィン系炭化水素お
よびオレフィン系炭化水素単独またはこれらの混合物を
含む原料ガスを、後記の組成を有ししかも酸性度 全酸量0.1−4.5ミリ当量/g−触媒、 強酸量0.05−2.0ミリ当量/g−触媒および 弱酸量0.05−3.0ミリ当量/g−触媒、 を有するメタロシリケート触媒と、反応温度220−5
50℃、反応圧力、常圧/100kg/cm2、空間速度、
300−15000h-1の反応条件下で触媒させて液状
炭化水素を製造する方法に係るものである。また液状炭
化水素中の芳香族炭化水素含量を減少させるためには次
の酸性度と反応条件とを選ぶことができる 酸性度: 全酸量0.1−3.1ミリ当量/g−触媒、 強酸量0.05−0.6ミリ当量/g−触媒および 弱酸量0.05−2.5ミリ当量/g−触媒。
反応条件: 反応温度 260−400℃好ましくは300−340
℃、 反応圧力 常圧−100kg/cm2、好ましくは常圧−3
0kg/cm2、 空間速度 500−15,000h-1、好ましくは50
0−4,000h-1
また、液状炭化水素中の芳香族炭化水素含量を増加させ
るためには次の酸性度と反応条件とを選ぶことができ
る。
酸性度: 全酸量0.3−0.9ミリ当量/g−触媒、 強酸量0.2−0.5ミリ当量/g−触媒および 弱酸量0.1−0.5ミリ当量/g−触媒。
反応条件: 反応温度 300−550℃、好ましくは300 −340
℃、 圧 力 常圧−50kg/cm2、好ましくは常圧−30k
g/cm2、 空間速度(SV) 500−15,000h-1、好ましくは
500−4,000h-1
本発明で使用する原料ガスは、炭素数2ないし5のパラ
フィン系炭化水素およびオレフィン系炭化水素単独また
はこれらの混合物である。
上記の混合物の他に他の炭化水素、水、不活性成分例え
ば窒素を含んでいてもよい。
また他の炭化水素源は例えばサーモフォア接触分解法
(T.C.C 法)、および流動接触分解法(F.C.C 法)、他
の分解装置から由来するガス、C−乾燥ガス、不飽和
ガスプラントから由来するC−混合ガス、コーキング
装置からの生成ガス、熱分解装置からの生成ガスであ
る。
本発明方法で使用する触媒は、すでに同一出願人の出願
に係わる結晶性アルミノシリケートゼオライト触媒(特
願昭55−136715)、高シリカゼオライト触媒の
製法(特願昭57−173234)および新規なメタロ
シリケート触媒の製法(特願昭58−116987号)
に従って製造することができる。すなわち、 次の一般式(モル%) Si/Me 15−3500 OH/SiO2 0.3−1.0 H2O /SiO2 30−100 R/R+アルカリ金属 0.05−0.15 NaCl/H2O 0.01−0.06 (式中Rは第4級アルキルアンモニウムカチオンであ
り、アルカリ金属はナトリウムまたはカリウムであり、
MeはB 、Al、Ti、V 、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、G
e、Zr、Mo、W 、LaおよびScのいずれか1個より選ばれ
た金属イオンである)で表わされる組成を有する金属
塩、含窒素有機カチオンおよび無機酸を含む水溶液をA
液とし、ケイ酸塩水溶液をB液とし、イオン調整剤(Na
Cl)水溶液をC液とし、A液およびB液をそれぞれ一定
速度でC液に添加するに際し、A液にはイオン調整剤を
添加し、C液には含窒素有機カチオン、無機酸および水
酸化アルカリを添加して各液組成の濃度変化を少なくす
るようにA液およびB液の添加速度を調整する第1工
程、および第1工程から得られたゲル混合物を、細分化
例えば擂かいする第2工程、および第2工程から得られ
たゲル混合物を室温から150℃ないし190℃まで一
定速度で昇温後さらに220℃まで一定速度または指数
函数的速度で昇温して水熱反応を行う第3工程の少なく
とも1工程を包含する方法で製造することができる。
−炭化水素を主成分とする原料ガスを使用し、液状
炭化水素中の芳香族炭化水素含量を減少させる場合には
Si/Me中のMeはAl、Fe、Cr、Zn、Ni、Mn、W 、B 、T
i、Ga、Mo、Laのいずれか1つより選ばれた金属が適当
である。
更に、C−炭化水素を主成分とする原料ガスを使用し
液状炭化水素中の芳香族炭化水素含量を増加する場合に
は、Si/Me中のMeはFe、B 、Zn、Ni、W のいずれか1つ
より選ばれた金属が適当である。
触媒の調整 触媒原液の組成 Si/Al(原子比)=3200の場合 A液:Al(SO4)3・17 H2O 0.034g テトラプロピルアンモニウムブロミド(TPAB)
5.720g NaCl 11.950g H2O 60.000g H2SO4 6.200g B液:水ガラス 69.000g H2O 45.000g C液:TPAB 2.160g NaCl 40.590g NaOH 2.390g H2O 208.000g H2SO4 1.800g *水ガラス:SiO2 28.9%、Na2O 9.3% において、 Al2(SO4)・17 H2Oの代りに原子比Si/Me
が3200に相当する量の触媒金属(M)の例えば硫酸
塩、硝酸塩、塩酸塩、炭酸塩およびハロゲン化物を使用
して結晶の水熱反応を行なった。
A液とB液とをマイクロフイーダの使用によりpH9−1
1になるようにC液に混合する。混合に要する時間は約
10分であった。ゲル生成後母液を遠心分離し、ゲルは
1時間乳鉢にて自動的に擂潰後ゲルと母液とを合せて次
の条件で水熱合成を行なった。
水熱合成はオートクレーブ中で撹拌しながら最初90分
で160℃まで昇温し、それから250分で210℃ま
で直線的に昇温した。次に蒸溜水約60mlにて8回水
洗後乾燥し、540℃にて空気気流中(流速100m
/min )で3.5時間焼成した。焼成後、NH4NO3 1モル
/濃度の水溶液中に撹拌しながら80℃、1時間浸漬
操作を2回行ないイオン交換処理を行なった。蒸留水6
0mを用いて3回水洗乾燥し、540℃の空気気流中
(100m/min )で3.5時間焼成した。
比較のため従来法で触媒の調整を行なった。
触媒原液の組成(Si/ Al3200) A液: Al2(SO4)・17 H2O 0.034g TPAB 7.530g H2O 60.000g H2SO 6.200g B液:水ガラス 69.000g H2O 45.000g C液: NaCl 26.270g H2O 104.000g (*水ガラスの組成は前期と同じ) A液とB液とをC液に滴下して混合し、上記と同様にし
て、アルミノシリケート触媒を調整した。
上記のメタロシリケート触媒の製法に従って製造された
触媒結晶の性状は次の如くであった。
電子顕微鏡(走査型電子顕微鏡MSM4C−102型)
による観察によれば本発明のメタロシリケート結晶の個
々の粒子は小さい板状の結晶粒子が集合してできた2次
粒子のように観察される。ただしGaの場合はアンモナイ
ト貝状の2次粒子形状になった。
BET表面積(島津TG−20)の測定の結果、 Alの
場合(ZSM−5)は288m2/gに比べTiの場合は2
23m2/gからZrの場合350m2/gまで±60m2/g
程度の差があり、それぞれの細孔構造に相異があること
がわかった。 Alの場合(ZSM−5)は無定形のまま
結晶化しなかった場合には最大数10m2/gにすぎない
ことから本発明の触媒では結晶化はよく進んでいること
がわかった。なおSi/Zrの原子比800および400 の場
合には典型的ZSM−5の結晶とよく似た形状をしてい
ることがわかった。
触媒の酸性度測定は添附図面第1図に示す装置で行な
う。
測定は一定の触媒へのアンモニアの吸着量によって行な
う。
測定条件は次の如くである。
触媒量500mg、 前処理アンモニア脱離:ヘリウム50m/分、600
℃、30分処理。
アンモニア吸着:5%アンモニアガス(ヘリウム希釈)
100m/分、室温、30分処理。アンモニア昇温離
脱ヘリウム50m/分、80〜600℃(昇温速度1
0℃/分)にて処理。
検出器:熱伝導度型検出器 (日立063型ガスクロマトグラフ) 反応管:石英反応管 内径6mm 測定結果: 酸性度(酸量)は各触媒についてのピーク面積を既知酸
量の標準ピーク面積と比較して酸量を決定する。
第2図は、メタロシリケート触媒(Si/ Al)において
Si/Me比の異なる触媒の酸性度を測定した線図である。
曲線IはSi/ Al40の触媒、曲線IIはSi/ Al200
の触媒、曲線IIIはSi/ Al400の触媒、曲線IVはSi
/ Al1200の触媒および曲線VはSi/ Al3200
の触媒の測定結果である。
第3図は本発明のメタロシリケート触媒のSi/ Alモル
比と全酸量(mgNH/g−触媒)との関係を示す線図で
ある。
第4図は本発明の鉄−メタロシリケート触媒のTPDス
ペクトル線図で、曲線IはSi/Fe40の触媒、曲線IIは
Si/Fe200の触媒および、曲線IIIはSi/Fe3200
の触媒の測定結果である。
本発明のメタロシリケート触媒は目的とする反応生成物
の種類により1種または2種以上の他の金属との組合せ
を含浸法またはイオン交換法によって担持することもで
きる。
次に実施例を掲げて本発明を説明するが、これに限定さ
れるものではない。
実施例 通常の流通型反応装置を用い、密度1.0g/cm3に打錠成
型後7ないし15メッシュに破砕した触媒214mgを内
径6mmの反応管2に充填し、(充填体積0.348m
)、原料ガスを窒素で希釈するかまたはそのまま試料
ガスとして使用した。試料ガスは空間速度(SV)90
-1、反応温度220−550℃条件下で試験した。反
応生成ガスの分析はTCD型ガスクロマトグラフ1を用
いて行なった。
その結果は第1表ないし第4表に示した。
上記表中、転化率は反応に消費された原料物質のモル%
で表わした。
(1) 触媒の種類による影響 原料ガスとしてブタン−ブテン混合ガス(BBF)を用
いて各種触媒による液状炭化水素の収率を求めた。その
結果を第1表および第2表に示した。
原料ガス組成(wt%) C3 - 0.5%、C436.1%、C4′51.9%、C5 +
1.5%、各種のメタロシリケート触媒(Si/Me)につ
いて原料ガスからのガソリン収率(C以上の炭化水素
と芳香族炭化水素との合計量%)を求めた。
ガソリン収率は、MeがZn、Fe、A l、Cr、Mn、B 、W 、N
i、Ti、Ga、Mo、Laの場合は高く、V 、Co、Sc、Ge、Zr
の場合は低かった。
またSi/Meの比率はガソリン収率にあまり影響をあたえ
なかった。
(2) 原料ガスによる影響 熱分解ガス(BBF)、プロピレンおよびブテンの原料
ガスの種類がガソリン収率(C5 炭化水素と芳香族炭化
水素との合計量%)に及ぼす影響を調べ、その結果を第
3表に示した。
原料ガスとしてブテンガスを用いた場合とブテン−ブタ
ンを主成分とする熱分解ガスを用いた場合では、反応条
件を適宜に選択すればガソリン収率には大きい影響がな
いことがわかった。
また、比較例としてExp29において酸性点をすべてつ
ぶした触媒(Si/Me)を用いてExp28と同様に行なっ
た場合の結果を示す。
実験結果からガソリンの生成は認められないことがわか
った。
(3) 反応型式による影響 使用触媒: *1 アルミノシリケート触媒(Si/A l=40、弱酸量
45.35、強酸量26.67、全酸量72.02)/
α−アルミナ/シリカ=44/44/12(wt%)。
*2 アルミノシリケート触媒(同上) 150mとα−アルミナ50mとの層状交互充填。
*3 アルミノシリケート触媒(同上)をカートリッジ
に充填したもの。
原料ガスとしてプロピレン、ブテン−ブタン混合ガス
(BBF)を用い、上記触媒を単独または組合せて実験
した。C以上の炭化水素収率および転化オレフィン反
応率を求め、その結果を第4表に示した。第4表より、
反応型式を適宜選択することにより高いガソリン収率と
オレフィン転化率とが得られることがわかった。
発明の効果 本発明の効果は次のようである。
(1) 本発明方法によってガス状炭化水素から熱分解を
防止して高収率で液状炭化水素を製造することができ
た。
(2) 本発明のメタロシリケート触媒(Si/Me)の金属
の種類、酸性度および反応条件を選ぶことによって液状
炭化水素中の芳香族炭化水素の含量を増減させることが
できた。
(3) 触媒活性が非常に高いため高速の原料ガスの流速
が用いられる。
(4) 大規模の反応では、反応熱が発生、蓄積し、温度
上昇、暴走反応が起り易く、メタロシリケート触媒の選
択と反応条件との組合せにより高い空間速度と高い反応
率とを維持しつつ反応温度を制御することができる。
(5) 不活性固体(例えば触媒担体)と混合成型したマ
トリックス触媒でもメタロシリケート触媒単独の場合と
同様に取扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は触媒の酸性度測定のフローシート、 第2図は本発明のメタロシリケート触媒の酸性度を測定
したグラフ、 第3図はメタロシリケート触媒のSi/ Alモル比と全酸
量(mgNH/g−触媒)との関係を示すグラフ、 第4図は鉄メタロシリケート触媒のTPDスペクトル線
図である。 第1図において、 1……TCD、2……吸収ビン 3……反応管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数2ないし5のパラフィン系炭化水素
    もしくはオレフィン系炭化水素単独またはこれらの混合
    物を含む原料ガスを、 次の一般式(モル%) Si/Me 15−3500 OH/SiO2 0.3−1.0 H2O /SiO2 30−100 R/R+アルカリ金属 0.05−0.15 NaCl/H2O 0.01−0.06 (式中、Rは第4級アルキルアンモニウムカチオンであ
    り、アルカリ金属はナトリウムまたはカリウムであり、
    MeはB 、Al、Ti、V 、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、G
    e、Zr、Mo、W 、LaおよびScのいずれかで表わされる組
    成を有し、しかも 次の酸性度: 全酸量0.1−4.5ミリ当量/g−触媒、 強酸量0.05−2.0ミリ当量/g−触媒および 弱酸量0.05−3.0ミリ当量/g−触媒 を有するメタロシリケート触媒を用い、反応温度220
    −550℃の条件下で接触させることを特徴とする低級
    炭化水素から液状炭化水素の製法。
JP61121289A 1985-05-29 1986-05-28 低級炭化水素から液状炭化水素の製法 Expired - Fee Related JPH0647672B2 (ja)

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