JPH0647647A - 切削液供給装置 - Google Patents

切削液供給装置

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JPH0647647A
JPH0647647A JP20478092A JP20478092A JPH0647647A JP H0647647 A JPH0647647 A JP H0647647A JP 20478092 A JP20478092 A JP 20478092A JP 20478092 A JP20478092 A JP 20478092A JP H0647647 A JPH0647647 A JP H0647647A
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JP
Japan
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cutting fluid
cutting
fluid supply
supply device
tool
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Application number
JP20478092A
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English (en)
Inventor
Takeji Shiokawa
武次 塩川
Chikakazu Ninomiya
千佳和 二宮
Kuninori Imai
邦典 今井
Mitsukiyo Tani
光清 谷
Hideaki Sasaki
秀昭 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】刃具先端への切削液供給方式として、スピンド
ルスルー型の機能を持たない装置にも適用でき、高速切
削加工や高圧クーラントにも好適で、また安価なツール
スルー型切削液供給装置を提供することである。 【構成】主軸スピンドルやツールホルダとは別体からな
る切削液供給ブロックを有し、このブロック内の切削液
供給孔に刃具が嵌合した状態で、刃具が切削液を受け取
りながら切削加工する。切削液供給ブロックは、刃具と
一緒に移動する。 【効果】従来のオイルホール型ツールホルダのように複
雑な機構を持たないため、回転数に制限がなく、また、
切削液が洩れても破損するものがないので、高速回転・
高圧切削液に適用して極めて好適である。また、低価格
で実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械加工装置、特にマ
シニングセンタなどのように、刃具が回転しながら被加
工材を切削加工する装置において、刃具の先端に切削液
を確実にかつ効率良く供給するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マシニングセンタ等を用いた切削加工に
おいては、近年、スピンドルの回転速度が2〜5万rp
mなどの高速条件を採用することにより高速送り切削加
工を可能にし、能率をできるだけ高める傾向にある。し
かし、このような高速切削加工を行うと、使用するエン
ドミルなどの刃具は、角部に過酷な衝撃力や熱が掛る結
果、非常に短寿命で破損するという問題があった。これ
を解決するには、刃具の先端に切削液を強制的かつでき
るだけ高圧で供給し、潤滑性や切削性の向上と、刃具先
端の冷却、また切粉の強制的排除を効率良く行うのが極
めて効果的である。しかし、このような高圧・高速回転
に適用できる切削液供給装置は、これまでに実用化され
ていなかった。
【0003】従来、刃具の先端に加工液を供給するため
の効果的な方法として、「機械と工具」1992年2月
号、P.19に記載されているように、オイルホール工
具が使われており、その方式には更にスピンドルスルー
方式と、オイルホールホルダ方式との2種類が採用され
てきた。
【0004】前者のスピンドルスルー方式は、機械加工
装置にその機能が備えられていることが必要である。こ
の機能を備えていない場合、スピンドルを改造するには
膨大な費用が掛るので、オイルホールホルダを使用する
のが普通であった。すなわち、オイルホールホルダを使
用するには、装置を小改造(位置決めピンを設置)すれ
ば良く、その費用は比較的少額で済む。
【0005】しかし、オイルホールホルダは構造が複雑
なため高額(1セット数十万円)であり、また本発明で
目的とするような高速加工には適用できない(通常30
00rpm迄が限度)。また、内部に複雑な構造物を内
蔵していることから、加工中に切削液が洩れた場合には
内蔵物がすぐに損傷してしまい、使えなくなってしま
う。これを防ぐには、シールを十分に行う必要がある
が、高速回転の場合には難しく、更に、近年適用されは
じめている高圧クーラント(例えば70気圧)には、殆
んど適用不可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点をなくし、高速切削加工や高圧クーラントにも
適用できる、刃具先端への切削液供給装置を提供するこ
とを目的とする。その目的を列記すれば、次の通りであ
る。
【0007】(1)スピンドルスルー機構を持たない機
械加工装置にも適用できること、(2)従来のオイルホ
ールホルダのような複雑な機構を内蔵せず、したがっ
て、高速回転性に優れ、また高圧クーラントを適用して
液洩れが生じても損傷の起こらない構造であること、
(3)特殊な、高価なツールホルダを必要とせず、使い
やすいツールスルー型切削液供給方式であること。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、主軸スピンドルやツールホルダとは別
体からなる切削液供給ブロックを有し、このブロックの
切削液供給孔に刃具が嵌合した状態で切削加工すること
を特徴とする。
【0009】ここで、切削液供給ブロックはスライダに
固定された状態で、常に主軸スピンドルに向かう力を受
ける機構、また刃具が切削液供給ブロックの切削液供給
孔に嵌合した状態より下部の移動範囲において、主軸ス
ピンドルと切削液供給ブロックとが一緒に動く機構を有
することが望ましい。
【0010】また、この場合、切削液供給孔は内周にリ
ング状の溝を、また刃具は切削液受取孔をそれぞれ有
し、切削液受取孔が切削液を受け取る状態に設定される
位置より下部の移動範囲においては、切削液供給ブロッ
クと刃具とが一緒に動く機構を有することが更に望まし
い。
【0011】上記刃具の外周には、刃具と一体となって
回転する切削液受取機構を設けても良い。
【0012】上記切削液受取機構は、スプリングコレッ
ト、ホルダナット、ツールホルダのうちのいずれかと一
体で形成されても良い。また、その切削液受取孔は中心
軸からの放射方向とは異なる方向にあけられても良い。
【0013】上記目的を達成する他の切削液供給装置に
おいては、切削液供給孔から供給された切削液が、
(1)刃具のリード溝を通じて刃先に噴出すること、
(2)切削液供給孔と同心状かつその内周面が閉じられ
た状態のリング状溝を形成し、この溝から刃先に向かう
切削液噴出孔を設けて噴出させること、(3)切削液供
給孔の内周にリング状の溝を設け、その溝の上部と下部
の内周面が刃具との間で形成する隙間が、下部の方が大
きくなるように加工され、切削液がこの下部の隙間から
刃先に向かって噴出することのいずれかをとることを特
徴とする。
【0014】また、切削液供給ブロックには複数個の切
削液供給孔があり、使用する刃具に応じて切削液供給孔
を選択しても良い。
【0015】
【作用】切削液供給ブロックから切削液を供給するた
め、従来のようなスピンドルスルー型の主軸スピンドル
でなくとも、ツールスルー方式の切削液供給が可能とな
る。また、切削液供給ブロックは、スライダに固定さ
れ、その上死点より下の位置で移動することから、刃具
の自動交換(ATC)時にも刃具と干渉することはな
い。刃具は、それ単体でも、またはスプリングコレット
などと組みあわせた状態で使用できるので、極めて広範
囲な応用が可能である。ATCももちろん適用可能であ
る。
【0016】切削液の受取は、刃具の内部に開けた孔を
通じても、刃具のリード溝を通じても可能である。ま
た、刃具の外周から刃先に向かって噴出することもでき
ることから、多様な供給形態をとることが出来る。
【0017】切削液供給ブロックには、複数の切削液供
給孔を設けて、刃具に応じて適宜選択することができる
ことから、刃具の大きさや形態に制限されることはな
い。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。なお、ここでは立型マシニングセンタを用いた場
合について説明するが、立型に限られることはなく、横
型またはマシニングセンタ以外の機械加工装置にも適用
可能である。
【0019】(実施例1)図1に、本発明をマシニング
センタ加工に適用した場合の最も基本的な工具設定状態
を示す。本発明の一番特徴的な部材である切削液供給ブ
ロックは、スライダ25を介してベース27に取り付け
られ、Y軸コラムに固定されている。スライダ25には
スプリング26が取り付けられており、切削液供給ブロ
ック2は常にその上方(主軸スピンドル側)へ向かう力
を受け、上死点付近に停止している。
【0020】主軸スピンドル4には、刃具1を把持した
ツールホルダ3が取り付けられている。刃具1には、切
削液が流れる内部孔11、12、13が設けられてお
り、その外周にはカラー14が嵌合されている。このカ
ラーには、図3に示したように孔141が放射状に開け
られており、この孔が刃具1の孔11と一致するように
位置決めされたのち、ねじ142を用いて刃具に固定さ
れている。上記刃具1と切削液供給ブロック2の切削液
供給孔21とは、中心軸が一致するように取り付けられ
ている。(ここで、カラー14の外径が30mmに対
し、切削液供給孔21の内径は30.2mmとした。) このように準備された状態で切削加工するときには、先
ず主軸スピンドル4はZ軸スライダ45に沿って下降す
る。その下降途中で突き棒6が主軸スピンドルに接触
し、この状態で切削液供給ブロック2と刃具1及びカラ
ー14とは、図2のような位置関係に設定される。すな
わち、カラー14の孔141は、切削液供給ブロック2
の切削液供給孔21の内周に設けたポケット22(円周
状)と中心がほぼ一致するように設定される。主軸スピ
ンドルがこれより下降するときには、切削液供給ブロッ
ク2は主軸スピンドルと一緒に上下(Z軸方向)に移動
する。
【0021】被加工材7を切削加工する場合には、スピ
ンドルを回転させ、ホース24から切削液を流す。切削
液は、ジョイント241、導入孔23、ポケット22を
通ってカラー14、孔11、12、13に導かれ、刃具
の先端から噴出する。この状態で被加工材に刃具を切り
込めば、実際の切削加工点に切削液が供給された、極め
て理想的な潤滑状態を得ることができる。実際の切削加
工は、スピンドル回転速度2万rpm、また切削液の供
給圧力70気圧で行なった。その結果、非常に良好な切
削加工を行なうことができた。
【0022】上記の設定において、カラー14の外径が
30mmに対し、切削液供給孔の内径は30.2mm、
すなわち両者の隙間は片側0.1mmとした。この値
は、これに限られるものではなく、片側0.01〜0.
15mmの範囲内であれば十分に適用可能である。ただ
し、値が大きいほど切削液の漏れが大きくなり、逆に小
さくなるほどカラーと切削液供給孔との位置決め精度が
厳しくなることから、実用的には0.1mm程度が非常
に好適である。なお、この程度の隙間でも切削液は漏れ
るが、損傷されるような構造物は何もない。もし、スピ
ンドルの方に洩れることによってスピンドルを損傷する
恐れのあるときには、図4に示した143のようなつば
を設ければ、切削液はこれによって横方向に曲げられ、
更に安全となる。また、この構造には、高速回転性を損
なうような構造物は無いので、2万rpmのような高速
度でも十分に回転可能である。
【0023】この実施例においては、刃具の外周にカラ
ー14を嵌合した。これは、原則的にはなくても加工可
能、すなわち、刃具の外径を切削液供給孔21の内径に
上記のような隙間を保って嵌合すれば、同様に切削加工
できる。しかし、マシニングセンタを用いて刃具の自動
交換(ATC)を行ないながら加工する場合には、刃具
の直径が必ずしも一定ではなく、異なる場合が多い。そ
の場合には、刃具の直径に合わせて切削液供給ブロック
も交換することが必要となる。本実施例においては、こ
の点を改善するためにカラーを用いた。すなわち、カラ
ーの内径は刃具の外径と一致させ、外径は一定の値(例
えば30mm)とすることにより、刃具の直径が変わっ
ても一つの切削液供給ブロックを共通で使えるものであ
る。なお、必ずしもカラーでなくても良い。この点に関
しては、実施例2に述べる。
【0024】一方、突き棒6も必ずしも必要ではない。
すなわち、図4に示すように、切削液供給ブロック22
のポケットの長さαが、被加工材7への切り込み量δよ
り大きければ可能である。しかし、δの値が大きい場合
には、22の厚さを大きくしなければならず、それだけ
刃具も長くすることが必要となる。高速切削加工の場合
には、刃具をできるだけ短くして刃具の振動を抑制する
ことが重要であり、その点からはこの方式は不利とな
る。したがって、δが小さくて済むような被加工材の場
合以外は、本実施例のように突き棒6を採用するのが有
利である。
【0025】切削液供給ブロック2を主軸スピンドル4
側へ常に押し上げるために、ここではスプリング(コイ
ルスプリング)26を用いた。しかし、コイルスプリン
グに限られるものではなく、エアーシリンダや油圧シリ
ンダ、コンストンバネなど、他の手段を用いることも可
能である。
【0026】(実施例2)実施例1においては、切削液
の受け取りのために刃具の外周にカラー14を嵌合し
た。しかし、すでに述べたように、高速切削加工のため
には刃具の振動をできる限り小さくすることが重要であ
る。カラーを嵌合した場合には、刃具との間にわずかと
はいえ隙間が生じてしまい、これをねじで固定した場合
にはカラーが一方に寄せられてバランスが崩れてしま
う。このようなバランスの崩れは、高速加工のためには
非常に不利である。これを改善する方法を、本実施例2
に述べる。
【0027】図5には、スプリングコレットの延長部に
切削液の受取機構を設けた例を示す。すなわち、スプリ
ングコレット31の延長部に設けた突出し部32内の孔
321とポケット322とを通じて切削液を受け取るも
のである。ここでコレットの内周にポケット322を設
けたのは、刃具の切削液受け取り孔11が孔321と多
少ずれても切削液を受け取れるようにすることを目的と
した。
【0028】このようなコレットに刃具を挿入し、ホル
ダナットを締め付ければ刃具はツールホルダ3と同心度
良く固定され、高速回転しても振動を生ずる恐れは少な
い。また、323はOリングであり、これによって切削
液の上方への洩れを防止できる。上方へ洩れても損傷す
るものはないが、洩れが小さいほど刃先への噴出力が大
きくなり、有利である。
【0029】このようなセットを用いて高速切削加工を
行なった結果、切削液が刃先にまで十分に供給され、2
0000rpmでも良好な切削加工を行なうことができ
た。ただし、孔321内へ入った切削液は遠心力で外周
へ飛ばされようとする結果、切削液は刃具の中へ入りに
くくなる傾向があった。すなわち、コレットの外径が3
0mmの場合、スピンドルを20000rpmで回転す
るとポケット22の内圧は7気圧となった。このため、
切削液供給孔23から送りこむ液圧は7気圧より高くす
ることが必要であった。刃先から噴出する勢いを強くす
るには、液圧を高めるほど有利であるが、孔321の形
状を工夫することによっても可能である。すなわち、図
6に示したように、孔321をコレットの中心軸より偏
心させて設けることによって、コレットが回転したとき
に切削液に内側へ流れようとする分力が作用し、切削液
を取り入れやすくするものである。孔は1個でも良い
が、複数個にした方が効果は大きい。図6に示した4個
の場合には、遠心力は約30%軽減され、供給圧を5気
圧以上にすれば、刃先から噴出することがわかった。
【0030】この実施例で用いた刃具1は、スローアウ
ェイチップ方式である。この場合、切削加工によって刃
先が摩耗しても、チップ15を交換すれば良く、孔1
1、12、13を設けたシャンクの部分は何回でも繰返
し使うことができる。したがって、本発明には、スロー
アウェイチップ方式が極めて有効である。
【0031】図7及び図8には、切削液受取機構の他の
設計例を示す。図7は、ホルダナット33の突出し部3
31に受取機構を設けた例である。孔332から切削液
を取り込み、刃先へ噴出する。ここで、刃具の孔11の
周囲に溝16を設けたのは、コレット31に対する刃具
の位置合わせ余裕度を増すことを目的としている。切削
液はOリング323によって、上方へ漏れないようにな
っている。一方図8は、ツールホルダ3の突出し部30
0に孔301を設け、切削液を受け取るものである。孔
301から入った切削液は、空洞302に入り、刃具に
貫通した孔12を通って刃先に噴出する。
【0032】これら三つの方式は、いずれも刃具を同心
度良く把持することが可能であり、特に高速切削に威力
を発揮する。どれを選ぶかは、加工工程の設計や経済性
にもよるが、図5のスプリングコレットを用いる方法、
または図7のホルダナット方式が実用性に優れている。
【0033】(実施例3)上記実施例においては、刃具
に切削液を通す孔11、12、13が設けられた場合に
ついて説明してきた。したがって、刃具に孔が開いてい
ることが必要条件となる。しかし、本発明は、孔の開い
ていない刃具に対しても有効である。本実施例において
は、その点について説明する。
【0034】図9は、そのための原理図である。切削液
供給ブロック2から送給された切削液は、刃具1のリー
ド溝17から下方に噴出する。このリード溝は、エンド
ミルやドリル、タップなどではねじれた状態で、またリ
ーマなどではねじれのないストレートな状態で設けられ
ているが、どちらにも適用可能である。リード溝の終端
が切削液供給ブロック2より上方に突き出ない状態で組
み込まれれば、切削液はリードに沿って噴出する。これ
まで、切削液の供給においては、リードに沿わせるのが
最も理想的といわれながら、実際には有効な手段がな
く、ノズルから刃先に向けて吹き掛けるのがせいぜいで
あった。これに対し、本方法によれば、溝のねじれ角の
如何に拘らず、リードに沿った供給が確実にできるよう
になることから、その効果は非常に大きい。特に、切削
液の確実な供給が最も必要な高速加工において、その威
力は顕著である。
【0035】図9に示した方法では、刃具の直径によっ
て切削液供給ブロック2を交換しなければならない。こ
れを改善する方法を図10により説明する。すなわち、
スプリングコレット31を用いるものである。孔321
から入った切削液は、ポケット322からリード溝17
に入り、噴出するので、スプリングコレット31と刃具
とを一対で準備すれば、同じ切削液供給ブロックを共通
で使うことができる。
【0036】なお、図9、10に示した方法で使用する
刃具としては、刃先に切削液が掛かりやすいようにリー
ド溝の形状を工夫した方が良い。この点を、図15、1
6を用いて説明する。すなわち、図15では、リード溝
として、刃のすくい面に凹部(171:液だまり)を大
きく設けた形状にし、刃具が回転するときに切削液が外
周方向に飛び出さないようにし、刃先に達する液量を増
すものである。また、図16では、リード溝は少し短め
にし、これにつながる噴出溝172を設けて切削液を誘
導するものである。噴出溝の断面積をリード溝の断面積
より小さくすれば、ポケット22から供給される切削液
は、リード溝より狭い溝を通って噴出するため、勢い良
く刃先に向かって噴出し、効率良く供給されることとな
る。
【0037】図11には、孔の開いていない刃具に対す
る他の実施形態を示す。これまでの説明では、ポケット
22からの洩れ量をできるだけ少なくすることを前提に
してきた。しかし、22からの洩れは円筒状に生ずるこ
とから、これを積極的に利用するのも効果的である。す
なわち、切削液供給孔21と刃具1との上側の隙間g1
は、これまでは0.02〜0.2mmとしてきた。しか
し、下側の隙間g2を0.3〜1mm程度に大きくすれ
ば、、切削液はここから刃具の外径に沿って噴出し、刃
先に供給される。本発明が目的としている高圧の切削液
を供給することを考慮すれば、このような円筒状の切削
液噴出でも、従来のノズルによる供給より遥かに効果的
である。特に、小径の刃具を用いる場合には、その効果
は大きい。
【0038】これを更に有効にする方法を、図12に示
す。これまでのポケットに替わり、221のような内周
側が閉じたリング状の空洞を設け、その下面に噴出孔2
22を開ける。切削液はこの孔から下方に噴出する。孔
の向きを適当に変化することによって、その刃具に応じ
たジェットを得ることができる。この場合には、内径d
iを大きくできるので、刃具の直径がdiより小さけれ
ば、直径によらず、同じ切削液供給ブロックを使うこと
が可能である。
【0039】図13には、上記のような噴出孔を、刃具
と一緒に回転するように設けた例を示す。すなわち、ホ
ルダナット33の突出し部331に溝状のポケット33
3を設け、このポケットから刃先に向かう噴出孔334
を開けるものである。これによれば、噴出孔から出るジ
ェットは、常に刃先を目掛けることとなり、より確実な
液の供給が可能となる。この例では、噴出孔をホルダナ
ットに設けたが、必ずしもこれに限られるものではな
く、スプリングコレットやツールホルダなどに設けるこ
とも可能である。
【0040】なお、これらの方法は、切削加工のみでな
く、例えば小径の砥石などを用いた加工でも、威力を発
揮する。
【0041】(実施例4)これまでの実施例では、切削
液供給ブロックとして1種類のみを使用し、それに適合
する刃具を用いる方法について述べてきた。しかし、切
削工程によっては、更に大きな刃具、例えばフェイスミ
ルを用いる工程を途中に入れたい場合、また、実施例1
〜3を混合して使いたい場合も生ずる。このような場合
にも本発明を適用する方法について説明する。
【0042】図14に、その方法を示す。すなわち、切
削液供給ブロックとして、20のような、直径や方式の
異なる複数個の切削液供給孔21を設けたものを用い
る。図において、例えばAは図11、Bは図12、Cは
図5のような方式とすれば、刃具1として、ドリルを使
うときにはA、フェイスミルを使うときにはB、エンド
ミルやスローアウェイ工具などを使うときにはCと、用
途に応じて選択できるものである。選択するときには、
刃具を選ぶときに、NCのMコードなどの補助機能によ
ってパルスモータ8をも回転させ、切削液供給ブロック
20を正しい位置に回転・設定する。このとき、切削液
の供給もA用、B用、C用を、切り替えバルブを用いて
選択する。
【0043】これによって、本発明の適用範囲は大幅に
拡大する。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、切削液供給ブロックか
ら切削液を供給するため、従来のようなスピンドルスル
ー型の主軸スピンドルでなくとも、ツールスルー方式の
切削液供給が可能となる。また、オイルホール型ホルダ
のように、複雑な機構を持たないため、回転数に制限が
なく、高速回転に極めて好適である。更に、切削液が洩
れても破損するものがないので、高圧の切削液を適用す
ることができる。これらの特徴は、近年発達している高
速切削加工における切削液供給方法として、極めて優れ
ている。
【0045】ここで用いる各種治具は、比較的安価に作
れるものばかりであり、ツールスルー方式の切削液供給
法を、低価格で実現することが出来ることから、量産に
適用して、極めて効果が高いものである。したがって、
本発明により、従来適用に制限があったツールスルー方
式の適用範囲が大幅に拡大され、特に高速切削加工に、
非常に大きな威力を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る切削液供給装置の第1の実施例
(準備状況)を示す図である。
【図2】本発明に係る切削液供給装置の第1の実施例
(切削加工状況)を示す図である。
【図3】図1のI−I断面を示す図である。
【図4】突き棒が無い場合の切削状況を説明する図であ
る。
【図5】スプリングコレットを用いた切削液受取機構を
示す図である。
【図6】図5におけるスプリングコレットを示す図であ
る。
【図7】ホルダナットを用いた切削液受取機構を示す図
である。
【図8】ツールホルダを用いた切削液受取機構を示す図
である。
【図9】エンドミルのリード溝から切削液を噴出させる
方法の説明図である。
【図10】図9において、スプリングコレットを用いて
切削液を噴出させる方法の説明図である。
【図11】刃具の外周に切削液を噴出させる方法の説明
図である。
【図12】孔から刃具の刃先に切削液を噴出させる方法
の説明図である。
【図13】刃具と一緒に回転しながら、噴出孔から刃具
の刃先に切削液を噴出させる方法の説明図である。
【図14】複数の切削液供給孔を有する切削液供給ブロ
ックを用いて加工する方法の説明図である。
【図15】図9及び10において用いる刃具の好適なリ
ード溝形状を示す説明図。
【図16】図9及び10において用いる刃具の好適な溝
形状を示す説明図。
【符号の説明】
1…刃具、14…カラー、2…切削液供給ブロック、2
1…切削液供給孔、25…スライダ、3…ツールホル
ダ、4…主軸スピンドル、5…Y軸コラム、6…突き
棒、7…被加工材、8…パルスモータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 光清 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所神奈川工場内 (72)発明者 佐々木 秀昭 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所神奈川工場内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】刃具を用いて切削加工する装置において、
    切削液供給ブロックを有し、該刃具が切削液供給ブロッ
    クの切削液供給孔に嵌合した状態で切削加工することを
    特徴とする、切削液供給装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の切削液供給装置において、
    該切削液供給ブロックが主軸スピンドルと平行に設定さ
    れたスライダに固定され、常に主軸スピンドルの方に向
    かう力を受けた状態で、刃具が該切削液供給ブロックの
    切削液供給孔に嵌合した状態より下部の移動範囲におい
    て、主軸スピンドルと該切削液供給ブロックとが一緒に
    動く機構を有することを特徴とする、切削液供給装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の切削液供給装置において、
    該切削液供給孔は内周にリング状の溝を、また該刃具は
    切削液受取孔をそれぞれ有し、該切削液受取孔が切削液
    を受け取る状態に設定される位置より下部の移動範囲に
    おいて、切削液供給ブロックと刃具とが一緒に動く機構
    を有することを特徴とする、切削液供給装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の切削液供給装置において、
    刃具の外周に刃具と一体となって回転する切削液受取機
    構を有することを特徴とする、切削液供給装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の切削液供給装置において、
    該切削液受取機構がスプリングコレットと一体で形成さ
    れることを特徴とする、切削液供給装置。
  6. 【請求項6】請求項4記載の切削液供給装置において、
    該切削液受取機構がホルダナットと一体で形成されるこ
    とを特徴とする、切削液供給装置。
  7. 【請求項7】請求項4記載の切削液供給装置において、
    該切削液受取機構がツールホルダと一体で形成されるこ
    とを特徴とする、切削液供給装置。
  8. 【請求項8】請求項5〜7記載の切削液供給装置におい
    て、切削液受取孔が中心軸からの放射方向とは異なる方
    向にあけられたことを特徴とする、切削液供給装置。
  9. 【請求項9】請求項2記載の切削液供給装置において、
    該切削液供給孔から供給された切削液が、刃具のリード
    溝を通じて刃先に噴出することを特徴とする、切削液供
    給装置。
  10. 【請求項10】請求項2記載の切削液供給装置におい
    て、切削液供給孔と同心状かつその内周面が閉じられた
    状態のリング状溝を有し、この溝から刃先に向かう切削
    液噴出孔を設けたことを特徴とする、切削液供給装置。
  11. 【請求項11】請求項2記載の切削液供給装置におい
    て、該切削液供給孔は内周にリング状の溝を有し、その
    溝の上部と下部の内周面と、刃具とが形成する隙間が、
    下部の方が大きくなるように加工され、切削液がこの下
    部の隙間から刃先に向かって噴出することを特徴とす
    る、切削液供給装置。
  12. 【請求項12】請求項2記載の切削液供給装置におい
    て、刃具の外周に刃具と一体となって回転する部材を設
    け、これに切削液供給孔と同心状のリング状溝と、溝か
    ら刃先に向かう切削液噴出孔を設けたことを特徴とす
    る、切削液供給装置。
  13. 【請求項13】請求項2記載の切削液供給装置におい
    て、切削液供給ブロックが複数個の切削液供給孔を有
    し、使用する刃具に応じて該切削液供給孔を選択する機
    能を具備したことを特徴とする、切削液供給装置。
  14. 【請求項14】請求項9記載の切削液供給装置におい
    て、刃具のすくい面に液だまりを設けたことを特徴とす
    る、切削液供給装置。
  15. 【請求項15】請求項9記載の切削液供給装置におい
    て、刃具のリード終端部に、リード溝より断面積の小さ
    な切削液噴出溝を設けたことを特徴とする、切削液供給
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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