JPH0647348Y2 - 浴用水循環浄化装置のヘァーキャッチャ機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、浴用水循環装置において浴用水に混在する毛
髪等を濾過除去するためのヘァーキャッチャ機構に関す
る。

〔従来の技術〕

最近、家庭用の浴槽に付属させて設置し、浴槽内の浴用
水を循環させながら所望の温度に加温すると同時に浄化
する浴用水循環浄化装置（以下「温浴機」という）が普
及してきている。この温浴機は浴用水中へ導入した吸水
ホースと出水ホースとを温浴機本体に連結し、循環用ポ
ンプの働きにより吸水ホースで吸い込んだ浴用水を加温
・浄化して出水ホースから浴槽へ戻す循環動作を行う。

この浄化手段としては、温浴機本体に内設した高度な濾
過機構を用いているが、従来、該濾過機構に至る前段に
おいて吸入ホースの吸込口にスポンジを介在させて浴用
水に混在する粗ごみを濾過していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の粗ごみを除去する手段では、浴用水に主として浮
遊している頭髪や体毛等の毛髪は、循環用ポンプの吸引
力によりスポンジに食い込んでしまうため粗いにくいば
かりか、循環用ポンプ停止時や取り外すときスポンジ表
面に残存する他の垢成分などが落下して浴用水を汚して
しまうという問題があった。

本考案は、上記の事情に鑑みて、濾過時集積された毛髪
などのごみを浴用水中に放散させることなく、しかも洗
浄再生も容易に行えるヘァーキャッチャ機構を得ること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る浴用水循環浄化装置のヘァーキャッチャ機
構は、浴槽内に取り外し可能に取り付ける浴用水案内用
筐体は、内部にヘァーキャッチャ室が形成され該ヘァー
キャッチャ室の下方斜め部分に斜め下方向に開口した吸
水口とヘァーキャッチャ室の上部から浴用水案内用筐体
の上部壁面の開口に通ずる吸水路と浴用水案内筐体の上
部壁面の開口から前方壁面に開口する出水口に通ずる出
水路と背部壁面に取り付けられた複数の吸盤とを有し、
ヘァーキャッチャは外枠とと内枠とよりなる枠部に取外
し可能に取り付けられた網袋を有し前記外枠を前記ヘァ
ーキャッチャ室の下方斜め部分に斜め方向に開口した吸
水口に取り外し可能に取り付け外枠に続く網袋をヘァー
キャッチャ室内に位置させたことを特徴とする構成によ
って、前記の目的を達成しようとするものである。

〔作用〕

本考案に係る浴用水循環浄化装置のヘァーキャッチャ機
構は上記構成により、浴用水の循環動作中は、循環用ポ
ンプの吸引力により網袋が立ち上った姿勢となって網全
面で濾過するが、ポンプ停止中は袋頂部に主として集積
されたごみと自重とにより網袋は折れ曲って屈曲した姿
勢となるため、ごみ類が浴用水中へ放散されることはな
い。

また、ヘァーキャッチャの取外しに際しても屈曲姿勢の
まま浴槽外へ取り出せばごみの散逸することはなく、毛
髪等も網目に食い込まないので極めて容易に洗浄再生す
ることができる。

〔実施例〕

以下、本考案に係るヘァーキャッチャ機構の一実施例を
図面に基づいて説明する。

第１図は、ヘァーキャッチャ機構２を内設した浴用水案
内用筐体１を、浴槽10に複数の吸盤1cにより固着した状
態で示す縦断面図である。

この浴用水案内用筐体１は浴槽10外に設置した温浴機11
に内設した循環用ポンプ12に対し吸水ホース13と浄化手
段（不図示）等を介した出水ホース14とにより頂面で連
結されており、貯溜された浴用水15内に開口する出水口
1aを前面中間位置に設け、該出水口1aから上方に連結さ
れた出水ホース14に連通する出水路1bを有している。

また、筐体１の内部下半部分にヘァーキャッチャ室３が
形成され、ヘァーキャッチャ室３の下方斜め部分に斜め
下方向に開口した吸水口3aとヘァーキャッチャ室３の上
部から浴用水案内用筐体１の上部壁面の開口に通ずる吸
水路3bが形成してある。

ところで、ヘァーキャッチャ機構２は、前記ヘァーキャ
ッチャ室３と、該室３内に設定されるヘァーキャッチャ
４とからなる。

なお、ヘァーキャッチャ４は、第２図のＡおよびＢに示
すように、断面Ｕ字形のリング状外枠５に、薄く目の細
かい木綿布により鳥帽子型に形成した網袋６を、その口
縁を内枠７に折り曲げて取り付け、さらに外枠５の溝5m
内に内枠７によって嵌着したものである。

そして、前記円形の吸水口3aに網袋６を斜め上方へ向け
た姿勢で外枠５をもって押し込め、着脱自在に嵌着され
る。

上記構成となっているので、循環用ポンプ12を駆動し、
浴用水15を吸水口3aから吸い込み、吸水ホース13へ吸い
寄せるに先立ってヘァーキャッチャ機構２のヘァーキャ
ッチャ４により浴用水15に濾過される。このとき、網袋
６は循環ポンプ12の吸引力によって立ち上った姿勢とな
って網全面で浴用水15に残存するごみ、主として毛髪の
流過を阻止して集積する。そして、循環ポンプ12が停止
した場合には吸引される力が無くなるため、網袋６は自
重と集積されたごみの重量とにより折れ曲がり屈曲姿勢
となり、ごみ類が貯溜された浴用水15の方へ放散される
ことはない。

さらに、ヘァーキャッチャ４を洗浄のため取り外すに際
しては、前記網袋６の屈曲姿勢のまま外枠５を把持して
浴槽10外へ取り出せば、ごみ類は浴用水15内へ放散する
ことはなく、また、取出されたヘァーキャッチャ４は、
網袋６を外枠５を通過させて裏返しし、その状態で水道
水を噴射して揉み洗いすれば、極めて迅速容易に再生さ
せることができる。

なお、網袋６の新品との交換も、内枠７とともに旧網袋
を外枠５から取り外し、新網袋を内枠７に取り付けて外
枠５に再び組み付けることにより簡易に行える。

本実施例では吸水口3aを円形としたが、円形に限定され
るものでなく、楕円，方形等所望の適当な形状を選定で
きることは勿論である。

〔考案の効果〕

本考案によれば、循環用ポンプに対する浴用水案内用筐
体内のヘァーキャッチャ室の下方斜め部分に斜め下方向
に開口した吸水口に、外枠と内枠とよりなる枠部に着脱
可能に取り付けた薄布の網袋を有するヘァーキャッチャ
を取外し可能に取り付け、網袋をヘァーキャッチャ室内
に位置させたヘァーキャッチャ機構を備えた構成によっ
て、、循環ポンプへ吸入される浴用水に混在するごみ
類、とくに毛髪はヘァーキャッチャに阻止集積され、前
記ポンプの停止時にはヘァーキャッチャ室の下方斜め部
分の斜め下方向に開口した吸水口からヘァーキャッチャ
室内に位置する網袋は、自重と集積されたごみの重量と
によって折れ曲がり屈曲状態となり、集積されたごみが
浴用水中に放散されることを防止でき、またごみの取り
出しや網袋の交換のために、ヘァーキャッチャを取り出
すときもごみが浴用水中に放散されることを防止でき、
浴用水の浄化効率を著しく高めることができる。

また、ヘァーキャッチャの洗浄も迅速容易に行え、十分
な再生が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るヘァーキャッチャ機構を備えた
浴用水案内用筐体を浴槽に装着した状態を示す縦断面
図、第２図は、ヘァーキャッチャを示す図で、同図Ａは
拡大斜視図、同図Ｂは拡大縦断面図である。 １……浴用水案内用筐体 ２……ヘァーキャッチャ機構 ３……ヘァーキャッチャ室 3a……吸水口 ４……ヘァーキャッチャ ５……外枠 ６……網袋 10……浴槽 12……循環ポンプ 13……吸水ホース

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽内に取り外し可能に取り付ける浴用水
   案内用筐体は、内部にヘァーキャッチャ室が形成され該
   ヘァーキャッチャ室の下方斜め部分に斜め下方向に開口
   した吸水口とヘァーキャッチャ室の上部から浴用水案内
   用筐体の上部壁面の開口に通ずる吸水路と浴用水案内用
   筐体の上部壁面の開口から前方壁面に開口する出水口に
   通ずる出水路と背部壁面に取り付けられた複数の吸盤と
   を有し、ヘァーキャッチャは外枠と内枠とよりなる枠部
   に取外し可能に取り付けられた網袋を有し前記外枠を前
   記ヘァーキャッチャ室の下方斜め部分に斜め方向に開口
   した吸水口に取り外し可能に取り付け外枠に続く網袋を
   ヘァーキャッチャ室内に位置させたことを特徴とする浴
   用水循環浄化装置のヘァーキャッチャ機構。