JPH0646911B2 - 熱湯可塑性乳蛋白質粉末の製造法 - Google Patents

熱湯可塑性乳蛋白質粉末の製造法

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JPH0646911B2
JPH0646911B2 JP30923986A JP30923986A JPH0646911B2 JP H0646911 B2 JPH0646911 B2 JP H0646911B2 JP 30923986 A JP30923986 A JP 30923986A JP 30923986 A JP30923986 A JP 30923986A JP H0646911 B2 JPH0646911 B2 JP H0646911B2
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幸生 内田
正信 神武
康伸 平岡
章 富沢
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、熱湯中で可塑性を呈する新しい特性を有する
乳蛋白質粉末の製造法に関する。
技術的背景 従来、モザレラチーズや繊維状組織を有するチーズは、
牛乳に乳酸菌スターターを添加して発酵させた後、凝乳
酵素(レンネツト)を添加して凝固させたカードを加
熱、混練及び延伸することにより製造されている。
しかし、これらのチーズは、従来法では原料乳として全
乳しか用いることができないし(脱脂乳などは用いるこ
とができない)、また、乳酸菌スターター添加後の発酵
及び凝乳酵素添加後の凝固に時間を要し、そのためのチ
ーズバツトなどの設備も必要である等の問題点がある。
発明が解決しようとする課題 本発明は、熱湯中で可塑性のある餅状の凝固カードとな
り、糸引き性を呈ししかもそれを加熱、延伸することに
より良好な繊維性を有する繊維状チーズとなる特性を有
する乳蛋白質粉末を製造するための方法を提供すること
を課題とする。
以下本発明を詳しく説明する。
発明の構成 本発明に係る乳蛋白質粉末の製造法の特徴は、牛乳又は
加工乳を、乳中のカルシウムが脱塩率50〜80%になるよ
うに脱塩処理したものに、もしくはさらに濃縮したもの
に、凝乳酵素を添加してレンネツト反応を行い、次いで
乾燥することにある。
課題を解決するための手段 本発明は、原料として用いる牛乳又は加工乳中のガゼイ
ンと結合してカルシウムの一部を脱塩して乳中のカゼイ
ンミセルが一部崩壊しかかつた状態にするとともに、カ
ゼイン中のκ−カゼインをパラ−κ−カゼイン化するこ
とが重要であつて、これにより熱湯中で可塑性を呈する
乳蛋白質粉末が得られる。
すなわち、本発明では、牛乳又は加工乳を脱塩処理して
乳中のカルシウムが脱塩率50〜80%になるようにカルシ
ウムを脱塩し、次いでカルシウム脱塩した牛乳又は加工
乳に凝乳酵素を添加してレンネツト反応を行うことによ
り、熱湯中で可塑性を呈する乳蛋白質粉末が得ることが
できる。上記カルシウムの脱塩率を50%より低くする
と、得られた乳蛋白質粉末は熱湯中で凝固するが延伸し
て繊維状にすることができないか、凝固カードが硬くて
延伸し難く良好な繊維状組織のものが得られない。一
方、上記脱塩率を80%より高くすると、乳蛋白質粉末は
熱湯中で凝固せずに溶けてしまう。
本発明では、上述のとおり、乳中のカルシウムの脱塩率
を50〜80%にしたものをレンネツト反応させるが、繊維
状組織の良好なものを得るには、上記脱塩率を50〜65%
にするがよく、一方、糸引き性の良好なものを得るには
脱塩率65〜80%にするのがよい。
なお、本発明における上記カルシウムの脱塩には電気透
析法を利用して行うと効率的に処理することができる。
本発明では、上述のごとくしてカルシウムを脱塩した牛
乳又は加工乳に、もしくはそれをさらに濃縮したもの
に、凝乳酵素を添加してレンネツト反応を行い、次いで
乾燥して粉末化する。このレンネツト反応は30分前後行
うとよく、反応後は通常の乾燥手段により乾燥するか、
凍結乾燥により乾燥するのが好ましい。なお、乾燥に先
立つて原料乳を濃縮する場合は、限外濾過法を利用して
行うと効率的である。
上述のごとくして得られる乳蛋白質粉末は、カルシウム
の上記脱塩により、前述したとおり乳中にカルシウムミ
セルの一部が崩壊しかかつた状態になつており、レンネ
ツト反応によりカゼイン中のκ−カゼインがパラ−κ−
カゼイン化されていて、該粉末と熱湯中で混練すると餅
状の可塑性を呈し、延伸することにより良好な繊維状組
織を有するカードを生成する。
発明の効果 以上述べたとおり、本発明によると、原料乳として全乳
のみならず、脱脂乳その他の加工乳を用いて、これら原
料乳のカルシウムの50〜80%を脱塩したものをレンネツ
ト反応させ、乾燥粉末化することにより、熱湯中で混練
するだけで餅状の可塑性を呈するカードが得られ、しか
もこのカードは延伸により良好な繊維状組織もしくは糸
引き性を有するようになる。したがつて、本発明による
乳蛋白質粉末は、繊維状組織並びに糸引き性を有するチ
ーズ様製品の製造原料として有効に利用することができ
る利点がある。すなわち、この乳蛋白質粉末を用いて家
庭でも上記チーズ様製品を簡易に製造でき、その際、熱
湯に香料や調味料を添加することにより、好みに応じた
風味を有するチーズ様製品を適宜調製できるので、該乳
蛋白質粉末は新しい特性を有する食品素材といえる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。
実施例1 電気透析装置(徳山曹達者(株)製、TS-24型)を用
い、全固形8.83%、脂肪0.08%、蛋白質2.99%、乳糖4.
44%、灰分0.75%(カルシウム含量124mg/100g)を含有
する脱脂乳100kgを、それぞれカルシウム含量62.0mg/10
0g(カルシウム脱塩率50%)及びカルシウム含量43.4mg
/100g(カルシウム脱塩率65%)になるまで脱塩した。
これらの脱塩乳を65℃で30分間低温殺菌した後、50℃ま
で冷却し、回分式限外濾過装置(DDS社製、LAB-20
型、0.36m2 GR61PP膜)で濃縮倍率5倍まで濃縮して脱
塩濃縮乳をそれぞれ10kgずつ得た。これらの脱塩濃縮乳
を30℃に冷却した後、レンネツト(クリスチヤン・ハン
セン社製)30ppmを添加して30分間レンネツト反応を行
い、次いで液体窒素で短時間で凍結して、凍結乾燥を行
い乳蛋白質粉末を得た。
これらの粉末を熱湯中で混練、延伸したところ、良好な
繊維状組織を有するカードが得られた。カルシウム脱塩
率50%のものはやや硬い組織であり、カルシウム脱塩率
65%のものはやや軟らかい組織であつた。これらのカー
ドを飽和食塩水(乳酸によりpH4.0に調整)に1時間浸
漬した後、室内で24時間乾燥させて真空包装し、5℃、
1ヶ月保存したところ、組織はほぼ良好に保たれてい
た。
次に、上記脱脂乳のカルシウム脱塩率をそれぞれ35%、
及び45%にした場合を比較例として示す。
比較例 実施例で原料乳として用いた脱脂乳のカルシウム含量
を、カルシウム脱塩率がそれぞれ35%、及び45%になる
ように脱塩することを除いては、実施例に記載したと同
様の手順で乳蛋白質粉末を得た。
得られた各乳蛋白質粉末を実施例に記載したと同様にし
てカードに形成したが、カルシウム脱塩率35%のもの
は、熱湯で凝固するが延伸することが出来ず繊維状組織
とは成らなかつた。カルシウム脱塩率45%のものは、熱
湯で凝固し、延伸することは出来たが硬くて延伸しづら
く、良好な繊維状組織とは成らなかつた。
実施例2 実施例1においてカルシウム脱塩率75%になるまで脱塩
した濃縮乳を用いることを除いては、実施例1に記載し
たと同様の手順で乳蛋白粉末を得た。
この粉末を熱湯中で混練すると軟らかい組織のカードと
なり、良好な糸引き性を示した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】牛乳又は加工乳を、乳中のカルシウムが脱
    塩率50〜80%になるように脱塩処理したものに、もしく
    はさらに濃縮したものに、凝乳酵素を添加してレンネツ
    ト反応を行い、次いで乾燥することを特徴とする熱湯可
    塑性乳蛋白質粉末の製造法。
  2. 【請求項2】脱塩処理を電気透析法により行う特許請求
    の範囲第(1)項記載の製造法。
  3. 【請求項3】濃縮を限外濾過法により行う特許請求の範
    囲第(1)項記載の製造法。
JP30923986A 1986-12-27 1986-12-27 熱湯可塑性乳蛋白質粉末の製造法 Expired - Lifetime JPH0646911B2 (ja)

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NZ527434A (en) * 2003-08-07 2006-03-31 Fonterra Co Operative Group Production of protein composition from a dairy stream and its use as an ingredient in the manufacture of a cheese
KR101330920B1 (ko) * 2007-04-23 2013-11-18 유키지루시 메그밀크 가부시키가이샤 건조 치즈 및 그의 제조 방법
CN117898332A (zh) * 2024-03-19 2024-04-19 内蒙古蒙牛乳业(集团)股份有限公司 一种牛奶浓缩蛋白粉及其制备方法

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