JPH06464Y2 - 紡機の自動機における給電コード清掃装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は紡機の自動粗糸替機や自動玉揚機等の自動機に
おいて、給電コードに付着した風綿を自動的に除去する
装置に関するものである。

（従来の技術） 紡機において移動型の自動粗糸替機や自動玉揚機等の自
動機としては、特開昭５８−81631号公報に記載されて
いるもの等がある。即ち、第５図に示すように、自動機
１は紡機機台２の一側に機台長手方向と直交する方向に
敷設されたレール３上を移動する運搬車４上に搭載され
た状態で機台間を移動できるようになっている。自動機
１は運搬車４より離れて紡機機台２へ進入し、一端から
他端へ移動しながら粗糸替えや玉揚げを行いこの間自動
機１への給電は運搬車４よりコード５を介して行われ
る。コード巻取装置６は運搬車４内に設置されており、
運搬車４内のコード巻取口近傍には、第６図に示すよう
な一対の回転可能なガイドローラ７が設置してあり、コ
ード５をコード巻取装置６へ導く。

粗糸替えや玉揚げ作業は床面の風綿除去を行うブローク
リーナを停止させて行うため作業中に風綿が床面に堆積
する。近年、紡機の多錘化に伴い粗糸替えや玉揚げ作業
には長時間を要し、特に粗糸替え作業は紡出運転中に行
われるため、床面には相当量の風綿が堆積することにな
る。コード５は運搬車４のコード巻取口の下方の位置で
自重により床面に接触した状態で、自動機１の移動に伴
い床面を引摺られるため、コード５には床面に堆積した
風綿が多量に付着する。

粗糸替え作業や玉揚げ作業終了後、自動機１が運搬車４
へ向かって走行するとともに、コード５はコード巻取装
置６により巻取りが行われるが、コード５には多量の風
綿が付着しており、この風綿がガイドローラ７に引掛
り、コード５は巻取られなくなる。コード５が巻取られ
ない状態で自動機１が運搬車４に向かって走行を続ける
と、コード５は自動機１の走行用車輪８に踏まれ断線し
てしまう。コード５の断線防止のため、コード５の巻取
りが不能となった際に自動機１は停止するという安全装
置を設けることもできる。しかし、自動機１が停止する
ことで、作業者にはガイドローラ７部の風綿除去及び自
動機１の再起動等の手間がかかり、作業効率が低下する
という問題がある。

又、コード５とともに運搬車４内に入り込んだ風綿は、
駆動装置等のギヤに噛み込まれ装置の運転を停止させた
り、潤滑部に付着し潤滑油を吸収して装置の摩耗をきた
し寿命を低下させたりする。さらに、定期的な運搬車４
内の風綿除去及び潤滑部への注油のために作業者の手間
を要するという欠点がある。

なお、自動機１内にコード巻取装置６が設置されている
場合にも同様な問題が生ずる。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、コードに付着した風綿が自動機や運搬車に入
り込むことにより生ずる運転停止という問題点、及び自
動機内や運搬車内の清掃及び注油等の作業者の手間を要
するという問題点を解決するものである。

（問題点を解決するための手段） 前記の問題点を解決するため本考案では、運搬車よりコ
ードを介して給電される紡機の移動型自動機の給電装置
において、コード巻取口近傍に風綿除去手段を設けたも
のである。

（作用） 粗糸替え作業や玉揚げ作業が終了後、自動機が運搬車に
向かって走行し、コード巻取装置が作動しコードを巻取
る際に、コードに付着した風綿は風綿除去手段により、
コード巻取口手前で自動的且つ積極的に除去され、コー
ドは風綿の付着なしに巻き取られる。

（実施例） 以下、本考案を精紡機の自動玉揚機に具体化した一実施
例を第１〜第３図に従って説明する。

運搬車４には精紡機２に敷設された自動玉揚機２の走行
用レール９と同一形状のレール１０が敷設されており、
自動玉揚機１は該レール１０上に搭載されている。自動
玉揚機１への給電は運搬車４よりコード５を介して行な
われ、該自動玉揚機１の移動によるコード５の送出し及
び巻取りは運搬車４に内蔵されたコード巻取装置６によ
り行われる。コード５はコード巻取装置６から運搬車４
下面のコード巻取口を経て自動玉揚機１へ接続されてい
る。

本実施例の給電コード清掃装置は主に風綿除去具として
の回転ブラシ１１、風綿除去具の駆動装置としてのモー
タ１２、コード案内具としてのガイドローラ１３より構
成されており、コード巻取装置６が内蔵された運搬車４
に装備されている。

回転ブラシ１１は、ボス部１４の円周上に豚毛１５が半
径方向に植毛され、突端部の回転軸断面形状がコード５
に面接触するように円弧状に形成された構造となってお
り、レール１０の精紡機２側の下面に突設されたブラケ
ット１６に支持された駆動装置であるモータ１２のシャ
フト１７にボス部１４が固着されている。ガイドローラ
１３はコード巻取口とブラケット１６との間のレールの
下面に回転可能に且つコード５を常時回転ブラシ１１直
下に導くように設置されている。

次に前記装置による風綿除去作業を説明する。自動玉揚
機１は運搬車４より離れて精紡機２へ進入し、レール９
上を一端から他端へ移動しながら玉揚げを行う。玉揚げ
作業終了後自動玉揚機１が運搬車４に向かって復帰走行
する際コード巻取装置６が作動しコード５の巻取りが行
われ、同時にモータ１２が作動し回転ブラシ１１はコー
ド巻取り方向とは逆方向に回転する。ガイドローラ１３
によって回転ブラシ１１直下に導かれたコード５は、常
時回転ブラシ１１に押えつけられながら通過し、完全に
風綿が除去された状態でコード巻取り装置６に巻取られ
る。コード巻取り終了と同時にモータ１２が停止し風綿
除去作業は終了し、自動玉揚機１は運搬車４に搭載され
る。

なお、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、
例えば、回転装置としてモータ１２を用いずに、コード
巻取装置６の動力をギヤ等の動力伝達装置を介し利用し
て回転ブラシ１１を回転させてもよい。

また、本考案の装置に第４図に示すようにコンプレッサ
１８を併用し、圧縮空気をブラシ接触部に吹きつけた
り、２個の回転ブラシをコード５を両側から挾み込むよ
うに設置したりすれば、風綿除去効果はいっそう向上す
る。

さらに、風綿除去具として、駆動装置を使用せずに固定
ブラシを用いたり、コード５を囲むようにブラシを設置
すればコード案内具の役割も果たし、装置の構造は簡単
になる。

また、本考案の装置は、コード巻取装置６が自動玉揚機
１に内蔵されている場合にも有効である。

（考案の効果） 以上詳述したように、本考案の装置によれば、コードに
付着した風綿は自動的に除去され、風綿が自動機内や運
搬車内に侵入することにより生ずる運転停止という問題
点を未然に防止することができ、自動機内や運搬車内の
風綿除去及び注油等の手間を省き作業者への負担を軽減
するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１〜第４図は本考案を具体化した実施例を示すもので
あって、第１図は紡機と自動機の関係を示す概略側面
図、第２図は要部の正面図、第３図は要部の側面図、第
４図はコンプレッサを併用した要部の側面図、第５図は
従来技術を示す平面図、第６図は同じく巻取装置を説明
する斜視図である。 １…自動機、４…運搬車、５…コード、１１…風綿除去
具としての回転ブラシ、１２…風綿除去具の駆動装置と
してのモータ、１３…コード案内具としてのガイドロー
ラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】運搬車よりコードを介して給電される紡機
   の移動型自動機の給電装置において、コード巻取口近傍
   に風綿除去手段を設けたことを特徴とする給電コード清
   掃装置。