JPH0646454Y2 - 食器洗い機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、食器洗い機に係り、特に改良された洗浄ノズ
ル機構を具備する食器洗い機に関するものである。

〔従来技術〕

第７図は、従来の回転ノズルを具備した食器洗い機の内
部構造を示す模式的側面図である。このような食器洗い
機ａでは、後述する洗浄槽内に食器を収納する食器カゴ
ｂが装着される。この食器カゴｂの下部には、給水部ｃ
に回転自在に取り付けたノズル板ｄが設けられている。
ノズル板ｄには、その円周方向に向けて配設された複数
のメインノズルe,e,…が設けられ、前記給水部ｃからノ
ズル板ｄ内の図示せぬ配管を経て、洗浄水がメインノズ
ルe,e,…より噴出される。このメインノズルe,e,…から
の噴射により、ノズル板ｄが回転する。これによりメイ
ンノズルe,e,…から噴出される洗浄水が食器カゴｂに載
置された食器にまんべんなく当たり、良好な洗浄機能が
発揮される。

また、食器洗い機ａ内の上記食器カゴｂの上部には、更
に補助カゴｆが設けられている。このような補助カゴｆ
内の食器を洗浄するためには、前記メインノズルe,e,…
のみでは不十分である。そのため、従来の食器洗い機ａ
では、前記食器カゴｂの中央部に外筒ｇ内で回転自在の
内筒ｈを収納し、上記内筒ｈの上部に複数の補助ノズル
ｉを形成している。

この場合、ノズル板ｄは給水部ｃに対して上下方向に摺
動自在に取り付けられており、給水部ｃからの給水圧力
によって、ノズル板ｄが上方へ持ち上げられて、内筒ｈ
に連結され、ノズル板ｄの中央部から噴出する洗浄水が
内筒ｈの中央に形成した通水路を経て補助ノズルｉから
噴出するように構成されている。

従って、上記給水部ｃからの給水圧により、ノズル板ｄ
と内筒ｈは当接することになり、内筒ｈはノズル板ｄと
一体的に回転し、これにより補助ノズルｉが回転しつ
つ、補助カゴｆの食器に洗浄水を噴射するように構成さ
れている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記構成の食器洗い機ａであれば、食器カゴｂ自体に上
記外筒ｇと内筒ｈよりなる二重構造のノズル筒を設けな
ければならず、本来、取り外し自在の食器カゴｂの構造
が複雑となり、また重量も重くなる。

そして、給水部からの給水圧によってノズル板ｄを持ち
上げ、その力によってノズル板ｄと内筒ｈとを連結させ
ているため、このノズル板ｄを持ち上げるには非常に大
きな給水圧が必要であり、給水圧が低下するとノズル板
ｄと内筒ｈとの連結（閉塞）状態が悪くなり、この連結
部分から洗浄水が漏れてしまい補助ノズルｉによる洗浄
が行われなくなるとともに、連結部分から漏れた洗浄水
が食器の洗浄に使用されないため、洗浄効率が悪くなる
という問題があった。

従って、本考案が目的とするところは、補助ノズルの支
持構造を改良して、食器カゴの簡単化、軽量化を図ると
ともに、低い給水圧であっても補助ノズルから洗浄水を
噴出可能とした食器洗い機を提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本考案の食器洗い機は、 洗浄槽内において食器カゴの下方に設けられ、該食器カ
ゴ内の食器に洗浄水を噴き付けて洗浄を行うメインノズ
ルを有するノズル板と、 上記食器カゴの上部に設けられた補助カゴ内の食器に洗
浄水を噴き付けて洗浄を行う補助ノズルとからなり、 上記ノズル板に洗浄水の給水圧により垂直方向に伸縮駆
動される伸縮パイプを設け、 該伸縮パイプの先端に上記補助ノズルを設けている。

〔作用〕

上記構成の食器洗い機は、伸縮パイプ内に洗浄水が供給
されると、その給水圧によって伸縮パイプが伸び、その
先端に設けられた補助ノズルから洗浄水が補助カゴ内の
食器に噴き付けられて洗浄が行なわれる。

〔実施例〕

続いて、第１図乃至第６図を参照して、本考案を具体化
した実施例につき説明し、本考案の理解に供する。ここ
に第１図は本考案の一実施例に係る食器洗い機の内部構
造を示す模式的側面図、第２図は上記食器洗い機に用い
る伸縮パイプとノズルヘッドの組立体を示す縦断面図、
第３図は同ノズルヘッドの構造を示す斜視図、第４図及
び第５図は同実施例に用いる食器カゴの一例を示すもの
で、第４図はその側面図、第５図はその分解斜視図、第
６図は同食器洗い機に用いることのできる給水部の構造
を示す側断面図である。

尚、以下に述べる実施例は本考案を具体化した一例に過
ぎず、本考案の技術的範囲を限定する性格のものではな
い。

第１図において、１は洗浄槽内に設けられる食器カゴ
で、その上部に補助カゴ２を具備しており、上記食器カ
ゴ１の下方には給水部３を中心に回転自在のノズル板４
が設けられている。給水部３から供給される洗浄水は、
ノズル板４内の図示せぬ水路を通ってノズル板４の上部
に円周方向を向けて配設された多数のメインノズル5,5,
…から噴出し、その勢いによってノズル板４が回転し、
食器カゴ１内の食器が洗浄される。

更に上記給水部３には、第２図及び第３図に詳細に示す
ような補助ノズル機構９が連結されている。即ちこの補
助ノズル機構９は、非洗浄時には洗浄槽内の食器カゴ１
よりも下方位置に収納され、洗浄時に給水部３から供給
される洗浄水の水圧に応じて垂直方向に２段式に伸縮さ
れる２段式伸縮パイプ６と、この伸縮パイプ６の先端に
回転自在に設けられ、上記伸縮パイプ６を経て供給され
た洗浄水を、食器カゴ１の上部に設けられた補助カゴ２
内の食器に噴き付ける補助ノズル7,7を具備するノズル
ヘッド８とから構成されている。上記補助ノズル７は、
ノズルヘッド８の円周方向に向けて開口しており、これ
より噴出する洗浄水の勢いにより、ノズルヘッド８を自
転させつつ、主として補助カゴ２内の食器に洗浄水を噴
き付け洗浄する。

このように、この実施例における補助ノズル機構９で
は、補助ノズル７がメインノズル5,5,…を有するノズル
板４とは別個独立に回転され、且つ食器カゴ１とは別体
に設けられているので、食器カゴ１の構造が簡素化さ
れ、且つ洗浄水の水圧が余り高くない場合においても、
補助ノズル７が単独で軽く回転し、補助カゴ２に収容さ
れた食器の洗浄を食器カゴ１内の食器とは別個に行うこ
とができる。

また上記補助ノズル機構９の２段式伸縮パイプ６は、非
洗浄時には洗浄槽内の食器カゴ１よりも下方位置に収納
されているため、食器カゴ１の着脱に際してこの補助ノ
ズル機構９が支障を来すことはなく、一方洗浄時には２
段式伸縮パイプ６が洗浄水の水圧によって２段階に上方
に伸張されため、洗浄槽内の高位置に置かれた補助カゴ
２内の食器まで確実に洗浄することができる。

上記のような補助カゴ２の改良された構造が第４図及び
第５図に示されている。この補助カゴ２′では、図に示
すように、食器カゴ１から補助カゴ２′にかけてその側
部に縦長の案内用開口部10が形成され、補助カゴ２′を
構成する食器受け枠11は、使用しない状態において、上
記案内用開口部10内に立てられた状態（第４図における
一点鎖線で示す）で収容される。またこの食器受け枠11
を使用して例えば茶碗，小皿等の小型の食器を載置する
場合には、食器受け枠11を上方に引き出し、その端部の
係合部12を補助カゴ２′の係止部13に係合させ、第４図
に破線で示すように横倒しにすることにより、小型の食
器を載置可能とする。このように食器受け枠11が、使用
しない時には、邪魔にならないように食器カゴ１の側部
に立てた状態で収容され、使用する時には上方へ引き出
した後、回転させて補助カゴ２′上に横倒しして小型の
食器の載置を可能とするものであるから、食器カゴ１に
載せた大型の食器の載置に邪魔とならず、また食器の載
置状態が安定する。

通常、上記のような洗浄槽に清水を供給する給水弁は、
洗浄槽上部に設けられる。この給水弁から供給された洗
浄水は洗浄槽に貯水され、洗浄槽内に設けられた水位フ
ロートを浮き上がらせる。洗浄槽内の水位が所定水位と
なると、水位フロートに取り付けてあるマグネットが洗
浄槽外部のリードスイッチを働かせ、給水弁を閉じて洗
浄水の供給を遮断するようにしている。

そのため、上記水位フロートは食器に付着した残菜の混
じった洗浄水内に浮くことになり、水位フロートが汚れ
てその動きが悪くなり、水位検出の精度が落ちる問題が
ある。

第６図に示した給水装置はこの点につき改良したもので
ある。即ち、洗浄槽14の上部に設けられた給水弁15に接
続された給水路には、２個の分岐口16a,16bを有する蓋
板17が設けられている。上記一方の分岐口16aから出た
洗浄水は、直接洗浄槽14内に供給される。また、他方の
分岐口16bから出た水はフロート室18内に供給され、こ
のフロート室18内に設けられたサイフォン装置19を経て
排水口20から洗浄槽14内に供給される。

上記フロート室18への給水量と洗浄装置14への給水量は
前記分岐口16a,16bの開口比を調節することにより適宜
調節される。従って、上記フロート室18内に所定量の洗
浄水が供給され、内部に設けたフロート21が浮き上がっ
て該フロート21に設けたマグネット21bによってフロー
ト室18外に設けたリードスイッチ22がオンした時に、洗
浄槽14内に所定量の洗浄水が供給されるようにすること
が可能である。フロート室に供給される洗浄水は清水で
あるのでフロート21の動きが悪くなる不都合はない。

従って、給水弁15が開かれると、供給される洗浄水の一
部は分岐口16aから洗浄槽14内に直接供給され、残りの
洗浄水は分岐口16bからフロート室18内に供給される。
フロート室18内の水位が所定の水位になると、フロート
21に取り付けてあるマグネット21bがリードスイッチ22
に近接して、リードスイッチ22が作動され、給水弁15が
閉じられ給水が停止する。この時、洗浄槽14内には、適
量の洗浄水か供給され、食器カゴ１及び補助カゴ２上に
載置さた食器の洗浄が行われる。食器の洗浄が完了する
と、洗浄後の洗浄水は洗浄槽から排出されると共に、洗
浄槽内に温風が吹き込まれる。この温風は、前記分岐口
16a,16bを通ってフロート室18に吹き込まれ、フロート
室18内の洗浄水をサイフォン装置19を経て排水口20から
洗浄槽内に排出する。

〔考案の効果〕

本考案は、以上述べたように、洗浄槽内に上部に補助カ
ゴを有する食器カゴが着脱自在に設けられ、食器カゴの
下方には給水部を中心に回転自在にノズル板が設けら
れ、食器カゴ内の食器に洗浄水を噴き付けて洗浄を行う
食器洗い機において、前記給水部に連結され、非洗浄時
には洗浄層内の食器カゴよりも下方位置に収納され、洗
浄時に内部に供給された洗浄水の水圧により垂直方向に
２段式に伸縮駆動される２段式伸縮パイプと、上記２段
式伸縮パイプの先端に回転自在に設けられ、上記２段式
伸縮パイプを経て供給された洗浄水を上記補助カゴ内の
食器に噴き付ける補助ノズルとを備えているため、食器
カゴの構成を簡素化することができるとともに、軽量化
を図ることができる。また給水圧により伸縮駆動する伸
縮パイプに補助ノズルを設けているので、洗浄水の給水
圧が低下しても従来のように補助ノズルにいたるまでに
洗浄水が漏れることなく確実に補助ノズルより補助カゴ
内の食器に洗浄水を噴き付けることができ、補助カゴ内
の食器を確実に洗浄することができる。

更に、本考案では２段式伸縮パイプが、非洗浄時には洗
浄槽内の食器カゴよりも下方位置に収納されているた
め、食器カゴの着脱に際してこの補助ノズル機構が支障
を来すことはなく、一方洗浄時にはこの２段式伸縮パイ
プが洗浄水の水圧によって２段階に上方に伸張された
め、洗浄槽内の高位置に置かれた補助カゴ内の食器まで
確実に洗浄することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る食器洗い機の内部構造
を示す模式的側面図、第２図は上記食器洗い機に用いる
伸縮パイプとノズルヘッドの組立体を示す縦断面図、第
３図は同ノズルヘッドの構造を示す斜視図、第４図及び
第５図は同実施例に用いる食器カゴの一例を示すもの
で、第４図はその側面図、第５図はその分解斜視図、第
６図は同食器洗い機に用いることのできる給水部の構造
を示す側断面図、第７図は本考案の背景となる従来の食
器洗い機の内部構造を示す第１図相当図である。 〔符号の説明〕 １……食器カゴ、２……補助カゴ ２′……補助カゴ ３……給水部、４……ノズル板 ５……メインノズル、６……伸縮パイプ ７……補助ノズル、８……ノズルヘッド ９……補助ノズル機構 10……案内用開口部 11……食器受け枠 14……洗浄槽 15……給水弁 16a,16b……分岐口 18……フロート室 19……サイフォン装置 21……フロート 21b……マグネット 22……リードスイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗浄槽内に上部に補助カゴを有する食器カ
   ゴが着脱自在に設けられ、食器カゴの下方には給水部を
   中心に回転自在にノズル板が設けられ、食器カゴ内の食
   器に洗浄水を噴き付けて洗浄を行う食器洗い機におい
   て、 前記給水部に連結され、非洗浄時には洗浄層内の食器カ
   ゴよりも下方位置に収納され、洗浄時に内部に供給され
   た洗浄水の水圧により垂直方向に２段式に伸縮駆動され
   る２段式伸縮パイプと、 上記２段式伸縮パイプの先端に回転自在に設けられ、上
   記２段式伸縮パイプを経て供給された洗浄水を上記補助
   カゴ内の食器に噴き付けて洗浄を行う補助ノズルと、 を備えてなる食器洗い機。