JPH0646164U - 燃焼機器の安全装置 - Google Patents

燃焼機器の安全装置

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JPH0646164U
JPH0646164U JP8812192U JP8812192U JPH0646164U JP H0646164 U JPH0646164 U JP H0646164U JP 8812192 U JP8812192 U JP 8812192U JP 8812192 U JP8812192 U JP 8812192U JP H0646164 U JPH0646164 U JP H0646164U
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concentration
combustion
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time
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JP8812192U
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正登 近藤
俊之 小泉
豪久 真島
喜久雄 岡本
久恭 渡辺
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株式会社ガスター
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼機器から排出される排気ガス中のCOガ
ス中毒による安全動作の信頼性を高める。 【構成】 CO濃度検出部12により燃焼機器の排気ガス
中のCO濃度を単位検出時間t毎に検出する。比率算出
積算部13は検出CO濃度中に人が晒されたときに血中ヘ
モグロビンCO濃度が危険基準濃度になる時間Tを与え
られたデータにより求める。そして、単位検出時間tと
前記データにより求められた時間Tとの比t/Tの値を
重み付け比率として算出し、この重み付け比率を単位検
出時間t毎に積算する。警報出力部14は前記重み付け比
率の積算値TRが予め与えられた警報基準値と比較し、
積算値TRがこの警報基準値に達したときに警報信号を
出力する。この警報信号により燃焼停止等の安全動作を
行う。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、屋内設置型給湯器等の燃焼機器の一酸化炭素ガスに対する安全を図 る燃焼機器の安全装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7には燃焼機器として一般的に知られている給湯器の模式構造が示され、ま た、図8にはこの給湯器1を建物の室内に設置した使用態様が示されている。
【0003】 この種の給湯器1は、ファン2の回転によってフィルタ3を介して室内の空気 をバーナ4に送り込み、バーナ4に供給される燃料ガスを燃焼して熱交換器5を 加熱し、この熱交換器5を通る水を湯にし、熱交換器5の出側に接続される給湯 管を介して台所等の所望の場所に給湯を行うものである。この給湯器の燃焼運転 は制御装置6により行われ、この制御装置6にはリモコン7が接続されている。
【0004】 この給湯器1を屋内に設置するときには、給湯器1の排気出口筒部8に煙突10 の根元を嵌合装着し、煙突10の先端側は建物の外に出し、室内の空気を取り入れ て燃焼した排気ガスを建物の外に排出するようにしている。この煙突10を外に出 す場合、図8に示すように、給湯器1の近傍に壁穴を開け、この壁穴から外に煙 突10の先端を突き出す施工方式を採る場合もあるが、建物の構造によって、破線 で示すように、煙突10の筒体をつなぎ合わせて天井裏をはわせ、この天井裏から 煙突10の先端を建物の外に突き出す施工方式も採られている。
【0005】 この種の給湯器1を燃焼運転させるときに、煙突10の排気口に強風が吹き込む 等すると不完全燃焼を起こし一酸化炭素ガス(以下COガスという)が発生する 。排気ガスが煙突10を通って完全に外に排出される状態では、室内におけるCO ガスの影響は生じないのであるが、煙突10の継ぎ目に隙間が生じたり、外れたり すると、その部分から(煙突10を天井裏にはわしたものにあっては天井裏の隙間 を通して)室内にCOガスが逆流し、COガス中毒を起こすという危険がある。
【0006】 このため、従来においては、図7に示すように、給湯器1の排気側にCOセン サ11を設置し、排気ガス中のCOガスの濃度が危険濃度に達したときに警報を出 したり、燃焼運転を停止する等の安全対策が講じられている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のCOガスに対する安全手段は排気ガス中のCOガス濃度 が危険濃度に達しない間は、たとえ、COガスが室内に漏れていても安全動作が 行われないという問題があった。図5は室内で人が一定濃度のCOガスを含む雰 囲気中に晒されたときに、血中COヘモグロビンの増加状態を時間との関係で示 したものである。この図から分かるように、空気中のCO濃度が小さくとも、時 間とともに、血中COヘモグロビンが増加し、血中COヘモグロビン濃度に応じ て表1に示すような症状を引き起こす。
【0008】
【表1】
【0009】 一酸化炭素と結合したヘモグロビンが血液中ヘモグロビンの25%を越えると危 険な状態に至り、この危険な状態に至る時間は、雰囲気中のCOガス濃度が高い 場合には短い時間で到達し、COガス濃度が低い場合でもそのCOガスを含む雰 囲気中に長い時間晒されることにより、一酸化炭素と結合したヘモグロビン濃度 が徐々に増加し、一定時間経過後には危険な状態に至る。
【0010】 従来の安全装置では、排気ガス中のCOガス濃度が危険濃度となったときには 確かに燃焼停止動作が行われて安全が図られるが、この危険濃度よりも低いCO ガス濃度が室内に漏れたときには、安全装置が作動せず、COガスが漏れている 部屋に長い時間いると、COヘモグロビン濃度が致死量にまで高められるという 危険が生じる。
【0011】 本考案は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、 危険濃度よりも低い濃度のCOガスが室内に漏れたときにおいても、COガスの 漏れ具合に応じて危険状態を検知し、安全動作を行わせることができる燃焼機器 の燃焼安全装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記目的を達成するために、次のように構成されている。すなわち、 本考案の燃焼機器の安全装置は、燃焼機器の排気ガス中のCO濃度を単位検出時 間t毎に検出するCO濃度検出部と、この検出されたCO濃度の雰囲気中に晒さ れたときに血中ヘモグロビンCO濃度が危険基準濃度になる時間Tを予め与えら れたデータにより求め、t/Tの重み付け比率を算出するとともに単位検出時間 毎に求められる重み付け比率を積算する比率算出積算部と、この比率算出積算部 によって求められた重み付け比率の積算値が所定の警報基準値に達したときに警 報信号を出力する警報出力部とを有することを特徴として構成されており、また 、前記警報信号が出力されたときに燃焼機器を一時的に燃焼停止する燃焼停止部 と、燃焼停止が一時的に行われたときに燃焼停止前の重み付け比率の積算値を所 定量減衰補正する減衰補正部とを有することも本考案の特徴的な構成とされてい る。
【0013】
【作用】
上記構成の本考案において、燃焼機器の燃焼運転時に、CO濃度検出部により 単位検出時間t毎にCO濃度が検出される。比率算出積算部は検出されたCO濃 度の雰囲気中に人が晒されたときに、血中ヘモグロビンCO濃度が危険基準濃度 になる時間Tを求め、t/Tの重み付け比率を算出する。そして、各単位検出時 間毎に求められる重み付け比率を積算する。警報出力部は前記重み付け比率の積 算値が予め与えられた警報基準値に達したときに、警報信号を出力する。この警 報信号を利用してCOガス漏れの警報や燃焼停止が行われることで、COガス中 毒に対する安全が図られる。
【0014】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。なお、本実施例の説明にお いて、従来例と同一の部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。本実 施例は従来例と同様に、給湯器や湯沸器等の屋内設置型の燃焼装置におけるCO ガス中毒に対する安全を行うもので、従来例と同様に、給湯器1の排気ガス中の COガス濃度を検出するCOセンサ11が給湯器1の排気経路の所望位置に設けら れる。
【0015】 図1はCOガスに対する安全装置のブロック構成例を示したもので、本実施例 の安全装置は、CO濃度検出部12と、比例算出積算部13と、警報出力部14と、燃 焼停止部15と、減衰補正部16とを有して構成されている。
【0016】 CO濃度検出部12は、給湯器1の燃焼運転時に、単位検出時間t毎にCO濃度 を検出する。例えば、単位検出時間tを10秒としたとき、1秒毎にCOセンサ11 からのCO検出値をサンプリングし、そのサンプリング値を単純に又は重み付け して平均した値をその単位検出時間tのCO濃度とし、このCO濃度検出値を比 率算出積算部13に加える。
【0017】 比率算出積算部13は、次に述べる重み付け比率ERと、この重み付け比率ER の積算値TRを求める。前記図5のグラフから明らかなように、空気中のCO濃 度によって血中に取り込まれるCOの割合は異なっており、また、給湯器の燃焼 に際し、排気ガス中に出るCOガスの濃度は時間的に変動している。本考案はこ のような事情に鑑み、排気ガス中のCO濃度を単位検出時間t毎に検出し、各単 位検出時間t毎に血中に取り込まれるCOの量を積算し、血中ヘモグロビンCO 濃度のより正確な判断を行うことにより、COガス中毒に対する安全精度を高め るように構成している。
【0018】 前記重み付け比率ERの算出に際し、まず、単位検出時間tで検出されたCO 濃度の雰囲気中に人が晒されたときに、血中ヘモグロビンCO濃度が予め定めら れる危険基準濃度に達する時間Tを与えられたデータにより求める。この危険基 準濃度に至る時間Tを求めるデータは図3に示す血中ヘモグロビンCO濃度の時 間を変数とするシミュレーショングラフに基づいて作成される。
【0019】 図3の(a)は常時1000ppm のCOガスが密閉室内に供給されるときに、その 室内の人の血中ヘモグロビンCO濃度の増加状態を時間の関数で示したグラフで あり、このグラフにより、通常危険濃度の基準として設定される血中ヘモグロビ ン濃度25%に達する時間は約24分として求められ、これよりも血中ヘモグロビン 濃度が低い、より安全な10%濃度に達する時間は約13.5分として求められる。同 図の(b)は常時2000ppm のCOガスが密閉室内に供給されるときの血中ヘモグ ロビンCO濃度の増加状態を示したもので、血中ヘモグロビンCO濃度25%にな るのに約14.5分で達し、10%濃度になるのに約7.5 分で到達する。同図の(c) は常時3000ppm のCOガスが密閉室内に供給されたときの血中ヘモグロビンCO 濃度の増加状態を示したもので、このときには、血中ヘモグロビンCO濃度25% になるのに11分で達し、10%濃度になるのに約5.5 分で到達する。
【0020】 この血中ヘモグロビンCO濃度の危険基準濃度を設定する場合、通常の採用値 である25%に設定してもよいが、本実施例では、より安全を図るために、血中ヘ モグロビンCO濃度の危険基準濃度を10%に設定している。図3の(a),(b ),(c)のシミュレーショングラフに基づき、図4に示すように、横軸を排気 ガス中のCO量、縦軸を危険基準濃度に達するまでの時間Tとした座標に、各C O量と、そのCO量に対する危険基準濃度になる時間Tの値をプロットし、その プロット点を結ぶことにより、任意の検出CO濃度に対する時間Tを求めるグラ フデータが作成され、このデータが比率算出積算部13に与えられている。なお、 図3のシミュレーショングラフで、COガスが3000ppm のときには血中ヘモグロ ビンCO濃度が危険基準濃度になる時間Tは約5.5 分となっており、図4のグラ フデータの排気COガス3000ppm では約0.5 分となっており、両者の値が一致し ていない。この実施例では、COガス濃度が3000ppm となる場合は非常に異常で 危険状態であり、安全を担保するとともに、グラフデータを直線として簡単に演 算できるように排気CO濃度が1000ppm と2000ppm のシミュレーショングラフの 2点W1 ,W2 を結んだグラフを採用して、図4に示すグラフデータとしている 。このグラフデータを与える場合、直線でなく回帰グラフを求めることも可能で あり、重み付けした曲線グラフを採用して、これをグラフデータとすることもで きる。
【0021】 前記図4のグラフデータに基づき、比率算出積算部13はCO濃度検出部12から 加えられる単位検出時間当たりのCO濃度からそのCO濃度に晒されたときに血 中ヘモグロビンCO濃度が10%の危険基準濃度になる時間Tを求める。次に、単 位検出時間tと危険濃度に至る時間Tとの比t/Tを重み付け比率ERとして算 出する。この比率ERは、検出CO濃度の雰囲気中に晒されたとき、危険基準濃 度に達する時間Tのうち、tの時間が既に費やされ、残りT−tしか、そのCO 濃度に対して安全の余裕時間がないことを示す。比率算出積算部13は単位検出時 間t毎にCO濃度検出部12から加えられるCO濃度の検出値に基づき、重み付け 比率ERとその重み付け比率ERの積算値を求める。このように、単位検出時間 t毎に重み付け比率ERを積算することにより、各CO濃度の雰囲気中に晒され たときのトータルの血中ヘモグロビンCO濃度の危険基準濃度に対する割合が求 められる。この重み付け比率の積算値が1になったときに、血中ヘモグロビンC O濃度は危険基準濃度である10%になることを意味する。この重み付け比率の積 算値は警報出力部14に加えられる。
【0022】 警報出力部14には重み付け比率ERの積算値TRに対応する第1の警報基準値 と第2の警報基準値とが予め与えられており、重み付け比率の積算値が第1の警 報基準値に達したときに、第1の警報信号を出力し、第2の警報基準値に達した ときに第2の警報信号を出力する。そしてこれらの警報信号は燃焼停止部15と警 報手段17にそれぞれ加えられる。
【0023】 警報手段17は第1の警報信号が加えられたときに、例えばランプ等の点滅表示 を行い、第2の警報信号が加えられたときに、ブザー等の音声を発する。燃焼停 止部15は警報出力部14から第1の警報信号が加えられたときに、一時的に所定の 短時間だけ給湯器1のガス弁等を閉じて燃焼停止を行うとともに、減衰補正部16 に燃焼の一時停止信号を加える。また、燃焼停止部15は警報出力部14から第2の 警報信号が加えられたときには、給湯器1の燃焼を完全に停止する。また、燃焼 停止部15は第1の警報信号が加えられて、給湯器1の燃焼停止を一時的に行った ときには、所定の時間経過したときにリセット動作を行い、給湯器1の燃焼運転 を再び開始する。
【0024】 減衰補正部16は燃焼停止部15から燃焼の一時停止信号を受けたときに、給湯器 1の燃焼停止直前の重み付け比率の積算値を減衰補正する。すなわち、給湯器1 の燃焼が一時停止されたときには、その燃焼停止期間中は、室内のCOガスが僅 かな隙間を通って外に漏れることとなり、室内のCOガス濃度が減少する。これ を考慮するために、本実施例では、燃焼停止前の重み付け比率の積算値TRに減 衰定数Qをかけている。この減衰定数Qはe-KtLの式で表され、Kは燃焼停止中 の1時間当たりの想定換気回数であり、経験等により例えば0.2 という如く、数 値によって与えられる。また、tL は燃焼停止時から、次にリセットされて再び 燃焼運転を開始するまでの時間である。この減衰補正部16による減衰補正により 、重み付け比率の積算値はより現実に合った値に修正される。この減衰補正部16 により減衰補正が行われたときには、比率算出積算部13は次に給湯器1が燃焼運 転開始するときに、この減衰補正された重み付け比率の積算値をベースにし、こ のベースとなる値に燃焼再開後、単位検出時間毎に求められる重み付け比率ER を積算する。減衰定数Qはラプラス変換をしたり、予めテーブルを与えておくこ とにより求める。また、定数Kは気密性の高いマンションの例として0.2 を与え たが、住宅により設定変更できるようにすれば、より適切な安全作動も可能とな る。
【0025】 本実施例は上記のように構成されており、次に、図2のフローチャートに基づ き、COガスに対する安全装置の動作を説明する。まず、ステップ100 で給湯器 1の水栓が開けられると、ステップ101 で重み付け比率の積算値TRが零よりも 小さいか否かが判断される。給湯器1を最初に燃焼するときには、重み付け比率 の積算値TRは零になっているので、そのときは、ステップ104 で着火を行い、 ステップ105 でCOガス濃度を単位検出時間t毎に検出し、重み付け比率ERの 算出と、その重み付け比率の積算とを行う。
【0026】 次に、ステップ106 で算出した重み付け比率ERが零よりも大きいか否かの判 断を行い、零よりも大きいときには、燃焼状態をさらに良くするために、燃焼フ ァンの回転を上げて燃焼空気の取り入れ量を増やす。
【0027】 次に、ステップ108 でフラッグAに数字の1〜3までの数が立っているか否か を判断する。最初の燃焼時には、フラッグAに数字が立っていないので、ステッ プ109 で重み付け比率の積算値TRが0.7 よりも小さいか否かを判断する。TR が0.7 よりも小さいときには、ステップ110 で出湯栓が閉じられたか否かを判断 する。出湯栓が閉じられていないときには給湯燃焼が引き続き行われ、ステップ 105 以降の動作を繰り返す。出湯栓が閉じられたときには通常の消火動作を行っ て給湯燃焼を停止する。
【0028】 また、前記ステップ109 で重み付け比率の積算値TRが0.7 以上となったとき にはステップ112 でこのTRが0.8 よりも小さいか否かの判断を行う。TRが0. 8 よりも小さいときにはフラッグAに1が立てられる。そして、このとき、第1 の警報信号が出力され、給湯器1の燃焼が一時的に停止される。この燃焼停止と 同時に給湯の水栓も閉じられる。そして、給湯器の燃焼停止後から、所定の時間 経過したときに、ステップ116 で給湯運転のシーケンスプログラムがリセットさ れ、ステップ100 で給湯の水栓が再び開かれて燃焼が開始する。なお、ステップ 114 で給湯燃焼が一時停止して、ステップ116 のリセットが行われる間に、燃焼 停止前の重み付け比率の積算値TRが減衰補正される。そして、ステップ101 以 降の動作が繰り返し行われる。
【0029】 この動作中、ステップ108 でフラッグAに1〜3までのいずれかの数字が立っ ていると判断されたときには、そのフラッグAの数字が1であるか否かの判断が ステップ117 で行われ、フラッグAの数字が1でないときにはステップ121 で2 であるか否かの判断が行われる。
【0030】 ステップ117 でフラッグに1が立っているものと判断されたときには重み付け 比率の積算値TRの値が0.8 よりも小さいか否かが判断され、TRが0.8 よりも 小さいときには前記ステップ110 以降の動作が行われる。これに対し、重み付け 比率TRが0.8 以上のときには、ステップ119 でその重み付け比率の積算値TR が0.9 よりも小さいか否かの判断を行う。なお、前記ステップ112 の判断で、T Rが0.8 以上と判断されたときもステップ119 での判断が行われる。TRが0.9 よりも小さいとき、つまり、TRが0.8 以上で0.9 よりも小さいときにはフラッ グAに2の数字が立てられ、ステップ114 以降の動作が行われる。
【0031】 また、ステップ121 でフラッグAに2の数字が立っているものと判断されたと きにはステップ122 でTRが0.9 よりも小さいか否かの判断が行われ、TRが0. 9 以上であると判断されたときにはステップ124 でTRが1よりも小さいか否か が判断される。このステップ124 の判断は、前記ステップ119 でTRが0.9 以上 と判断されたときにも同様に行われる。TRが1よりも小さいときにはフラッグ Aに3の数字が立てられ、ステップ114 以降の動作が行われる。
【0032】 前記ステップ121 でフラッグAに2の数字が立っていないものと判断されたと きには、ステップ123 でTRが1よりも小さいか否かの判断が行われ、TRが1 よりも小さいと判断されたときにはステップ110 以降の動作を行い、TRが1以 上と判断されたときには第2の警報信号が出力され、給湯器1の確実な燃焼停止 が行われる。この給湯器1の燃焼停止は、ステップ124 でTRが1以上と判断さ れたときにも同様に行われる。
【0033】 なお、ステップ101 で重み付け比率TRが零よりも大きいものと判断されたと きにはステッップ102 でTRが1よりも小さいか否かの判断が行われ、TRが1 よりも小さいと判断されたときにはステップ103 で燃焼状態をさらによくするた めに、燃焼ファンの回転が上げられ、燃焼空気がより多く取り入れられ、ステッ プ104 での着火動作が行われる。また、ステップ102 でTRが1以上と判断され たときには第2の警報が出力されて給湯器1の完全燃焼停止が行われる。
【0034】 本実施例によれば、CO濃度の単位検出時間t毎に検出CO濃度の重み付け比 率と、その積算値が算出され、この重み付け比率の積算値TRに基づいて血中ヘ モグロビンCO濃度が危険基準濃度になったか否かが判断されるので、給湯器1 の燃焼運転時における排気ガス中のCO濃度の変動に対しても、この変動要因を 的確に取り入れて血中ヘモグロビンCO濃度の危険状態を判断することができる ので、COガス中毒に対する安全性が格段に高められることとなる。
【0035】 また、第1の警報信号が出力されて給湯器1が一時的に燃焼停止されたときに は、その燃焼停止前の重み付け比率の積算値TRの値が減衰補正され、この減衰 補正された重み付け比率の積算値をベースとして、次に燃焼開始以降の単位検出 時間t毎の重み付け比率が積算されていくので、より現実に即した重み付け比率 の積算値TRにより血中ヘモグロビンCO濃度の危険状態が判断されることとな り、COガス中毒の安全動作に対する信頼性も高められる。
【0036】 なお、本考案は上記実施例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り 得る。例えば、上記実施例では血中ヘモグロビンCO濃度の危険基準濃度を10% として設定したが、この危険基準濃度は他の異なる濃度の値で任意に設定するこ とができる。
【0037】 また、上記実施例ではCOセンサを給湯器1の排気経路中に設けたが、これを 給湯器等の燃焼機器が設置される室内に設けることもできる。
【0038】 さらに、上記実施例ではCO濃度の単位検出時間tを10秒で行っているが、こ の時間は任意に設定できるものであり、また、上記実施例では1秒毎にサンプリ ングされるCOセンサの検出値を平均化し、その平均値をCO濃度としているが 、必ずしも実施例の態様に限定されるものではない。
【0039】 さらに、上記各実施例では燃焼機器をガス燃焼式の給湯器を例にして説明した が、本考案は、ガス燃焼式以外の例えば石油燃焼式等の給湯器にも適用されるも のであり、また、給湯器以外の風呂釜、暖房機等のガスや石油の燃料を用いた様 々な燃焼機器の安全装置として適用されるものである。
【0040】
【考案の効果】
本考案は、単位検出時間t毎に検出されるCO濃度の雰囲気中に晒されたとき に、血中ヘモグロビンCO濃度が危険基準濃度になる時間Tを予め与えられたデ ータにより求め、CO濃度の単位検出時間tと前記時間Tとの比t/Tの値を重 み付け比率として算出し、この重み付け比率の積算値TRの値に基づき、血中ヘ モグロビンCO濃度を判断するようにしたので、CO濃度に対する危険判断を的 確、かつ、高精度の下で行うことができ、COガス中毒に対する安全性を格段に 高めることができる。
【0041】 また、燃焼機器が一時的に燃焼停止されたときには、燃焼停止前の重み付け比 率の積算値が減衰補正されるので、次に燃焼が再開された以降においては、減衰 補正された値をベースとして単位検出時間毎の重み付け比率が積算されて行くこ ととなって、重み付け比率の積算値が実情に即した値となり、COガス濃度の危 険判断に対する信頼性も大幅に高められたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る燃焼機器の安全装置の一実施例を
示すブロック構成図である。
【図2】同実施例の安全動作を示すフローチャートであ
る。
【図3】密閉室内に一定濃度のCOガスが連続的に供給
されるときの血中ヘモグロビンCO濃度の増加状態を示
すシミュレーションのグラフである。
【図4】所定濃度のCOガスに晒されたときに血中ヘモ
グロビンCO濃度が危険基準濃度になる時間Tを求める
グラフデータである。
【図5】空気中のCO濃度と血中ヘモグロビンCO濃度
との関係を示すグラフである。
【図6】燃焼機器の屋内設置状態の説明図である。
【図7】燃焼機器として一般的な給湯器の模式構成図で
ある。
【図8】屋内設置型給湯器への煙突施工態様の説明図で
ある。
【符号の説明】
6 制御装置 11 COセンサ 12 CO濃度検出部 13 比率算出積算部 14 警報出力部 15 燃焼停止部 16 減衰補正部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 岡本 喜久雄 神奈川県大和市深見台3丁目4番地 株式 会社ガスター内 (72)考案者 渡辺 久恭 神奈川県大和市深見台3丁目4番地 株式 会社ガスター内

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼機器の排気ガス中のCO濃度を単位
    検出時間t毎に検出するCO濃度検出部と、この検出さ
    れたCO濃度の雰囲気中に晒されたときに血中ヘモグロ
    ビンCO濃度が危険基準濃度になる時間Tを予め与えら
    れたデータにより求め、t/Tの重み付け比率を算出す
    るとともに単位検出時間毎に求められる重み付け比率を
    積算する比率算出積算部と、この比率算出積算部によっ
    て求められた重み付け比率の積算値が所定の警報基準値
    に達したときに警報信号を出力する警報出力部とを有す
    る燃焼機器の安全装置。
  2. 【請求項2】 警報信号が出力されたときに燃焼機器を
    一時的に燃焼停止する燃焼停止部と、燃焼停止が一時的
    に行われたときに燃焼停止前の重み付け比率の積算値を
    所定量減衰補正する減衰補正部とを有する請求項1記載
    の燃焼機器の安全装置。
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JP (1) JPH0646164U (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07103473A (ja) * 1993-09-30 1995-04-18 Rinnai Corp 燃焼機器の不完全燃焼時の燃焼停止装置
WO1998002693A1 (fr) * 1996-07-17 1998-01-22 Gastar Co., Ltd. Appareil de combustion
JP2007058838A (ja) * 2005-07-27 2007-03-08 Yazaki Corp ガス警報器及び当該警報方法、並びに、一酸化炭素ヘモグロビン濃度の検出装置及び当該検出方法
JP2011243207A (ja) * 2005-07-27 2011-12-01 Yazaki Corp 一酸化炭素ヘモグロビン濃度の検出装置及び当該検出方法

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