JPH064565U - 低温容器 - Google Patents

低温容器

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JPH064565U
JPH064565U JP4871592U JP4871592U JPH064565U JP H064565 U JPH064565 U JP H064565U JP 4871592 U JP4871592 U JP 4871592U JP 4871592 U JP4871592 U JP 4871592U JP H064565 U JPH064565 U JP H064565U
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refrigerant
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JP4871592U
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健太郎 梅田
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部からの侵入熱を低減することにより冷
媒を節約可能であるとともに、初期冷却や補充冷却など
冷媒注入時の過渡状態での侵入熱低減も可能である低温
容器を提供すること。 【構成】 蒸発して上昇してゆく冷媒Hの冷媒ガスに
よる冷却作用に着目したもので、所定温度の冷媒Hを貯
蔵する低温容器40であって、冷媒Hを貯蔵するととも
に上部に開口縁部43Aを有する冷媒容器43と、冷媒
容器43内の冷媒Hに所定面積にわたって対向して設け
た熱交換板45、46、47、48、49と、これら熱
交換板に設けた断熱材50、51、52と、冷媒容器4
3の開口縁部43Aに接触して設けるとともに、冷媒H
の冷媒ガスが通過可能な冷媒ガス通過穴55を形成した
熱シールド板53と、を有することを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は低温容器にかかるもので、とくに液体窒素や液体ヘリウムなどの極 低温冷媒を貯蔵するとともに、容器内への侵入熱低減対策を施した低温容器に関 するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の低温容器について図5ないし図7にもとづいて説明する。
【0003】 図5は、液体ヘリウムなどの第1の冷媒Hを貯蔵するための低温容器1の断 面図であって、この低温容器1は、外側真空断熱容器(外槽)2と、内側真空断 熱容器(内槽)3と、蓋4と、この蓋4に設けた冷媒ガス放出管5とを有する。
【0004】 外側真空断熱容器2および内側真空断熱容器3は、たとえばステンレス製で あって、内側真空断熱容器3内には第1の冷媒Hを収容可能とし、内側真空断熱 容器3を冷媒容器とする。
【0005】 外側真空断熱容器2と内側真空断熱容器3との間の空間を真空状態とし、こ の空間内に外側輻射シールド板6と、内側輻射シールド板7と、底部輻射シール ド板8とを設け、内側真空断熱容器3の外表面であって外側輻射シールド板6お よび内側輻射シールド板7の上部を固定材9により固定している。
【0006】 外側輻射シールド板6と内側輻射シールド板7との間に、第1の冷媒Hより 沸点が高く安価な液体窒素などの第2の冷媒Nを収容するとともに、内側輻射シ ールド板7および底部輻射シールド板8と、内側真空断熱容器3との間の空間を 真空としてある。
【0007】 内側真空断熱容器3内には、蓋4から吊り下げた吊り棒10と、この吊り棒 10に固定具11により固定した複数枚の対流防止板12とを設けてある。
【0008】 対流防止板12は、第1の冷媒Hに対向してこれを設けるとともに、その両 側と内側真空断熱容器3の内壁面との間を若干の空間をあけて冷媒ガスの通過を 可能としている。
【0009】 こうした構成の低温容器1においては、外側輻射シールド板6内の第2の冷 媒Nにより、外側真空断熱容器2から内側真空断熱容器3への輻射熱を減少させ ている。
【0010】 内側真空断熱容器3内には対流防止板12を設けることにより、第1の冷媒 Hの液面から上部の蓋4に至る空間内の対流による侵入熱を低減させている。
【0011】 しかしながら、とくに固定材9の部分を介した第2の冷媒Nへの熱の侵入が あるとともに、対流防止板12だけでは侵入熱の低減には不十分であるという問 題がある。
【0012】 つぎに図6にもとづき、従来からの他の開放型クライオスタットである低温 容器20を概説する。 ただし、以下の説明において同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこ れを省略する。
【0013】 図6は低温容器20の断面図であり、この低温容器20は、外側真空断熱容 器2と、内側真空断熱容器3と、蓋4と、吊り棒10の下部に設けた吊り板21 と、吊り棒22とを有する。
【0014】 吊り棒22により、超電導磁石などの被冷却物23を第1の冷媒H内に吊り 下げ収容している。
【0015】 こうした構成の低温容器20においては、所定の連続時間だけ被冷却物23 を冷却可能であるが、この冷却にともなって第1の冷媒Hの蒸発が起こり、蒸発 による第1の冷媒Hの液面低下があっても被冷却物23がまだ液面下にあるよう に、所定深さまで第1の冷媒Hを貯蔵している。
【0016】 しかして、第1の冷媒Hの蒸発にともなう液面低下が起こると、液面と吊り 板21との間のガス空間が増大するため、このガス空間に溜まった蒸発冷媒ガス が対流を起こす結果、侵入熱の原因となるという問題がある。
【0017】 つぎに図7にもとづき、従来からの他の低温容器30を概説する。
【0018】 この低温容器30は、上述の低温容器1および低温容器20による構成に加 えて、吊り板21と蓋4との間に断熱材31を有するとともに、蓋4から被冷却 物23の下部まで第1の冷媒Hを注入するための冷媒注入管32を有する。
【0019】 なお、外側固定材33により外側輻射シールド板6を内側真空断熱容器3に 固定するとともに、内側固定材34により内側輻射シールド板7を内側真空断熱 容器3に固定している。
【0020】 こうした構成の低温容器30においては、内側真空断熱容器3の内部の第1 の冷媒Hにより内側真空断熱容器3の壁を伝わって外側輻射シールド板6および 内側輻射シールド板7を冷却し、侵入熱を減らすようにしている。
【0021】 また図示を省略するが、外側輻射シールド板6あるいは内側輻射シールド板 7に巻き付けた配管内に冷媒ガスを通す低温容器もある。
【0022】 しかしながら、いずれも場合にも、内側真空断熱容器3内に冷媒注入管32 を通して最初に第1の冷媒Hを注入するいわゆる初期冷却、およびこの初期注入 後の補充として第1の冷媒Hを補充する際に多量に発生する冷媒ガスを冷たいま ま外部に放出しているという無駄な問題がある。
【0023】 上述の図5ないし図7において説明したように、たとえば超電導磁石などの 被冷却物23の浸漬冷却に用いられる一般の低温容器においては侵入熱低減対策 は重要かつ不可欠の技術であり、こうした低減対策により、高価な冷媒を節約す ることはコストダウンにつながるものであるが、従来の低温容器1、20、30 においては、この低減対策が十分ではないという問題がある。
【0024】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、外部からの侵入熱 を低減することにより冷媒を節約可能であるとともに、初期冷却や補充冷却など 冷媒注入時の過渡状態での侵入熱低減も可能である低温容器を提供することを課 題とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
すなわち本考案は、蒸発して上昇してゆく冷媒の冷媒ガスによる冷却作用に 着目したもので、第一の考案は、所定温度の冷媒を貯蔵する低温容器であって、 上記冷媒を貯蔵するとともに上部に開口縁部を有する冷媒容器と、この冷媒容器 内の上記冷媒に所定面積にわたって対向して設けた熱交換板と、この熱交換板に 設けた断熱材と、上記冷媒容器の上記開口縁部に接触して設けるとともに、上記 冷媒の冷媒ガスが通過可能な冷媒ガス通過穴を形成した熱シールド板と、を有す ることを特徴とする低温容器である。
【0026】 なお第一の考案では、上記冷媒容器内に、上記熱交換板および熱シールド板 に接触しつつ冷媒ガスが通過可能な冷媒ガス通路空間を形成することができる。
【0027】 また第二の考案は、所定温度の冷媒を貯蔵するとともに被冷却物を収容する 低温容器であって、上記冷媒を貯蔵するとともに被冷却物を収容する冷媒容器と 、この冷媒容器内の上記冷媒の上限液面と下限液面との間に位置させて設けた対 流防止板と、を有することを特徴とする低温容器である。
【0028】 さらに第三の考案は、所定温度の冷媒を貯蔵する低温容器であって、上記冷 媒を貯蔵する冷媒容器と、この冷媒容器内の上記冷媒に対向するとともに、該冷 媒容器の熱侵入経路の途中に設けた蓄冷熱交換器と、を有することを特徴とする 低温容器である。
【0029】 なお第三の考案では、上記蓄冷熱交換器は、比較的細い接続基部と、比較的 表面積の大きな蓄冷熱交換先端部とからこれを構成することができる。
【0030】
【作用】
第一の考案による低温容器においては、熱シールド板を冷媒容器の開口縁部 に接触させて設けたので、冷媒ガスにより冷却された熱シールド板の部分で侵入 熱を低減させることができる。
【0031】 しかも、上記冷媒ガス通路空間を形成可能であり、この冷媒ガス通路空間を 長く形成することにより、熱交換による侵入熱低減効果を増加させることもでき る。
【0032】 第二の考案による低温容器においては、冷媒の蒸発による減少により形成さ れるガス空間に対流防止板を設けたので、冷媒の減少にともなってこのガス空間 に発生する可能性がある対流を抑制し、対流による侵入熱を低減可能である。
【0033】 第三の考案による低温容器においては、冷媒に対向して冷媒容器への熱侵入 経路の途中に蓄冷熱交換器を設けたので、蒸発してくる冷媒ガスによりこの蓄冷 熱交換器が冷却され、侵入熱を低減させることができる。
【0034】
【実施例】
つぎに、第一の考案に相当する第一の実施例による低温容器40を図1にも とづき説明する。
【0035】 この低温容器40は、とくに図5で示した低温容器1の改良であって、外側 真空断熱容器2と、内側真空断熱容器3およびこの内側真空断熱容器3と一体に 形成した外側輻射シールド容器41との間の空間を真空とする。
【0036】 外側輻射シールド容器41の内部に内側輻射シールド板42を配置し、さら に内側輻射シールド板42の内方に冷媒容器43を配置する。
【0037】 内側輻射シールド板42と冷媒容器43との間の空間を真空とする。
【0038】 外側輻射シールド容器41および内側輻射シールド容器42の上部接続部を 水平とし、ここを水平固定材44により接続固定するとともに、外側輻射シール ド容器41と内側輻射シールド容器42との間に前記第2の冷媒Nを収容してあ る。
【0039】 したがって、冷媒容器43の径は、内側真空断熱容器3よりも小さくこれを 構成してある。
【0040】 前記蓋4に取り付けた前記吊り棒10には上部から、最上部熱交換板45、 中間部上方熱交換板46および中間部下方熱交換板47、ならびに最下部上方熱 交換板48および最下部下方熱交換板49をそれぞれ設ける。
【0041】 さらに、蓋4と最上部熱交換板45との間に最上部断熱材50を、中間部上 方熱交換板46と中間部下方熱交換板47との間に中間部断熱材51を、最下部 上方熱交換板48と最下部下方熱交換板49との間に最下部断熱材52をそれぞ れ設ける。
【0042】 中間部下方熱交換板47と最下部上方熱交換板48との間の空間に位置させ て熱シールド板53を配置し、この熱シールド板53はその周縁部近傍において 冷媒容器43の開口縁部43Aに接触し、水平固定材44との間に熱接触促進材 54を介在させてある。
【0043】 熱接触促進材54は、熱伝導性の良好な銅などによる平網線によりこれを構 成するとともに、水平固定材44あるいは熱シールド板53のいずれか一方に固 定し、蓋4をあけたときに分離可能としてある。
【0044】 熱シールド板53も、同じく熱伝導性の良好な銅などによりこれを構成する とともに、その中央部には第1の冷媒Hの冷媒ガスが通過可能な冷媒ガス通過穴 55を形成してある。
【0045】 したがって図示のように、蒸発によって上昇する冷媒ガスは、最下部下方熱 交換板49、最下部断熱材52および最下部上方熱交換板48と冷媒容器43の 内壁との間の通路空間、最下部上方熱交換板48と熱シールド板53との間の通 路空間、冷媒ガス通過穴55、熱シールド板53と中間部下方熱交換板47との 間の通路空間、中間部下方熱交換板47、中間部断熱材51および中間部上方熱 交換板46と内側真空断熱容器3の内壁との間の通路空間、中間部上方熱交換板 46と最上部熱交換板45との間の通路空間が連続して形成する冷媒ガス通路空 間56を通って前記冷媒ガス放出管5から外部に排出される。
【0046】 こうした構成の低温容器40においては、侵入熱のために蒸発した冷媒ガス は、上述の冷媒ガス通路空間56を通る。
【0047】 すなわち、冷媒ガスは、冷媒容器43および内側真空断熱容器3の内壁面、 さらには最下部断熱材52、中間部断熱材51および最上部断熱材50の表面と の間で熱交換を行うことにより侵入熱を奪いながら冷媒ガス放出管5を通して低 温容器40外に排気される。
【0048】 したがって、外部からの熱侵入経路を冷媒ガスにより冷却しながら排気する ため、冷媒ガスを有効に利用することができ、侵入熱の低減を効率よく実現可能 である。
【0049】 さらに、上記冷媒ガス通路空間56に面している熱シールド板53は、水平 固定材44および熱接触促進材54を介して内側輻射シールド容器42と熱伝導 性良好に接触していることになり、この熱シールド板53に接触しつつ排気され る冷媒ガスによって内側輻射シールド容器42の熱を有効に冷却することができ る。
【0050】 つぎに、第二の考案に相当する第二の実施例による低温容器60を図2にも とづき説明する。
【0051】 この低温容器60は、とくに図6で示した低温容器20の改良であって、前 記吊り板21に取り付けた吊り棒22にさらに対流防止板12と同様の対流防止 板61を設けたものである。
【0052】 すなわち、対流防止板61の材質は銅などの熱伝導率の良好なものを採用し 、その枚数は1枚あるいは複数枚とする。
【0053】 この対流防止板61を設ける高さとしては、第1の冷媒Hの最上面である上 限液面S1から第1の冷媒Hが蒸発してその液面が低下し被冷却物23の上面で ある下限液面S2までであり、この間に形成されるの対流空間62内にこの対流 防止板62を配置する。
【0054】 したがって、上限液面S1まで蓄えられた第1の冷媒Hは、侵入熱により蒸 発して被冷却物23の下限液面S2までの所定の冷却時間を確保することができ る。
【0055】 こうした構成の低温容器60によれば、上限液面S1にあった第1の冷媒H が蒸発により低下し、対流空間62が形成されても、対流防止板61によりこの 対流空間62内の対流が阻止され、対流による熱伝導で侵入する熱を低減する。
【0056】 また、蒸発した冷媒ガスを内側真空断熱容器3の内壁面に導き、この内壁面 と対流防止板61の端部との間を通過させることにより対流防止板61の部分と 熱交換を行わせ、これを冷却しながら排気することができる。
【0057】 したがって、液面の低下による大きなガス空間(対流空間62)によどむ冷 媒ガスによる対流を防止することにより、対流による冷媒への熱侵入を低減する ことができるとともに、ガス流が内側真空断熱容器3などの内壁面と接触しつつ 通ることにより、内壁面の冷却を促進し、さらに対流防止板61自体の冷却も行 われ、全体として侵入熱の低減を実現することができる。
【0058】 つぎに、第三の考案に相当する第三の実施例による低温容器70を図3およ び図4にもとづき説明する。
【0059】 この低温容器70は、とくに図7で示した低温容器30の改良であって、前 記外側固定材33および内側固定材34の部分の内側真空断熱容器3の内壁面側 に第1の蓄冷熱交換器71および第2の蓄冷熱交換器72をそれぞれ円周にわた ってひとまわりに設けたものである。
【0060】 第1の蓄冷熱交換器71および第2の蓄冷熱交換器72の内側真空断熱容器 3の内壁面への固定はロー付けなどによるものとし、内側真空断熱容器3との間 の熱接触を良好とする。
【0061】 第1の蓄冷熱交換器71および第2の蓄冷熱交換器72の材質としては、銅 など低温において比熱の大きな材料を用いる。
【0062】 第1の蓄冷熱交換器71および第2の蓄冷熱交換器72の形状としては、図 4に第1の蓄冷熱交換器71を代表的に示すように、その接続基部71Aを細く 、蓄冷熱交換先端部71Bを容積および表面積を大きくたとえば断面T字状とす ることが望ましい。
【0063】 つまり、接続基部71Aからの熱侵入を小さくするとともに、蓄冷熱交換先 端部71Bの部分では通過する冷媒ガスとの接触面積および熱容量を大きくする ようにするものである。
【0064】 とくにこの蓄冷熱交換先端部71Bの部分を、蒸発する冷媒ガスが上昇して ゆく内側真空断熱容器3の内壁面と吊り板21および断熱材31との間の冷媒ガ ス流路73に設置するものである。
【0065】 こうした構成の低温容器70において、まず低温容器70に冷媒注入管32 から第1の冷媒Hを注入しこれを常温から冷却してゆく場合を説明する。
【0066】 冷媒注入管32から第1の冷媒Hを注入しても、内側真空断熱容器3、被冷 却物23、およびその他の構造物が冷却されて定常状態になるまでは第1の冷媒 Hは内側真空断熱容器3内には溜まってゆかない。
【0067】 しかして、この注入中に蒸発する冷媒ガスは十分に冷たいため、冷媒ガス流 路73を通過する間に第1の蓄冷熱交換器71および第2の蓄冷熱交換器72と の間で熱交換を行い、これらを冷却し、低温にする。
【0068】 この冷却は、通常低温容器70が定常状態になったときの温度よりも十分低 く、第1の冷媒Hの沸点近くまで低下している。
【0069】 したがって、定常状態からみると、第1の蓄冷熱交換器71および第2の蓄 冷熱交換器72には負の熱量が蓄えられていることとなり、この分だけ侵入熱を 低減することができる。
【0070】 つぎに、第1の冷媒Hが蒸発により消耗したときに、これを補給する場合に ついて説明する。
【0071】 冷媒注入管32から第1の冷媒Hを補給する場合、第1の冷媒Hは気化した 冷媒ガスとともに低温容器70の内部に供給されるため、冷媒蒸発量は定常状態 に比較して増加する。
【0072】 したがって、上述の初期冷却の場合と同様に、第1の蓄冷熱交換器71およ び第2の蓄冷熱交換器72に負の熱量が蓄えられ、同様な効果を得ることができ る。
【0073】 つまり、侵入熱としては、内側真空断熱容器3を伝わる熱、および外側輻射 シールド板6および内側輻射シールド板7を伝わる熱が考えられるが、この侵入 熱の経路に第1の蓄冷熱交換器71および第2の蓄冷熱交換器72を設置するこ とにより、熱交換による侵入熱の防止を図っている。
【0074】 したがって、従来の低温容器では定常状態の場合のみを考えた設計を行って いたが、冷媒の初期供給および補給などの過渡状態に生じる余分な冷媒ガスのエ ンタルピーを定常状態を基準として負の熱量として蓄えることにより、侵入熱低 減に役立てているものである。
【0075】
【考案の効果】
以上のように本考案によれば、蒸発してゆく冷媒ガスと構造物との間の熱交 換を行わせることにより、冷媒容器および他の構造物を伝わって侵入する侵入熱 を低減することができ、冷媒の節約を実現することができる。
【0076】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一の実施例による低温容器40の断
面図である。
【図2】本考案の第二の実施例による低温容器60の断
面図である。
【図3】本考案の第三の実施例による低温容器70の断
面図である。
【図4】同、第1の蓄冷熱交換器71および第2の蓄冷
熱交換器72部分の要部拡大断面図である。
【図5】従来の低温容器1の断面図である。
【図6】従来の他の低温容器20の断面図である。
【図7】従来の他の低温容器30の断面図である。
【符号の説明】
1 低温容器 2 外側真空断熱容器(外槽) 3 内側真空断熱容器(内槽) 4 蓋 5 冷媒ガス放出管 6 外側輻射シールド板 7 内側輻射シールド板 8 底部輻射シールド板 9 固定材 10 吊り棒 11 固定具 12 対流防止板 20 低温容器 21 吊り板 22 吊り棒 23 被冷却物(超電導磁石) 30 低温容器 31 断熱材 32 冷媒注入管 33 外側固定材 34 内側固定材 40 低温容器 41 外側輻射シールド容器 42 内側輻射シールド容器 43 冷媒容器 43A 冷媒容器43の開口縁部 44 水平固定材 45 最上部熱交換板 46 中間部上方熱交換板 47 中間部下方熱交換板 48 最下部上方熱交換板 49 最下部下方熱交換板 50 最上部断熱材 51 中間部断熱材 52 最下部断熱材 53 熱シールド板 54 熱接触促進材 55 冷媒ガス通過穴 56 冷媒ガス通路空間 60 低温容器 61 対流防止板 62 対流空間 70 低温容器 71 第1の蓄冷熱交換器 71A 第1の蓄冷熱交換器71の接続基部 71B 第1の蓄冷熱交換器71の蓄冷熱交換先端部 72 第2の蓄冷熱交換器 73 冷媒ガス流路 H 第1の冷媒(液体ヘリウム) N 第2の冷媒(液体窒素) S1 上限液面 S2 下限液面(被冷却物23の上面)

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定温度の冷媒を貯蔵する低温容器で
    あって、 前記冷媒を貯蔵するとともに上部に開口縁部を有する冷
    媒容器と、 この冷媒容器内の前記冷媒に所定面積にわたって対向し
    て設けた熱交換板と、 この熱交換板に設けた断熱材と、 前記冷媒容器の前記開口縁部に接触して設けるととも
    に、前記冷媒の冷媒ガスが通過可能な冷媒ガス通過穴を
    形成した熱シールド板と、 を有することを特徴とする低温容器。
  2. 【請求項2】前記冷媒容器内に、前記熱交換板および熱
    シールド板に接触しつつ冷媒ガスが通過可能な冷媒ガス
    通路空間を形成したことを特徴とする請求項1記載の低
    温容器。
  3. 【請求項3】 所定温度の冷媒を貯蔵するとともに被
    冷却物を収容する低温容器であって、 前記冷媒を貯蔵するとともに被冷却物を収容する冷媒容
    器と、 この冷媒容器内の前記冷媒の上限液面と下限液面との間
    に位置させて設けた対流防止板と、 を有することを特徴とする低温容器。
  4. 【請求項4】 所定温度の冷媒を貯蔵する低温容器で
    あって、 前記冷媒を貯蔵する冷媒容器と、 この冷媒容器内の前記冷媒に対向するとともに、該冷媒
    容器の熱侵入経路の途中に設けた蓄冷熱交換器と、 を有することを特徴とする低温容器。
  5. 【請求項5】前記蓄冷熱交換器は、比較的細い接続基部
    と、比較的表面積の大きな蓄冷熱交換先端部とからこれ
    を構成することを特徴とする請求項4記載の低温容器。
JP4871592U 1992-06-19 1992-06-19 低温容器 Pending JPH064565U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001519020A (ja) * 1997-03-27 2001-10-16 フォーモースト・イン・パッケージング・システムズ・インコーポレイテッド 改良された断熱輸送容器

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