JPH0645014B2 - 粉砕機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は固定刃、回転刃及びスクリーンを有する粉砕機
に係るものであって、殊に上記回転刃が上記スクリーン
の入口側端部に設けられた上記固定刃との間で原料を噛
み込み、粉砕してスクリーンより篩い落とすようになっ
ている粉砕機における上記スクリーンの篩目に関する。

(ロ)従来の技術 前記のような粉砕機に於いてスクリーンの篩目の大きさ
は従来単一サイズのものであって、多くは粉砕粒の大き
さに見合うサイズの篩目であった。例えば粉砕粒のメッ
シュが６メッシュ（約3.36ミリメートル）より小さく、
14メッシュ（約1.19ミリメートル）以上を所望する場合
は、スクリーンの篩目は４ミリメートルが適寸サイズで
あるが、これによると、ふるい落とされた粉砕粒には14
メッシュ以下の微細粉が相当量混在してしまう。

この過少微細粉は上記所望のメッシュに合せて設計製作
された粉砕機及び周辺機器に種々の障害を及ぼす。たと
えば粉砕機と射出成形機とを組合せ、射出成形後の樹脂
のスクラップや不良品を粉砕機で粉砕して射出成形機に
戻してやるリサイクル工程が一般に行はれているが、こ
のリサイクル工程において上記微細粉が静電気によって
輸送管路壁に吸着して輸送管路の抵抗を増大したり、覗
き窓を曇らせたり、射出成形機のホッパ落し蓋を詰らせ
たりする。或は石炭の粉砕輸送においては所謂粉塵災害
を誘起する一因となり、コーヒーミルにおいてはコーヒ
ーの風味を損ねる一因となっていた。

(ハ)発明が解決しようとする問題点 この発明は粉砕機による微細粉の発生を極力抑え、上記
従来技術における問題を解消するものである。

(ニ)問題点を解決するための手段及び作用 前記のような粉砕機は回転刃の回転によって固定刃との
間に原料を噛み込み、叩き切って粉砕し、スクリーンか
ら篩い落とすのであるが、篩目より大きい粉砕粒は回転
刃の回転につれてスクリーン上から掻き上げられ、原料
と共に再び固定刃と回転刃との間に噛み込まれる。この
噛み込みの回数が増えれば微細粉の発生も多くなる理で
あって、発明者の観測によれば約12％以上である。また
噛み込み回数が増え、微粉砕回数が増えると粉砕機の粉
砕能力が減少することになる。

本発明はこの現象に着目し、上記噛み込みの回数を少な
くすることを主眼とするもので、そのためにスクリーン
の篩目を前記適寸サイズのものと、該適寸サイズより若
干大きい孔とを所定の割合で混在し、且つ相互ランダム
に配列して設けたのである。

(ホ)作用 上記のように適寸サイズより大きい篩目を混在すること
によって若干大きい粒子の粉砕物が出るが、過少微細粉
の発生は適寸サイズの篩目の数が減った分だけ少なくな
るのである。正確に云うと適寸サイズより大きい篩目か
ら発生する過少微細粉もあるのであるが、その量は発明
者の観測によれば二次曲線的に急減し、粉砕効率も向上
する。

(ヘ)実施例 この発明の好適な実施例を図によって説明する。第１図
において、上部ハウジング７と下部ハウジング８とは蝶
番９で連結されており、縦断面円弧状のスクリーン１が
下部ハウジング８に交換可能に設けられている。上記円
弧状スクリーン１の円弧中心を回転中心とするロータ４
が上部ハウジング７に設けてあり、該ロータ４に図示の
如く回転刃２が固設してある。前記上部ハウジング８の
スクリーン入口側端部に固定刃３が取り付けてあり、該
上部ハウジングの上方胴部81内を落下した原料５は上記
固定刃３と回転刃２との間に噛み込まれ、叩き切られて
粉砕され、スクリーン１の篩目から篩い落とされる。

第２図にスクリーン１の平面展開図を示す。該スクリー
ンは鉄板、銅板、ジュラルミン板等よりなり、篩目11、
12、13が図の如く穿孔されている。篩目11は所望も粉砕
粒の大きさに見合う適寸サイズ、たとえば直径４ミリメ
ートルであり、図の如く14列168個穿たれ、篩目12は上
記11より一廻り大きい、たとえば５ミリメートルのも
の、篩目13は更に一廻り大きいたとえば６ミリメートル
のものであってそれぞれ６列及び３列で孔の数は計117
個である。

(ト)発明の効果 上述の構成になる本発明は前述の通り原料の噛み込み回
数が少なくなり、従がって何回も繰返し叩き切ることが
なくなるから過小微細粉の発生が少なく、射出成形のリ
サイクル工程において粉砕樹脂による輸送管や覗き窓の
目詰りや曇りが生ぜず、また石炭の粉塵災害や、コーヒ
ーミルで碾いたコーヒーの風味を損ねることのないよう
な、且つ粉砕効率の高い粉砕機を得ることができる。

(チ)付記 尚この発明におけるスクリーンの篩目の適寸サイズとオ
ーバサイズとの数の割合は５：５（同数）ないし８：２
適当であって、これより多くても少なくても満足し得る
結果は得られないようである。またその配列について
も、上記実施例のように相互ランダムに配列するが、原
料の種類、粉砕粒のメッシュ、作業環境特に湿度等の条
件によって適宜考慮すべきである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の粉砕機の一実施例を示す縦断面図、第
２図はスクリーンの平面展開図である。 符号の説明 １……スクリーン、２……回転刃、３……固定刃

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】固定刃、回転刃及びスクリーンを有し、上
   記回転刃が上記スクリーンの入口側端部に設けられた上
   記固定刃との間で原料を噛み込み、粉砕してスクリーン
   より篩い落とすようになっている粉砕機において、上記
   スクリーンの篩目が、所望の粉砕粒の大きさに見合う適
   寸サイズの孔と、該適寸サイズより若干大きい孔とを、
   所定の割合で混在し、且つ相互ランダムに配列して設け
   てあることを特徴とする粉砕機。
2. 【請求項２】スクリーンの篩目の適寸サイズの孔の数
   と、適寸サイズより若干大きい孔の数との比率が５：５
   ないし８；２である特許請求の範囲第１項記載の粉砕
   機。
3. 【請求項３】スクリーンの篩目の適寸サイズより若干大
   きい孔の形状・寸法が２種類以上である特許請求の範囲
   第１項または第２項のいずれかに記載の粉砕機。