JPH0644859B2 - 潅流培養装置 - Google Patents

潅流培養装置

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JPH0644859B2
JPH0644859B2 JP62028436A JP2843687A JPH0644859B2 JP H0644859 B2 JPH0644859 B2 JP H0644859B2 JP 62028436 A JP62028436 A JP 62028436A JP 2843687 A JP2843687 A JP 2843687A JP H0644859 B2 JPH0644859 B2 JP H0644859B2
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liquid
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雅則 三砂
紀悟 棚橋
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タバイエスペツク株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ホローファイバの内側に培養液を潅流させ、
該ファイバの外側にも培養液を配置し、該ファイバを介
して該ファイバ内外の培養液を相互に移動させつつ該フ
ァイバの外側において生物細胞を増殖させる潅流培養装
置に関する。
〔従来技術とその問題点〕 生物細胞、特に動物細胞の培養は生体由来の有用な生理
活性物質、例えばインターフェロン、ガン抗原、ホルモ
ン、細胞増殖因子、リンフォカイン、モノクローナル抗
体、酵素類等を得るために、或いはそのような生理活性
物質を産生する細胞そのものを多く得るために必要であ
る。
このような細胞の大量培養装置の一つにホローファイバ
(中空繊維)を利用したホローファイバ式潅流培養装置
がある。
この潅流培養装置はホローファイバの内側に栄養源、適
当量の酸素等を含む培養液を潅流させ、該ファイバの外
側にも培養液を配置し、該ファイバを介して該ファイバ
内外の培養液を相互に移動させつつ該ファイバの外側に
おいて生物細胞を増殖させるものである。
この場合、該ファイバ内外の培養液を相互に移動させる
方法として、古くは第7図に示すように、単にファイバ
の入口から所定の実質上一定圧力の培養液を供給して、
該入口に近い部分でファイバ内液がその減圧によりファ
イバ外へ移行し、ファイバ出口に近い部分では逆にファ
イバ外側の液がファイバ内へ移行することを利用するも
のがあった。しかしこの装置では液移動が不十分であっ
た。
最近では一層液移動を積極的に行うものとして、米国の
エンドトロニクス(Endotronics)社が開発した装置が
ある。
これは第8図に概略図示したもので、この装置は多数の
ホローファイバを組み込んだカートリッジ101におけ
るファイバ外側の空間(エキスラ キャピラリー スペ
ース)(ECS)をカートリッジ外側のエキスパンショ
ンチャンバ102に逆流防止弁103、104を介して
接続したものである。ファイバ内側の空間(インナー
キャピラリー スペース)(ICS)には新鮮培養液を
循環させ、ECSの内圧を常時100mmHgに保ってお
き、一つのサイクルではICS内圧を200mmHgにして
ICS内の培養液をECS内に透過させ(第8図中実線
矢印参照)、チャンバ102内へ移行させる。ECS内
の液が上限に達すると次のサイクルでICS内圧が自動
的に0まで下降し、ECS内液がICSへ限外濾過的に
押し出される(第8図中点線矢印参照)。かくしてチャ
ンバ102内の液が下限に達すると前記最初のサイクル
にもどり、以後同様なサイクルを繰り返すようになって
いる。
このエンドトロニクス社の方法及び装置は前述の旧式方
法、装置に比べると優れてはいるが、なお次のような問
題点を残している。
すなわち、エキスパンションチャンバ102内の液位
の昇降にともなってチャンバ内気相部Aにおいて液相部
との間にガス交換が生じ、そのため細胞の増殖や代謝に
よる酸素消費率の測定、培養液中の溶存ガス組成やpH
値の変化の測定が不可能となる、ICS内液圧が0〜
200mmHgの間で変動するため、ICS内液の溶存ガス
組成、pH値が変動し、溶存酸素(DO)等の溶存ガス
のセンサの指示値、pHセンサの指示値など、各種セン
サによる指示値が変動し、ICS内培養液の正確なガス
制御が困難となる、ICSを含む回路が細菌汚染、部
品故障等により故障した場合、ECS内の望ましい培養
環境を維持できない、ECS内の全面的な培地交換が
できない、という問題である。
また、ECS内の培養環境をECS内各部で均一にする
という観点から、ホローファイバカートリッジに外部か
ら接続した液循環装置によりECS内培養液を循環させ
ることが、特開昭61−280270号公報で提案され
ている。
しかし、この液循環装置を備えた培養装置は、前記エン
ドトロニクス社のエキスパンションチャンバ利用の装置
のようにICSとECSとの液圧力差に基づき、ホロー
ファイバ壁を通して、ICSとECS間で培養液を強制
的、積極的に相互移動させるという考え方とは、まった
く異なる考え方に基づくものである。
すなわち、当該公報で提案されている培養装置では、I
CSとECS間相互の培養液移動は、実質上、第7図に
示すような、なり行き任せの旧来方法に委ねている。そ
してこの不十分な培養液相互移動を補うために、ECS
内培養液を外部接続の液循環装置にて循環させるもので
ある。
この培養装置においても、液循環装置運転により、結果
的にはICS内液圧とECS内液圧に若干の差が生じる
可能性はあるが、その程度の圧力差では、ICSとEC
S間の効果的な培養液相互移動は期待できない。
また、この培養装置では、ICSからECSへの十分な
栄養源、酸素等の補給や、ECSからICSへの十分な
老廃物の排出を期待できないから、実際の使用にあたっ
ては、必然的に外部の液循環装置には新たな培養液を供
給する培養液貯槽を設けることになる。しかも、かかる
培養液貯槽には、ポンプによる液の循環、該槽内液への
栄養源の補給等を円滑に行うために、外気と連通する気
相部を設け、貯槽における液体に加圧や減圧が作用しな
い状態とされる。従って、ECSを循環する培養液が気
相部に接触することになり、ECS内培養液と該気相部
との間でガス交換が生じ、延いては、細胞の増殖や代謝
によるICS内の培養液における溶存ガス組成、pH値
等の変化の測定や酸素消費率の測定などを正確に行えな
くなる。また、その結果、培養液中の溶存ガス組成やp
H値等の制御を正確に行えなくなる。
そこで本発明は、ホローファイバの内側に培養液を実質
上一定圧力下にに潅流させ、該ファイバの外側にも培養
液を配置し、該ファイバを介して該ファイバ内外の培養
液を相互に円滑に移動させつつ該ファイバの外側におい
て生物細胞を増殖させる潅流培養装置であって、ホロー
ファイバ内外の培養液を積極的、強制的に相互に円滑に
移動させることができ、しかも、細胞の増殖や代謝によ
る培養液中の酸素消費率の測定、培養液中の溶存ガス組
成やpH値等の変化の測定を正確に行うことができ、そ
れによって培養液の溶存ガス組成やpH値等を正確に制
御することが可能となる潅流培養装置を提供することを
第1の課題とする。
また、本発明は、前記第1の課題を解決するとともに、
ホローファイバ内側空間を含む培養液潅流回路が細菌に
汚染されたり、故障したりして非常事態が発生したとき
でも、ホローファイバ外側空間に望ましい培養環境を維
持できる潅流培養装置を提供することを第2の課題とす
る。
また、本発明は、前記第1の課題を解決するとともに、
ホローファイバ外側空間内の全面的な培地交換ができる
潅流培養装置を提供することを第3の課題とする。
なお、本明細書において、「ホローファイバ外側空間
(ECS)内培地の全面的交換」とは、ホローファイバ
ー壁を通過しないでECS内に残留する物質をも含めた
状態でECS内培地を排出し、代わりに新しい培地を導
入する意である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の前記第1の課題は、ホローファイバの内側に培
養液を実質上一定圧力下に潅流させ、該ファイバの外側
にも培養液を配置し、該ファイバを介して該ファイバ内
外の培養液を相互に移動させつつ該ファイバの外側にお
いて生物細胞を増殖させる潅流培養装置であって、前記
ファイバ外側空間内の培養液の圧力を前記ファイバ内側
空間内の培養液圧力より、繰り返し高圧又は低圧にする
ために該ファイバ外側空間内培養液に対し加圧、減圧を
交互に施すことができるポンプを含む培養液加圧・減圧
回路にして該ファイバ外側空間に連通接続された培養液
加圧・減圧回路を備え、該回路はその中に培養液が満た
され、密閉されていることを特徴とする潅流培養装置に
より解決される。
ホローファイバ内側空間の培養液圧力は、従来どおり、
該内側空間を含む培養液潅流回路中の、代表的には培養
液タンクがそのまま、或いは、フィルターを介して大気
に連通せしめられること等で実質上一定とされる。
本発明の前記第2の課題は、ホローファイバの内側に培
養液を実質上一定圧力下に潅流させ、該ファイバの外側
にも培養液を配置し、該ファイバを介して該ファイバ内
外の培養液を相互に移動させつつ該ファイバの外側にお
いて生物細胞を増殖させる潅流培養装置であって、前記
ファイバ外側空間内の培養液の圧力を前記ファイバ内側
空間内の培養液圧力より、繰り返し高圧又は低圧にする
ために該ファイバ外側空間内培養液に対し加圧、減圧を
交互に施すことができるポンプを含む培養液加圧・減圧
回路にして該ファイバ外側空間に連通接続された培養液
加圧・減圧回路を備え、該回路はその中に培養液が満た
され、密閉されており、前記ポンプは、その液収容部に
培養液の流入口及び流出口を有し、該流入口が、前記フ
ァイバ内側空間の流入口部に対応するファイバ外側空間
一端部に、該ファイバ外側空間から前記液収容部方向へ
の液流れを許す第1の逆止弁を介して配管接続され、前
記流出口が、前記ファイバ内側空間の流出口部に対応す
るファイバ外側空間他端部に、前記液収容部から該ファ
イバ外側空間方向への液流れを許す第2の逆止弁を介し
て配管接続され、前記液収容部がもう一つの培養液流入
口を有し、該流入口が、送液ポンプ、ガス交換器及びセ
ンサ部を含む非常用管路の一端に接続され、該管路の他
端は、前記第1逆止弁と前記液収容部とを接続している
配管に設けた方向切り換え弁に接続され、該方向切り換
え弁は前記第1逆止弁からの液流れを前記液収容部又は
前記管路に選択的に切り換えるものであることを特徴と
する潅流培養装置により解決される。
本発明の前記第3の課題は、ホローファイバの内側に培
養液を実質上一定圧力下に潅流させ、該ファイバの外側
にも培養液を配置し、該ファイバを介して該ファイバ内
外の培養液を相互に移動させつつ該ファイバの外側にお
いて生物細胞を増殖させる潅流培養装置であって、前記
ファイバ外側空間内の培養液の圧力を前記ファイバ内側
空間内の培養液圧力より、繰り返し高圧又は低圧にする
ために該ファイバ外側空間内培養液に対し加圧、減圧を
交互に施すことができるポンプを含む培養液加圧・減圧
回路にして該ファイバ外側空間に連通接続された培養液
加圧・減圧回路を備え、該回路はその中に培養液が満た
され、密閉されており、さらに、前記ホローファイバの
外側空間及び前記培養液加圧・減圧回路から排液するた
めの排液装置及び該ファイバ外側空間及び前記培養液加
圧・減圧回路に新たな培養液を供給するための培養液供
給装置が付設されていることを特徴とする潅流培養装置
により解決される。
前記各課題を解決する潅流培養装置のそれぞれにおい
て、前記ポンプとしては、培養液の加圧、減圧を簡単・
確実に行えるピストン・シリンダ形ポンプを例示でき
る。
また、このようにピストン・シリンダ形ポンプを用いる
場合、例えば、該ポンプンは、その液収容部であるシリ
ンダ部に培養液の流入口及び流出口を有し、該流入口
が、前記ファイバ内側空間の液入口部に対応するファイ
バ外側空間一端部に、該ファイバ外側空間から前記シリ
ダ部方向への液流れを許す第1の逆止弁を介して配管接
続され、前記流出口が、前記ファイバ内側空間の流出口
部に対応するファイバ外側空間他端部に、前記シリンダ
部から該ファイバ外側空間方向への液流れを許す第2の
逆止弁を介して配管接続される状態を考えることができ
る。
また、この場合、前記第2の課題を解決する潅流培養装
置においては、前記非常用管路を接続する液収容部のも
う一つの培養液流入口は、このシリンダ部に設けられ
る。
前記第3の課題を解決する培養装置における排液装置及
び培養液供給装置としては、例えば、前記培養液加圧・
減圧回路の一部に方向切り換え弁を介して排液ボルト及
び培養液ボルトを配管接続するものが考えられる。
〔作 用〕
前記第1、第2、第3の各課題を解決する潅流培養装置
によると、ホローファイバ外側空間ECS内の液圧を培
養液加圧・減圧回路におけるポンプの運動によりホロー
ファイバ内側空間ICS内の一定液圧より下降させるこ
とで、ホローファイバ内側空間ICS内の調整された培
養液がホローファイバを通って外側空間ECS内へ円滑
に移行する。逆にホローファイバ外側空間ECS内の液
圧を前記ポンプの運転にてホローファイバ内側空間IC
S内の一定液圧より上昇させると、該外側空間内の液が
ファイバを通って内側空間ICSへの円滑に移行し、こ
れとともに分子量の比較的小さい有害代謝産物がホロー
ファイバ内側空間ICSへ運び去られる一方、細胞や分
子量の大きい有用物質は外側空間ECS内に残される。
この培養液相互移動の間、前記加圧・減圧回路中には気
相部が無く、培養液が密閉されているだけであり、且
つ、内側空間ICSの液圧は実質上一定にされている。
従って、ホローファイバ内側空間を含む潅流回路におけ
る培養液の状態をモニターする各種センサは該状態を正
確に測定することができる。
前記第2の課題を解決する潅流培養装置によれば、ホロ
ーファイバ内側空間ICSを含む潅流回路が何らかの事
情で故障したような場合には、該潅流回路の運転を止
め、前記非常用管路を用い、外側空間ECSに培養液を
循環させて培養環境を維持できる。
前記第3の課題を解決する潅流培養装置によれば、必要
に応じホローファイバ外側空間ECS内培地の全面的交
換を行うことができる。
〔実施例〕
以下、本発明の1実施例を図面を参照しつつ説明する。
第1図に示す装置は動物細胞培養のための潅流培養装置
であり、ホローファイバ式培養に用いる多数のホローフ
ァイバを用いてなるホローファイバカートリッジ80を
備えている。
カートリッジ80のファイバ内側空間ICSには培養液
の潅流回路8が接続されている。
潅流回路8は、カートリッジ80のファイバ内側空間I
CSに培養液タンク81を、送液ポンプ82、ガス交換
器83及びセンサ部84を介して配管接続するとともに
センサ部85を介して配管接続したものである。
センサ部84、85は、液中の溶存酸素濃度、溶存炭酸
ガス濃度、pH値等を測定するためのセンサを必要に応
じて組み込んだものである。
なお、86はタンク81の気相部に連通する滅菌可能な
ガスフイルタである。
カートリッジ80のファイバ外側空間ECSには、該空
間ECS内培養液に加圧、減圧を交互に施すための培養
液加圧・減圧回路が連通接続されている。この回路は、
ピストン・シリンダ形ポンプ1及び逆止弁V1、V2を
含んでいる。ポンプ1の頂部には液流入口と液流出口が
あり、液流入口は逆止弁V1を介して、液流出口は逆止
弁V2を介して、それぞれ空間ECSに配管接続されて
いる。
弁V1は、ファイバ内側空間ICSの液入口部ICS1
に対応するファイバ外側空間一端部ECS1に接続され
ていて、ファイバ外側空間からポンプ1の方へ液を通過
させる。また、弁V2は、ファイバ内側空間ICSの液
出口部ICS2に対応するファイバ外側空間他端部EC
S2に接続されていて、ポンプ1からファイバ外側空間
の方へ液を通過させる。
非常用潅流装置回路4は、非常用管路7を備えており、
該管路7は、ポンプシリンダ部12のピストン下死点位
置より若干上死点寄り位置を、逆止弁V1とシリンダ部
12との間の三方口切り換え電磁弁SV1に接続してい
る。該管路には送液ポンプ71、ガス交換器72、セン
サ部73が接続されている。弁SV1は、非通電時、管
路7側のポートを閉じている。
排液装置5は、逆止弁V2とカートリッジ80と間に接
続した三方口切り換え電磁弁SV2に排液ボトル51を
配管接続してなっており、培養液供給装置6は、逆止弁
V1とカートリッジ80との間の三方口切り換え電磁弁
SV3に培養液ボトル61を配管接続してなっている。
弁SV2、SV3はいずれも、非通電時、カートリッジ
80と逆止弁V1、V2とを連通させている。
通常の培養操作においては、潅流回路8のポンプ82が
運転され、栄養源、溶存ガス組成や濃度等が調整された
培養液がカートリッジ80のファイバ内側空間ICSに
潅流せしめられる。また、これと並行してポンプ1が適
当な駆動装置(図示しない)にて往復駆動される。
第2図に示すように、ピストン11が上死点位置から下
死点へ移動するとカートリッジ80のホローファイバ外
側空間ECS内液がポンプシリンダ12へ吸引減圧さ
れ、カートリッジ80のホローファイバ内側空間ICS
内の調整された培養液がホローファイバを通過して外側
空間ECS内へ移行する。
第3図に示すように、ピストン11を下死点から上死点
の方へ移動させるとホローファイバ外側空間ECS内の
液圧が上昇し、空間ECS内液はファイバを空間ICS
へ通過し、これとともに分子量の比較的小さい乳酸等の
有害代謝産物がホローファイバ内側空間ICSへ運び去
られ、分子量の大きい有用生理活性物質は外側空間EC
S内に残される。
かくしてホローファイバ外側空間ECS内の培養環境が
維持される。この培養液相互移動の間、ホローファイバ
外側空間ECSを含む回路には気相部がないので、細胞
の酸素消費率等を正確に測定でき、また、内側空間IC
Sの液圧の変動は実質上無く、従って隔膜式溶存ガス濃
度センサ等による培養液中の溶存ガス組成、各種溶存ガ
ス濃度、pH値等の測定を正確に行い得る。
ICSを含む回路が細菌汚染、部品故障等により故障し
た場合には、第6図に示すように直ちに該潅流回路の運
転を止めるとともにポンプ1におけるシリンダ部12を
培養液タンクとして利用し、弁SV1に通電して逆止弁
V1を管路7に切り換え接続し、ポンプ71を起動して
非常用潅流装置4を作動させ、これによって非常時でも
ECS内の望ましい培養環境を維持できる。
また、ホローファイバ外側空間ECS及びポンプ1を含
む回路から培養液を排出したい場合には、弁SV2に通
電してポンプ1をボトル51に切り換え接続し、ポンプ
1の運転にて排液することができる。この排液のあと、
外側空間ECS及びポンプ1を含む回路へ新たな培養液
を導入するには、弁SV3に通電して外側空間ECSを
ボトル61へ切り換え接続し、該ボトル内の新鮮培養液
をポンプ1の運転にて回路内へ導入すればよい。かくし
て外側空間ECS内培地の全面的な交換を実施できる。
なお、該培地交換にあたっては、必要に応じ、非常用潅
流装置を働かせてもよい。
なお、前記潅流培養装置によれば、第4図に示すように
ポンプ1のピストン11を上死点においたまま、第7図
に示す従来例のように運転することができ、また、第5
図に示すように非常用管路7を用い、ホローファイバ外
側の空間ECSと内側の空間ICSの培養液を互いに向
流させることもできる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、前記第1、第2及び第3の課題をそれ
ぞれ解決できる潅流培養装置を提供することができる。
第1の課題を解決する潅流培養装置によると、ホローフ
ァイバ内外の培養液を積極的、強制的に円滑に相互移動
させることができ、しかも、ホローファイバ外側の空間
ECS内の培地は気相部に接することがなく、また、ホ
ローファイバ内側空間ICSの培養液圧力は実質上一定
にされたままであるので、細胞の増殖、代謝による培養
液中の溶存ガス組成やpH値の変化の測定および酸素消
費率の測定を正確に行うことができ、それによって、溶
存ガスの制御等を正確に行うことが可能となる。
第2の課題を解決する潅流培養装置によれば、第1の課
題を解決する装置の利点に加え、さらに、ホローファイ
バ内側空間ICSを含む潅流回路が細菌汚染、部品故障
等により使用できなくなった場合でも、ホローファイバ
外側空間ECS内の望ましい培養環境を維持できる利点
ある。
第3の課題を解決する潅流培養装置によると、第1の課
題を解決する装置の利点に加え、ホローファイバ外側空
間の培地を全面的に交換できる利点がある。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の1実施例の全体概略図、第2図から第
6図は第1図に示す実施例の各種使用状態の説明図、第
7図及び第8図は従来例の説明図である。 ECS……ホローファイバ外側空間、 ICS……ホローファイバ内側空間、 1……ピストン・シリンダ形ポンプ、 11……ピストン、 12……シリンダ部、 ECS1……ファイバ外側空間の一端部、 ECS2……ファイバ外側空間の他端部、 ICS1……ファイバ内側空間の液入口部、 ICS2……ファイバ内側空間の液出口部、 V1、V2……逆止弁、 4……非常用潅流装置、 5……排液装置、 51……排液ボトル、 6……培養液供給装置、 61……培養液供給ボトル、 SV1……方向切り換え弁、 SV2……方向切り換え弁、 SV3……方向切り換え弁、 7……管路、 71……送液ポンプ、 72……ガス交換器、 73……センサ部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホローファイバの内側に培養液を実質上一
    定圧力下に潅流させ、該ファイバの外側にも培養液を配
    置し、該ファイバを介して該ファイバ内外の培養液を相
    互に移動させつつ該ファイバの外側において生物細胞を
    増殖させる潅流培養装置であって、前記ファイバ外側空
    間内の培養液の圧力を前記ファイバ内側空間内の培養液
    圧力より、繰り返し高圧又は低圧にするために該ファイ
    バ外側空間内培養液に対し加圧、減圧を交互に施すこと
    ができるポンプを含む培養液加圧・減圧回路にして該フ
    ァイバ外側空間に連通接続された培養液加圧・減圧回路
    を備え、該回路はその中に培養液が満たされ、密閉され
    ていることを特徴とする潅流培養装置。
  2. 【請求項2】前記ポンプがピストン・シリンダ形のポン
    プである特許請求の範囲第1項記載の潅流培養装置。
  3. 【請求項3】前記ポンプは、そのシリンダ部に培養液の
    流入口及び流出口を有し、該流入口が、前記ファイバ内
    側空間の液入口部に対応するファイバ外側空間一端部
    に、該ファイバ外側空間から前記シリンダ部方向への液
    流れを許す第1の逆止弁を介して配管接続され、前記流
    出口が、前記ファイバ内側空間の液出口部に対応するフ
    ァイバ外側空間他端部に、前記シリンダ部から該ファイ
    バ外側空間方向への液流れを許す第2の逆止弁を介して
    配管接続されている特許請求の範囲第2項記載の潅流培
    養装置。
  4. 【請求項4】ホローファイバの内側に培養液を実質上一
    定圧力下に潅流させ、該ファイバの外側にも培養液を配
    置し、該ファイバを介して該ファイバ内外の培養液を相
    互に移動させつつ該ファイバの外側において生物細胞を
    増殖させる潅流培養装置であって、前記ファイバ外側空
    間内の培養液の圧力を前記ファイバ内側空間内の培養液
    圧力より、繰り返し高圧又は低圧にするために該ファイ
    バ外側空間内培養液に対し加圧、減圧を交互に施すこと
    ができるポンプを含む培養液加圧・減圧回路にして該フ
    ァイバ外側空間に連通接続された培養液加圧・減圧回路
    を備え、該回路はその中に培養液が満たされ、密閉され
    ており、前記ポンプはその液収容部に培養液の流入口及
    び流出口を有し、該流入口が、前記ファイバ内側空間の
    液入口部に対応するファイバ外側空間一端部に、該ファ
    イバ外側空間から前記液収容部方向への液流れを許す第
    1の逆止弁を介して配管接続され、前記流出口が、前記
    ファイバ内側空間の液出口部に対応するファイバ外側空
    間他端部に、前記液収容部から該ファイバ外側空間方向
    への液流れを許す第2の逆止弁を介して配管接続され、
    前記液収容部がもう一つの培養液流入口を有し、該流入
    口が、送液ポンプ、ガス交換器及びセンサ部を含む非常
    用管路の一端に接続され、該管路の他端は、前記第1逆
    止弁と前記液収容部とを接続している配管に設けた方向
    切り換え弁に接続され、該方向切り換え弁は前記第1逆
    止弁からの液流れを前記液収容部又は前記管路に選択的
    に切り換えるものであることを特徴とする潅流培養装
    置。
  5. 【請求項5】前記ポンプがピストン・シリンダ形のポン
    プであり、前記ポンプの液収容部が該ピストン・シリン
    ダ形ポンプのシリンダ部である特許請求の範囲第4項記
    載の潅流培養装置。
  6. 【請求項6】ホローファイバの内側に培養液を実質上一
    定圧力下に潅流させ、該ファイバの外側にも培養液を配
    置し、該ファイバを介して該ファイバ内外の培養液を相
    互に移動させつつ該ファイバの外側において生物細胞を
    増殖させる潅流培養装置であって、前記ファイバ外側空
    間内の培養液の圧力を前記ファイバ内側空間内の培養液
    圧力より、繰り返し高圧又は低圧にするために該ファイ
    バ外側空間内培養液に対し加圧、減圧を交互に施すこと
    ができるポンプを含む培養液加圧・減圧回路にして該フ
    ァイバ外側空間に連通接続された培養液加圧・減圧回路
    を備え、該回路はその中に培養液が満たされ、密閉され
    ており、前記ホローファイバの外側空間及び前記培養液
    加圧・減圧回路から排液するための排液装置及び該ファ
    イバ外側空間及び前記培養液加圧・減圧回路に新たな培
    養液を供給するための培養液供給装置が付設されている
    ことを特徴とする潅流培養装置。
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