JPH0644534U

JPH0644534U - 床ずれ防止寝具

Info

Publication number: JPH0644534U
Application number: JP9030292U
Authority: JP
Inventors: 秀治河合; 秀明河合
Original assignee: 秀治河合; 秀明河合
Priority date: 1992-11-20
Filing date: 1992-11-20
Publication date: 1994-06-14

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案は、長期に療養を強いられる病人の床
ずれを防止することを目的とした内部にゼリー状のゲル
化物質を使用し、そのゼリー状の物質を流動させる寝具
にかかわるものである。【構成】寝具の内部に、例えば高吸水性樹脂に水等を配
合したゲル化した物質を封入し患者の身体の体重および
接触部を均一に吸収すことにより床ずれを防止する。ま
た、前述の寝具の内部に高粘度用のポンプを設置して、
ゲル化物質を強制流動させることにより、寝具の表面に
波動を発生させ患者の皮膚の表面にマッサージ効果をも
たらし血行の循環を改善し床ずれを防止する寝具であ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、長期の療養を必要とする病人の寝具に、ゲル化したゼリー状の物質を封入した寝具を提供することにより、床ずれの発生を防止し病人の苦痛を和らげることができる。また、健康な人が使用する場合には、快い安眠を提供することができる。

【０００２】

【従来の技術】

従来のベッド、マットレス、布団の構造は、スプリング、ゴムまたはウレタン樹脂等のスポンジ、綿またはポリエステル樹脂綿等を内部に封入して使用するものが周知である。しかし乍ら、人体の形状は単純な円筒形ではないので、均一に床に接触することができない。また、頭部、頸部、肩部、背部、腰部、腿部、脚部、それぞれが形状も重量も異なるので、平面状で均一な構造である従来の床寝具では長期に療養を必要とする病人には床ずれ等の苛酷な症状が発生し苦痛を与えてきた。また、異なる構造の寝具として、内部に水等を封入したウオーター・ベッドが周知であり、床ずれ等の防止に効果があることが認められてきているが、構造上重量が過大であり、水漏れ等の危惧、使用中の横揺れ等による船酔い症状の発生と構造上使用する場所が限定され、また価格が高価である等の事情があり容易に採用することが困難であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来周知の寝具では、床寝具に前述のスプリング、スポンジ、綿等の素材を使用した構造の寝具とは異なる、水等の液体等をゲル化した物質を使用した寝具を提供することにより床ずれの防止に効果のある寝具を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決しようとする手段】

本考案は、ウオーター・ベッドの原理を採用し、その欠点を補い改善するために袋状の内部に高吸水性樹脂等に水を配合しゲル化した物質を充填封入することにより従来のウオーターベッドの前述の欠点を改善し、重量の軽減、水漏れの改善、横揺れ等の防止、製造価格の低減等の全てを解決することができ、長期の療養を必要とする病人に快報をもたらすことができる。

【０００５】

【作用１】請求項１は、厚手の軟質の塩化ビニール等（２）を通常ではベッド用のマットレスまたは敷布団等のサイズに高周波ミシン等により成形加工し、内部に例えば高吸水性樹脂１に対して水等の液体５０〜５００を配合してゲル化状となった物質（３）を充填し密封する。使用する病人の体重または使用状況により、液体の配合比を調節させることにより寝具の表面の硬軟度等を任意に調節することが可能であり、寝具の重量の軽減調整が自由に行なうことができる。

【０００６】

【作用２】請求項２として、前述の寝具に小型の高粘度用循環ポンプ（４）を、必要に応じて１〜数箇所設置して内部のゲル化した物質（３）を強制流動（８）させる。

【０００７】

【作用３】請求項３として、必要に応じて寝具の内部に充填された高吸水性樹脂等のゲル化物質（３）に直径２ミリ〜１０ミリ程度の粒状または中空の球形あるいは管状のプラスチックスまたは木片等（５）を適宜混合して水等にてゲル化を行なう。

【０００８】

【実施例】

以下、添付図面に従って実施例を説明する。（１）は、寝具の全体図（２）は、厚手の塩化ビニール樹脂シート等による寝具の外袋（３）は、ゼリー状にゲル化した高吸水性樹脂等の物質（４）は、防止寝具の内部に設置された高粘度用ポンプ（５）は、混入されたプラスチックスまたは木片等の粒状または管状の充填物（８）は、高粘度用ポンプにより流動するゲル化物質の流動運動の説明。

【０００９】

【考案の効果】

本考案によれば、従来のウオーター・ベッドの効果を取り入れ更に前述のウオーター・ベッドの欠点を高吸水性樹脂等を使用したゲル化した物質を採用することにより改善し、長期に渡り苦痛を強いられる患者の最大の悩みである床ずれを防止し、さらに設置と使用を容易にしたものである。

【００１０】本考案による請求項１においての寝具（１）は、パスカルの法則等により周知であるが、液体の一部に加わる圧力は均一に分布されることを利用し、寝具の内部に液体を使用することにより寝具に身体の異なる形状、重量が接触する箇所に対して均一に重量を吸収する理想的な寝具であるウオーターベッドを基本としているが周知のウオーターベッドでは前述のような欠点が多いので容易に採用することが困難であったので、液体部にゲル化したゼリー状の物質（３）を使用することにより次の効果を実現することができる。

【００１１】水等の液体をそのまま使用するものとは異なり、ゲル化した物質（３）を使用するために流動性を制御できるために使用中の船酔い等の症状を防止できる。

【００１２】使用する病人の体重または使用条件により、ゲル化物質と液体の配合比を変化させることにより寝具の表面の硬軟度等を任意に調節することが可能であり、寝具の重量の軽減調節が自由に行なうことができる。寝具の硬軟度を任意に選ぶ方法として、高吸水性樹脂等のゲル化物質と水等の配合比率を１対５０〜５００倍の範囲で変えることにより硬軟度の調節が可能となり、従って内部容量も低減することが可能であるので寝具の重量も軽量化することができる。

【００１３】また冬期においては、前記の寝具の下に、ヒーター等を使用した電気敷布等を設置することにより、電気敷布等を身体に直接使用する場合とは異なり均一に快い温度調節が可能となり患者の苦痛を和らがせる効果が期待できる。勿論、夏期には使用するゲル化物質（３）が通常では体温を上回ることがないので電気敷布等の使用を中止すれば適度な冷房効果が期待できる。

【００１４】また、万一外袋に穿孔等の事故が発生した場合にも、水等の液体とは異なるので周囲の汚染も少なく処理も修理も容易である。なお、寝具に使用後のゲル化物質（３）は、例えば高吸水性樹脂を使用した場合には天日等にて乾燥させれば、体積は数１００分の１以下に固形化するので廃棄、焼却等の処理が簡便で容易におこなうことができる。

【００１５】請求項２においては、前述の寝具（１）に小型の高粘度用循環ポンプ等（４）を、必要に応じて１〜数箇所設置して内部のゲル化物質（３）を強制流動（８）させることにより、寝具表面（７）に微細な波動が発生し寝具に接した身体表面を軽くマッサージ効果を行なうことになり、皮膚面の血行の循環を促す効果が期待できるために、より床ずれの症状の防止に効果をもたらすことができる。

【００１６】また、必要に応じて内部に充填されるゲル化物質（３）に直径２ミリ〜１０ミリ程度の粒状または中空の球形あるいは管状のプラスチックまたは木片等（５）を適宜混合して水等にてゲル化を行なえば、更に硬軟度の調節と軽量化、省容量化およびゲル化物質の流動による波動効果の増減を調整することが容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】床ずれ防止寝具の全体図を示す。

【図２】床ずれ防止寝具の側面図を示す。

【図３】床ずれ防止寝具の内部構造図を示す。

【図４】床ずれ防止寝具の内部構造側面図を示す。

【符号の説明】

１床ずれ防止寝具２軟質塩化ビニールシート等の外袋３ゲル化した高吸水性樹脂等の物質４小型高粘度用循環ポンプ５プラスチック、木片等の粒状、球状または管状の充
填補助物質６移動用把手７床ずれ防止寝具の表面８強制流動するゲル化物質９充填、排出口１０漏出止クリップ１１制御盤１２ポンプの吸入口１３ポンプの排出口１４内部隔壁１５電源コード

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】厚手の軟質塩化ビニール樹脂シート等を
袋状に成型し、内部にゼリー状となる例えば高吸水性樹
脂等に水を配合してゲル化した物質等を充填封入してか
らなる床ずれ防止寝具。
【請求項２】前述の床ずれ防止寝具の内部または外部
に、小型の高粘度用の循環ポンプ等を設置し、ゲル化し
た物質を強制流動させ寝具の表面に波動を発生させるこ
とにより床ずれを防止させることを目的とした床ずれ防
止寝具。
【請求項３】必要に応じて前述の床ずれ防止寝具の内
部に充填されたゼリー状のゲル化物質に、粒状または球
形あるいは管状のプラスチックスまたは木片等を適宜の
量を混入した床ずれ防止寝具。