JPH0644291B2 - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH0644291B2
JPH0644291B2 JP63112242A JP11224288A JPH0644291B2 JP H0644291 B2 JPH0644291 B2 JP H0644291B2 JP 63112242 A JP63112242 A JP 63112242A JP 11224288 A JP11224288 A JP 11224288A JP H0644291 B2 JPH0644291 B2 JP H0644291B2
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Honda Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は画像処理装置に関するもので、無人走行車両の
制御や被観測物体の動作のリアルタイムな認識などに使
用される。
〔従来の技術〕
例えば無人走行ロボットや自動走行車両を制御する場合
には、進行路にあらかじめ表示された識別ラインや、道
路のセンターラインあるいは路肩ラインの画像をカメラ
で取り込み、リアルタイムで画像処理する必要がある。
第20図は画像による道路の認識を説明するためのもの
で、同図(a)はカメラで取り込んだ画像、同図(b)
は同図(a)のうち輝度(もしくはその変化割合など)
の高い画素を黒点で示した図である。
同図(a)に示す通り、カメラ画像1には水平線2の無
限遠方向に延びる道路3が写っており、この道路3の両
側には路肩ライン4が描かれ、中央部にはセンターライ
ン5が描かれている。ここで、道路3の路肩ライン4お
よびセンターライン5は他の部分に比べて輝度が高く、
従って同図(b)ではこれらの部分にドット4′,5′
が連続して現れることになる。このようなカメラ画像1
において、道路3の進行方向および曲り形状などを認識
するためには、同図(b)においてドット4′を結ぶ曲
線の近似直線L,L,Lなどを認識すればよい。
従来から、このような近似直線Lを求める手法として、
Hough(ハフ)変換と呼ばれる手法が知られている
(例えば米国特許第3069654号)。これを第21
図ないし第23図により説明する。第21図(a)に示
すように、x−y座標系で示される原画像において処理
対象点P(x,y)が存在するとき、この点Pを通
る直線l(l,lなど)は無限に描くことができ
る。そして、この直線l,l,…に直交し原点O
(0,0)を通る直線についても、直線l,l,…
ごとに1本づつ描くことができる。ここで、原点O
(0,0)を通る直線について、直線l(l,l
ど)までの長さをρ(ρ,ρなど)とし、x軸とな
す角をθ(θ,θなど)とすると、この原点を通る
直線の上記ρ,θは、同図(b)にような正弦曲線(サ
インカーブ)すなわちHough曲線として表現され
る。ここにおいて、原点O(0,0)と処理対象点P
(x,y)の距離ρmaxは、この処理対象点に関す
る上記のρ(ρ,ρ,…)中で最も長く、 ρmax=(x +y 1/2 となり、θ=0のときにはρ=xとなる。
次に、第22図(a)にように直線L上に並ぶ3点P
〜Pについて、第21図のHough変換を適用する
と、点Pについて上記サインカーブ(Hough曲
線)は第22図(b)の点線のようになり、点Pにつ
いてのサインカーブは同図(b)の一点鎖線のようにな
り、点Pについてのサインカーブは同図(b)の二点
鎖線のようになる。ここで、同図(b)のサインカーブ
のピーク(ρ,θ)、(ρ,θ)および
(ρ,θ)はそれぞれ同図(a)の原点O(0,
0)と点P,P,Pの間の距離ρ〜ρと、x
軸とのなす角θ〜θとに対応する。
第22図(b)において、3つのHough曲線(サイ
ンカーブ)が交叉する点に着目すると、ここは座標が
(ρ,θ)となっており、これは同図(a)の直線
Lと直交する原点O(0,0)を通る直線のρ,θ
と等しくなっている。従って、このようなサインカーブ
の交叉点を求めれば、原画像のx−y直交座標系におい
て描かれるドット(黒点)の間の曲線の近似直線(但
し、第22図ではこの曲線と近似直線が一致している)
を求めることができる。
これを第23図により説明すると、まず同図(a)にお
いてx−y座標面(原画像面)にHough変換すべき
ドット(処理対象点)が多数存在し、これらは曲線上に
並んでいるとする。ここで、同図(a)中において、ド
ット間を結ぶ曲線には3本の近似直線L,L,L
を描くことができる。従って、このドットの全てについ
て第21図のようなサインカーブへの変換(Hough
変換)を実行すると、第21図(b)のようなサインカ
ーブの交叉点が3ヶ所を中心にして得られることにな
る。この交叉点の座標は、第23図(a)に示す
(ρt1,θt1)、(ρt2,θt2)および(ρt3,θt3
であり、従ってこれをρ,θ,Hの座標系においてHを
交叉点の出現頻度として表わすと、同図(b)の如くに
なる。従って、前述の第20図(b)のような道路3の
路肩ライン4に対応する曲線の近似直線L〜Lは、
第23図(b)におけるH(交叉点の出現頻度)のピー
クにおけるρ,θの値によって求めることが可能にな
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前述のようなHough変換の手法は、
高速かつリアルタイムな画像処理に適用することは容易
でなかった。なぜなら、第21図においてデータとして
与えられる原画像中の処理対象点Pの座標値(x,y
)にもとづき、Hough曲線(サインカーブ)を求
めるために、原点から直線lまでの距離を求めようとす
ると、 ρ=x・sinθ+y・cosθ …(1) を実行しなければならず、例えばθを512分割にする
と三角関数の計算を1024回、乗算を1024回、加
算を512回実行しなければならない。そして、計算対
象となる原画像が例えば512×512の画素から構成
されているとすると、全体の計算回数は極めて膨大なも
のとなり、通常のプロセッサで処理すると処理時間が著
しく長くなってしまう。
もちろん、上記(1)式において必要とされるsinθお
よびcosθの値をROM等に格納しておき、計算所要時
間を短くすることも可能である(例えば、「実時間Ho
ugh変換プロセッサ」昭和60年電子通信学会情報シ
ステム部門全国大会、No.92あるいは「ROMを用
いたHough変換ハードウェア」昭和62年電子情報
通信学会創立70周年記念総合全国大会、No.158
7)。しかしながら、このようにすると大容量のROM
が必要となり、またそのアクセス時間も無視できない。
さらに、このように三角関数のデータをROM化して
も、(1)式の計算における乗算回数は従前のままであ
り、加算時間に比べて乗算時間がかなり長いことを考慮
すると、根本的な解決とはなりえない。
一方、上記の文献「ROMを用いたHough変換ハー
ドウエア」を別の観点から検討すると、ここでは上記
(1)式の演算を行なう演算部を並列化することによ
り、全体としての信号処理の高速化を図っている。しか
しながら、このようにするとsinθ、cosθを求めるため
のメモリテーブル(ROM)は演算部の並列接続した数
だけ必要になり、ハードウェア上でシステムが極めて大
規模なものになってしまう。
このため、高速度で走行する車両を画像データにもとづ
きリアルタイム制御したり、高速運動する被観測物体を
画像データにもとづきリアルタイムに認識したりするこ
とは、ほとんど不可能であった。また、演算部の並列化
などにより高速化を図ろうとすると、ハードウェアの大
型化は避けることができなかった。
そこで本発明は、画像データの処理を高速度でリアルタ
イムに実行することが可能であるだけでなく、ハードウ
ェアを小型化することが可能な画像処理装置を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る第1の画像処理装置は、撮像手段によって
取り込まれた原画像上の複数の処理対象点から、これら
処理対象点を結ぶ曲線を分別、抽出する画像処理装置で
あって、次の各要素を備えている。
すなわち、処理対象点に対してHough変換を実行す
ることにより、該処理対象点を通る直線群を示す正弦曲
線として表されるHough曲線上の各点の座標を求め
る処理について、該Hough曲線上の任意の点を示す
角度情報を、該処理を開始する基準となる処理値として
決定する初期値演算手段と、このHough曲線を各処
理対象点のそれぞれについて求める手段であって、同一
構成のDDA演算要素を複数直列接続して構成され、こ
れら各DDA演算要素において、1つの処理対象点につ
いて初期値から順次にHough曲線上の所定角度ごと
の各点の座標をそれぞれ演算するDDA演算手段と、予
め各DDA演算要素ごとに設けられ、これらDDA演算
要素から得られた各点の座標を所定角度に対応させて記
憶する記憶手段と、この記憶手段の記憶内容にもとづい
て得られる上記複数の処理対象点ごとのHough曲線
の交点から、処理対象点を結ぶ曲線を分別、抽出する手
段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る第2の画像処理装置は、撮像手段に
よって取り込まれた原画像上の複数の処理対象点を結ぶ
曲線であって、撮像対象の各エッジをこの画像上で近似
する直線を導出する画像処理装置であって、次の各要素
を備えている。
すなわち、処理対象点に対してHough変換を実行す
ることにより、処理対象点を通る直線群を示す正弦曲線
として表されるHough曲線と等価な近似円であっ
て、α−β直交座標系で描かれるこの近似円の円周上の
各点の座標を求める処理の初期値の座標(α,β
を演算する初期値演算手段と、このα−β直交座標系で
描かれる近似円の円周上の一点の座標を(α,β
とし、円周上の次の点の座標(αi+1,βi+1)までの回
転角をεとしたとき(但し、iは正の整数)に、各処理
対象点ごとに αi+1=fα(α,β,ε) βi+1=fβ(α,β,ε) となる回転運動漸化式を、初期値の座標(α、β
から所定回転角ごとに順次にパイプライン方式で演算す
るDDA演算手段と、このDDA演算手段により順次に
演算されたそれぞれの結果のうち、少なくともβの値
を所定回転角度に対応させて記憶する記憶手段と、この
記憶手段の記憶内容にもとづいて得られる前記複数の処
理対象点ごとのHough曲線の交点から、前記近似直
線を導出する近似直線導出手段とを備えることを特徴と
する。
〔作用〕
本発明の構成によれば、同一構成のDDA演算回路(演
算要素)を単に直列接続するだけで簡単に演算部を形成
でき、演算に際してメモリテーブルなどを参照すること
が不要であるので、構成が著しく簡単かつ小型になる。
また、パイプライン方式で回転運動漸化式を実行するよ
うに演算回路を構成することで、計算を高速化すること
が可能になる。
〔実施例〕
以下、添付図面の第1図ないし第19図にもとづいて、
本発明の実施例を説明する。なお、図面の説明において
同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略す
る。
第1図は実施例に係る画像処理装置の全体構成を示すブ
ロック図である。同図において、カメラ11は処理対象
物(例えば道路、高速移動物体など)を撮像して原画像
を取り込むもので、この画像信号は信号入力部12でデ
ィジタル化されてエッジ検出部13に送られる。エッジ
検出部13は後に詳述するように画像信号のエッジを抽
出して濃淡をもったエッジ化データとし、例えば512
×512個の画素信号(エッジ化画素信号)として多値
化メモリ14に送る。多値化メモリ14は画素ごとにエ
ッジ化データを記憶し、一画面のスキャンが終了するご
とにエッジ化データをD/A変換部15に送り、これは
アナログ信号としてCRTディスプレイ16に与えられ
る。従って、このエッジ化データはCRTディスプレイ
16で表示される。
一方、エッジ検出部13から出力されるエッジ化画素信
号は前処理部17に与えられ、後に詳述するような前処
理が施されたエッジ化画素信号は初期値演算部40を介
してDDA演算部18に与えられる。DDA演算部18
はn個のDDA演算回路18〜18n-1を有して構成
され、これらは互いに直列接続されている。そして、D
DA演算部18の出力側には近傍フィルタ19とソーテ
ィング部20が接続され、これによって近傍フィルタリ
ング処理とソーティング処理(後に詳述)がされるよう
になっている。なお、上記の回路要素はVMEバス21
を介してCPU22に接続され、信号処理動作の制御や
処理タイミングの同期がとられている。また、前処理部
17、DDA演算部18および近傍フィルタ19はVM
Eバス23を介して互いに接続され、DDA演算結果の
転送や濃淡値データの転送の同期制御がなされている。
次に、第1図に示す画像処理装置に要部の詳細な構成を
説明する。
第2図はその構成図で、第1図中の前処理部17、初期
値演算部40、DDA演算部18および近傍フィルタ1
9に対応している。図示の通り、前処理部17はFIF
O(First-In First-Out)ボード17′により実現され
る。FIFO17′は処理対象点のX−Y平面での座標
値(X,Y)をアドレス信号として入力すると共
に、エッジ化された濃淡値データDをデータ信号とし
て入力する。そして、後述のようにこのFIFO17′
は、X−Y座標からx−y座標への座標交換と、1また
は複数のウィンドウ設定と、所定レベルでの閾値処理と
を行ない、結果をFIFO方式に従って順次に出力す
る。
第1図に示す初期値演算部は、2個のフリップフロップ
(F/F)41,42と初期値演算回路43を有し、F
/F41は処理対象点Pのx−y座標における座標値
(xp,y)を一時的に格納し、F/F42は処理対
象点Pの濃淡値データDを一時的に格納する。そし
て、初期値演算回路43は座標値(xp,yp)にもとづ
いて、α−β直交座標系における初期値の座標(α
β)を演算し、回転運動漸化式の演算を可能にする。
第1図に示す各段のDDA演算回路18〜18
n-1は、第2図に示す通りそれぞれ3個のフリップフロ
ップ(F/F)31,32,33を有し、F/F31は
アドレス信号α〜αn-1,β〜βn-1をそれぞれ一時
的に格納し、F/F32は濃淡値データDをそれぞれ
一時的に格納し、F/F33はRAM34(RAM
RAMn-1)のそれぞれから読み出されたヒストグラム
データDM0〜DM(n-1)を一時的に格納する。DDA37
(DDA〜DDAn-1)はそれぞれ後述の回転運動漸
化式を一回転角ごとに演算するもので、それぞれアドレ
ス信号α,βを入力してアドレス信号αi+1,βi+1
を出力する。加算器であるADD35(ADD〜AD
n-1)はFIFO17′からの濃淡値データDと、
RAM34からのヒストグラムデータDM0〜DM(n-1)
それぞれの加算を行なうもので、その出力はバッファ3
6で一時的に保存された後に、RAM〜RAMn-1
それぞれに送られる。タイミングコントローラ25はこ
れら回路要素における信号処理のタイミング制御を行な
うもので、タイミングパルスφ,φ〜φを出力す
る。そして、図示しないコマンド/ステータス・インタ
フェース(I/F)に接続されている。
次に、第1図および第2図に示す画像処理装置の全体的
動作の概要を、第3図により説明する。
第3図はこれを説明するフローチャートである。まず、
カメラ11で取り込んだ原画像上の処理対象点ごとの画
素信号を信号入力部12を介して入力し(ステップ10
2)、エッジ検出部13でエッジ検出を行なって(ステ
ップ104)エッジ化データを前処理部17へ入力する
(ステップ106)。以上のステップ102〜106の
処理は、画素信号が入力されるごとに繰り返され、結果
(エッジ化データ)は順次に信号の前処理部17にディ
ジタルデータとして送られる。
前処理部17では所定(後述)の前処理(ステップ10
8)を実行し、処理の終ったデータを初期値演算部40
へ送っていく(ステップ110)。この前処理について
も、エッジ化データが与えられるごとに順次に送り返さ
れることになる。
次に、Hough曲線(サインカーブ)を求めるための
回転運動漸化式の演算が、後に説明する如くDDA演算
として実行される(ステップ112)訳であるが、この
演算に先立って、初期値の演算がステップ111におい
て実行される。そして、このDDA演算部18における
演算は処理すべき一画面(原画像面)の画素信号のう
ち、前処理部17でウィンドウ外あるいは閾値以下のも
のとして除かれた画素以外の全ての処理が終了するまで
継続され(ステップ114)、終了したらHough曲
線の交点に関して後述のフィルタリング処理(ステップ
116)とソーティング処理(118)が近傍フィルタ
19およびソーティング部20で実行され、最終的な結
果として原画像上の処理対象点をつなぐ曲線の近似直線
が求められることになる。
次に、エッジ検出部13におけるエッジ検出の手法およ
びエッジ化データについて、第4図により説明する。
いま、カメラ11で取り込まれた原画像が第4図(a)
のようになっているとし、図中の符号8で示すラインを
x′座標で取り出してみると、輝度Sをアナログ的に示
せば同図(b)のようになっている。すなわち、道路3
の外側部は輝度が低く道路3および路肩も輝度が低い
が、路肩ライン4は輝度が非常に高い。ここで、第4図
(b)のような輝度分布は、実施例では例えば256階
調のディジタルデータとして認識されるが、道路の形状
を正確に認識するためには、このような輝度そのものの
分布の把握では十分ではない。
そこで、信号入力部12を介して得られた画素信号の輝
度Sを座標x′で微分(dS/dx′)して輝度の変化
割合として把握すると、第4図(c)ようにエッジが明
瞭になり、これを絶対値|dS/dx′|で示すと同図
(d)のようになり、路肩ライン4のエッジを明瞭に認
識するためのエッジ化データ(ディジタルデータ)がエ
ッジ検出部13により得られる。このエッジ検出部13
からのエッジ化データについては、次のステップにおい
て前処理部17で所定の前処理が施される。
第5図は前処理部17(FIFO17′)における前処
理を説明するためのフローチャートである。
まず、第4図のようにして得られたエッジ化データがエ
ッジ検出部13から前処理部17に入力され(ステップ
122)、これがあらかじめ設定されたウィンドウ内の
ものであるか否か判定される(ステップ124)。この
ウィンドウは、例えば第4図(a)で符号9により示す
如く設定される。ここで、ウィンドウ9の内側のエッジ
化データであるか否かは、そのデータ(処理対象点P)
のX−Y座標面における座標値(X,Y)により判
定でき、ウィンドウ9内のエッジ化データについての
み、次のステップ126が実行される。
ステップ126では、ウィンドウ9内のエッジ化データ
が所定の閾値(スレッショルドレベル)以上であるか否
かが、例えばFIFO17′に付設されたルックアップ
テーブル(LUT)を用いてディジタル的に判定され
る。すなわち、第6図に示すように、LUTを設けない
ときはFIFO17′の入力データと出力データは1対
1で対応している(同図(a)図示)が、LUTを用い
てスレッショルドレベルを例えばIthに設定すると、入
力データがIth以下のときは出力データは0(ゼロ)に
なる。なお、このエッジ化データに含まれる濃淡値デー
タを256階調で把えたときには、スレッショルドレベ
ルIthは0〜255の間で任意に設定可能である。この
閾値をアナログ的に示せば、例えば第4図(d)で点線
にて示すように設定されるので、ステップ126で処理
された後のデータは、主として原画像中の路肩ライン4
およびセンターライン5に対応したデータ(ディジタル
データ)となる。このため、後述の信号処理をすべきデ
ータが主要なもの(例えば道路の路肩ラインやセンター
ラインに対応したもの)だけになるので、ノイズ成分に
影響されることがなくなり、また全体の処理速度を高速
化できる。
次に、ステップ128で座標変換が行なわれる。すなわ
ち、第4図(a)に示すX−Y座標からx−y座標への
変換がなされる。これにより、原画像における処理対象
点の座標(X,Y)はx−y座標系における座標
(x,y)に変換される。以上の処理により、Ho
ugh変換をするための前処理が終了する。
なお、第5図においてステップ124〜128の順序は
異なっていてもよい。例えば、ステップ128の座標変
換を最初に行なうようにしてもよいが、データ処理に要
する時間を考慮すると、第5図に示す順序で行なうのが
最も好ましいと考えられる。
次に、本実施例におけるHough変換の適用につい
て、第7図および第8図を参照して具体的に説明する。
第7図(a)に示す点P(x,y)についてHou
gh曲線(サインカーブ)を求めると、これが同図
(c)のようになることは、既に第21図で説明した通
りである。ところで、このようなサインカーブの軌跡が
同図(b)のような円運動の軌跡に置き換えられること
も、三角関数の定理より容易にわかる。言い換えれば、
同図(a)の点P(x,y)についてのHough
変換を実行して同図(c)のHough曲線を求めるこ
とは、同図(b)のような円運動の円周の軌跡を求める
ことと等価である。ここで、同図(b)の円は半径Rが R=ρmax=(x +y 1/2 …(2) であり、円運動を点P(x,y)から開始するとす
ると、その初期値θは θ=π/2−θmax 但し、tanθmax=x/y …(3) である。
本発明者はこのような事実に着目し、第7図(b)の円
を描くに際して円運動の漸化式を適用し、第7図(a)
の点P(x,y)の同図(c)へのHough変換
を簡単に行ないうる手法を見出した。ここで、上記の円
運動の漸化式によれば、α−β直交座標系で座標
(α,β)として表わされる一点から一回転角εだ
け進んだ点の座標(αi+1,βi+1)は、iを正の整数と
するときに αi+1=fα(α,β,ε) βi+1=fβ(α,β,ε) …(4) として求められる。
この(4)式の具体的内容としては、従来からいくつか
のものが知られており、例えば回転角εを ε=2-m(rad)(但し、m=0,1,2,…)とし
たときに αi+1=α−2-mβ βi+1=2-mα+β …(5) あるいは αi+1=α−2-mβ βi+1=2-mα+β(1−2-m) …(6) とするものなどがある。また、より精度が高く計算が容
易なものとして本発明者が見出したものとして、 αi+1=α(1−2-2m-1)−2-mβ βi+1=2-mα+β(1−2-2m-1) …(7) あるいは αi+1=α(1−2-2m-1)+β(−2-m+ε-3m
6) βi+1=α(2-m+ε-3m/6)+β(1−
-2m-1) …(8) などを用いてもよい。
そこで、上記(7)式の漸化式を適用するとして、第2
図の回路の具体的な動作説明に先立ち、この演算方法を
具体的に説明する。
第8図はそのフローチャートである。まず、第5図に従
ってFIFO17′により前処理がされたデータを入力
し(ステップ132)、回転運動漸化式の演算のための
初期値(α,β)を求める。第7図において処理対
象点P(x,y)から任意の位置(角度)θ′(=
θ)(rad)から円運動をスタートするとすると、 α=−xsinθ′+ycosθ′ β=xcosθ′+ysinθ′ …(9) となる。この(α,β)は初期値演算部40で計算
され、DDA演算部18にアドレス信号として与えられ
る。初期値演算部40では、上記のsinθ′,cosθ′の
値をあらかじめROM(図示せず)に記憶しておき、こ
れらのデータを参照しながら加算器、乗算器(共に図示
せず)を用いて(9)式の演算を行なえばよい。ここに
おいて、(9)式の演算は回転運動漸化式の演算に比べ
て計算回数が多く、複雑でもあるが、1個の処理対象点
(x,y)に関して1回の演算を行なうだけである
ので、全体の演算時間はあまり増加させることがなく、
ハードウェアもあまり大きくならない。なお、処理対象
点P(x,y)から円運動をスタートさせるとき
は、この初期値演算は不要である。
次に、上記の(9)式によるβの値をRAMに記憶
した後に、(7)式によりα,βを求める。これ
は、(9)式で求めたα,βを(7)式に代入すれ
ばDDAの出力から求めることができ(ステップ13
6)、DDA,DDA,DDA,…における計算
の終了ごとに結果(β,β,β,…)を順次にR
AM,RAM,RAM…に記憶しておく(ステッ
プ138)。一方、このステップ136とステップ13
8の間で濃淡値データの累積を行なっていく。すなわ
ち、RAM34(RAM)から読み出されたヒストグ
ラムデータDMiとFIFO17′からの濃淡値データD
を加算し、これをRAMに再び記憶していく(ステ
ップ137)。
そして、円を一周するまでこの計算を一回転角εごとに
繰り返し(ステップ140)、一周したら原画像上の1
つの処理対象点についてのHough曲線が、上記によ
って記憶したβ,β,β,β,…の値とθ
θ,θ,…の値(回転角ε)より求められるだけで
なく、濃淡値データによる重み付けの結果(ヒストグラ
ムデータDM0,DM1,…DM(n-1))も求められる。以
下、第8図に示す処理を原画像上の全ての処理対象点に
ついて実行すると、濃淡値データで重み付けがされた複
数のHough曲線がρ−θ座標系で求められることに
なり、これらは第22図(b)のような交叉点を有する
ことになる。
次に、第8図のフローチャートに示す動作を、第2図を
参照してより具体的に説明する。
まず、第8図のステップ132におけるデータの入力
は、第2図のFIFO17′からタイミングコントロー
ラ25にレディ信号が入力され、次いでリードストロー
ブ信号がタイミングコントローラ25からFIFO1
7′に入力された後に、処理対象点Pの座標(x,y
)がF/F41に格納され、その点Pでの濃淡値デー
タDがF/F42に格納されることでなされる。そし
て、タイミングコントローラ25からのタイミングパル
スφに同期して(x,y)がF/F41から送出
され、初期値演算部40で処理対象点Pの座標値
(x,y)から漸化式演算の初期値(α,β
が求められる。
ステップ136の漸化式の演算は、初期値演算回路43
からの出力をアドレス信号α,βとしてFIFO1
7′からF/F31に入力し、かつ処理対象点Pの濃淡
値データDをF/F42からF/F32に入力するこ
とで行なわれる。ここで、このF/F31,32へのア
ドレスおよびデータ入力は、タイミングコントローラ2
5からのタイミングパルスに同期してなされる。そし
て、タイミングパルスφの立ち上り又は立ち下りに同
期して、F/F31のアドレス信号α,βは最初の
DDA(37)に入力される。
このDDAでは、第8図のステップ136の処理がな
される。すなわち、前述の(7)式に従った漸化式の演
算が実行され、演算結果(アドレス信号α,β)は
次のDDA(図示せず)に送られる。ここにおいて、
上記漸化式(7)において、基本的には三角関数の計算
や乗算などは含まれておらず、またメモリテーブル(R
OM)の参照なども不要であるので、演算を容易かつ迅
速に行なうことができる。そして、これらは円運動を行
なわせるにあたって、十分な精度を有する(誤差が少な
い)ものである。
なお、このDDAはDDA〜DDAn-1と同様に構
成され、具体的には第9図のように4個の加算器51〜
54と3個のインバータ61〜63を含んで構成され
る。ここで、図中の記号S,S2m+1はそれぞれmビッ
トシフト、2m+1ビットシフト、を示している。そし
て、第9図の回路への入力α,βに対しては、出力
αi+1,βi+1はそれぞれ前述の(7)式のとおり αi+1=α(1−2-2m-1)−2-mβ βi+1=2-mα+β(1−2-2m-1) となっている。
F/F31に格納されたアドレス信号βはRAM
(34)にも与えられ、これによってRAMに格納
されているヒストグラムデータDM0が読み出される。す
なわち、RAMにはβをアドレスとして、回転角θ
(θ′=0)に対応する他の処理対象点に関するヒス
トグラムデータDM0があらかじめ(先行するADD
演算により)記憶されており、従ってアドレス信号β
がF/F31からRAMに与えられることで、タイミ
ングパルスφに同期してRAMからF/F33にヒ
ストグラムデータDM0が送られることになる。
次に、タイミングコントローラ25からのタイミングパ
ルスφに同期してF/F33からADD(35)へ
ヒストグラムデータDM0が送られるが、このADD
はF/F32から演算対象となっている処理対象点(x
,y)の濃淡値データDが与えられている。従っ
て、ADDではそれまでにRAMに蓄積されていた
回転角θおよびアドレスβに対応するヒストグラム
データDM0と、処理されている最中の処理対象点
(x,y)の回転角θおよびアドレスβに対応
する濃淡値データDが加算される(第8図のステップ
137)。そして、この加算結果(DM0′=DM0
)はバッファ36に一時的に保持された後、タイミ
ングパルスφに同期してRAMに送られ、第8図の
ステップ138に従った記憶がθに対応するRAM
のアドレスβに対してなされることになる。
上記の1サイクルの処理を、DDA演算回路18(i
=1,2,…n−1)について説明すると第10図のよ
うになる。
まず、処理対象点の座標値(x,y)から求めたア
ドレス信号(初期値)α ,βをα,β→α,β
→α,β→…α,βと順次に演算した結果と
してのアドレス信号α,βと、この処理対象点(x
,y)の濃淡値データDが、それぞれF/F31
および32から入力されて保持され(ステップ20
2)、F/F31からアドレス信号α,βがDDA
に送られた後に、ステップ204でアドレス信号
α,βにもとづく漸化式の演算がDDAにおいて
実行される。そして、結果としてのアドレス信号
αi+1,βi+1は、1サイクルの処理の終了に同期して、
次のDDA演算回路18i+1中のDDAi+1の前に設けら
れたF/F31に送られる。
一方、上記のアドレス信号βによるヒストグラムデー
タDMiの読み出しがステップ206で実行される。この
ステップ206は、第2図においてアドレス信号β
F/F31からRAMに与え、アドレスβのヒスト
グラムデータDMiをF/F33に格納することでなされ
る。そして、ステップ208でヒストグラムデータDMi
の濃淡値データDの加算がされる。このステップ20
8は、第2図のADDで実行される。その後、ステッ
プ208で加算されたヒストグラムデータDMi′=DMi
+Dが、ステップ210においてRAMのアドレス
βに書き込みされる。
このヒストグラムデータの蓄積をより詳しく説明するた
めに、第11図を参照する。
第11図は第2図のRAM34によるヒストグラムメモ
リの概念を示しており、図示の通り、n個のRAM
RAMn-1の領域を有し、これらは漸化式演算の回転角
θ(=θ′)〜θn-1にそれぞれ対応している。そし
て、各RAM領域は+512〜0〜−512のアドレス
β(=ρ)を有し、各アドレスには16ビットのヒスト
グラムデータ(濃淡値)を格納できるようになってい
る。従って、DDAで前述の(7)式により回転角θ
i+1に対応するαi+1,βi+1がアドレス信号α,β
より計算されたときには、アドレス信号βがRAM
に与えられてアドレスβのヒストグラムデータDM(i)
が読み出される。そして、処理対象点の濃淡値データD
との加算がなされて再びヒストグラムデータ(DMi
)がRAMのアドレスβに書き込まれる。
以上の通り、式(7)に示す漸化式の演算は、アドレス
信号α,βを次々と受け渡すことでパイプライン方
式によりなされる。そして、このα,βから
αi+1,βi+1への演算中にヒストグラムデータDMiの濃
淡値データDによる蓄積(累積)がなされるので、1
サイクル全体の処理に要する時間を短くできる。
この1サイクルの処理は、DDA演算部18を構成する
DDA演算回路18〜18n-1で同時並行的になされ
る。すなわち、第12図(a)のようにFIFO17′
から “,空,,空,空,,,空” のデータが入力されたときは、1サイクル目では同図
(b)のようになり、2サイクル目では同図(c)のよ
うになり、3サイクル目では同図(d)のようになり、
以下同様の処理がなされて、8サイクル目には同図
(e)のようになる。ここで、同図(a)中の(α01
β01)〜(α04,β04)は処理対象点P〜Pの座標
値(xp1,yp1)〜(xp4,yp4)にそれぞれ対応する
アドレス信号であり、DI1〜DI4はその処理対象点P
〜Pのそれぞれにおける濃淡値データである。また、
同図(b)〜(e)におけるθ〜θn-1は初期値(α
,β)を求めた位置(角度)θ′からの回転角であ
り、それぞれ第2図のRAM〜RAMn-1に対応す
る。
次に、Hough変換を終了した後の近傍フィルタリン
グについて説明する。
いま、Hough曲線の交点をρ−θ平面で表現したと
きに、第13図(a)のようになったとする。なお、同
図(a)はρ−θ平面の一単位ごとで現われる交叉点に
ついて、原画像における画素(処理対象点)の濃淡値デ
ータ(輝度の変化割合)による重みづけを行なったヒス
トグラムHを、説明をわかりやすくするために等高線で
表現したものであり、本発明によるヒストグラムとは必
ずしも一致するものではない。
ここで、同図(a)の点p1においてヒストグラムが高
く、その他に点p2,p3においてもヒストグラムが高
くなっているものとする。点p1の近傍に着目すると、
そこには点p4,p5などにもヒストグラムの高い部分
が生じていることがわかる。ところが画像処理において
特に重要なのは、互いに離れた点p1〜p3を見出すこ
とであって、例えば点p1は道路の路肩ラインに、点p
2はセンターラインに、そして点p3は前方のカーブし
た道路の路肩ラインに対応している。これに対して、最
大ヒストグラム点p1の近傍の点p4,p5などは路肩
ラインの部分的な曲りなどに対応していることが多く、
画像処理上は主として雑音成分にあたる。
そこで、このような雑音成分の影響は例えば8近傍フィ
ルタリングにより少なくされる。すなわち、第13図
(b)のような8近傍フィルタを用意し、F〜F
エリアについてHough曲線の交叉点のヒストグラム
同士を比較する。そして、中心のエリアFに対して、 F>F〜F,F〜F が成り立つときに、このエリアFのデータを検出すべ
きデータとする。具体的には、例えばF〜Fについ
て1個づつのρ−θ面での単位(要素エリア)画素を割
り当てたときに、交叉点のヒストグラム数が F=6、F=8、F=4、 F=2、F=14、F=10、 F=7、F=9、F=8 となったときは、F>F〜F、F〜Fが成立
するので、Fの交叉点を検出すべきデータとする。こ
れに対し、 F=8、F=4、F=3、 F=14、F=10、F=7、 F=9、F=8、F=2 となったときは、F<Fであるので、Fのエリア
は検出すべきデータとしない。
上記のようなフィルタリング処理は、第14図のような
近傍フィルタで行なう。すなわち、第11図(b)の如
く構成されるヒストグラムメモリ(RAM34)に信号
読出回路71を付設し、これから読出したデータをライ
ンバッファ72,73を介して9個の格納領域(F
)を有するシフトレジスタ74に入力する。そし
て、シフトレジスタのF〜F,F〜Fのヒスト
グラムデータDをコンパレータC〜C,C〜C
のそれぞれに入力すると共に、Fのヒストグラムデ
ータDを全てのコンパレータに入力する。すると、ヒ
ストグラムメモリ34の各エリアのヒストグラムデータ
が図のようにDM1〜DM9となっているときには、データ
M5の値が他のデータDM1〜DM4,DM6〜DM9と比較さ
れる。そして、DM5が最大のときにアンドゲート75か
らピーク信号が“H”として出力され、このときのデー
タDM5がピークデータとなる。
以上のフィルタリング処理を行なうことにより、第13
図(a)において点p4,p5の存在に影響されること
なく、第2および第3のヒストグラムの高い点p2,p
3を検出することができる。すなわち、もし上記のフィ
ルタリングを行なわなかったとすると、第1の高ヒスト
グラム点p1に次ぐ高ヒストグラム点は点p4,p5と
なり、第2および第3の高ヒストグラム点として求めた
い点p2,p3は、第4および第5の高ヒストグラム点
となってしまい、後の信号処理が著しく困難になってし
まう。
次に、第3図でステップ118として示すソーティング
処理につき、第15図により詳細に説明する。
第15図はそのフローチャートである。まず、ソーティ
ング処理のために、入力用メモリMと比較メモリMM1
〜MMn(n=1,2,3,4…)を用意し、これを初期
化する(ステップ152)。次に、入力メモリMにデ
ータを入力し(ステップ154)、この入力データが有
りのとき(ステップ156)のみステップ158,16
2,166の比較を実行していく。そして、入力メモリ
の方が大きい場合には、対応する比較メモリM
内容を入れ換える(ステップ160,164,16
8)。すると、最終的には比較メモリMM1〜MMnには、
大きい順にn個の入力データが保持されることになる。
これを具体的に示すと、第16図および第17図のよう
になる。まず第16図(a)のように、入力メモリとし
て4個のメモリMI1〜MI4および比較メモリとして4個
のメモリMM1〜MM4を用意し、これらをペアにして4段
の回路とする。各段の回路は第16図(b)のように、
ペアの入力メモリMおよび比較メモリMと、スイッ
チング回路81,82と、これを制御するコンパレータ
83で構成される。入力メモリMに入力されたヒスト
グラムデータが比較メモリMに格納されたデータより
大きいときは、コンパレータ83の出力によりスイッチ
ング回路81が図中の実線のようになり、入力されたデ
ータは比較メモリMに格納される。同時に、スイッチ
ング回路82も実線のようになっているので、比較メモ
リMに格納されていたデータは次段に送られる。これ
に対し、入力データ(入力メモリM)が比較メモリM
に格納されたデータより小さいときは、コンパレータ
83の制御によりスイッチング回路81,82は図中の
点線のようになり、入力データはそのまま次段に送ら
れ、比較メモリMの内容は変化しない。
このようなソーティング部において、入力されるデータ
が第17図(a)のように “5,7,2,8,4,9,3,1,6,8”の10個
であるとする。すると、メモリMM1〜MM4に格納される
データは同図(b)に矢印で示すように変化し、最終的
には 比較メモリMM1=9 〃MM2=8 〃MM3=8 〃MM4=7 の内容が格納されることになる。なお、このソーティン
グ処理はソフトウェアにより実行してもよい。以上のよ
うな一連の処理を実行することにより、本発明に係る画
像処理装置による信号処理の全ステップが終了する。そ
して、原画像の処理対象点を結ぶ曲線の近似直線が、上
記のρ,θの値で求まることになる。
本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、各種
の変形が可能である。
例えば、第5図のステップ124に示すウィンドウの設
定は、複数のウィンドウについて行なうようにし、更に
ウィンドウが重なるときにはいずれか一方を優先的に処
理するようにしてもよい。また、ウィンドウの設定自体
は必ずしも必要ではなく、原画像の全体を対象としてH
ough変換を実行してもよい。但し、この場合には、
第4図(a)で点線Qにて示す原画像の周辺領域は雑音
成分を多く含むので、精度のよい画像処理を行なうとき
には、あらかじめこの部分を取り除いておかなければな
らない。
Hough曲線の交叉点のヒストグラムを求めるに際し
ては、輝度の変化割合(微分されたエッジ化データの
値)に関する濃淡値データを重畳することなく、交叉点
の集中のみをヒストグラムとして把えることができる。
さらに、微分によってエッジ化データとせずに、輝度に
対応するデータをそのまま濃淡値データとしてディジタ
ル処理し、その後にHough曲線の交叉点のヒストグ
ラムを求めるようにしてもよい。
回転運動漸化式の演算は、必ずしも近似円の全周(一
周)について行なうことは必須ではなく、1/2周、1
/4周あるいは1/8周などとしてもよい。例えば1/
4周の演算を0≦θ<π/2およびπ≦θ<3π/2に
ついて実行するだけのDDAを直列に配置して計算を実
行すれば、他の円周(π/2≦θ<π,3π/2≦θ<
2π)上の値はこれらから直ちに求めることができる。
また、回転角は常に同一とすることは必ずしも必要では
なく、一部において異ならせることも不可能ではない。
回転運動漸化式を演算するDDAの具体的構成は、第1
8図のようになっていてもよい。すなわち、6個の加算
器51〜56と3個のインバータ61〜63と2個の1
/6除算器65,66で構成する。なお、図中の符号S
,S2m+1,S-3mはそれぞれmビット、2m+1ビッ
ト、−3mビットシフトを示している。このDDAによ
れば、前述の(8)式を実行することができる。また、
第19図のように、2個の加算器51,52と1個のイ
ンバータ61で構成してもよい。このようにすれば、前
述の(5)式(同図(a))、(6)式(同図(b))
の演算を実行することができる。
〔発明の効果〕
以上、詳細に説明した通り本発明によれば、同一構成の
DDA演算回路を単に直列接続するだけで簡単に演算部
を形成でき、演算に際してメモリテーブルなどを参照す
ることが不要であるので、構成が著しく簡単かつ小型に
なる。また、パイプライン方式で回転運動漸化式を実行
するように演算回路を構成することで、計算を高速化す
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る画像処理装置の全体構
成を示すブロック図、第2図は第1図の要部の構成を示
すブロック図、第3図はその作用を全体的に示すフロー
チャート、第4図は原画像の一例と入力された画素信号
のエッジ検出を説明する図、第5図はエッジ化データの
前処理を説明するフローチャート、第6図はルックアッ
プテーブルを説明する図、第7図は本発明の実施例にお
けるHough変換を説明する図、第8図は実施例にお
ける回転運動の漸化式の演算を示すフローチャート、第
9図は回転運動漸化式を演算するDDAの具体的な構
成を示す回路図、第10図は1サイクルの処理を説明す
る図、第11図はヒストグラムメモリの概念図、第12
図は実施例におけるパイプライン処理を説明する図、第
13図は8近傍フィルタリング処理を説明する図、第1
4図は近傍フィルタの具体的構成を示す図、第15図は
ソーティング処理を説明するフローチャート、第16図
はソーティング部の具体的構成を説明する図、第17図
はソーティング処理を具体的に説明する図、第18図お
よび第19図は回転運動漸化式を演算するDDAの具
体的構成の他の例を示す図、第20図は道路の認識を説
明する図、第21図ないし第23図は従来のHough
変換を説明する図である。 1……カメラ画像、2……水平線、3……道路、4……
路肩ライン、5……センターライン、11……カメラ、
12……信号入力部、13……エッジ検出部、14……
多値化メモリ、15……D/A変換部、16……CRT
ディスプレイ、17……前処理部、17′……FIF
O、18……DDA演算部、18〜18n-1……DD
A演算回路、19……近傍フィルタ、20……ソーティ
ング部、21,23……VMEバス、22……CPU、
31,32,33……フリップフロップ(F/F)、3
4……RAM〜RAMn-1(ヒストグラムメモリ)、
35……ADD〜ADDn-1(加算器)、36……バ
ッファ、37……DDA〜DDAn-1(DDA演算回
路)。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】撮像手段によって取り込まれた原画像上の
    複数の処理対象点から撮像対象の各エッジを示すこれら
    処理対象点を結ぶ曲線を分別、抽出する画像処理装置に
    おいて、 前記処理対象点に対してHough変換を実行すること
    により、該処理対象点を通る直線群を示す正弦曲線とし
    て表されるHough曲線上の各点の座標を求める処理
    について、該Hough曲線上の任意の点を示す角度情
    報を、該処理を開始する基準となる処理値として決定す
    る初期値演算手段と、 前記Hough曲線を前記各処理対象点のそれぞれにつ
    いて求める手段であって、 それぞれが直列に接続された、同一構成の各DDA演算
    要素により、1つの処理対象点について前記初期値から
    前記Hough曲線上の所定角度ごとの各点の座標を、
    それぞれ演算するDDA演算手段、および該各DDA演
    算要素ごとに設けられ、該各DDA演算要素により得ら
    れた各点の座標を前記所定角度に対応させて記憶する記
    憶手段からなる手段と、 この記憶手段の記憶内容にもとづいて得られる前記複数
    の処理対象点ごとのHough曲線の交点から、前記処
    理対象点を結ぶ曲線を分別、抽出する手段と を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】撮像手段によって取り込まれた原画像上の
    複数の処理対象点を結ぶ曲線であって、撮像対象の各エ
    ッジを該画像上で近似する直線を導出する画像処理装置
    において、 前記処理対象点に対してHough変換を実行すること
    により、該処理対象点を通る直線群を示す正弦曲線とし
    て表されるHough曲線と等価な近似円であって、α
    −β直交座標系で描かれる該近似円の円周上の各点の座
    標を求める処理の初期値の座標(α,β)を演算す
    る初期値演算手段と、 前記α−β直交座標系で描かれる近似円の円周上の一点
    の座標を(α,β)とし、前記円周上の次の点の座
    標(αi+1,βi+1)までの回転角をεとしたとき(但
    し、iは正の整数)に、 前記各処理対象点ごとに αi+1=fα(α,β,ε) βi+1=fβ(α,β,ε) となる回転運動漸化式を、前記初期値の座標 (α,β)から所定回転角ごとに順次にパイプライ
    ン方式で演算するDDA演算手段と、 このDDA演算手段により順次に演算されたそれぞれの
    結果のうち、少なくとも前記βの値を前記所定回転角
    に対応させて記憶する記憶手段と、 この記憶手段の記憶内容にもとづいて得られる前記複数
    の処理対象点ごとのHough曲線の交点から、前記近
    似直線を導出する近似直線導出手段と を備えることを特徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】前記初期値演算手段は、前記処理対象点の
    x−y直交座標系での座標を(x,y)としたと
    き、 α=−xsinθ′+ycosθ′ β=xcosθ′+ysinθ′ としてα−β直交座標系における前記初期値の座標(α
    ,β)を演算することを特徴とする請求項2記載の
    画像処理装置。
  4. 【請求項4】前記DDA演算手段は、前記回転運動漸化
    式を前記1回転角ごとにそれぞれ演算する複数の演算回
    路を直列接続して構成されていることを特徴とする請求
    項2記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】前記回転運動漸化式は、前記回転角をε=
    -mとしたときに、 αi+1=α(1−2-2m-1)−2-mβ βi+1=2-mα+β(1−2-2m-1) であることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】前記記憶手段は、前記原画像における前記
    処理対象点の輝度もしくはその変化割合に対応した濃淡
    値データを記憶することを特徴とする請求項2記載の画
    像処理装置。
  7. 【請求項7】前記記憶手段は、前記原画像における前記
    処理対象点の濃淡値データを、前記回転角に対応させて
    記憶することを特徴とする請求項6記載の画像処理装
    置。
  8. 【請求項8】前記近似直線導出手段は、前記 Hough曲線の交点に関するデータに近傍フィルタリ
    ング処理をする近傍フィルタを有することを特徴とする
    請求項2記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】前記近似直線導出手段は、前記 Hough曲線の交点に関するデータに前記濃淡値デー
    タを重畳し、近傍フィルタリング処理をする近傍フィル
    タを有することを特徴とする請求項6記載の画像処理装
    置。
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