JPH0643712B2 - 中空押出成形セメントの外壁材からなる外壁の水洩れ防止工法及びこれに使用する水抜部材 - Google Patents

中空押出成形セメントの外壁材からなる外壁の水洩れ防止工法及びこれに使用する水抜部材

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JPH0643712B2
JPH0643712B2 JP23415589A JP23415589A JPH0643712B2 JP H0643712 B2 JPH0643712 B2 JP H0643712B2 JP 23415589 A JP23415589 A JP 23415589A JP 23415589 A JP23415589 A JP 23415589A JP H0643712 B2 JPH0643712 B2 JP H0643712B2
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sealing material
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、中空押出成形セメントによって形成した複数
の外壁材を横張りして外壁を構成する場合に、完成後の
この外壁の内側に水が洩れ出ないようにする水洩れ防止
工法、及びこれに使用するのに適した水抜部材に関する
ものである。
(従来の技術) 近年の建物においては、美麗に仕上げられた外壁材を張
設して外壁が構成されることが多い。この外壁材は、一
般に生コンクリート等の軟質材料を押出成形することに
より、例えば第8図に示したようなものとして形成され
るものであり、均質なものを大量に生産できることか
ら、非常に重宝されているものである。
このような外壁材(10)としては、種々なものが既に提供
されてきているが、その主要構成部分としては、この外
壁材(10)の長側端面等に設けた突合部(11)と、外壁材(1
0)内に形成した多数の貫通孔(12)であり、どのようなタ
イプの外壁材(10)においてもこれらの突合部(11)及び貫
通孔(12)を有しているものである。そして、これらの外
壁材(10)は、コーキング材を間に入れた状態で互いに接
合されて、第9図または第10図に示したような状態で
建物の外壁を形成するために使用されるものである。
ところで、この外壁材(10)の化粧を行うためのコーキン
グ材は、経年変化によって物性が低下して亀裂が入り、
あるいは地震時に発生する衝撃によって剥離が生ずる。
コーキング材におけるこれらの剥離や亀裂部分から雨水
が貫通孔(12)内に入ることがある。そうなると、貫通孔
(12)内に入った水が外壁の内側に侵入し、場合によって
は建物の内装材等を汚したり腐らせたりすることもある
のである。
このような問題は、各外壁材(10)を第10図に示したよ
うな縦方向に配置する、所謂縦張りにおいては容易に解
決できる。すなわち、第10図のように縦張りした各外
壁材(10)においては、各貫通孔(12)が縦方向に走ること
になるから、例えば下端の外壁材(10)の各貫通孔(12)に
おいて排水構造を採用することにより、各外壁材(10)内
に侵入した雨水が建物側へ洩れ出ることを防止すること
が簡単にできるのである。
ところが、このような水洩れ防止策は、第9図に示した
ような横張りした外壁材(10)に採用することは非常に困
難である。その理由は、まず横張りした各外壁材(10)に
おいては、第11図に示すように、その各貫通孔(12)が
水平方向に位置することになり、各貫通孔(12)内に侵入
した雨水は各外壁材(10)における貫通孔(12)の両端側に
流れていくことになるからである。勿論、この横張りし
た各外壁材(10)間には、第12図に示すように、弾性シ
ーリング材(20)等が埋設した状態にあるが、これらの弾
性シーリング材(20)等によって貫通孔(12)の両端側に流
れてきた雨水の流れを止めることはできる。
しかしながら、横張りした外壁材(10)の途中で、水を抜
く方法は現在の所全くなく、単に下方へ水を集めると言
う方法しかなく、外壁内への浸水が十分有り得る。ま
た、従来一般の外壁材の形状では、漏水の誘導箇所がパ
ネルの凸部になるため、建物内に立ち上がりのない形状
では、漏水が考えられる。
しかし、このような工夫をしたとしても、侵入してきた
雨水が各外壁材(10)間の隙間を通して完全に下端まで流
れ落ちる保証はないものである。すなわち、貫通孔(12)
内に侵入してその両端から流れ落ちた雨水の一部が、当
該貫通孔(12)の下方に位置する別の貫通孔(12)内に逆流
入することは、隙間が上下方向に直通的に通っている以
上防止することができないのである。
以上のような水洩れが外壁に生ずることは由々しき問題
であり、しかもこの水洩れが生じやすい外壁材(10)の横
張りは、第9図及び第10図の比較から明らかなよう
に、建物のデザイン上の要求を満たすのに必要なことで
あるので、本発明者は横張りされる外壁材(10)からなる
外壁の水洩れをどのようにしたら無くすことができるか
について鋭意研究を重ねてきた結果、本発明を完成した
のである。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、
その解決しようとする課題は、多数の外壁材(10)を横張
りした外壁内に侵入した雨水が建物側へ洩れ出ることを
如何に防止するかである。
そして、まず、第一請求項に係る発明の目的とするとこ
ろは、従来行われている施工方法を大きく変えないで、
雨水の建物側への洩出を確実に防止することのできる工
法を提供することにある。また、第二請求項に係る発明
の目的とするところは、第一請求項に係る防止工法を実
際に適用するに際して使用するに好適な水抜部材(30)を
簡単な構成によって提供することにある。
(課題を解決するための手段及び作用) 以上の各課題を解決するために、各発明の採った手段及
び作用について、以下に項を分けてそれぞれ説明する。
・第一請求項に係る発明について まず、この発明の採った手段は、実施例において使用す
る符号を付して説明すると、 「複数の中空押出成形セメントからなる外壁材(10)を横
張りして外壁を構成するに際して、この外壁の内側への
水洩れ防止を、次の各工程からなる工法を施すことによ
って防止するようにしたことを特徴とする外壁の水洩れ
防止工法。
(イ)横方向に配置する各外壁材(10)の上下両端面の必
要箇所に、常法により弾性シーリング材(20)を貼付する
とともに、その側端面においては、これと同様な弾性シ
ーリング材(20)を、その下端(21)が外壁材(10)の下端中
央から下方に垂下するように配置し、その他の部分が外
壁材(10)の内側端面となるように貼付する工程; (ロ)外壁材(10)を、その側端部において所定の空間
(R)を形成する状態で建物側に固定する工程; (ハ)水受部(31)と、この水受部(31)内の水を排出する
排出パイプ(32)と、水受部(31)の背面側に一体的に形成
した段状板部(34)とからなる水抜部材(30)を、外壁材(1
0)の内の適宜な一対の互いに対向した肩部分上に水受部
(31)の両側下面を配置するとともに、水抜部材(30)の排
出パイプ(32)を両外壁材(10)間に収納して、この水抜部
材(30)を空間内に配置する工程; (ニ)水抜部材(30)の段状板部(34)の両側を挟む状態で
その上側に次の外壁材(10)を配置するとともに、(イ)
工程で貼付した側端面における弾性シーリング材(20)の
下端(21)が水抜部材(30)の段状板部(34)上に位置するよ
うに調整する工程; (ホ)(イ)〜(ニ)工程を所定数繰り返した後、各外
壁材(10)間の空間(R)を水抜部材(30)の排出パイプ(32)
の先端が外部に突出するようにしながら、コーキィング
材(22)によって仕上げる工程」 である。
すなわち、この防止工法は、多数の外壁材(10)を第9図
に示したような横張りをして外壁を構成する場合に適し
たものであり、また各外壁材(10)間には従来通り所定の
空間(R)を形成して、その表側にコーキィング(22)を施
すものである。このコーキング(22)は、外壁内に侵入し
ようとする雨水を建物側に侵入しないようにするもので
ある。
そして、まず(イ)横方向に配置する各外壁材(10)の上
下両端面の必要箇所に、常法により弾性シーリング材(2
0)を貼付するとともに、その側端面においては、同様な
弾性シーリング材(20)を、その下端(21)が外壁材(10)の
下端中央から下方に垂下するように配置し、その他の部
分が外壁の内側端面となるように貼付しておくのであ
る。この工程は、各外壁材(10)を柱等に組み付ける場合
の従来工程と略同じであるから、ここで重要なのは、各
外壁材(10)の側端面に貼付する弾性シーリング材(20)の
下端(21)が、当該外壁材(10)の側端下部の中央に位置す
るように準備しておくことである。その理由は、この弾
性シーリング材(20)を貼付した外壁材(10)の上側から流
れてきた雨水を、この弾性シーリング材(20)の外側面
(第1図の図示右側面)にて案内し、最終的に下の外壁
材(10)の弾性シーリング材(20)より外側に雨水が落下す
るようにする必要があるからである。
以上のような準備の済んだ各外壁材(10)は、(ロ)外壁
材(10)を、その側端部において所定の空間(R)を形成す
る状態で建物側に固定するのである。各外壁材(10)を建
物に固定するには、第11図に示したように、建物の梁
や柱等に対してクリップ(13)等を使用して従来と同様に
するものであり、この場合には両外壁材(10)間に弾性シ
ーリング材(20)や後述の水抜部材(30)を配置するための
空間(R)を積極的に形成するものである。なお、水抜部
材(30)の左右にて上下に位置する外壁材(10)間には、弾
性シーリング材(20)ではなくて単なるスペーサを入れて
空間(R)を形成することも行われる。
次に、本発明の防止工法を採用するにあたって重要な部
品である水抜部材(30)を、(ハ)の工程に従って、第3
図または第6図に示したように配置するのである。この
水抜部材(30)は、水受部(31)と、この水受部(31)内の水
を排出する排出パイプ(32)と、水受部(31)の背面側に一
体的に形成した段状板部(34)とからなるものである。こ
の水抜部材(30)は、これを外壁材(10)の内の適宜な一対
の互いに対向した肩部分上に水受部(31)の両側下面を配
置するとともに、水抜部材(30)の排出パイプ(32)を両外
壁材(10)間に収納して空間(R)内に配置するものであ
り、上から流れてきた雨水を、その水受部(31)または段
状板部(34)にて受けて水受部(31)内に集め、この水受部
(31)の底部に連結した排出パイプ(32)によって外壁外に
排出するものである。この作用を確実になされるため
に、この水抜部材(30)の両側下面を一対の外壁材(10)の
各肩部分上に配置するのである。これにより、水抜部材
(30)は、各外壁材(10)によって形成した空間(R)内に収
納され、この排出パイプ(32)は両外壁材(10)間の縦方向
に形成した空間(R)内に収納されるのである。なお、こ
の水抜部材(30)の配置は、全ての外壁材(10)間になされ
るのではなく、例えば三段毎のように部分的になされる
ものである。
そして、(ニ)水抜部材(30)の段状板部(34)の両側を挟
む状態でその上側に次の外壁材(10)を配置するととも
に、(イ)工程で貼付した側端面における弾性シーリン
グ材(20)の下端(21)が水抜部材(30)の段状板部(34)上に
位置するように調整するのである。この場合、水抜部材
(30)の上方に位置する弾性シーリング材(20)の下端の調
整は、当該水抜部材(30)に当接するもののみに対して行
えばよく、水抜部材(30)の存在しない空間(R)内の弾性
シーリング材(20)に対しては、第2図にて示すように、
その下端調整は不要である。つまり、水抜部材(30)を配
置しない部分における上下の弾性シーリング材(20)の位
置関係は、第2図に示したように、下方の弾性シーリン
グ材(20)の上端の前方(外壁の外側)に、上方の弾性シ
ーリング材(20)の下端が位置するという関係にしておく
のである。これにより、上方の弾性シーリング材(20)の
外側面にて案内されて落下してきた雨水は、下方の弾性
シーリング材(20)の外側面側に必ず落下するのである。
最後に、(ホ)上記の(イ)〜(ニ)工程を所定数繰り
返した後、各外壁材(10)間の空間の少なくとも外側部分
を、水抜部材(30)の排出パイプ(32)の先端が外部に突出
するようにしながら、コーキィング材によって仕上げる
のである。尚、前述したように、各水抜部材(30)は全て
の部分において配置されるものではなく、要所要所に配
置されるものであるから、各水抜部材(30)における排出
パイプ(32)の開口(33)は、第9図に示したように部分的
に現れるものであり、この開口(33)が外壁の美感を損な
うものではない。
以上のように、この第一請求項に係る水洩れ防止工法
は、弾性シーリング材(20)の下端の配置及び水抜部材(3
0)の挿入以外は、従来の工法をそのまま適用できるもの
であり、その施行は極めて容易なものとなっているので
ある。
・第二請求項に係る発明について この発明が採った手段は、実施例において使用する符号
を付して説明すると、 「中空押出成形セメントによって形成されて、空間を形
成した状態で互いに対向して配置した四枚の外壁材(10)
間に配置され、これらの外壁材(10)からなる外壁の内側
への水洩れを防止するようにした水抜部材(30)であっ
て、 各外壁材(10)間に固定される水受部(31)と、この水受部
(31)に一体的に設けられてその中の水を外壁の外部に排
出する排出パイプ(32)と、水受部(31)の背面側に一体的
に形成されて、四枚の内の上側二個の外壁材(10)間に配
置された弾性シーリング材(20)の下端を受けるととも
に、上下の各外壁材(10)の端部により左右にてそれぞれ
挟持される段状板部(34)とを有する水抜部材(30)」 である。
すなわち、この水抜部材(30)は、その上方から流れてき
た雨水を、その水受部(31)または段状板部(34)にて受け
て水受部(31)内に集めるようにしたものであり、水受部
(31)内に集められた雨水を水受部(31)に接続した排出パ
イプ(32)によって外部に案内するものである。従って、
この水抜部材(30)は、第3図又は第6図に示したよう
に、各外壁材(10)の空間(R)内に収納し易いものとなっ
ているとともに、当該水抜部材(30)の上方から落下して
きた雨水を受けて外壁の外方に排出する場合、すなわち
第一請求項に係る発明に直接使用する場合に適したもの
なのである。
なお、この水抜部材(30)は、第5図に示した例の場合、
水受部(31)及び段状板部(34)の両側にそれぞれ側壁(35)
を一体的に立設し、この側壁(35)によって水受部(31)内
への雨水の流入を確実にするようにしている。しかしな
がら、この側壁(35)は必ずしも必要なものではなく、例
えば第6図に示したように、この側壁(35)に代えて圧縮
される弾性シーリング材(20a)を、段状板部(34)の両側
に配置するようにして実施してもよいものである。
(実施例) 次に、第一及び第二請求項に係る各発明を、図面に示し
た実施例に従って詳細に説明するが、以下のその説明に
おいては、第一請求項に係る水洩れ防止工法とこれに使
用する水抜部材(30)について同時に説明する。
まず、第一請求項に係る水洩れ防止工法は、第8図に示
したような外壁材(10)の多数を、第9図に示したような
横張りする場合に適用されるものであり、複数の外壁材
(10)を下側から順に横張りしていく間に、適宜な箇所に
(例えば三段毎)第二請求項に係る水抜部材(30)を配置
していくものである。なお、本実施例において使用した
外壁材(10)は、その突合せ部(11)を第1図または第5図
に示したように形成したものである。
第1図にはその水洩れ防止工法によって完成された外壁
の部分断面図が示してあり、この第1図は水抜部材(30)
を配置した箇所を中心に表したものである。これに対し
て、第2図は水抜部材(30)を配置していない箇所を中心
に表したものであって、特に上下の各弾性シーリング材
(20)の位置関係を示すものである。
ここで、第二請求項に係り第一請求項の防止工法を施行
するにあたって使用される水抜部材(30)について先に説
明すると、この水抜部材(30)は、第3図及び第4図に示
したように、各外壁材(10)間に固定される水受部(31)
と、この水受部(31)に一体的に設けられてその中の水を
外壁の外部に排出する排出パイプ(32)と、水受部(31)の
背面側に一体的に形成されて、四枚の内の上側二個の外
壁材(10)間に配置された弾性シーリング材(20)の下端を
受けるとともに、上下の各外壁材(10)の端部により左右
にてそれぞれ挟持される段状板部(34)とからなってい
る。
この水抜部材(30)の水受部(31)は、第3図に示したよう
に、左右に配置される両外壁材(10)間の空間(R)の巾よ
り十分長いものであり、塩化ビニール等の耐水性に優れ
た材料によって上方が開口する箱状のものとして形成し
てある。この水受部(31)の底部に形成した排出口には、
可撓性を有しかつ耐水性を有する材料によって形成した
排出パイプ(32)が接続してあり、この排出パイプ(32)の
先端は開口(33)となっている。また、この水受部(31)の
背面側には、第4図に示したような段状板部(34)が一体
的に形成してある。
以上のような水抜部材(30)は、その上方から弾性シーリ
ング材(20)の表面を流れ落ちてきた雨水を受承して排出
パイプ(32)の開口(33)から外部に排出するものである
が、第5図及び第6図に示したように構成するとなおよ
い。すなわち、第5図に示した水受部(31)は、その水受
部(31)に左右両側にて立ち上がる側壁(35)を更に有した
ものであり、この側壁(35)によって上下の外壁材(10)間
の空間(R)を完全に塞ぐとともに、落下してきた雨水を
確実に水受部(31)内に導入するものである。
このような水抜部材(30)を使用して、第一請求項に係る
水洩れ防止工法は次のようにして施行される。すなわ
ち、まず、常法により最下端となる外壁材(10)と、例え
ば第11図に示したように、建物側の梁や柱等にクリッ
プ(13)等を使用して固定する。
次に、上側に配置されるべき外壁材(10)の側端面に、弾
性シーリング材(20)を第1図の上側の外壁材(10)におい
て示したように貼付する。この弾性シーリング材(20)
は、両外壁材(10)間の空間(R)を完全に埋めるもので、
一般には圧縮可能でかつ所定の復元力を有する合成樹脂
等からなる連続気泡の発泡材が使用される。そして、こ
の弾性シーリング材(20)は、その下端部を、第2図に示
したように、上方の外壁材(10)の下部側面の中央部に貼
付し、その他の部分を当該外壁材(10)の側面後端に貼付
して、その前端面によって緩やかな曲面が形成される。
以上のような準備をしておいてから、第3図に示すよう
に、下側の左右の外壁材(10)間に形成した空間(R)内に
水抜部材(30)を収納するとともに、この水抜部材(30)を
構成している水受部(31)の左右両底面を各外壁材(10)の
肩部上に載置し、かつ水抜部材(30)の排出パイプ(32)を
空間(R)内に垂らしておくのである。このように位置決
めした水抜部材(30)の上側に、次の各外壁材(10)を配置
してこれを柱等に固定するのであるが、第3図に示した
例の場合は、水抜部材(30)の段状板部(34)と上側の外壁
材(10)の下角部との間に弾性シーリング材(20a)を介装
する。第5図に示した水抜部材(30)においては、その水
受部(31)の両側に側壁(35)があるから、弾性シーリング
材(20a)を介装する必要はない。また、上側の外壁材(1
0)には弾性シーリング材(20)が貼付してあって、その下
端が長く伸びているから、この水抜部材(30)が存在する
部分においては、弾性シーリング材(20)の下端(21)が第
1図に示したように水抜部材(30)の段状板部(34)上に当
接するように長さを調整するのである。
なお、水抜部材(30)を配置しない箇所においては、弾性
シーリング材(20)の下端(21)の調整は行わないように
し、むしろ、第2図に示したように、上側の弾性シーリ
ング材(20)の下端(21)が下側の弾性シーリング材(20)の
上端より手前であってかつ下方に位置するように積極的
に垂らしておくのである。
以上のような作業を外壁を構成できるまで繰り返して、
この外壁の外側から見える各水抜部材(30)に対して、バ
ックアップ材(23)を詰め込み、その上にコーキィング(2
2)を設けて第9図に示したような外壁とするのである。
この場合、各水抜部材(30)における排出パイプ(32)の開
口(33)は、完成後の外壁の外側に露出していなければな
らないから、バックアップ材(23)及びコーキィング(22)
を打つ場合、第7図に示したように、排出パイプ(32)の
開口(33)が常に露出するようにして行なうのである。
以上のようにして外壁が完成したとき、各外壁材(10)間
に形成される各空間(R)は、その上下方向に連続するも
のとなるのであり、各外壁材(10)内に侵入した雨水は次
のように落下していく。すなわち、第2図に示したよう
な部分においては、上下に位置する各弾性シーリング材
(20)によってその前面側(外壁の外側)を常に落下しな
がら流れるのであり、第1図に示した部分においては、
落下してきた雨水は水抜部材(30)によって受け止めら
れ、この水抜部材(30)の排出パイプ(32)から外壁外へ排
出されるのである。
なお、本防止工法においては、上側の外壁材(10)の側端
面に貼付されるべき弾性シーリング材(20)の下端(21)
を、当該外壁材(10)の下端の中央部分に位置決めして貼
付する必要があるから、このような貼付が行なえるよう
に次のようにするとよい。すなわち、第5図に示したよ
うに、外壁材(10)の側端面側の突合部(11)の下部に、最
終的に外壁材(10)の下端中央に連続する案内面(14)を形
成するようにするのである。これにより、弾性シーリン
グ材(20)の下端部をこの案内面(14)に沿って貼付すれ
ば、弾性シーリング材(20)の下端部は本防止工法を施行
するにあたって必要な条件を自動的に満たすことにな
り、その貼付をより容易に行なうことができるようにな
る。
(発明の効果) 以上説明した通り、まず第一請求項に係る水洩れ防止工
法は、水抜部材(30)を必要箇所に配置するとともに、各
外壁材(10)間の密閉を行なう各弾性シーリング材(20)の
下端(21)を当該外壁材(10)の下端の中央部側となるよう
にする以外は、従来の工法を大きく変えることなく適用
すればよいものであり、これにより、外壁内に侵入して
きた雨水の排出を行なう施行を非常に簡単かつ確実に行
なうことができるのである。勿論、この水洩れ防止工法
によって形成した外壁においては、仮りにこの外壁内に
雨水が侵入したとしても、この雨水は各水抜部材(30)に
よって、早期にかつ確実に外部へ排出させることができ
るのである。
また、第二請求項に係る水抜部材(30)においては、水受
部(31)、排出パイプ(32)及び段状板部(34)によって構成
することができてその製造を容易に行なうことができる
ことは勿論のこと、第一請求項に係る水洩れ防止工法を
実施するにあたって、これを確実に行なえるようにする
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は第一請求項に係る水洩れ防止工法を適用した状
態を示すものであって、特に水抜部材を採用した部分を
中心に示した外壁の部分縦断面図、第2図は同水抜部材
を適用していない部分を中心に示した外壁の部分縦断面
図、第3図は四枚の外壁材間に水抜部材を配置した状態
の部分正面図、第4図は水抜部材の全体斜視図、第5図
は他の形式の水抜部材を採用した場合の第1図に対応す
る外壁の部分断面図、第6図は同部分正面図、第7図は
施行後の外壁の状態を示す第9図のI−I線部の拡大正
面図である。 第8図は外壁材の全体斜視図、第9図はこの外壁材を横
張りして構成した外壁の部分正面図、第10図は外壁材
を縦張りして構成した外壁の部分正面図、第11図は従
来の外壁材の取付方法を示す部分縦断面図、第12図は
第11図のII−II線部の拡大断面図である。 符号の説明 10…外壁材、11…突合部、12…貫通孔、14…案内面、20
……弾性シーリング材、21…下端、22…コーキィング、
23…バックアップ材、30…水抜部材、31…水受部、32…
排出パイプ、33…開口、34…段状板部、35…側壁、R…
空間。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の中空押出成形セメントからなる外壁
    材を横張りして外壁を構成するに際して、この外壁の内
    側への水洩れ防止を、次の各工程からなる工法を施すこ
    とによって防止するようにしたことを特徴とする外壁の
    水洩れ防止工法。 (イ)横方向に配置する各外壁材の上下両端面の必要箇
    所に、常法により弾性シーリング材を貼付するととも
    に、その側端面においては、これと同様な弾性シーリン
    グ材を、その下端が前記外壁材の下端中央から下方に垂
    下するように配置し、その他の部分が前記外壁材の内側
    端面となるように貼付する工程; (ロ)前記外壁材を、その側端部において所定の空間を
    形成する状態で建物側に固定する工程; (ハ)水受部と、この水受部内の水を排出する排出パイ
    プと、前記水受部の背面側に一体的に形成した段状板部
    とからなる水抜部材を、前記外壁材の内の適宜な一対の
    互いに対向した肩部分上に前記水受部の両側下面を配置
    するとともに、前記水抜部材の排出パイプを両外壁材間
    に収納して、この水抜部材を前記空間内に配置する工
    程; (ニ)前記水抜部材の段状板部の両側を挟む状態でその
    上側に次の外壁材を配置するとともに、前記(イ)工程
    で貼付した側端面における前記弾性シーリング材の下端
    が前記水抜部材の段状板部上に位置するように調整する
    工程; (ホ)前記(イ)〜(ニ)工程を所定数繰り返した後、
    各外壁材間の前記空間を、前記水抜部材の排出パイプの
    先端が外部に突出するようにしながら、コーキィング材
    によって仕上げる工程。
  2. 【請求項2】中空押出成形セメントによって形成され
    て、空間を形成した状態で互いに対向して配置した四枚
    の外壁材間に配置され、これらの外壁材からなる外壁の
    内側への水洩れを防止するようにした水抜部材であっ
    て、 前記各外壁材間に固定される水受部と、この水受部に一
    体的に設けられてその中の水を前記外壁の外部に排出す
    る排出パイプと、前記水受部の背面側に一体的に形成さ
    れて、前記四枚の内の上側二個の外壁材間に配置された
    弾性シーリング材の下端を受けるとともに、上下の前記
    各外壁材の端部により左右にてそれぞれ挟持される段状
    板部とを有する水抜部材。
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