JPH0643567U - 採便容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 採便容器から悪臭に悩まされることなく容易
に便を定量採取することができるようにする。 【構成】 便収容部３を有する筒状の容器本体２と、そ
の天面１４にゴム状弾性体製の採便スティック挿入部５
が形成されたキャップ４から構成されており、採便ステ
ィック挿入部５にはスリット６が形成されている。スリ
ット６はゴム状弾性体の自己シール性により閉鎖されて
いるので殆ど悪臭が外に漏れることがない。便を定量採
取する際には、採便スティックを採便スティック挿入部
５のスリット６から突き入れて便に突き刺せばよい。採
便スティックを引き抜くと余分な便はスリット６の縁で
拭き取られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、臨床検査用試料、特に潜血や酵素、ウイルス等を検出するための試 料としての便を採取し輸送するための採便容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

便潜血検査は、大腸癌や直腸癌のスクリーニングのために広く利用されている が、一般に、家庭で採取された便を基に、病院で検体を作って検査している。 ラテックスを用いた定性的な分析では、検体作成に際して便の量の規制がある ため、指定された採便スティックを利用しているが、採便スティックを用いても 正確な量の便を採取することが難しく、従来は便を採取した後、採便スティック を紙などで拭いたりして余分の便を取り去っていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、便は汚く、また臭いが強いものであり、紙などで拭き取る際に 間違って便が手などに付着することがあり、また、採便容器のキャップを開けて 採便スティックに採るため検体の作成者は悪臭に悩まされることが多く問題であ った。 本考案は如上の事情に鑑みてなされたもので、キャップを開けずに容易に便を 定量採取できる採便容器を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の課題を解決するために、内部に便収容部を有する有底筒状の容 器本体と、該容器本体の口部を密閉するキャップとからなる容器であって、キャ ップの天面に採便スティックの幅より小さくかつ採便スティックを挿入可能なス リットを有するゴム状弾性体製の採便スティック挿入部を設けてなる採便容器を 採用している。

【０００５】 上記の構成によれば、採便スティック挿入部のスリットが自己シール性を有し ているので、容器内部の臭いが外に漏れることがない。また採便スティックに付 着した余分な便はスリットの縁で拭い取られるので極めて正確に便を定量採取す ることが出来る。

【０００６】

【実施例】

次に本考案の実施例について図面に基づいて説明する。 図１は本考案の採便容器のキャップを開いた状態を示す平面図、図２は図１の Ｘ−Ｘ線断面図、図３は図１の採便容器のキャップを付けた状態を示す側面図で ある。

【０００７】 本考案の採便容器は図１〜図３に示すように、筒状の容器本体２とこの容器本 体２の口部１０を密閉するキャップ４から構成されており、容器本体２には便収 容部３が形成され、キャップ４の天面９にはスリット６の形成された採便スティ ック挿入部５が設けられている。 容器本体２は、採取された便を収容する便収容部３を有している。便収容部３ の形状は、採便スティック（図示していない）を便に突き刺したときに、採取さ れた便の量が少なく十分な便の厚みが得られなかった場合でも、採便スティック の採取位置が便の層から外れることが無いように、図２に示すような、容器本体 ２の側壁１３にこの側壁１３から底部１１にかけて傾斜したのち円柱状の凹部に 至る漏斗状に形成されたものや、円錐状、円錐台状など便収容部３の底面１４の 面積の小さいものが好ましい。側壁１３は採便容器１の安定を良くするため便収 容部３の底面１４の位置より底部１１側に延長されている。尚、口部１０の外壁 にはキャップ４との嵌合を良くするために環状のリブ１２を設けてもよい。

【０００８】 キャップ４は容器本体２に冠着されるようになっており、好ましくは結合枝８ によって容器本体２と連結されている。そしてキャップ４のスカート部１８内壁 には容器本体２の外壁のリブ１２と嵌合して容器本体２を密閉するよう好ましく は環状溝１５が形成されており、キャップ４の天面９の中央付近にはスリット６ を有する採便スティック挿入部５が設けられている。採便スティック挿入部５は 例えばイソプレンゴムやネオプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴムなどの合 成ゴムや、天然ゴム、エラストマーなどのゴム状弾性体で形成されており、図２ に示すようなインサート成形によってゴム状弾性体のシート１７が透孔１６を有 する天面９に挟持固定されたものや、図示していないが、透孔を有する天面にゴ ムキャップを被冠したもの、キャップ全体をゴム状弾性体で製したもの、など色 々な構成が考えられる。採便スティック挿入部５に形成されたスリット６は自己 シール性の採便スティック挿入口であり、採便スティックの幅（スティックの横 断面形状が円形の場合にはその直径）より小さくかつ採便スティックを挿入可能 な長さに形成されている。スリット６の長さは使用されるゴム状弾性体によって 異なるがゴムの弾性率を考慮して採便スティックの幅の４／５〜２／３位が適当 である。また図２に示すような構成の採便スティック挿入部６の場合、シート１ ７がスリット６の閉じる方向に圧縮されているのが自己シール性が良くなるので 好ましい。尚、７はキャップ４を取りやすくするためのタブである。

【０００９】 採便容器１は上記の様に構成され、その形成材料としては合成樹脂やガラス、 金属などが使用可能であるが、通常、コストの安い合成樹脂、特にポリエチレン やポリプロピレン、ＡＢＳ樹脂、軟質の塩化ビニル樹脂、ポリエステルなどの可 撓性樹脂が使用され、可撓性樹脂で形成される場合は、図３に示されるように結 合枝８が容易に変形するので、容器本体２とキャップ４は結合枝８を介して一体 に形成されることが多い。尚、採便スティック挿入部５のスリット６は、取扱い が悪いと便採取後および検査終了後に便がスリット６から漏れるかもしれないと いう危惧を懐く人のために、好ましくは例えばポリエチレンやポリプロピレンな どの合成樹脂製のフィルムで被覆されることにより完全シールされる。採便容器 １を収容するためのポリ袋を用意してもよい。

【００１０】 採便容器１の使用方法は、先ず、内部に便の収容された採便容器１の採便ステ ィック挿入部５のスリット６に採便スティックを差し込んで採便スティックを容 器本体２内に進入させて便に突き刺す。次いで、採便スティックを引き抜くと、 採便スティックに付着した便の余分な部分は自己シール性を有する採便スティッ ク挿入部５のスリット６の縁で拭われるので、必要量の便（検体）を正確に採取 することができる。便採取後は例えば専用のポリ袋に採便容器１を収容すれば便 の漏洩や悪臭の心配が全く無くなる。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明してきたことから明らかなように、本考案の採便容器を使用すること により、悪臭に悩まされることなく容易に便を定量採取することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の採便容器のキャップを開いた状態を示
す平面図である。

【図２】図１のＸ−Ｘ線断面図である。

【図３】図１の採便容器のキャップを付けた状態を示す
側面図である。

【符号の説明】

１ 採便容器 ２ 容器本体 ３ 便収容部 ４ キャップ ５ 採便スティック挿入部 ６ スリット ８ 結合枝 １９ 被覆フィルム

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に便収容部を有する有底筒状の容器
   本体と、該容器本体の口部を密閉するキャップとからな
   る容器であって、キャップの天面に採便スティックの幅
   より小さくかつ採便スティックを挿入可能なスリットを
   有するゴム状弾性体製の採便スティック挿入部を設けて
   なる採便容器。
2. 【請求項２】 採便スティック挿入部がスリットが閉じ
   る方向に圧縮されている請求項１に記載の採便容器。
3. 【請求項３】 採便スティック挿入部のスリットが合成
   樹脂製のフィルムで被覆されてなる請求項１に記載の採
   便容器。