JPH0643488B2 - 結晶性芳香族ビニレンスルフイド重合体及びその製法 - Google Patents

結晶性芳香族ビニレンスルフイド重合体及びその製法

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JPH0643488B2
JPH0643488B2 JP60041315A JP4131585A JPH0643488B2 JP H0643488 B2 JPH0643488 B2 JP H0643488B2 JP 60041315 A JP60041315 A JP 60041315A JP 4131585 A JP4131585 A JP 4131585A JP H0643488 B2 JPH0643488 B2 JP H0643488B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規な結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合
体及びその製造法に関するものである。
〔産業上の利用分野〕
本発明の結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体は、オ
プトエレクトロニクス材料、エレクトロニクス材料など
として巾広い応用が期待される。
〔従来の技術〕
従来、ベンゼン環と共役するビニレン基を有する重合体
として、ウィティヒ反応を利用して合成されるポリ−p
−フェニレンビニレンが知られている。
又、スルフィド基を介してベンゼン環が共役する重合体
としては、ジクロルベンゼンと硫化ナトリウムから合成
されるポリ−p−フェニレンスルフィド及びポリ−m−
フェニレンスルフィドが知られている。さらに他の基を
介してベンゼン環が共役する重合体としてはポリ−p−
フェニレンオキシドなどが公知である。これらに関して
は白川氏ら編「合成金属」(化学増刊87、化学同人刊、
昭和55年)第7〜13頁にも延べられている。
最近、本発明者らは、ビニレンスルフィド基を介してベ
ンゼン環が連なる構造を有する従来全く知られていない
新規な下記式(1)で表わされる基を繰り返し単位とする
芳香族ビニレンスルフィド重合体を製造した。(Polymer
Preprints,Japan vol 33 P461,1984)しかし、ここで得
られた芳香族ビニレンスルフィド重合体は、全くの非晶
性ポリマーであつた。
〔式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ水素、ハロゲン、炭
素数1ないし12のアルキル基の中から選ばれた基を表わ
す。〕 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記(1)式で表される基を繰り返し単位とする結晶性芳
香族ビニレンスルフィド重合体は従来全く知られていな
かつた。本発明者らは、かかる結晶性重合体を得るべく
鋭意研究を重ねた。
〔問題点を解決するための手段〕
その結果、下記構造式(II)及び(III)で表わされる両化
合物を同時に昇華させて混合蒸着モノマーの結晶を得た
のち、これに活性光線を照射するときは、これらモノマ
ーが光固相付加重合して目的の上記結晶性重合体が得ら
れることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を達成
した。
すなわち本発明の第1の発明は、数平均分子量300ない
し500,000の下記構造式(I)で表わされる基を繰り返し単
位とする結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体であ
る。
〔式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ水素、ハロゲン、炭
素数1ないし12のアルキル基の中から選ばれた基を表わ
す。〕 第2の発明は、下記構造式(II)及び(III) で表わされる両化合物を同時に昇華させて混合蒸着モノ
マーの結晶を得たのち、これに活性光線を照射して光固
相付加重合させることを特徴とする、下記構造式(I)で
表わされる基を繰り返し単位とする結晶性芳香族ビニレ
ンスルフィド重合体の製造法である。
〔式(I),(II),(III)中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ水
素、ハロゲン、炭素数1ないし12のアルキル基の中から
選ばれた基を表わす。〕 本発明の上記構造式(I),(II)及び(III)において、R1
R2,R3,R4は水素、炭素数1ないし5のアルキル基又は
ハロゲンが好ましく、水素又はメチル基であることが更
に好ましく、すべて水素のものが特に好ましい。
本発明の結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体は、X
線回折で鋭い結晶ピークを有することから従来知られて
いる非晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体と明確に識
別される。例えば上式(I)でR1,R2,R3,R4が共に水素
である基を繰り返し単位とする本発明の結晶性芳香族ビ
ニレンスルフィド重合体は、2θ=14〜15゜に鋭い最大
回折ピークを有し、さらに2θ=28〜29゜,42〜44゜,58
〜60゜にも結晶性ピークを有する。
本発明の結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体は小さ
な単結晶の集まりからなる多結晶体、あるいは単結晶体
など種々の結晶の形態をとりうる。
本発明の結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体は、X
線結晶化度で10〜100%、好ましくは50〜100%、特に好
ましくは80〜100%である。
本発明の結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体の結晶
部の構造は、 単位の規則的なコンフォメーションの配列及びパッキン
グにより結晶構造を形成するものと考えられる。
このような結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体は従
来全く知られていなかつたものである。
なお、本発明の結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体
は、上記構造式(1)で表される基を繰り返し単位とする
が、少量の他の結合、例えば のような結合の存在を否定するものではない。
又、本重合体の末端構造としては、エチニル基又はメル
カプト基の可能性があるが、エチニル基であることが好
ましい。
分子末端がエチニル基の重合体に、塩化第一銅等の金属
化合物を添加すると末端が金属アセチリド化された重合
体になる。
金属化合物の金属としては、銅以外にアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、銀、金、亜鉛、カドミウム、アルミニ
ウム、トリウム、ウラニウム、希土類元素などがある
が、特に銅、銀が用いられる。
本発明の重合体の分子量は、上記金属アセチリドの金属
を定量することや蒸気圧浸透圧法(VPO)により求めるこ
とができる。本発明の重合体の数平均分子量は300ない
し500,000、好ましくは500ないし300,000、更に好まし
くは700ないし100,000、特に好ましくは800〜9,500であ
る。
本発明の重合体は、下記構造式(II)及び(III)に示す両
化合物を同時に昇華させ、両化合物の混合蒸着モノマー
結晶を得たのち、これに活性光線を照射して固相付加重
合させることにより合成する。
〔式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ水素、ハロゲン、炭
素数1ないし12のアルキル基の中から選ばれた基を表
す。〕 上記構造式(II)及び(III)の両化合物を同時に蒸発させ
て基板等に昇華させると、両化合物は蒸着時に規則正し
く並び、そのまま付加重合しやすい結晶構造をとること
が本発明者らの研究により明らかとなつた。すなわち、
化合物(II)及び化合物(III)の混合蒸着モノマーの結晶
に活性光線を照射することで、モノマーの結晶構造をほ
ぼ維持しモノマーが立体規則的に配列した状態で付加重
合が進み、その結果芳香族ビニレンスルフィドの結晶性
重合体が得られると考えられる。
ここで活性光線とは、可視光線、紫外線、線、X線等
の電磁波、電子線、中性子線等をいう。
こうした化合物(II)、化合物(III)の両モノマーから混
合蒸着モノマーの結晶を生成させ、これの光固相付加重
合により、結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体を得
る製造法は、従来全く知られていない新規なものであ
る。
化合物(II)及び(III)を溶媒を用いて均一溶液とし、こ
れに活性光線を照射して付加重合体を製造しても、非晶
性芳香族ビニレンスルフィド重合体しか得られない。
化合物(II)及び(III)の両化合物を同時に昇華、蒸着さ
せる際、ガラス、プラスチックフィルム、金属板、セラ
ミック板などの基板上に蒸着させて薄膜を形成する方法
が好ましい。特に良質の結晶を得ようとするときは、基
板にアルカリハライド等の単結晶基板を用いてこの基板
上にエピタキシャルな混合蒸着モノマーの結晶を成長さ
せることが望ましい。
化合物(II)及び化合物(III)を同時に昇華して混合蒸着
モノマーを得るには、通常真空蒸着法が用いられる。真
空度、昇華温度、基板温度などを制御して混合蒸着モノ
マーの結晶成長を制御することができる。
結晶性の良い重合体を得るには、蒸着時の基板温度を混
合蒸着モノマー結晶の昇華温度及び融点以下、好ましく
は融点より5℃以上低目に設定する必要がある。
融点近く又は融点以上の基板温度で蒸着した混合蒸着モ
ノマーは、良好な結晶構造をとりえず、従つてこれに活
性光線を照射して重合しても良好な結晶性を有する重合
体は得られない。
昇華分子を分子線にして蒸着させる分子線蒸着法など
は、更に混合蒸着モノマーの結晶の成長を詳細に制御す
ることができる。
上述の構造式(II)で示される化合物としては、p−ジエ
チニルベンゼン、m−ジエチニルベンゼン、ジエチニル
トルエン、ジエチニルエチルベンゼン等があり、この中
でもp−ジエチニルベンゼンが好ましい。
又、構造式(III)で示される化合物としては、p−ベン
ゼンジチオール、m−ベンゼンジチオール、4−クロル
−m−ベンゼンジチオール、トルエン−3,4−ジチオ
ール等があり、この中でもp−ベンゼンジチオールが好
ましい。
本発明の結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体は、化
合物(II)と化合物(III)の混合蒸着モノマー結晶に、活
性光線を照射して付加重合を行わせしめて製造するが、
その時混合蒸着モノマー結晶系の反応温度は混合蒸着モ
ノマー結晶の融点及び昇華温度以下の温度を選択しなけ
ればならない。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
併せて参考例及び比較例を記載した。
参考例1 p−ベンゼンジチオールの合成 (1)ナトリウムエタンチオラートの合成 ナトリウム0.2molとエタノール60mを窒素雰囲気下、
室温で60分反応させ、その後氷水温度でエタンチオール
0.2molを30分で滴下した。反応混合物は更に室温で約1.
5時間攪拌した。エタノールを留去することによつて反
応混合物を1/2に濃縮し、500〜700mのエーテル中に
注いだ。沈殿を別し、エーテルで洗浄後、室温で減圧
乾燥(CaCl2)した。収率は90〜95%であつた。
(2)p−ビス(エチルチオ)ベンゼンの合成 p−ジクロルベンゼン(0.05mol)とナトリウムエタン
チオラート(0.2mol)をヘキサメチルホスホリツクトリ
アミド200mに溶解させ、攪拌させながら100℃で30分
反応を行なった。その後、反応混合物を飽和食塩水2
中に注いだ。水層をエーテルで抽出し、エーテル溶液の
水洗、乾燥後(KOH1晩)エーテルを留去し生成物を得
た。収率は90〜95%であつた。
(3)p−ベンゼンジチオールの合成 液体アンモニア(30〜50m)中に分散させたp−ビス
(エチルチオ)ベンゼン(0.03mol)にナトリウム(0.1
2mol)を攪拌下で加えた。30分後過剰なナトリウムを分
解させるために塩化アンモニウムを加え、十分に攪拌し
た。その後、液体アンモニアを減圧留去した。残存固形
物を6N−HCl溶液(200m)中に入れ、析出した白い
結晶を別、水洗(十分に行う)し、室温で1日減圧乾
燥(CaCl2入りデシケータ)した。得られた粗結晶は、
昇華精製(70℃、0.5mmHg)、ついで酢酸エチルからの
再結晶、更に昇華精製した。収率は90%であつた。
得られた生成物の核磁気共鳴スペクトル(60MHz、溶媒C
DCl3(D:重水素)、基準物質テトラメチルシラン)は
δ値3.2と7.0ppmに積分比1:2の2本の一重線を示し
た。又、赤外吸収スペクトルは2550,2470,1390,125
0,800cm-1に代表的な吸収を示した。又、融点は97.5〜
98.5℃であつた。
かくしてp−ベンゼンジチオール を得た。
参考例2p−ジエチニルベンゼンの合成 (a)1,4−ビス(1,2−ジブロムエチル)ベンゼン
の合成 攪拌装置、温度計、アリーン冷却器、臭化水素除去用排
気管(安全ピン、アルカリ水溶液を経てアスピレーター
に接続)を取り付けた2四口フラスコにp−ジビニル
ベンゼン170.1g、クロロホルム1を入れ、氷浴で5
℃以下に冷却した。攪拌しながらバイパス付き滴下ロー
トより臭素423gを約3時間で滴下した。滴下終了後室
温で2時間攪拌を続け、反応混合物を2ビーカーにあ
けた。これを静置して結晶を成長させた後、吸引過し
粗結晶を得た。又、液からも濃縮、冷却結晶化を繰り
返し粗結晶を得た。精製はクロロホルムからの再結晶で
収率81%で融点155〜157℃の結晶を得た。
(b)p−ジエチニルベンゼンの合成 攪拌装置、温度計、アリーン冷却器、臭化水素除去用排
気管(安全ビン、アルカリ水溶液を経てアスピレーター
に接続)を取り付けた2四口フラスコに原料100g、
カリウムtert−ブトキシド103g、tert−ブチルアルコ
ール1を入れたフラスコを氷浴で冷却し、温度が上が
りすぎないように注意しながら攪拌を開始した。次第に
温度を上げながら攪拌を続け、最後に還流下で1.5時間
攪拌を行つた。反応混合物を6の氷水中に注ぎ析出し
た結晶を吸引過により得た。精製は昇華法(60±3
℃,1〜2mmHg)で行つた。融点96.5℃の結晶22.4gを
得た。
この生成物の核磁気共鳴スペクトルは、δ値3.1及び7.3
ppmに積分値比1:2で2本の一重線を示し、赤外吸収
スペクトルは、3270,2100,1920,1500,1400,1260,
840cm-1に強い吸収を示した。
かくしてp−ジエチニルベンゼン を得た。
実施例1 昇華装置に参考例1及び2で合成したp−ベンゼンジチ
オールとp−ジエチニルベンゼンの粉末結晶の等モル混
合物0.134gを入れ、排気操作により蒸着室を0.5mmHgの
真空度とした。さらに蒸発源を60℃に加熱して30秒間昇
華させてガラス基板上にp−ベンゼンジチオールとp−
ジエチニルベンゼンの混合蒸着モノマーの結晶薄膜(厚
み10.6μm)を形成した。この混合蒸着モノマーの結晶
のX線回折図を第2図に示した。この混合蒸着モノマー
の結晶は、最大回折ピークを2θ=14〜15゜に有しd=
7.78〜7.62Åである。さらに2θ=28〜29゜(d=4.00
〜3.90Å),2θ=44゜(d=2.60Å),2θ=58〜59゜
(d=2.00〜1.95Å)にも回折ピークを示す。
p−ジエチニルベンゼンのX線回折図、p−ベンゼンジ
チオールのX線回折図をそれぞれ第3,4図に示した。
p−ジエチニルベンゼンの最大回折ピークは2θ=15゜
でd=7.62Åである。又、p−ベンゼンジチオールの最
大回折ピークは2θ=28゜でd=4.00Åである。従つて
回折ピークからは混合蒸着モノマー(第2図)だけにみ
られるような特有な回折ピークは存在しないことがわか
る。
混合蒸着モノマーの組成をフラスコ燃焼法〔有機微量定
量分析383ページ(1969)南江堂〕で硫黄を分析して求め
ると硫黄含有率は24.0〜24.7%であり、p−ジエチニル
ベンゼンとp−ベンゼンジチオールの等モル組成である
ことがわかる。
こうして得られたp−ベンゼンジチオールとp−ジエチ
ニルベンゼンの混合蒸着モノマー結晶薄膜を60℃に保持
すると共に、高圧水銀ランプ(300W)で紫外線を12分
間にわたつて照射した。
紫外線照射後メタノールで上記結晶薄膜を洗浄し残存モ
ノマーを除去したが、ほとんど100%の収率で重合して
いた。
かくして得られたp−ベンゼンジチオールとp−ジエチ
ニルベンゼンの付加重合体結晶のX線回折図を第1図に
示した。最大回折ピークを2θ=14゜(d=7.78Å)に
有し、これ以外にも2θ=29゜(d=3.90Å)、2θ=4
4゜(d=2.60Å)、2θ=58゜(d=1.95Å)にピーク
を示した。
この4つのピークは、前に混合蒸着モノマー結晶で指摘
した4つのピークに対応しており、重合体結晶のX線回
折図と混合蒸着モノマーのX線回折図がよく似ているこ
とがわかる。
これは、両モノマーが蒸着時に形成した新しい結晶が、
そのまま結晶構造を変えずに付加重合を行い、重合体結
晶を生成することを示唆している。
こうして得られたp−ベンゼンジチオールとp−ジエチ
ニルベンゼンとの付加重合体結晶の電子顕微鏡写真
(A:2,000倍、B:20,000倍)を第6図に示した。結
晶の表面に細い単結晶の突起物が規則的に配列している
ことがうかがえる。
又、上記重合体の分子量は銅アセチリド法では3,000で
あつた。
上記ポリマーを元素分析、赤外線吸収スペクトル、X線
回折等で測定した結果、式 を繰り返し単位とする結晶化度がほぼ100%のジエチニ
ルベンゼンとベンゼンジチオールの結晶性重付加重合体
(結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体)であること
が認められた。
比較例1 完全に窒素置換したパイレックスガラス製の重合管に参
考例2で合成したp−ジエチニルベンゼンのトルエン溶
液を加え、その後重合管をドライアイス−メタノール浴
中に入れ、更に同様の方法で参考例1で合成したp−ベ
ンゼンジチオールのトルエン溶液を加えた。
こうして、p−ジエチニルベンゼンとp−ベンゼンジチ
オールの等モル混合物が、トルエンに1mol/の濃度で
溶解した溶液を仕込んだ。仕込みがすんだ後、窒素雰囲
気下で酸素バーナーにより封管した。封管された重合管
を-20℃に調節した塩−氷浴に入れ高圧水銀ランプ(600
W)を60分にわたつて照射し重合を行つた。
重合終了後開管し直ちに遠心分離により溶液と残渣に分
け、残渣は数回トルエン洗浄後減圧乾燥し、収量を求め
た。溶液はエバポレーターとトルエンを留去した後、エ
タノールで数回洗浄し減圧乾燥し、収量を求めた。
トルエン不溶部の収率は75.9%、トルエン可溶部の収率
は27.8%であつた。
トルエン可溶部、トルエン不溶部共同じ核磁気共鳴スペ
クトルを与えた。即ち、δ値が6.25〜6.7、6.9〜7.5ppm
に2群の多重線を示し、その積分比は1:2であつた。
又、トルエン可溶部の分子量は銅アセチリド法では3,00
0と求められた。又、トルエン不溶部の分子量は7,500で
あつた。
トルエン可溶部、トルエン不溶部ともX線回折で結晶ピ
ークを示さず、全くの非晶性ポリマーであつた。第5図
にそのX線回折図を示した。
実施例2 実施例1と同様な方法で混合モノマー蒸着膜を形成し、
高圧水銀灯ランプで紫外線を照射して49〜85℃で重合を
行つた。結果を表−1に示す。
実施例3 実施例1と同様な方法で混合モノマー蒸着膜を形成し、
高圧水銀灯ランプで紫外線を照射して60℃で12分間重合
を行つた。結果を表−2に示す。
実施例4 実施例1と同様な方法で混合モノマー蒸着膜を形成し、
60Coを線源に用い24℃で線照射重合を行つた。結果を
表−3に示す。
〔発明の効果〕 本発明の結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体は、結
晶にレーザー光を照射すると非晶に相転移する現象を利
用した光記録媒体、共役系のπ電子の励起状態の分極に
基づく非線型光学効果を利用した非線型光学結晶、光双
安定素子などのオプトエレクトロニクス材料、エレクト
ロニクス材料として巾広い応用が期待される。
【図面の簡単な説明】 第1図は実施例1で得られた本発明の結晶性重合体、第
2図は実施例1における混合蒸着モノマー、第3図は参
考例2で得られたp−ジエチルベンゼン、第4図は参考
例1で得られたp−ベンゼンジチオール、第5図は比較
例1で得られた重合体のそれぞれのX線回折図である。
第6図は、第1図の本発明重合体の結晶構造の電子顕微
鏡写真(A:2,000倍、B:20,000倍)である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数平均分子量300ないし500,000の下記構造
    式(I)で表わされる基を繰り返し単位とする結晶性芳香
    族ビニレンスルフィド重合体。 〔式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ水素、ハロゲン、炭
    素数1ないし12のアルキル基の中から選ばれた基を表わ
    す。〕
  2. 【請求項2】式(I)のR1,R2,R3,R4が水素である特許
    請求の範囲第(1)項記載の重合体。
  3. 【請求項3】下記構造式(II)及び(III) で表わされる両化合物を同時に昇華させて混合蒸着モノ
    マーの結晶を得たのち、これに活性光線を照射して光固
    相付加重合させることを特徴とする、下記構造式(I)で
    表わされる基を繰り返し単位とする結晶性芳香族ビニレ
    ンスルフィド重合体の製造法。 〔式(I),(II),(III)のR1,R2,R3,R4はそれぞれ水
    素、ハロゲン、炭素数1ないし12のアルキル基の中から
    選ばれた基を表わす。〕
  4. 【請求項4】式(I),(II),(III)のR1,R2,R3,R4が水
    素である特許請求の範囲第(3)項記載の製造法。
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JPS61203134A (ja) 1986-09-09

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