JPH0643010Y2 - 包装パック用スペーサ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はポリエチレンやサラン樹脂等の合成樹脂で形成
された透明のフィルムシートで刺身や惣菜等の食品や、
植物の苗等の物品を収納したトレイの上方を覆った時に
フィルムシートの下面を上方に持ち上げてフィルムシー
トとトレイに収納された物品とが接触しないようにする
包装パック用スペーサに関するものである。

（従来技術） 包装パック用スペーサとして、例えば実開昭61−19582
号公報に示されるようにトレイ内の食品を透明フィルム
シートで包装した食品包装パックの側壁に嵌合させるた
めに、側面視において略平行な二股に形成された嵌着支
持部とその上方にトレイの上面に被蓋されたフィルムシ
ートの下面を支える弾性変形可能な支え部とを一体に形
成して食品包装パック用スペーサを構成し、嵌着支持部
をトレイの板状の側壁部分に嵌合させ、この嵌着支持部
から上方に一体に形成された支え部で食品を入れたトレ
イの食品の上部を覆うフィルムシートの下面を持ち上げ
ることによりフィルムシートが食品に接触しないように
した食品包装パック用スペーサが知られている。

（考案が解決しようとする課題） ところで、こうした食品等を収納するトレイは、その大
きさ及び形状、特に深さや側壁の傾斜角度及び上端部の
形状等が統一されておらず、種々の形状をしたトレイが
用いられているのが現状である。

そこで、上記公報に記載された食品包装用スペーサのよ
うに下半部が略平行に形成されたスペーサの場合、嵌着
支持部にトレイの側壁の上端部が板状に形成されたもの
には嵌着することが出来るが、トレイの側壁の上端部が
外方に広がったり、カーリングされているトレイには用
いることが出来無いと言う問題があった。

こうした場合に対処するために従来では、トレイの側壁
の上端部の断面形状に合わせた嵌着支持部を有する包装
用スペーサを生産するようにしており、これが為に包装
用スペーサが多品種少量生産となり製造コストが嵩んで
しまうと言う問題もあった。

本考案は上記問題点に鑑み提案されたもので、１種類の
包装パック用スペーサを、このスペーサを取りつける側
壁の上端の形状が種々にことなるものにもそのまま取り
付けることが出来る汎用性に富んだ食品包装パック用ス
ペーサを提供出来るようにすることを目的とするもので
ある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案にかかる包装パック用
スペーサは、トレイの側壁に嵌着される側面視で二股状
に形成された嵌着支持部と、嵌着支持部の上方にトレイ
の上面に被蓋されたフィルムシートの下面を支える弾性
変形可能な円弧状の支え部とを一体に形成してなる包装
パック用スペーサにおいて、嵌着支持部の分岐上端部を
略平行に形成して板状の側壁挟持嵌合部を形成するとと
もに、その下方に嵌着支持部の少なくとも一方の支持片
を外方に曲成してカーリング及び外広がりの周縁部を収
納する抱持嵌合部を形成したことを特徴とするものであ
る。

（作用） 包装パック用スペーサはその下半部の嵌着挟持部を食品
が収納されたトレイの側壁に嵌着させ、上半部の支え部
をトレイの側壁から上方に立ち上げる。

この時、食品を収納したトレイの側壁の上端部が板状に
形成されている場合、トレイの板状の側壁の上端部は支
え部の上端の挟持嵌合部に挿入される。

また、トレイの側壁の上端部が外方に広がったり、外方
にカーリングされた形状である場合、この外方に広がっ
たりカーリングされたトレイの側壁の上端部は抱持嵌合
部に収納されるのである。こうしてトレイの側壁に下半
部の嵌着支持部を嵌着させて上半部の円弧状の支え部を
立設させた食品等が収納されたトレイは、その上方から
薄膜状の透明フィルムシートをトレイの全面に覆い被
せ、フィルムシートの周縁部をトレイの側壁部分の下部
または底部に固定する。

すると、スペーサの支え部は円弧を描いて弾性変形し、
このスペーサの支え部で持ち上げられた透明フィルムシ
ートの下方、即ち食品の上方には大きな空間が確保され
るのである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図に示すようにスペーサ１は、全体を弾性を有する
例えばポリエチレンテレフタレート等の透明の合成樹脂
で緩やかな円弧を描いた半円状の支え部２と、下半部に
形成された嵌着挟持部３とを一体に形成してなる。

上記嵌着挟持部３は、平板状の脚部（支持片）４の左右
方向を略３等分し、その中間部分（支持片）５を後方に
曲成して側面視において二股状に形成するとともに、こ
の二股状の分岐された部分の上端部は板状のトレイ側壁
の上端部を嵌合させるために略平行に形成して挟持嵌合
部６を形成するとともに、挟持嵌合部６の下方には中間
部分５を外方に大きく曲成してカーリング及び外広がり
に形成されたトレイ７の側壁12の上端周縁部８を収納す
る抱持嵌合部９を形成し、中間部分５の下端部は斜め下
向きに成形して挿入口部10が形成されて構成されてい
る。

次ぎに、上記のように形成した包装パック用スペーサ１
を食品（例えば肉、刺身や惣菜等）11を収納したトレイ
７に装着する手順を第２図及び第３図に基づいて説明す
る。

先ず、包装パック用スペーサ１の支え部２を持って食品
11を収納したトレイ７の所定の側壁12に嵌着支持部３を
当てた状態で押し込む。

すると、図示の如くトレイ７の側壁12の上端周縁部８が
外側にカーリングされているような場合でも、斜め下向
きに成形された挿入口部10で嵌着支持部３が大きく押し
開かれ、トレイ７の側壁12の上端周縁部８を無理無く抱
持嵌合部９に挿入されて包装パック用スペーサ１は食品
11を収納したトレイ７の側壁12に確りと固定されるので
ある。

しかる後、円弧状をした支え部２の上方から薄膜状の透
明フィルムシート13を覆い被せ、フィルムシート13の周
縁部13aをトレイ７の側壁12の下部または底部14に固定
すると、トレイ７に被せ付けられたフィルムシート13の
張力に合わせて包装パック用スペーサ１の支え部２がさ
らに円弧状に弾性変形する。

従って、トレイ７の側壁12の傾斜角度が種々に異なるも
のにでも透明フィルムシート13の張力を調整するだけで
取りつけることができるのである。

また、トレイ７の側壁12の上端周縁部８が真っ直ぐな板
状に形成された物の場合には第４図に示すように、側面
視で二股の嵌着挟持部３の上端部に形成された挟持嵌合
部６に挿入されて包装パック用スペーサ１はトレイ７の
側壁12に確りと固定されるのである。

こうして、包装パック用スペーサ１に持ち上げられたフ
ィルムシート13の下方でトレイ７の内部には大きな空間
が確保されることになる。

尚、図示は省略したが支え部２の周縁を面取りしたり、
アールに形成すると、周縁部でフィルム13が破れるのを
防止することが出来ることは言うまでもないことであ
る。

また、上記実施例では二股状の嵌着挟持部３の中間部分
５を外方に曲成して抱持嵌合部９を形成するようにして
あるが、平板状の脚部４を外方に曲成して抱持嵌合部９
を形成するようにしても良いことは言うまでもないこと
である。

更に、上記実施例は食品包装パック用のスペーサで説明
したが、植物の苗を包装したパック用スペーサとしても
使用することができることは勿論のこと、その他の物品
を収納したパックのスペーサとしてもしようすることが
出来るのは勿論である。

（考案の効果） 本考案は以上に説明したように、包装パック用スペーサ
はその二股の嵌着挟持部をその上端部に略平行な挟持嵌
合部とその下方に抱持嵌合部とを形成して構成するよう
にしてあるので、トレイ側壁の上端部がカーリングや、
外方に曲成されているものから、板上に形成されている
ものにまで実施することが出来、その汎用性が格段に広
がり、量産が可能となり製造コストを低減することが出
来ると言う利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図はスペーサ
の全体斜視図、第２図は使用状態の全体斜視図、第３図
は使用状態の要部の縦断側面図、第４図はスペーサの変
形例を示す要部の縦断側面図である。 １……スペーサ、２……支え部、３……嵌着挟持部、４
・５……支持片、６……挟持嵌合部、７……トレイ、８
……７の側壁部分、９……抱持嵌合部、12……側壁、13
……フィルムシート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】トレイの側壁に嵌着される側面視で二股状
   に形成された嵌着支持部と、嵌着支持部の上方にトレイ
   の上面に被蓋されたフィルムシートの下面を支える弾性
   変形可能な円弧状の支え部とを一体に形成してなる包装
   パック用スペーサにおいて、嵌着支持部の分岐上端部を
   略平行に形成して板状の側壁挟持嵌合部を形成するとと
   もに、その下方に嵌着支持部の少なくとも一方の支持片
   を外方に曲成してカーリング及び外広がりの周縁部を収
   納する抱持嵌合部を形成したことを特徴とする包装パッ
   ク用スペーサ。