JPH0642320A - 内燃機関用バルブシート - Google Patents

内燃機関用バルブシート

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JPH0642320A
JPH0642320A JP4198725A JP19872592A JPH0642320A JP H0642320 A JPH0642320 A JP H0642320A JP 4198725 A JP4198725 A JP 4198725A JP 19872592 A JP19872592 A JP 19872592A JP H0642320 A JPH0642320 A JP H0642320A
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JP
Japan
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cooling
valve seat
closing member
cooling groove
sheet layer
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JP4198725A
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English (en)
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Hitoshi Ozawa
仁 小沢
Masami Tokoro
雅美 所
Kazuhiko Sasaki
和彦 佐々木
Minoru Kawasaki
稔 河崎
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】冷却液用流通路及びクラッドシート層を有する
バルブシートを容易に成形でき、しかも、クラッドシー
ト層による冷却性能をより一層向上させることが可能な
バルブシートを提供する。 【構成】バルブシート16は冷却溝17と閉塞部材18
とクラッドシート層19とからなる。冷却溝17は、シ
リンダヘッド1における吸気バルブ6の当接部位に穿設
されている。冷却溝17は円環状をなし燃焼室2に向け
て開口している。冷却溝17には冷却水導入孔及び冷却
水排出孔26が連通している。閉塞部材18は冷却溝1
7の開口端を閉塞している。閉塞部材18と冷却溝17
の壁面との間には、冷却水の流通路21が形成されてい
る。クラッドシート層19は、レーザ光の照射を用いて
金属粉末を溶着させるレーザクラッド法により、前記閉
塞部材18の表面及び冷却溝17の周辺部位に肉盛り形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の吸・排気バ
ルブが着座した際に混合気及び燃焼ガスをシールする内
燃機関用バルブシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のシリンダヘッドとして
は、軽量化及び成形性の点からアルミニウム合金が用い
られることが多い。一方、シリンダヘッドのバルブシー
ト部には、内燃機関の運転中に、吸気バルブ又は排気バ
ルブが繰り返し着座する。また、バルブシート部は、燃
焼室内での混合気の爆発によって発生する熱に晒され
る。これらのことから、バルブシート部を含むシリンダ
ヘッド全体をアルミニウム合金で形成した場合には、同
バルブシート部の摩耗や溶損による吹き抜け、吸・排気
バルブの着座によるへたり、バルブシート部の熱による
拡径膨張等が問題となる。そこで、一般的なアルミニウ
ム合金製シリンダヘッドにおいては、吸・排気バルブと
の当接部位に凹部を形成し、その凹部に鋳鉄や鉄系焼結
材料よりなるリング状のバルブシートを圧入していた。
【0003】しかしながら、圧入によりバルブシートを
シリンダヘッドに密着させることは難しく、両者間での
わずかな隙間の発生は避けられない。この隙間は空気断
熱層として作用する。そのため、前記空気断熱層により
バルブシートからシリンダヘッドへの熱伝導が阻害さ
れ、バルブシートが高温になる。その結果、バルブシー
トの耐摩耗性等の各種特性が低下する。また、上記熱伝
導の阻害により、シリンダヘッドの冷却性能が低下す
る。そして、このことが、内燃機関の高性能化を図るう
えでの障害となっていた。
【0004】このような問題に対処する技術として、例
えば特開平2−196117号公報では、耐熱性、耐摩
耗性及び耐食性に優れた銅合金を用いて、シリンダヘッ
ドのバルブシート部にレーザクラッド法を施し、クラッ
ドシート層を肉盛り形成している。このクラッドシート
層を有するバルブシート部は、シリンダヘッドの母材
(アルミニウム合金)に対して溶着し、あるいは母材と
の間で合金化しているので、バルブシート部からシリン
ダヘッドへの熱伝導が良好となる。そのため、バルブシ
ート部やバルブの熱負荷を軽減して耐久性能を向上させ
ることができる。また、冷却性能が向上するため、内燃
機関の動力性能の向上を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記レーザ
クラッド法を用いた技術によっても、冷却性能の点で未
だ十分ではなかった。これに対しては、冷却水の流通路
をクラッドシート層内に設けることで解決できるものと
考えられる。しかし、実際には、レーザクラッド法では
粉末金属を溶着させるために、同粉末金属を溶融して複
雑な特定形状に成形しにくく、製造が困難である。
【0006】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、容易に成形でき、しかも、クラ
ッドシート層による冷却性能をより一層向上させること
が可能なバルブシートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、内燃機関のシリンダヘッドにおける吸・排
気バルブとの当接部位に穿設され、前記内燃機関の燃焼
室に向けて開口するとともに、冷却液導入路及び冷却液
排出路に連通した環状の冷却溝と、前記冷却溝内に冷却
液の流通路が形成されるように、同冷却溝の燃焼室側開
口端を閉塞する環状の閉塞部材と、熱伝導性の良い金属
粉末を、前記閉塞部材の表面及び前記冷却溝の周辺部位
に溶着させることにより肉盛り形成され、その表面に
は、前記吸・排気バルブとの当接面を有するクラッドシ
ート層とを備えている。
【0008】
【作用】内燃機関の運転に際し、バルブシートには、吸
気バルブ及び排気バルブが繰り返し着座する。また、バ
ルブシートは、燃焼室内における混合気の爆発によって
発生する熱に晒される。この熱によりバルブシートは高
温となる。しかし、このときには冷却液が冷却液導入孔
からバルブシートの流通路内へ導入される。この冷却液
とクラッドシート層及び閉塞部材との間で熱交換が行わ
れ、クラッドシート層及び閉塞部材の温度が低下すると
ともに、冷却水の温度が上昇する。
【0009】ここで、クラッドシート層自体は熱伝導性
の良好な金属で形成されている。また、クラッドシート
層はシリンダヘッド及び閉塞部材に対して溶着してい
る。このため、閉塞部材から流通路内の冷却液への熱の
伝導が良好である。従って、燃焼室の壁面の熱や吸気バ
ルブ及び排気バルブの熱が、バルブシートを介して冷却
液に効率良く伝導される。
【0010】なお、前記熱交換により昇温した流通路内
の冷却液は、冷却液排出孔から同流通路外へ排出され
る。ところで、前記バルブシートの製造に際しては、ク
ラッドシート層の成形に先立ちシリンダヘッドに冷却溝
が穿設され、その冷却溝が閉塞部材で閉塞されることに
より流通路が区画形成される。そのうえでクラッドシー
ト層が肉盛り形成される。クラッドシート層の成形時に
は粉末金属が溶着されるが、冷却溝が閉塞部材で閉塞さ
れているので、同粉末金属の冷却溝内への侵入が閉塞部
材によって阻止される。従って、流通路とクラッドシー
ト層とが閉塞部材によって完全に仕切られたバルブシー
トが得られる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図4に従って説明する。図2は本実施例のバルブシート
が設けられた多気筒(4気筒)内燃機関におけるシリン
ダヘッドの底面図であり、図1は図2のA−A線方向の
拡大断面図である。アルミニウム合金よりなるシリンダ
ヘッド1の下部には、気筒数に応じた数の燃焼室2が凹
設されている。また、シリンダヘッド1には、1気筒毎
に、2つの吸気ポート3と2つの排気ポート4とがそれ
ぞれ開けられている。吸気ポート3は、シリンダヘッド
1の一側面(図1の右側面)と燃焼室2とを連通させて
いる。また、排気ポート4は、シリンダヘッド1の他側
面と燃焼室2とを連通させている。
【0012】吸気ポート3は、シリンダヘッド1に取付
けられた吸気バルブ5によって開閉される。排気ポート
4は、シリンダヘッド1に取付けられた排気バルブ6に
よって開閉される。次に、これら吸気バルブ5及び排気
バルブ6の動弁機構について説明する。
【0013】シリンダヘッド1の上方には、その長手方
向(図1において紙面と直交する方向)へ延びる吸気側
カムシャフト7及び排気側カムシャフト8がそれぞれ回
転可能に設けられている。両カムシャフト7,8にはそ
れぞれカム7a,8aが一体に形成されている。シリン
ダヘッド1におけるカム7a,8aの直下にはガイド孔
9が貫設され、ここにバルブリフタ11が摺動可能に挿
入されている。バルブリフタ11の上面にはアジャステ
ィングシム12が嵌合され、その上面に前記カム7a,
8aが当接している。
【0014】シリンダヘッド1には、吸気バルブ5及び
排気バルブ6がそれぞれ摺動可能に挿入され、それらの
バルブステム5a,6aの上端は前記バルブリフタ11
の下面に当接している。バルブステム5a,6aの上端
部にはコッタ13を介してリテーナ14が外嵌されてい
る。
【0015】リテーナ14の下面とシリンダヘッド1の
内底面1aとの間には、コイル状バルブスプリング15
が圧縮状態で介装されている。バルブスプリング15は
常に吸気バルブ5及び排気バルブ6を上方へ付勢してい
る。この付勢方向は、吸気ポート3及び排気ポート4を
閉じる方向である。一方、バルブステム5a,6aの上
端は前記バルブリフタ11の下面に当接している。その
ため、両カムシャフト7,8が回転し、カム7a,8a
がバルブスプリング15の付勢力に抗しバルブリフタ1
1を周期的に押し下げると、同バルブリフタ11が吸・
排気バルブ5,6を下方へ押圧して開閉動作させる。
【0016】そして、吸気バルブ5の下動により吸気ポ
ート3が開放されると、吸気及び燃料よりなる混合気が
矢印で示すように、同吸気ポート3を通って燃焼室2に
導かれる。この混合気は燃焼室2内で爆発・燃焼されて
燃焼ガスとなる。この燃焼ガスは、排気バルブ6が下動
して排気ポート4が開放されたとき、同排気ポート4か
ら外部へ排出される。
【0017】シリンダヘッド1において、吸気ポート3
の燃焼室側開口端及び排気ポート4の燃焼室側開口端に
はバルブシート16が設けられている。これらのバルブ
シート16は、吸気バルブ5が吸気ポート3を閉塞した
ときや、排気バルブ6が排気ポート4を閉塞したときの
シール性を確保するためのものである。それ以外にもバ
ルブシート16は、吸・排気バルブ5,6の熱や燃焼室
2の壁面の熱を冷却液としての冷却水に逃がす機能を有
している。
【0018】図3及び図4に示すように、バルブシート
16は、冷却溝17と閉塞部材18とクラッドシート層
19とからなる。冷却溝17は、シリンダヘッド1にお
ける吸・排気バルブ5,6の当接部位を、機械加工にて
穿設して得た溝である。冷却溝17は円環状をなし、そ
の燃焼室2側の面は開口している。また、冷却溝17
は、燃焼室2側ほど拡径する形状に形成されている。
【0019】前記冷却溝17の開口端は閉塞部材18に
よって閉塞されている。閉塞部材18は、0.3〜0.
5mm程度の厚みの金属製薄板材によって円環状に形成
され、しかも、その内外両面が下側ほど拡径している。
そして、この閉塞部材18によって閉塞された冷却溝1
7の内部は、冷却水の流通路21となっている。
【0020】さらに、前記閉塞部材18の表面及びシリ
ンダヘッド1における冷却溝17の周辺部位には、高密
度エネルギ源としてのレーザ光を用いて金属粉末を溶着
させてなるレーザクラッド法により、クラッドシート層
19が肉盛り形成されている。クラッドシート層19と
シリンダヘッド1との境界部分、及びクラッドシート層
19と閉塞部材18との境界部分は合金化している。ク
ラッドシート層19を構成するクラッド材料としては、
シリンダヘッド1及び閉塞部材18に肉盛り可能であっ
て、耐摩耗性、耐熱性、耐食性、熱伝導性の良好な金属
であれば、その種類は問わない。
【0021】例えば、前記クラッド材料として、以下に
示す成分組成のCu−Ni−Fe系合金を使用すること
ができる。すなわち、吸気側クラッドシート層19を構
成する好ましいクラッド材料としては、18.5重量%
のNiと、3.0重量%のSiと、1.3重量%のB
と、8.0重量%のFeと、残部を実質的に占めるCu
とからなる成分組成の銅合金が挙げられる。また、排気
側クラッドシート層19を構成する好ましいクラッド材
料としては、16.0重量%のNiと、3.0重量%の
Siと、6.0重量%のFeと、8.0重量%のCo
と、7.0重量%のMoと、1.5重量%のCrと、残
部が実質的にCuとからなる成分組成の銅合金が挙げら
れる(SAEペーパ 920571 から引用)。
【0022】また、本実施例ではレーザクラッド法を実
施する際の条件として、レーザ出力を4.5kwに、走
査速度を800mm/minにそれぞれ設定し、厚さ約
0.8mmのクラッドシート層19を形成した。
【0023】なお、前記クラッドシート層19の表面
は、前記吸気バルブ5が吸気ポート3を閉塞するとき、
及び排気バルブ6が排気ポート4を閉塞するときの当接
面19aを構成している。
【0024】図1及び図2に示すように、前記シリンダ
ヘッド1内において、吸気ポート3、排気ポート4及び
燃焼室2の近傍にはウォータジャケット22,23が形
成されている。これらのウォータジャケット22,23
内には、ウォータポンプ(図示しない)から供給された
冷却水が流通しており、この流通により燃焼室2の壁面
等が冷却されるようになっている。また、シリンダヘッ
ド1内の吸気ポート3の直下及び排気ポート4の直下で
あって、前記バルブシート16の近傍には一対のパイプ
24が埋設されている。両パイプ24はシリンダヘッド
1の長手方向へ向けて真っ直ぐに延びている。両パイプ
24の一端はシリンダヘッド1外へ引き出され、ゴムホ
ース等によってラジエータ(図示しない)に接続されて
いる。
【0025】前記パイプ24及び流通路21は、冷却液
排出路としての冷却水排出孔26によって連通状態で連
結されている(図3参照)。また、冷却溝17におい
て、前記冷却水排出孔26の対向位置には、冷却液導入
路としての冷却水導入孔25が設けられている。この冷
却水導入孔25により、流通路21とウォータジャケッ
ト22とが連通されている。
【0026】次に、前記のように構成された本実施例の
作用及び効果を説明する。内燃機関の運転に際し、バル
ブシート16には、吸気バルブ5及び排気バルブ6が繰
り返し着座する。また、バルブシート16は、燃焼室2
内における混合気の爆発によって発生する熱に晒され
る。このため、バルブシート16は高温に加熱される。
【0027】しかし、このときには、シリンダヘッド1
のウォータジャケット22内を流れる冷却水の一部が冷
却水導入孔25を通り、バルブシート16の流通路21
内を通過する。つまり、鉄系焼結合金よりも熱伝導率の
良いクラッドシート層19及び閉塞部材18の裏側近傍
を冷却水が流れている。この冷却水とクラッドシート層
19及び閉塞部材18との間で熱交換が行われる。この
熱交換により、クラッドシート層19及び閉塞部材18
の温度が低下するとともに、冷却水の温度が上昇する。
【0028】ここで、クラッドシート層19自体は熱伝
導性の良好な銅合金で形成されている。また、閉塞部材
18は熱伝導性の良好な金属によって形成され、しか
も、0.3〜0.5mm程度と薄い。さらに、クラッド
シート層19はシリンダヘッド1及び閉塞部材18に対
して溶着しているか、あるいはシリンダヘッド1及び閉
塞部材18との境界部分で合金化が生じている。このた
め、閉塞部材18から流通路21内の冷却水への熱の伝
導が良好である。このように、本実施例では、燃焼室2
の壁面の熱や吸・排気バルブ5,6の熱を、バルブシー
ト16を介して冷却水に効率良く伝導することができ
る。
【0029】なお、熱交換により昇温した流通路21内
の冷却水は、冷却水排出孔26を通ってパイプ24内へ
導かれ、ゴムホース等を通過した後ラジエータに戻され
る。そして、冷却水の熱はラジエータで放熱される。
【0030】ところで、本実施例ではクラッドシート層
19の形成に先立ち、シリンダヘッド1に冷却溝17を
穿設し、その冷却溝17を閉塞部材18で閉塞すること
により流通路21を区画形成した。そして、このように
閉塞部材18を用いて冷却水の通路を確保したうえで、
レーザクラッド法によりクラッドシート層19を肉盛り
形成した。この形成時には、粉末金属を溶着させている
が、冷却溝17を閉塞部材18で閉塞しているので、粉
末金属が冷却溝17内に入り込むのを閉塞部材18によ
って防止できる。従って、流通路21とクラッドシート
層19とを閉塞部材18によって完全に仕切ることがで
きる。このように、本実施例では閉塞部材18を用いる
ことでレーザクラッド法による問題点、すなわち、金属
粉末を溶融することから特定の形状に成形することが困
難であるという問題点、を解消できる。その結果、冷却
性能の向上及び成形性の向上をともに両立できる。
【0031】さらに、本実施例によると、前記以外にも
次に示す作用及び効果も奏する。 (a)バルブシート16の熱伝導率向上と効率の良い冷
却とにより、吸・排気バルブ5,6の温度が下がって摩
耗が減少するため、耐久性が向上する。
【0032】(b)上記耐久性の向上により、吸・排気
バルブ5,6の材質のグレードダウンが可能となる。 (c)燃焼室2の壁温が低下することから、ノッキング
の発生が抑えられる。このため、今までよりも点火進角
を進めて、内燃機関の運転可能領域を拡大できる。さら
に、圧縮比を上げて内燃機関の出力を増加させることが
可能となる。
【0033】(d)リング状のバルブシートをシリンダ
ヘッドに圧入する従来技術では、バルブシート部分での
シリンダヘッドの肉厚を厚くしなければ強度を確保でき
ないおそれがあった。また、特に、1気筒当たりに4本
の吸・排気バルブを有する、いわゆる4バルブエンジン
の場合には、吸・排気バルブの傘径が制限される問題が
あった。
【0034】これに対し本実施例では、リング状のバル
ブシートをシリンダヘッド1に圧入することなく、閉塞
部材18の裏側に冷却水の流通路21を形成している。
このため、圧入が不要となった分、燃焼室2に面する箇
所のシリンダヘッド1の肉厚を従来よりも薄くできる。
従って、燃焼室2の壁面の冷却効果がさらに向上する。
これにともない、吸・排気バルブ5,6の傘径を従来よ
りも大きくし、吸入効率を向上させて、内燃機関のより
一層の出力向上を図ることが可能となる。
【0035】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、例えば以下のように発明の趣旨から
逸脱しない範囲で任意に変更してもよい。 (1)冷却水排出孔26の数は、1つのバルブシートに
つき、1つ以上であれば特に限定を受けない。
【0036】(2)本発明のバルブシートは、1気筒当
たりの吸・排気バルブの本数が4本以外の内燃機関や、
4気筒以外の気筒数の内燃機関にも適用できる。 (3)バルブシート16の冷却溝17、閉塞部材18、
クラッドシート層19の形状は円環状に限定されるもの
ではなく、吸・排気バルブ5,6の傘部分の形状に合わ
せて、楕円環状等、適宜に変更可能である。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、シ
リンダヘッドにおける吸・排気バルブの当接部位に環状
の冷却溝を穿設し、この冷却溝の開口端を閉塞部材で閉
塞して冷却液の流通路を形成し、さらに、閉塞板の表面
及び前記冷却溝の周辺部位にクラッドシート層を肉盛り
形成し、このクラッドシート層の表面を吸気バルブ及び
排気バルブとの当接面としたので、冷却液の流通路及び
クラッドシート層を有するバルブシートを容易に成形で
きる。また、クラッドシート層の近傍には閉塞部材を介
して流通路が設けられ、ここに冷却液が流通しているの
で、クラッドシート層に加わった熱を効率良く冷却液に
伝導できる。従って、クラッドシート層による冷却性能
をより一層向上させることができる。さらには、前記熱
伝導及び冷却性能の向上により、吸・排気バルブの耐久
性向上や、内燃機関の出力向上を図ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例のバルブシートを
用いた動弁機構の縦断面図であり、図2のA−A線方向
の断面図である。
【図2】一実施例におけるシリンダヘッド及び吸・排気
バルブの底面図である。
【図3】図1のB部を拡大して示す図である。
【図4】一実施例において、冷却溝に閉塞部材を取付け
る前の状態を説明する部分断面図である。
【符号の説明】
1…シリンダヘッド、2…燃焼室、5…吸気バルブ、6
…排気バルブ、16…バルブシート、17…冷却溝、1
8…閉塞部材、19…クラッドシート層、19a…当接
面、21…流通路、25…冷却液導入路としての冷却水
導入孔、26…冷却液排出路としての冷却水排出孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河崎 稔 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のシリンダヘッドにおける吸・
    排気バルブとの当接部位に穿設され、前記内燃機関の燃
    焼室に向けて開口するとともに、冷却液導入路及び冷却
    液排出路に連通した環状の冷却溝と、 前記冷却溝内に冷却液の流通路が形成されるように、同
    冷却溝の燃焼室側開口端を閉塞する環状の閉塞部材と、 熱伝導性の良い金属粉末を、前記閉塞部材の表面及び前
    記冷却溝の周辺部位に溶着させることにより肉盛り形成
    され、その表面には、前記吸・排気バルブとの当接面を
    有するクラッドシート層とを備えたことを特徴とする内
    燃機関用バルブシート。
JP4198725A 1992-07-24 1992-07-24 内燃機関用バルブシート Pending JPH0642320A (ja)

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Cited By (3)

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