JPH06410U - 歯科治療汚水処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯科治療によって生じる汚水中に含まれてい
る汚物を取り除くフィルターを不要にし、フィルターの
目詰りによって生じるフィルターの洗浄、取り替え等の
手間をなくすとともに、洗浄、取り替え時に生じる手の
汚れをなくす。 【構成】 排唾管、うがい水、鉢洗い水等を排出する排
水管等歯科治療に用いる全ての汚水排水管が合流される
単一の排水管６と、該単一の排水管に設けられたバキュ
ーム装置２０と、該バキューム装置によって前記単一の
排水管を通して吸引される汚水を気液分離する気液分離
装置１０と、気液分離された液体中の汚物を粉砕する粉
砕装置５０とを有する。汚物は粉砕されて沈殿槽５１〜
５３に導かれ、最終段の上澄液が排出される。粉砕され
た汚物は沈殿槽内に溜り、沈殿槽ごと捨てられる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、歯科治療によって生じる汚水の処理装置、より詳細には、歯科治療 によって生じる汚水を一括して吸引、排出するようにするとともに、該汚水中に 含まれている汚物を粉砕した後、沈殿槽にて沈殿させ、その上澄水を排出するよ うにした歯科治療汚水の処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

歯科治療においては、周知のように、口腔内の汚液を排出する排唾管（バキュ ーム管）、治療後に口腔内をうがいしたうがい水を排出するスピットン、該スピ ットンを洗った鉢洗い水等を排水する排水等を用いている。

【０００３】 図２は、従来の歯科治療ユニットにおける配水系統の一例を説明するための要 部概略構成図で、図中、１は排唾管、２はバキューム管、３はスピットン、４は うがい水供給管、５は鉢洗い水供給管、６はスピットン排水管で、周知のように 、排唾管１は歯科治療中、患者の口腔内に入れられ、口腔内の唾液、歯科治療に よって生じた血液、その他の汚水、空気等をバキューム管２を通して吸引、排出 するものである。また、歯科治療中、又は治療後に、患者はうがい水供給管４か ら噴出される水（噴水式）、或いは、うがい水供給管４からの水をコップに受け て（コップ式）、口腔内をうがいし、うがいした水をスピットン３内に吐き捨て る。上述のごとき、うがい等によって汚れたスピットン３は、スピットン（鉢） 洗い水供給管５から供給される水で洗われ、うがい水と共に吐き出された血液、 その他の汚物とともに排水管６を通して排出される。

【０００４】 上述のように、従来の歯科治療装置は、排唾管１からの汚液は、バキューム管 ２を通して排出され、スピットン３からの汚水は排水管６を通して排出され、排 水系が複数となり、複雑であった。そのため、排水系に汚水処理装置を設けて、 汚水を清浄な水にしてから排出しようとしても、清浄装置を複数個必要とし、排 水系がますます複雑となり、実際には、何ら効果的な対策が立てられておらず、 特に、スピットンからの排水は、そのまま院外へ排出され、非常に不衛生であっ た。

【０００５】 そのため、本出願人は、先に、歯科治療によって生じる全ての汚水を単一のバ キューム装置により一括して吸引、排出するようにし、各歯科ユニットに個別に バキューム装置を設ける必要性をなくすとともに、排水系を単純化して排水処理 を確実に行う汚水処理装置について提案した。

【０００６】 図３は、本出願人が先に提案した歯科治療汚水処理装置の一例を説明するため の要部構成図で、図中、７はベンチュリー式サイフォン、８は電磁弁、９は電磁 弁、手動弁等のバルブで、その他、図２に示した従来技術と同様の作用をする部 分には図２の場合と同一の参照番号を付してある。 而して、この汚水処理装置においては、バキューム管２は、例えば、ベンチュ リー式サイフォン管７を通して排水管６に連結されており、この排水管６は気液 分離器１０を介してバキューム装置２０に連結されている。従って、歯科ユニッ トから排出される全ての汚水が単一の排水管６を通して強制的に排水されるので 、排水系が単一化され、単純化され、更には、排水が確実に行われる。

【０００７】 上述のようにして、排水管６内の汚水はバキューム装置２０により吸引されて 、気液分離装置１０に導かれ、ここで、気体と液体に分離される。 分離された汚染気体は、殺菌灯等によって滅菌され、気体はフィルター３０等 によって脱臭、除塵されて排出される。また、分離された汚染液体は、汚水浄化 装置にて清浄にされた後、外部へ排出される。

【０００８】 汚水浄化装置は、フィルター４１、汚水受水槽４２、吸引ポンプ４３、フィル ター４４、吸着槽４５等から成り、フィルター４１に供給された汚水は、ここで 比較的大きなゴミが取り除かれる。大きなゴミが取り除かれた汚水は、汚水受水 槽４２に流れ込み、水位が上限レベルＬ₁に達すると、吸引ポンプ４３が作動し 、下限レベルＬ₂に達した時に停止する。吸引ポンプ４３により吸引された汚水 は、フィルター４４に供給され、ここで、汚水中に含まれている血液等、主とし て粘性のあるものを取り除いた後、イオン吸着槽（キレート樹脂槽）４５に供給 し、ここで、重金属アマルガム等を取り除いて、清浄水とした後、排水管４６を 通して外部に放出する。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

上記汚水処理装置によると、汚水中に含まれている比較的大きなゴミ、例えば 、抜歯された歯牙、脱脂綿、その他がフィルター４１にて取り除かれるが、この フィルターがすぐ目詰りをおこし、時々、フィルターの中に溜ったものを取り除 いたり、フィルターを取り替えたりしなければらなず、手間がかかり、不便であ った。また、その際、手が汚れ、不衛生であった。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するために、（１）排唾管、うがい水、鉢洗い水等 を排出する排水管等歯科治療に用いる全ての汚水排水管が合流される単一の排水 管と、該単一の排水管に設けられたバキューム装置と、該バキューム装置によっ て前記単一の排水管を通して吸引される汚水を気液分離する気液分離装置と、気 液分離された液体中の汚物を粉砕する粉砕装置とから成ることを特徴としたもの であり、更には、（２）前記粉砕装置にて汚物が粉砕された汚水を沈殿槽へ導き 、該沈殿槽にて前記粉砕された汚物を沈殿させて清浄水にして排水するようにし たことを特徴としたものである。

【００１１】

【作用】

歯科治療によって生じる汚水中に含まれている汚物を粉砕して沈殿槽に流すこ とにより、フィルターを不要にしてフィルターの目詰りによって生じるフィルタ ーの洗浄、取り替え等の手間をなくすとともに、洗浄、取り替え時に生じる手の 汚れをなくす。

【００１２】

【実施例】

図１は、本考案による歯科治療汚水処理装置の一実施例を説明するための図で 、図中、図３に示した汚水処理装置と同様の作用をする部分には、図３の場合と 同一の参照番号が付してある。 而して、本考案においては、気液分離装置１０によって分離された汚液は、粉 砕装置５０に供給され、ここで、汚水中に含まれているゴミ、例えば、抜歯され た歯牙、歯牙の修復に用いるレジン、石膏、義歯、脱脂等を粉砕する。粉砕され たゴミは、次段の沈殿槽５１に供給され、ここで、水より比重の重いものは沈殿 し、軽いものは次段の沈殿槽５２に供給される。このようにして、沈殿槽を何段 か通すことにより、汚物はほとんど沈殿し、最終段の沈殿槽５３の上端からは浄 化された上澄液が排出される。沈殿槽内が汚物で一杯になった時は、沈殿槽その ものを新しいものと取り替え、汚物で一杯になった沈殿槽は密閉蓋にて密閉して 、例えば、専門の処理場へ運んで処分する。

【００１３】

【効果】

以上の説明から明らかなように、本考案によると、フィルターを使用しないの で、フィルターの目詰りの問題がなく、従って、フィルターの洗浄、交換等の手 間が省け、しかも、フィルターの洗浄、交換時における手の汚れ等がなくなり、 非常に衛生的に歯科治療によって生じた汚水を処理することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による歯科治療汚水処理装置の一実施
例を説明するための図である。

【図２】 従来の歯科治療汚水処理装置の一例を説明す
るための図である。

【図３】 本出願人が先に提案した従来の歯科治療汚水
処理装置の一例を説明するための図である。

【符号の説明】

１…排唾管、２…バキューム管、３…スピットン、４…
うがい水管、５…鉢洗い水管、６…排水管、１０…気液
分離装置、２０…バキューム装置、５０…粉砕装置、５
１〜５３…沈殿槽。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 排唾管、うがい水、鉢洗い水等を排出す
   る排水管等歯科治療に用いる全ての汚水排水管が合流さ
   れる単一の排水管と、該単一の排水管に設けられたバキ
   ューム装置と、該バキューム装置によって前記単一の排
   水管を通して吸引される汚水を気液分離する気液分離装
   置と、気液分離された液体中の汚物を粉砕する粉砕装置
   とから成ることを特徴とする歯科治療汚水処理装置。
2. 【請求項２】 前記粉砕装置にて汚物が粉砕された汚水
   を沈殿槽へ導き、該沈殿槽にて前記粉砕された汚物を沈
   殿させて清浄水にして排水するようにしたことを特徴と
   する請求項１に記載の歯科治療汚水処理装置。