JPH0639657B2 - ガラス溶融炉用電極合金 - Google Patents
ガラス溶融炉用電極合金Info
- Publication number
- JPH0639657B2 JPH0639657B2 JP12171485A JP12171485A JPH0639657B2 JP H0639657 B2 JPH0639657 B2 JP H0639657B2 JP 12171485 A JP12171485 A JP 12171485A JP 12171485 A JP12171485 A JP 12171485A JP H0639657 B2 JPH0639657 B2 JP H0639657B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alloy
- corrosion resistance
- melting furnace
- glass melting
- glass
- Prior art date
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- Glass Melting And Manufacturing (AREA)
- Furnace Details (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は使用済核燃料の再処理によって発生する高レベ
ル廃液のガラス固化技術におけるガラス溶融炉に用いら
れる電極材料の改良に関する。
ル廃液のガラス固化技術におけるガラス溶融炉に用いら
れる電極材料の改良に関する。
使用済核燃料に含まれる核分裂生成物など高レベルの放
射性物質は、再処理過程で核物質と分離され、廃液とし
て濃縮された後、種々の方法で固化され保存される。現
在、固化方法の1つとして、安全性、貯蔵性に優れたガ
ラス固化処理法が考えられている。このガラス固化処理
技術については、各国において精力的な研究がなされて
いる。ガラス固化処理技術の1つとしてガラスを直接通
電によって発生するジュール熱により溶融し、廃液を固
化する方法がある。ガラス溶融に用いられる電極は、10
00℃以上の溶融ガラスという苛酷な腐食環境にさらされ
ることになるため、電極の寿命が溶融炉の寿命を決定す
る大きな要因となっている。
射性物質は、再処理過程で核物質と分離され、廃液とし
て濃縮された後、種々の方法で固化され保存される。現
在、固化方法の1つとして、安全性、貯蔵性に優れたガ
ラス固化処理法が考えられている。このガラス固化処理
技術については、各国において精力的な研究がなされて
いる。ガラス固化処理技術の1つとしてガラスを直接通
電によって発生するジュール熱により溶融し、廃液を固
化する方法がある。ガラス溶融に用いられる電極は、10
00℃以上の溶融ガラスという苛酷な腐食環境にさらされ
ることになるため、電極の寿命が溶融炉の寿命を決定す
る大きな要因となっている。
現在までに、ガラス溶融炉の電極材料として金属モリブ
デン、酸化スズ、黒鉛などが検討されてきたが、これら
はいずれも溶融ガラス中での耐食性に難点がある。この
ため現在では、種種検討の結果、比較的耐食性の優れた
イオンコネル690がパロットプラントなどに採用され
ている。しかし、インコネル690の融点は約1350℃で
あり、モリブデンなどと比較すると低いため、操炉条件
が限定されるという欠点がある。
デン、酸化スズ、黒鉛などが検討されてきたが、これら
はいずれも溶融ガラス中での耐食性に難点がある。この
ため現在では、種種検討の結果、比較的耐食性の優れた
イオンコネル690がパロットプラントなどに採用され
ている。しかし、インコネル690の融点は約1350℃で
あり、モリブデンなどと比較すると低いため、操炉条件
が限定されるという欠点がある。
本発明は上記欠点を解消するためになされたものであ
り、インコネル690と比較して同等以上の耐食性を有
し、しかも融点が少なくとも50℃以上高いガラス溶融
炉用の電極材料を提供しようとするものである。
り、インコネル690と比較して同等以上の耐食性を有
し、しかも融点が少なくとも50℃以上高いガラス溶融
炉用の電極材料を提供しようとするものである。
本発明のガラス溶融炉用電極合金は、重量%でCr:25
〜60%、Ni:10〜40%、Ti:0.1〜1%、Al、
Ta、Nbのうち少なくとも1種の元素:0.05〜0.5
%、Si:0.01〜0.6%を含有し、残部が実質的に
Feからなる組成を有することを特徴とするものである。
〜60%、Ni:10〜40%、Ti:0.1〜1%、Al、
Ta、Nbのうち少なくとも1種の元素:0.05〜0.5
%、Si:0.01〜0.6%を含有し、残部が実質的に
Feからなる組成を有することを特徴とするものである。
このような合金は溶融ガラス中においてインコネル69
0と同程度あるいは良好な耐食性を有し、しかもインコ
ネル690よりも融点が少なくとも50℃以上高くな
る。
0と同程度あるいは良好な耐食性を有し、しかもインコ
ネル690よりも融点が少なくとも50℃以上高くな
る。
以下、本発明の合金において各成分の含有量を上記の範
囲に限定した理由を説明する。
囲に限定した理由を説明する。
Crは基本的に本発明に係る合金の耐食性を維持するため
の元素である。Crの含有量を25〜60%としたのは、
25%未満では合金の溶融ガラス中での耐食性を維持す
ることができず、一方60%を超えると合金が脆くな
り、加工性が著しく低下するためである。
の元素である。Crの含有量を25〜60%としたのは、
25%未満では合金の溶融ガラス中での耐食性を維持す
ることができず、一方60%を超えると合金が脆くな
り、加工性が著しく低下するためである。
Niは本発明に係る合金の耐食性及び加工性を向上させる
ための元素である。Niの含有量を10〜40%としたの
は、10%未満では合金の耐食性及び加工性を向上させ
ることができず、一方40%を超えると合金の融点をイ
ンコネル690より上昇させることが困難となる。
ための元素である。Niの含有量を10〜40%としたの
は、10%未満では合金の耐食性及び加工性を向上させ
ることができず、一方40%を超えると合金の融点をイ
ンコネル690より上昇させることが困難となる。
Ti、Al、Ta、Nbはいずれも本発明に係る合金の溶融ガラ
ス中での耐食性を向上させる目的で添加される元素であ
る。このうちTiは特に重要である。Tiの添加量を0.1
〜1%としたのは、0.1%未満では合金の溶融ガラス
中での耐食性を向上させる効果が少なく、1%を超える
とイータ相等が析出して合金の耐食性を劣化させるため
である。また、Al、Ta、Nbの少なくとも1種の総添加量
を0.05〜0.5%としたのは、0.05%未満では
合金の耐食性を向上させる効果が少なく、一方0.5%
を超えると反応生成物が生じ、合金表面が脆化するため
である。
ス中での耐食性を向上させる目的で添加される元素であ
る。このうちTiは特に重要である。Tiの添加量を0.1
〜1%としたのは、0.1%未満では合金の溶融ガラス
中での耐食性を向上させる効果が少なく、1%を超える
とイータ相等が析出して合金の耐食性を劣化させるため
である。また、Al、Ta、Nbの少なくとも1種の総添加量
を0.05〜0.5%としたのは、0.05%未満では
合金の耐食性を向上させる効果が少なく、一方0.5%
を超えると反応生成物が生じ、合金表面が脆化するため
である。
Siも本発明に係る合金の耐食性を向上させるために添加
される元素である。Siの添加量を0.01〜0.6%と
したのは、0.01%未満では合金の耐食性を向上させ
る効果が少なく、一方0.6%を超えると合金が脆化す
るためである。
される元素である。Siの添加量を0.01〜0.6%と
したのは、0.01%未満では合金の耐食性を向上させ
る効果が少なく、一方0.6%を超えると合金が脆化す
るためである。
また、本発明に係る合金において、上記各元素以外の残
部は実質的にFe、すなわちFeとP、S、Sn等の不可避不
純物とからなるものである。残部をFeとしたのは、Cr−
Ni−Fe系合金はインコネル690よりも高い融点を有す
るためである。ただし、高い融点を得るためにはFeを1
5%以上とすることが望ましい。
部は実質的にFe、すなわちFeとP、S、Sn等の不可避不
純物とからなるものである。残部をFeとしたのは、Cr−
Ni−Fe系合金はインコネル690よりも高い融点を有す
るためである。ただし、高い融点を得るためにはFeを1
5%以上とすることが望ましい。
なお、本発明に係る合金において、強度を向上させる作
用を有するCの添加量については特に限定しないが、C
の添加量が多すぎると、粒界に粗大な炭化物が形成さ
れ、耐食性が劣化するおそれがあるため、0.5%以下
とすることが望ましい。
用を有するCの添加量については特に限定しないが、C
の添加量が多すぎると、粒界に粗大な炭化物が形成さ
れ、耐食性が劣化するおそれがあるため、0.5%以下
とすることが望ましい。
下記表に示す組成を有する実施例1〜4の合金を溶製し
た。これら4種の合金とインコネル690(比較例)に
ついて、浸漬試験を行ない、耐食性を評価した。この浸
漬試験は各合金をアルミナるつぼ内で1270℃の廃棄物模
擬ガラス中に7日間浸漬した後の減肉量を調べたもので
ある。また、各合金の融点も測定した。上記減肉量及び
融点を下記表に併記する。
た。これら4種の合金とインコネル690(比較例)に
ついて、浸漬試験を行ない、耐食性を評価した。この浸
漬試験は各合金をアルミナるつぼ内で1270℃の廃棄物模
擬ガラス中に7日間浸漬した後の減肉量を調べたもので
ある。また、各合金の融点も測定した。上記減肉量及び
融点を下記表に併記する。
上記表から明らかなように、実施例1〜4の合金はいず
れもインコネル690(比較例)よりも減肉量が少な
く、耐食性に優れているとともに、融点が50〜70℃
上昇している。
れもインコネル690(比較例)よりも減肉量が少な
く、耐食性に優れているとともに、融点が50〜70℃
上昇している。
〔発明の効果〕 以上詳述した如く本発明によれば、耐食性が良好で、し
かも融点の高いガラス溶融炉用電極合金を提供すること
ができ、ひいてはガラス溶融炉の操炉条件を安定化でき
る等顕著な効果を奏するものである。
かも融点の高いガラス溶融炉用電極合金を提供すること
ができ、ひいてはガラス溶融炉の操炉条件を安定化でき
る等顕著な効果を奏するものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F27D 11/08 A 7141−4K G21F 9/30 519 K 9117−2G H05B 7/06 8815−3K
Claims (1)
- 【請求項1】重量%でCr:25〜60%、Ni:10〜4
0%、Ti:0.1〜1%、Al、Ta、Nbのうち少なくとも
1種の元素:0.05〜0.5%、Si:0.01〜0.
6%を含有し、残部が実質的にFeからなる組成を有する
ことを特徴とするガラス溶融炉用電極合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12171485A JPH0639657B2 (ja) | 1985-06-05 | 1985-06-05 | ガラス溶融炉用電極合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12171485A JPH0639657B2 (ja) | 1985-06-05 | 1985-06-05 | ガラス溶融炉用電極合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61279659A JPS61279659A (ja) | 1986-12-10 |
JPH0639657B2 true JPH0639657B2 (ja) | 1994-05-25 |
Family
ID=14818060
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12171485A Expired - Fee Related JPH0639657B2 (ja) | 1985-06-05 | 1985-06-05 | ガラス溶融炉用電極合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0639657B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4147182B2 (ja) * | 2001-06-08 | 2008-09-10 | 沖電気工業株式会社 | プリンタ |
JP6481802B1 (ja) * | 2017-04-03 | 2019-03-13 | 日立金属株式会社 | Cr−Fe−Ni系合金製造物およびその製造方法 |
-
1985
- 1985-06-05 JP JP12171485A patent/JPH0639657B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61279659A (ja) | 1986-12-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |