JPH0639470B2 - 無水マレイン酸の製造方法 - Google Patents

無水マレイン酸の製造方法

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JPH0639470B2
JPH0639470B2 JP1009632A JP963289A JPH0639470B2 JP H0639470 B2 JPH0639470 B2 JP H0639470B2 JP 1009632 A JP1009632 A JP 1009632A JP 963289 A JP963289 A JP 963289A JP H0639470 B2 JPH0639470 B2 JP H0639470B2
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ジェームス マメイ マイクル
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モンサント カンパニー
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    • C07C51/21Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は非芳香族炭化水素の酸化による無水マレイン酸
の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は確立され
た初期無水マレイン酸収率が長期にわたる持続操作でも
実質的に維持されるように無水マレイン酸収率を安定化
させるのに有効な触媒−不活性固体材料組成物にするの
に十分な量の不活性固体材料で希釈された燐−バナジウ
ム混合酸化物型酸化触媒の固定床を含有する、熱伝達媒
体で冷却される固定床管型反応帯域中で、非芳香族炭化
水素を気相で分子酸素または分子酸素含有気体によつて
部分酸化して優れた収率で無水マレイン酸にするための
改善された方法に関する。
無水マレイン酸は世界中でかなり商業的関心を持たれて
おり、アルキドおよびポリエステル樹脂の製造において
単独でまたは他の酸と組み合わせて使用されており、ま
た、化学合成のための多用な中間体でもある。これ等様
々な需要を満足させるためにかなりの量の無水マレイン
酸が毎年生産されている。
従来、燐とバナジウムの混合酸化物を含有する多数の触
媒は様々な有機供給原料を無水マレイン酸に転化するの
に有効であるとして開示されており、さらには、バナジ
ウムの原子価が約+3.8〜+4.8であるかかる触媒は直鎖
中に少なくとも4個の炭素原子を有する飽和炭化水素か
ら無水マレイン酸を生成するのに特によく適することが
開示されている。多くの場合に、かかる触媒は触媒中に
酸化物として存在すると考えられる促進剤元素をさらに
含有している。通常の有機供給原料はn−ブタン、1−
および2−ブテン、1,3−ブタジエン、およびそれ等
の混合物のような非芳香族炭化水素である。
米国特許第4,632,915号には、優れた収率で無水マレイ
ン酸を生成するために非芳香族炭化水素特にn−ブタン
を気相で分子酸素または分子酸素含有気体によつて部分
酸化するのに有効である、燐とバナジウムと酸素からな
り、かつ鉄およびリチウムを各々含有する促進剤成分を
含んでいる触媒が開示されている。
米国特許第4,562,268号は1回通過重量/重量生産性が
1時間当たり触媒1kg当たり少なくとも70gの無水マ
レイン酸である燐−バナジウム混合酸化物型酸化触媒の
存在下で非芳香族炭化水素から無水マレイン酸を製造す
る方法に関する。
米国特許第4,333,853号には、実質的に5価の原子価状
態にあるバナジウムを、燐含有化合物の存在下で、かつ
腐食性還元剤の不在下で、バナジウムを+5未満の原子
価状態に還元可能な有機液状媒体中で、4価の原子価状
態に還元し;得られたバナジウム−燐混合酸化物触媒前
駆体を回収し;かかる前駆体を乾燥し;そして前駆体を
焼成して活性触媒を得ることによつて製造された燐−バ
ナジウム混合酸化物触媒が開示されている。かかる触媒
は報告されているところでは、n−ブタン、1−および
2−ブテン、1,3−ブタジエン、またはその混合物の
ようなC4炭化水素を酸化して58.7%〜68.1%の範囲の選
択性および51.4%〜59.5%の範囲の収率(モル%)で無
水マレイン酸を生成するのに有効である。
米国特許第4,315,864号は燐−バナジウム混合酸化物触
媒の存在下でノルマルC4炭化水素から無水マレイン酸を
製造する方法に関する。触媒は5価のバナジウムを含有
する化合物を、オレフイン系の酸素化された有機液状媒
体中で、腐食性還元性の不在下で+4価に還元し;得ら
れた触媒前駆体を回収し;触媒先駆体を乾燥し;そして
前駆体を焼成して活性触媒を得ることによつて製造され
る。
米国特許第4,312,787号には、不活性支持体とこの支持
体の外面上の燐とバナジウムまたは燐とバナジウムとウ
ランの触媒活性混合酸化物材料被膜とからなり、酸化物
材料被膜が支持体と酸化物材料を合わせた重量の50%
超から約80%までの量で存在する、触媒が記載されて
いる。この特許の請求の範囲に包含される触媒は53%
〜62.5%の範囲の収率および57.4%〜67.9%の範囲の選
択性をもつてn−ブタンから無水マレイン酸を生成する
と報告されている。
米国特許第4,294,722号には、燐とバナジウムの混合酸
化物を含有する触媒の製造方法が開示されている。この
方法では、5価のバナジウムを含有する化合物は、この
バナジウム化合物が少なくとも部分的に可溶で溶液また
は混合物をつくるところの有機液状媒体中で、+4の原
子価状態に還元される(少なくとも一部分は)。直径が
0.1mmより大きい粒子サイズを有する溶解されなかつた
バナジウム含有化合物は除去される。得られた溶液は5
価の燐を含有する化合物と混合されて沈澱物を生成し、
その沈澱物は回収され、乾燥され、そして焼成される。
かかる触媒はn−ブタン、1−および2−ブテン、1,
3−ブタジエン、およびそれ等の混合物のような非分枝
のC4炭化水素を気相で分子酸素または分子酸素含有気体
の存在下で良好な選択性をもつて無水マレイン酸に酸化
するのに有効であると報告されている。
米国特許第4,251,390号には、亜鉛で促進された燐−バ
ナジウム−酸素触媒が開示され、権利請求されている。
この触媒は5価のバナジウムを実質的に無水の有機媒体
中でより低い原子価状態に還元し、その還元されたバナ
ジウムを亜鉛促進剤化合物の存在下で熟成することによ
つて製造される。得られた触媒はn−ブタンを無水マレ
イン酸に酸化するためにブタン−空気混合物の存在下で
5℃〜10℃/時の速度で操作温度に上昇させることに
よつて活性化される。
米国特許第4,187,235号には、高表面積すなわち10〜
100m2/g(BET法)を有する燐−バナジウム−酸素
触媒の存在下でn−ブタンから無水マレイン酸を製造す
るための方法が開示されている。この触媒は5価のバナ
ジウムを実質的に無水の第一または第二アルコールで+
4.0〜+4.6の原子価に還元し、その還元されたバナジウ
ムを燐酸と接触させ、その後回収し、そしてその得られ
た燐酸バナジウム(IV)化合物を焼成することによつて製
造される。
米国特許第4,018,709号には、バナジウム、燐、ウラ
ン、またはタングステン、または亜鉛、クロム、ウラ
ン、タングステン、カドミウム、ニツケル、ホウ素、お
よび珪素からの元素の混合物を含有する触媒を使用して
ノルマルC4炭化水素を気相酸化する方法が開示されてい
る。好ましい態様においては、この触媒はさらに活性成
分としてアルカリ金属またはアルカリ土金属、特に、リ
チウム、ナトリウム、マンガン、またはバリウムを含有
している。代表的には、かかる触媒は濃(37%)塩酸
中で製造される。
米国特許第4,002,650号には、式 V0.5-3P0.5-3U0.1-0.5Ox (式中、xは存在する他の元素の原子価要求を満足させ
るような数である) の触媒下でのn−ブタンの酸化方法が開示されている。
好ましい触媒製造法においては、五酸化バナジウムと濃
塩酸と酢酸ウラニルの混合物を還流下で加熱する。この
還流混合物に85%の燐酸が添加される。得られた混合
物は大気圧で蒸発され、110℃で乾燥され、粉砕さ
れ、適切な粒子サイズに選別され、そして482℃の空
気流中で16時間加熱することによつて活性化される。
米国特許第3,980,585号には、バナジウム、燐、銅、酸
素、テルルまたはテルルとハフニウムもしくはウランの
混合物を含有する触媒、またはバナジウム、燐、銅、さ
らにテルル、ジルコニウム、ニツケル、セリウム、タン
グステン、パラジウム、銀、マンガン、クロム、亜鉛、
モリブデン、レニウム、サマリウム、ランタン、ハフニ
ウム、タンタル、トリウム、コバルト、ウラン、および
錫の群から選択された少なくとも1つの元素、さらに場
合によつては(好ましくは)1a族(アルカリ金属)ま
たは2a族(アルカリ土金属)からの元素を含有する触
媒の存在下でノルマルC4炭化水素から無水マレイン酸を
製造する方法が開示されている。
米国特許第3,888,866号には、0.5〜2の燐/バナジウム
原子比を有し、クロム、鉄、ハフニウム、ジルコニウ
ム、ランタン、およびセリウムで促進または改質されて
おり、促進剤金属/バナジウム原子比が約0.0025〜約1
である燐−バナジウム−酸素触媒にn−ブタンを約30
0℃〜約600℃の温度で接触させることによるn−ブ
タンの酸化方法が開示されている。この触媒は酸化バナ
ジウムと燐酸とハロゲン化水素(通常、塩酸)と特定促
進剤金属含有化合物との反応混合物を還流することによ
つて製造される。得られた触媒前駆体は回収され、乾燥
され、構造体に成形され、そして焼成されて活性触媒に
なる。
米国特許第3,864,280号には、約7〜約50m2/gの固
有表面積を有する燐−バナジウム混合酸化物触媒が開示
されている。触媒は大量の水の不在下で本質的に有機の
溶媒から燐−バナジウム−酸素錯体を沈澱させることに
よつて製造される。得られた結晶性沈澱物は空気中で、
その後1.5モル%ブタンと空気の混合物の中で、どちら
の場合も高温に加熱されることによつて活性化される。
米国特許第3,862,146号には、亜鉛、ビスマス、銅、ま
たはリチウム活性剤で促進または活性化された燐−バナ
ジウム−酸素触媒の存在下でn−ブタンを無水マレイン
酸に酸化する方法が開示されている。燐/バナジウムお
よび活性剤/バナジウムの原子比はそれぞれ約0.5〜5
および約0.05〜0.5である。
米国特許第3,856,824号には、燐、バナジウム、鉄、酸
素、および添加された改質剤(ニツケル、ホウ素、銀、
カドミウム、およびバリウムからなる群から選択された
少なくとも1種の元素と組み合わされたクロムからな
る)からなる触媒の存在下での飽和脂肪族炭化水素の酸
化による無水マレイン酸の製造方法が開示されている。
欧州特許出願第98,039号には、1a族(アルカリ金
属)、2a族(アルカリ土金属)、チタン、クロム、タ
ングステン、ニオブ、タンタル、マンガン、トリウム、
ウラン、コバルト、モリブデン、鉄、亜鉛、ハフニウ
ム、ジルコニウム、ニツケル、銅、ヒ素、アンチモン、
テルル、ビスマス、錫、ゲルマニウム、カドミウム、お
よびランタニド、およびそれ等の混合物からなる群から
選択される添加促進剤元素を含有していてもよい燐−バ
ナジウム混合酸化物触媒の製造方法が開示されている。
約0.8〜約1.3の燐/バナジウム原子比および0.01〜0.5
の促進剤/バナジウム原子比を示す触媒はバナジウムを
約+4の原子価状態に還元できる有機液体反応媒体中で
非溶解触媒前駆体を生成し、その非溶解触媒前駆体を含
有する有機液体を水と接触させて上層の有機液体相と下
層の非溶解触媒前駆体含有水性相の2相系にし、触媒前
駆体を乾燥し、そして焼成することによつて製造され
る。こうして得られた触媒は報告されているところでは
ノルマルC4炭化水素からの無水マレイン酸の製造に有効
である。
一般に、非芳香族炭化水素を気相で部分酸化して無水マ
レイン酸にするための従来記載されている触媒の使用は
約300℃〜約600℃の温度に1種以上の熱伝達媒体
で冷却される固定床管型反応器の中の酸化触媒の固定床
の上に非芳香族炭化水素と分子酸素含有気体(たとえ
ば、n−ブタンと空気)からなる気体状供給材料を通す
ことを伴う。その結果、反応帯域から、無水マレイン
酸、副生物の酸素化炭化水素、未反応の非芳香族炭化水
素と酸素、および不活性気体を含有する流出流が回収さ
れ、そしてそれから無水マレイン酸が実質的に分離され
る。
非芳香族炭化水素(代表的にはn−ブタン)消費におけ
る生産性を改善する研究では、通常の操作で代表的に使
用されているものより高い濃度の炭化水素を含有する酸
化用供給材料を使用すること及び/又は反応帯域からの
流出流を無水マレイン酸生成物の大部分の分離後に再循
環させることが提案されている。たとえば、米国特許第
4,342,699号には、供給流中のブタン濃度範囲約2モル
%〜約10モル%を使用してn−ブタンから無水マレイ
ン酸を製造するための気相酸化法が開示されている。燐
−バナジウム−酸素触媒を含有する適切な触媒が使用さ
れている。かかる触媒は反応帯域の長さの少なくとも一
部分に沿つて活性度に勾配があり、供給端では最低の活
性度であり、そして出口端では最高の活性度である。約
15〜70%のオーダーの低い転化率が達成されるの
で、流出流の大部分を無水マレイン酸の回収後に反応帯
域に再循環させる必要がある。
米国特許第3,899,516号には、n−ブタンと実質的に純
粋な(少なくとも95%の)分子酸素を少なくとも1:
4のモル比で含有する供給材料(すなわち、供給材料中
の少なくとも20モル%のn−ブタンと80モル%未満
の分子酸素)を使用することによつて無水マレイン酸に
対する空間時間収率および触媒選択性が改善できること
が開示されている。
米国特許第3,904,652号には、1.7モル%超のn−ブタン
と3〜13モル%の分子酸素と70〜95モル%の不活
性気体(好ましくは窒素)を含有する供給材料の使用
が、1回通過当たりのn−ブタンの転化率が30%〜7
0%であること、並びに無水マレイン酸に対する選択性
およびn−ブタンの最終転化率を改善するために反応流
出流を無水マレイン酸の分離後に再循環させることと組
み合わせて開示されている。
米国特許第4,501,907号には、約364hr-1〜約536h
r-1の空間速度において空気中のn−ブタン約3モル%
〜約5モル%の供給材料濃度を使用する方法が記載され
ている。
これ等従来の方法および触媒は概して所望の無水マレイ
ン酸生成物を生成させるが、触媒系および触媒反応プロ
セスの商業的有用性は使用される触媒のコスト、反応体
の転化率、所望生成物の収率、および触媒が初期に達成
した所望生成物の収率を長期にわたる操作でも実質的収
率減衰の体験なしで維持する能力、すなわち、長期にわ
たる持続操作での触媒系の実際の生産性に大いに依存す
る。多くの場合、所与の方法に使用される触媒系のコス
トがキログラムまたはポンド当たり数セントのオーダー
でも軽減さること、必要な触媒量に比べて所望生成物の
収量が小さいパーセントでも増大すること、および/ま
たは長期にわたる持続操作での生成物収率減衰が低下す
ることは非常に商業上の経済的節約および利益であるこ
とを意味している。従つて、新規または改善された触媒
系およびその製造方法、並びに新規および旧触媒系のコ
ストを軽減し、かつ/または活性度、選択性および/ま
たは生産性を高め、かつかかるプロセスにおけるかかる
触媒系の有効寿命を延ばすための方法を開発する研究が
続けられてきた。従つて、本発明の方法を見い出したこ
とは当分野における決定的な進歩であると思われる。
本発明は長期にわたる持続操作での無水マレイン酸収率
減衰を最小にする方法に関する。従つて、本発明の第一
の目的は無水マレイン酸の収率の確立された初期値を長
期の持続操作にわたつて安定化させるための方法を提供
することである。
本発明のこの目的およびその他の目的、特徴、および利
点は以下の記述および特許請求の範囲から当業者に明ら
かになろう。
上記目的は、ここに開示されている、直鎖中に少なくと
も4個の炭素原子を有する非芳香族炭化水素を、約0.5
〜約2.0の燐/バナジウム原子比を有する燐−バナジウ
ム混合酸化物型酸化触媒の存在下で、分子酸素または分
子酸素含有気体によつて、気相で接触作用で部分酸化す
ることによる無水マレイン酸の製造方法にして、前記酸
化が、触媒を充填された、熱伝達媒体で冷却される固定
床管型反応帯域中で、反応帯域に供給された炭化水素の
転化率を一回通過で少なくとも70%にするのに十分な
かつ初期無水マレイン酸収率を確立するのに十分な条件
下で行われる、前記方法にして;触媒を、無水マレイン
酸収率をして長期にわたる持続操作での平均収率減衰が
1月当たり前記の確立された初期無水マレイン酸収率の
0.30%未満であるように安定化させるのに有効な触媒−
不活性固体材料組成物にするのに十分な量の不活性固体
材料で、希釈したことを特徴とする、改善された前記方
法によつて達成される。
本発明によれば、直鎖中に少なくとも4個の炭素原子を
有する非芳香族炭化水素を、約0.5〜約2.0(好ましく
は、約0.95〜約1.2)の燐/バナジウム(P/V)原子
比を有する燐−バナジウム混合酸化物型酸化触媒の存在
下で、分子酸素または分子酸素含有気体によつて、気相
で接触作用で部分酸化することによる無水マレイン酸の
製造方法にして、前記酸化が、触媒を充填された、熱伝
達媒体で冷却される固定床管型反応帯域中で、反応帯域
に供給された炭化水素の転化率を一回通過で少なくとも
70%にするのに十分なかつ初期無水マレイン酸収率を
確立するのに十分な条件下で行われる前記方法にして、
触媒を、無水マレイン酸収率をして長期にわたる持続操
作での平均収率減衰が1月当たり前記の確立された初期
無水マレイン酸収率の0.30%未満(好ましくは、0.25%
未満)であるように安定化させるのに有効な触媒−不活
性固体材料組成物にするのに十分な量の不活性固体材料
で希釈したことを特徴とする、改善された前記方法が提
供される。
長期の持続操作の長さすなわち時間が臨界的でないこと
は当業者には自明であろう。いずれにしても、かかる時
間は(a)無水マレイン酸収率減衰値の実質的に正確な測
定を達成し、かつ(b)無水マレイン酸収率減衰の測定を
実用的にするのに十分な時間であることが必要である。
一般に、長期の持続操作に便利な時間は少なくとも6か
月である。
本発明のためには、用語「収率」は反応帯域中に導入さ
れた非芳香族炭化水素供給原料のモル数に対する得られ
た無水マレイン酸のモル数の比に100を掛けたものを
意味し、モル%で表わされる。用語「選択性」は反応ま
たは転化した炭化水素供給原料のモル数に対する得られ
た無水マレイン酸のモル数の比に100を掛けたものを
意味し、モル%で表わされる。用語「転化率」は反応帯
域中に導入された炭化水素供給原料のモル数に対する反
応した炭化水素供給原料のモル数の比に100を掛けた
ものであり、モル%で表わされる。用語「空間速度」ま
たは「気体の1時間当たりの空間速度」または「GHSV」
は20℃および大気圧下でのcm3(cc)で表わされる気体
状供給材料の毎時の体積をcm3で表わされる触媒容積で
割つたものであり、cc/cc/時またはhr-1で表わされ
る。
本発明に使用するのに適する触媒は既知のものであり、
一般に、酸化条件下で無水マレイン酸を生成するように
非芳香族炭化水素の気相での部分酸化を触媒することが
できる材料である。有効な触媒の例は先行技術の項で挙
げた資料中に記載されているものであるが、それ等に限
定されるものではなく、それ等は本発明の実施における
例示および指針となることを目的としている。かかる触
媒の中でも、本発明に従つて好ましく使用されるものは
米国特許第4,632,915号に記載されている鉄/リチウム
で促進された燐−バナジウム混合酸化物型酸化触媒であ
る。この資料および先行技術の項で挙げた資料は参考の
ためにここに組み入れられる。
本発明の方法の操作においては、酸化触媒は十分な量の
不活性固体触媒で希釈されて無水マレイン酸収率をして
長期にわたる持続操作での平均収率減衰が1月当たり確
立初期無水マレイン酸収率の0.30%未満(好ましくは、
0.25%未満)であるように安定化させるのに有効な触媒
−不活性固体材料組成物にされて反応帯域に装填され
る。得られた希釈触媒充填は反応帯域の最も熱い地点
(最高温度)(通常、「ホツトスポツト」と称される)
に位置する領域に最大希釈が存在するように希釈に勾配
をもたせている。代表的には、ホツトスポツトは炭化水
素の酸化速度が最大であり反応が最も発熱性である地点
に位置するものであり、そして反応帯域の供給入口端か
ら出口端まで続く触媒充填の長さの最初の50%にわた
る領域に存在する。従つて、代表的なホツトスポツト位
置における最大希釈はかかる位置における反応速度およ
び熱発生を減少させる傾向がある。
希釈触媒充填に適する配置は厳密に臨界的なものではな
く、触媒充填の全長、生成速度、活性触媒の組成、およ
び反応条件のような様々な因子に依存して変動し、そし
てここに提示された開示を参考にすれば当業者の通例の
経験によつて決定することができる。非限定的な例とし
ては(a)触媒充填の少なくとも一部分にわたつて希釈が
供給入口端に最も近い最大希釈から出口端に最も近い最
小希釈まで減少するように希釈触媒充填が希釈勾配をも
つ配置や、(b)供給入口端から出口端まで続く触媒充填
の第一の部分が最小希釈を有し、そして触媒充填の残り
の部分が供給入口端に最も近い最大希釈から出口端に最
も近い最小希釈まで希釈勾配をもつ配置が挙げられる。
後者の配置においては、触媒充填の最初の最小希釈帯域
または段階は比較的短く、そして炭化水素−分子酸素含
有気体の供給材料流を予備加熱する帯域として有利に機
能することができる。
本発明においては、供給入口端から出口端まで続く触媒
充填が連続的および/または段階的に希釈勾配をもつこ
とができることを意図している。理想的には、希釈は最
大希釈から最小希釈まで連続的に減少する。しかしなが
ら、実用的観点からは、触媒充填長さの希釈勾配の部分
に沿つて2つ以上の希釈帯域または段階を有することが
便利である。好ましくは、段階の数は2〜約10の範囲
にあり、約3〜約8が最も好ましい。
好ましい態様における、希釈が希釈充填長さの少なくと
も一部分にわたつて供給入口端に最も近い最大希釈から
出口端に最も近い最小希釈まで減少するように希釈触媒
充填が希釈勾配をもつ触媒充填配置について述べると、
触媒充填は3つの希釈段階または帯域(最大、中間、お
よび最小)に分割され、最大希釈段階は触媒充填の供給
入口端に最も近いところに位置し、そして最小希釈段階
は出口端に最も近いところに位置する。触媒充填の全長
を供給入口端から始まつて出口端で終わるように100
等分すると、触媒充填の最大希釈段階(段階1)は触媒
充填の0ppl(長さの100等分中の部数)から約20p
plまで広がつていると有利であり、この触媒充填は約5
0/50〜約75/25の触媒/不活性固体材料重量比
を有する触媒−不活性固体材料組成物を与えるのに十分
な量の不活性固体材料で希釈されている。触媒充填の中
間希釈段階(段階2)は触媒充填の約20pplから約4
0pplまで広がつており、この触媒充填は約76/24
〜約85/15の触媒/不活性固体材料重量比を有する
触媒−不活性固体材料組成物を与えるのに十分な量の不
活性固体材料で希釈されている。触媒充填の残りの長さ
は最小希釈段階(段階3)からなる。最小希釈段階は触
媒充填長さの約40pplから100pplまで広がつてい
る。この段階における触媒/不活性固体材料重量比は約
86/14〜約100/0の範囲にある。
要約すると、触媒充填の好ましい3つの希釈段階を有す
るかかる配置における分布または勾配は次のようにな
る: 供給入口端から出口端まで続く触媒充填の第一の部分が
最小希釈を有し、そして触媒充填の残りの部分が供給入
口端に最も近い最大希釈から出口端に最も近い最小希釈
まで希釈勾配をもつような触媒充填配置について述べる
と、触媒は3つの希釈段階、すなわち段階1(最小希釈
段階)、段階2(最大希釈段階)および段階3(最小希
釈段階)に分割され、段階1は触媒充填の供給入口端に
最も近いところに位置し、段階3は出口端に最も近いと
ころに位置し、そして段階2は段階1と段階3の間に位
置する。触媒充填の全長を先に述べたように供給入口端
に始まつて出口端で終わるように100等分するとする
と、触媒充填の段階1は触媒充填の0pplから約18ppl
まで広がつていると有利である。段階1においては触媒
充填は約86/14〜約100/0の触媒/不活性固体
材料重量比を有する触媒−不活性固体材料組成物を与え
るのに十分な量の不活性固体材料で希釈されていると好
ましい。触媒充填の段階2は触媒充填の18pplから約
45pplまで広がつており、この触媒充填は約51/4
9〜約85/15の触媒/不活性固体材料重量比を有す
る触媒−不活性固体材料組成物を与えるのに十分な量の
不活性固体材料で希釈されている。触媒充填の残りの部
分(段階3)は触媒充填長さの約45pplから約100p
plまで広がつている。この段階における触媒/不活性固
体材料重量比は約86/14〜約100/0の範囲にあ
る。
要約すると、好ましい3段階希釈の触媒充填を有するか
かる配置における分布または勾配は次のようになる: 所望の希釈勾配をもたらすためのあらゆる適する手段が
本発明に従つて意図されている。最も簡単な構造の酸化
触媒(たとえばペレツトやタブレツト)が使用され、所
望の希釈勾配は構造化された触媒を不活性固体材料とブ
レンドすることによつて達成される。適する不活性固体
材料希釈剤は酸化反応において触媒性能に悪影響を与え
ない材料であつて、かつ触媒充填体中を通る気体の実質
的に均一なフローが確保されるようにサイズおよび形状
の点で前記構造化された触媒に少なくとも概して類似し
ている材料である。適する不活性固体材料(希釈剤)の
非限定的な具体例はアルミナ、シリカ、アルミナ−シリ
カ、および炭化珪素、およびそれ等の混合物であり、一
般にアルミナ並びにアルミナ−シリカが好ましい。連続
希釈勾配は構造化触媒と不活性固体材料を別個の可変速
度供給器によつて反応帯域に供給することによつて付与
されることができる。段階勾配は構造化触媒と不活性固
体材料を適切な量でバツチブレンドすることによつて付
与されることができる。
所望の希釈勾配を達成する関連方法は活性触媒の割合が
最大希釈段階から最小希釈段階まで増大するように支持
された触媒を使用することである。非限定的な代表的支
持体は、アルミナ、シリカ、シリカゲル、シリカカーバ
イド、セラミツクドーナツツ、マグネシア、チタニア、
およびチタニア−シリカである。
本方法に従つて使用される希釈触媒は非芳香族炭化水素
を無水マレイン酸に転化させる様々な反応器中で有効で
ある。代表的な満足な反応器は熱伝達媒体で冷却される
固定床管型反応器である。かかる反応器の操作の詳細は
当業者には周知である。かかる反応器の管は鉄、ステン
レス鋼、炭素鋼、ニツケル、ガラス、たとえばバイコー
ル(Vycor)、および類似物から構成されることができ、
そして直径が約0.635cm(0.25インチ)から約3.81cm(1.5
0インチ)まで変動可能であり、そして長さが約15.24cm
(6インチ)から約609.60cm(20フイート)まで変動
可能である。酸化反応は非常に発熱性であり、反応が一
度起こると、所望の反応帯域温度を維持するためには、
反応帯域から熱を逃がすために熱伝達媒体が必要であ
る。適する熱伝達媒体は当業者に周知であり、一般に、
プロセス温度で液体の状態のままであり比較的高い熱伝
導性を有する材料である。有効な熱伝達媒体の例は様々
な熱伝達油、溶融硫黄、水銀、溶融鉛、およびアルカリ
金属の硝酸塩や亜硝酸塩のような塩であり、塩は高沸点
であることから好ましい。特に好ましい熱伝達媒体は硝
酸カリウムと硝酸ナトリウムと亜硝酸ナトリウムの共沸
混合物であり、これは望ましくは高い沸点を有するばか
りでなく、反応帯域の操業停止時でさえ液体状態のまま
である。別の温度制御法は金属ブロツク反応器を使用す
ることによつて反応帯域を囲む金属が温度調整用本体と
して作用するもの又は通常の熱交換器によるものであ
る。
一般に、本発明による操作は直鎖中に少なくとも4個の
炭素原子を有する非芳香族炭化水素と分子酸素含有気体
(単なる分子酸素も含まれる)たとえば空気との混合物
を、希釈触媒を充填された熱伝達媒体で冷却される反応
帯域に装入して、触媒に炭化水素−分子酸素含有気体の
混合物を温度約300℃〜約600℃で、炭化水素濃度
約1モル%〜数10モル%で、気体の時間当たりの空間
速度(GHSV)(または簡潔に空間速度)約4,000hr-1以下
で接触させて無水マレイン酸を生成させるものである。
しかしながら、かかる状況下での無水マレイン酸の収率
は最初は低い;そしてこのような場合には、当業者がよ
く行うように、初期または基準の無水マレイン酸収率を
確立するために生成操作開始前の時間に希釈触媒充填を
低濃度の炭化水素および分子酸素含有気体の低空間速度
と接触させることによつて「コンデイシヨニング」する
ことができる。
代表的な操作においては、炭化水素を炭化水素濃度約1
モル%〜約10モル%(好ましくは、約2モル%〜約5
モル%)で分子酸素含有気体(好ましくは、空気)と混
合して空間速度約100hr-1〜約4,000hr-1および温度
約300℃〜約600℃(好ましくは約1,000hr-1〜約
3,000hr-1および約325℃〜約500℃)で希釈触媒
と接触させて、反応帯域に供給された炭化水素の少なく
とも70%(好ましくは、少なくとも約75%から約8
5%まで、最も好ましくは、少なくとも約78%から約
82%まで)の1回通過転化率および無水マレイン酸に
対する優れた収率および選択性を与える。
圧力は本発明によつて非芳香族炭化水素を無水マレイン
酸に転化させる反応においては臨界的でない。反応は大
気圧下、過圧下、または減圧下で行われてもよい。しか
しながら、実用上の理由から、大気圧に近い圧力下で反
応を行うことが一般に好ましい。代表的には、約1.013
×102キロパスカル−グラム(kPa-g、14.7psig、1気
圧)〜約3.45×102kPa-g(50.0psig)、最も好ましくは、
約1.24×102kPa-g(18.0psig)〜約2.068×102kPa-g(30.0
psig)の圧力が便利に使用される。
本発明によつて製造された無水マレイン酸は当業者に知
られている手段によつて回収できる。たとえば、無水マ
レイン酸は直接凝縮によつて、または適切な媒体に吸着
させた後無水マレイン酸を分離し精製することによつて
回収することができる。
4個〜10個の炭素原子を有する多数の非芳香族炭化水
素が本発明の方法で無水マレイン酸に転化されることが
できる。炭化水素は直鎖中に4個以上の炭素原子を有す
ることだけが必要である。例として、飽和炭化水素n−
ブタンは満足であるが、イゾブタン(2−メチルプロパ
ン)は無水マレイン酸への転化にとつて満足でないが、
その存在は有害ではない。n−ブタンの他に、他の適す
る飽和炭化水素としては、直鎖中に少なくとも4個の炭
素原子を有する炭化水素鎖が飽和炭化水素分子中に存在
する限り、n−ブタンとの併用であろうと又はなかろう
と、ペンタン類、ヘキサン類、ヘプタン類、オクタン
類、ノナン類、デカン類、およびこれ等のいずれかの混
合物などがある。
不飽和炭化水素も本発明の方法によつて無水マレイン酸
に転化するのに適する。適する不飽和炭化水素はやはり
直鎖中に少なくとも4個の炭素原子を有する必要な炭化
水素鎖が分子中に存在する限り、ブテン類(1−ブテン
および2−ブテン)、1,3−ブタジエン、ペンテン
類、ヘキセン類、ヘプテン類、オクテン類、ノネン類、
デセン類、およびこれ等のいずれかの混合物などであ
る。
シクロペンタンやシクロペンテンのような環状化合物も
また無水マレイン酸に転化するための満足な供給材料で
ある。
上記供給原料の中で、n−ブタンは好ましい飽和炭化水
素であり、そしてブテンは好ましい不飽和炭素水素であ
る。n−ブタンは全ての供給原料の中で最も好ましいも
のである。
上記供給原料は必ずしも純粋な物質である必要はなく、
工業級の炭化水素であつてもよいことは注目に値する。
上記の適する供給材料の酸化から生成される主な生成物
は無水マレイン酸である。供給原料が4個より多い炭素
原子を有する炭化水素である場合には少量の無水シトラ
コン酸(無水メチルマレイン酸)も生成される。
本発明の明瞭な理解を容易にするために、本発明を実施
するための現時点での最良の方法を説明する具体例を以
下に詳述する。しかしながら、本願の詳細な説明は好ま
しい態様を示すものであるが、それは単に例示によつて
示されており、当業者にはこの詳細な説明から本発明の
思想の範囲内で様々な変形および変更が明らかになるで
あろうので本発明を限定するものとして解釈されるべき
ではない。
例1(比較) 使用される触媒は式P1.20V1.00Fe0.0016Li0.0030Oxによ
つて表わされる鉄/リチウムで促進された燐−バナジウ
ム触媒であり、実質的に米国特許第4,632,915号の実施
例1に記載されているようにして製造され、内径2.12cm
(0.834インチ)×589.28cm(19.33フイート、232.0イン
チ)の装填ゾーンを有する反応器が使用された。この触
媒は焼成反応器中で空間速度1150hr-1および空気中
2.4モル%n−ブタンで、実質的に米国特許第4,632,915
号の実施例1に記載されているようにして性能試験され
た。パラメーターおよび結果は第1表にまとめられてい
る。
例2 触媒を、86.1%α−アルミナ(Al2O3)および11.8%シリ
カ(Si2O)〔および微量の酸化ナトリウム(Na2O)、酸化鉄
(III)(Fe2O3)、チタニア(TiO2)、酸化カルシウム(Ca
O)、マグネシア(MgO)、酸化カリウム(K2O)〕の重量組成
%および0.05m2/gのBET表面積を有し、そして触媒タ
ブレツトと同じ一般的なサイズおよび形状のノートン社
製品番号(SA−5205)で同定されるアルミナ−シ
リカ球体を触媒に、下記表に示す重量比で、ブレンドす
ることによつて反応器中の触媒を勾配をもつて希釈した
こと以外は、例1に記載されている触媒および反応器を
使用した。触媒とアルミナ−シリカの嵩密度は同じであ
つた〔0.83g/cm3(52ポンド/立方フイート)〕。
触媒充填はその長さ589.28cmに沿つて、下記表に示され
ているプロフイールに従つて供給入口端の最大希釈から
出口端に最も近い最小希釈まで希釈勾配を有した: この希釈触媒充填は例1に記載されているように性能試
験された。パラメーターおよび結果は第2表にまとめら
れている。
このように、本発明によれば、先に挙げた目的および利
点を完全に満足する方法が提供されることは明らかであ
る。本発明をそれ具体的な例および態様をもつて記述し
てきたが、当業者には以上の説明を基にして多数の代
替、変更、変形が明らかになろう。従つて、本発明の思
想およびその明白な範囲に包含されるかかる代替、変
更、変形は全て本発明に含まれる。

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直鎖中に少なくとも4個の炭素原子を有す
    る非芳香族炭化水素を、約0.5〜約2.0の燐/バナジウム
    原子比を有する燐−バナジウム混合酸化物型酸化触媒の
    存在下で、分子酸素または分子酸素含有気体によつて、
    気相で接触作用で部分酸化することによる無水マレイン
    酸の製造方法にして、前記酸化が、触媒を充填された、
    熱伝達媒体で冷却される固定床管型反応帯域中で、反応
    帯域に供給された炭化水素の転化率を一回通過で少なく
    とも70%にするのに十分なかつ初期無水マレイン酸収
    率を確立するのに十分な条件下で行われる前記方法にお
    いて、触媒を無水マレイン酸収率をして長期にわたる持
    続操作での平均収率減衰が1月当たり前記の確立された
    初期無水マレイン酸収率の0.30%未満であるように安定
    化させるのに有効な触媒−不活性固体材料組成物にする
    のに十分な量の不活性固体材料で希釈することを包含す
    る、改善された前記方法。
  2. 【請求項2】触媒が約0.95〜約1.2の燐/バナジウム原
    子比を有する、請求項(1)の方法。
  3. 【請求項3】触媒が促進剤成分を含有する、請求項(1)
    の方法。
  4. 【請求項4】促進剤成分が鉄およびリチウムの各々を含
    有する、請求項(3)の方法。
  5. 【請求項5】非芳香族炭化水素が飽和炭化水素である、
    請求項(1)の方法。
  6. 【請求項6】飽和炭化水素がn−ブタンである、請求項
    (5)の方法。
  7. 【請求項7】分子酸素含有気体が空気である、請求項
    (1)の方法。
  8. 【請求項8】確立された初期無水マレイン酸収率が少な
    くとも50モル%である、請求項(1)の方法。
  9. 【請求項9】不活性固体材料がアルミナ、シリカ、アル
    ミナ−シリカ、炭化珪素、およびそれ等の混合物からな
    る群から選択される、請求項(1)の方法。
  10. 【請求項10】不活性固体材料がアルミナ−シリカであ
    る、請求項(9)の方法。
  11. 【請求項11】希釈触媒が希釈に勾配があり、触媒充填
    長さの少なくとも一部分にわたつて希釈度が供給入口端
    に最も近い最大希釈から出口端に最も近い最小希釈まで
    減少する、請求項(1)の方法。
  12. 【請求項12】触媒充填の全長が供給入口端に最も近い
    最大希釈から出口端に最も近い最小希釈まで希釈勾配を
    もつ、請求項(11)の方法。
  13. 【請求項13】触媒充填が供給入口端に最も近い最大希
    釈から出口端に最も近い最小希釈まで連続的に希釈勾配
    をもつ、請求項(11)の方法。
  14. 【請求項14】触媒充填が供給入口端に最も近い最大希
    釈から出口端に最も近い最小希釈まで段階的に希釈勾配
    をもつ、請求項(11)の方法。
  15. 【請求項15】触媒充填における希釈段階の数が3であ
    り、供給入口端から出口端まで続く触媒充填の長さに沿
    つた3つの希釈段階が(a)最大希釈段階、(b)中間希釈段
    階、および(c)最小希釈段階である、請求項(14)の方
    法。
  16. 【請求項16】(a)最大希釈段階が触媒充填の長さの1
    00等分中の0部から約20部まで広がり、(b)中間希
    釈段階が触媒充填の長さの100等分中の約20部から
    約40部まで広がり、そして(c)最小希釈段階が触媒充
    填の長さの100等分中の約40部から約100部まで
    広がつている、請求項(15)の方法。
  17. 【請求項17】(a)最大希釈段階が約50/50〜約7
    5/25の触媒/不活性固体材料重量比を有し、(b)中
    間希釈段階が約76/24〜約85/15の触媒/不活
    性固体材料重量比を有し、そして(c)最小希釈段階が約
    86/14〜約100/0の触媒/不活性固体材料重量
    比を有する、請求項(16)の方法。
  18. 【請求項18】(a)最大希釈段階が約70/30の触媒
    /不活性固体材料重量比を有し、(b)中間希釈段階が約
    80/20の触媒/不活性固体材料重量比を有し、そし
    て(c)最小希釈段階が約100/0の触媒/不活性固体
    材料重量比を有する、請求項(17)の方法。
  19. 【請求項19】供給入口端から出口端まで続く触媒充填
    の第一の部分が最小希釈を有し、そして触媒充填の残り
    の部分が供給入口端に最も近い最大希釈から出口端に最
    も近い最小希釈まで希釈勾配をもつ、請求項(11)の方
    法。
  20. 【請求項20】触媒充填がその全長さに沿つて段階的に
    希釈勾配をもつ、請求項(19)の方法。
  21. 【請求項21】触媒充填における希釈段階の数が3であ
    る、請求項(20)の方法。
  22. 【請求項22】供給入口端から出口端まで続く触媒の長
    さに沿つた3つの希釈段階が(a)最小希釈を有する第一
    希釈段階、(b)最大希釈を有する第二希釈段階、および
    (c)最小希釈を有する第三希釈段階である、請求項(21)
    の方法。
  23. 【請求項23】(a)触媒充填の第一希釈段階が触媒充填
    の長さの100等分中の0部から約18部まで広がり、
    (b)触媒充填の第二希釈段階が触媒充填の長さの100
    等分中の約18部から約45部まで広がり、そして(c)
    触媒充填の第三希釈段階が触媒充填の長さの100等分
    中の約45部から約100部まで広がつている、請求項
    (21)の方法。
  24. 【請求項24】(a)第一希釈段階が約86/14〜約1
    00/0の触媒/不活性固体材料重量比を有し、(b)第
    二希釈段階が約51/49〜約85/15の触媒/不活
    性固体材料重量比を有し、そして(c)第三希釈段階が約
    86/14〜約100/0の触媒/不活性固体材料重量
    比を有する、請求項(22)の方法。
  25. 【請求項25】(a)第一希釈段階が約100/0の触媒
    /不活性固体重量比を有し、(b)第二希釈段階が約85
    /15の触媒/不活性固体材料重量比を有し、そして
    (c)第三希釈段階が約100/0の触媒/不活性固体材
    料重量比を有する、請求項(24)の方法。
  26. 【請求項26】持続操作の期間が少なくとも6か月であ
    る、請求項(1)の方法。
  27. 【請求項27】平均収率減衰が1月当たり0.25%未満で
    ある、請求項(1)の方法。
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