JPH0639192U - 水域の浮遊物除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水域に浮遊するごみ等の浮遊物を効率的に、
かつ自動的に水面より抄い取り回収し、水域の水面浄化
を図る。 【構成】 水域内を自由に移動する自走装置２を設けた
水面に浮遊する浮体１に、篭またはネット状の浮遊ごみ
回収器５を昇降装置６を介して設ける。そして昇降装置
６にて水面位置にて浮遊ごみを抄い、ごみ貯留篭８上に
て回収ごみを空ける。これにより水域に浮遊するごみ、
枯れ葉等の浮遊物を自動的に水面より抄い取り回収す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は池・沼などの閉鎖水域に浮遊するごみ、枯れ葉等の浮遊物を効率的に 、かつ自動的に水面より抄い取り回収し、水域の水面浄化を図る水域の浮遊物除 去装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

湖沼・池・城の堀等の閉鎖水域、あるいは河川等に、枯れ葉、枝、その他のご みが浮遊し、水辺空間の外観を損ねたり、またこれら有機物の腐敗にて水質の悪 化を起こしたり、悪臭を放つなどの公害の起因ともなっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

河川など、水流の発生のあるところでは、下水処理場などに用いられている自 動除塵機を採用し、自動的に浮遊物を除去できる。しかし池・沼などの閉鎖され た水域では水流が発生しないため、強制的に水流を発生させて自動除塵機で回収 するか、あるいは一般に行われているように風等により吹き寄せられた浮遊ごみ を人手で抄い取るしか方法がない。このため、浮遊ごみの回収に手間を要し、か つ労力を要し、効果的な除去回収が行えないものとなっている。

【０００４】 本考案は細かい浮遊物も自動的に、水域全域にわたって確実に、効果的に回収 除去することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するためになしたもので、水面に浮遊する浮体に、浮 遊ごみ回収器を昇降装置を介して設け、浮遊ごみ回収器は篭またはネット状とし 、浮体に搭載した昇降装置にて水面位置にて浮遊ごみを抄い、浮体に設けたごみ 貯留篭上にて回収ごみを空けるようになしたことを要旨とする。

【０００６】

【作 用】

船外機などの駆動装置を備えた双胴船形の浮体は水域内を自由に移動すること かでき、しかもこの浮体に篭またはネット状の浮遊ごみ回収器を備え、この浮遊 ごみ回収器を浮体に搭載した昇降装置にて、水面にて浮遊ごみを抄い取り、上昇 させて浮体上のごみ貯留篭内に空けるようになしているので、この浮遊ごみ回収 器の上げ下げを浮体の走行との組み合わせにより、水域全体にわたり浮遊物の回 収を自動的に行える。

【０００７】

【実施例】

以下本考案水域の浮遊物除去装置を図示の実施例にもとづいて説明する。 図において１は本考案水域の浮遊物除去装置を搭載するようにした浮体で、望 ましくは水域内を自走しながら浮遊物を抄い取り、回収しやすいように、船形あ るいは双胴形状とする。そしてこの浮体１には図示のように船外機２などの自走 用の駆動装置、あるいはリモコンにて操作できる駆動装置を設け、無人でも水域 内を自由に走行可能とする。ただし水域内に、風などにより水の流れがあるか、 あるいは強制的に流れを発生させて浮遊物を特定の位置へ集めることができる場 合には浮体１を自走させることなく、予め定めた位置で、単に浮上させておくこ とも可能である。

【０００８】 浮体１にはブラケット３を突設し、このブラケット３に昇降アーム４の基端を 枢着して、枢軸を中心として上下方向に揺動可能とすると共に、この昇降アーム ４の先端に浮遊ごみ回収器５を取り付ける。

【０００９】 この浮遊ごみ回収器５は、篭形またはネット状とし、一側面、例えば浮体１の 前進方向前面を開口させ、これと反対側の他端を閉じるか、または開閉シャッタ ーを設け、水面に浮遊ごみを浮体の移動にて抄い取るようになす。

【００１０】 したがってこの浮遊ごみ回収器５は図１に示すように、浮体１が双胴船形であ れば、対向する２つの浮体１，１間の内幅に等しい幅を有するものとすると共に 、昇降アーム４が下げられた水平の状態ではアーム先端に設けた浮遊ごみ回収器 ５は図２に示すように水面位置で水平状態となり、開口面の略中央位置、もしく はこの上下位置に水面がくるようにして取り付けられる。

【００１１】 ６は昇降装置で浮体１に搭載され、油圧シリンダ等によりなり、この昇降装置 のロッド先端を昇降アームの一部、もしくは並設される昇降アーム間を連結する 連結ロッド７に枢着し、ロッドの出没操作にて昇降アーム４をほぼ水平状態より 垂直状態へ揺動するようになす。

【００１２】 浮遊ごみ回収器５は昇降アーム降下状態では水面位置になるようにするため、 浮遊ごみ回収器５の側面等にフロート９を設け、回収器５に浮力を作用させる。

【００１３】 浮体１上には、ごみ貯留篭８を搭載する。そして昇降アーム４を予め定めた角 度まで上昇させた時、浮遊ごみ回収器５が、このごみ貯留篭の真上位置となるよ うにし、底の開閉シャッターを開くことにより浮遊ごみ回収器内に回収された浮 遊ごみを、ごみ貯留篭内に落下して貯留されるようになす。

【００１４】 また本装置には、作業者が乗船して移動させる場合には、図示のように運転席 １０を設置され、駆動装置２や昇降装置６の操作を行う。

【００１５】 上述の如く構成する装置において、その動作を次に説明する。池などの水面に ごみなどが浮遊している場所へ浮体１を運転して移動させ、現場水域に到達した とき、昇降装置６の操作により昇降アームを上方起立位置より傾斜させて浮遊ご み回収器５を降下させ、フロートにて水面位置にて浮遊するようになす。これに より浮力が調整され、浮遊ごみ回収器５が水面に対して平行に浮遊する。

【００１６】 次に駆動装置２を駆動させて操舵し、浮体１を浮遊物の多い水域を移動走行さ せると、浮体は双胴船形となしているので、船首部分での浮遊ごみの飛散が防止 され、２つの浮体間に挿入される。そして浮遊ごみ回収器は駆動装置のスクリュ ーより前方にあるので、浮体間に流入した浮遊物は水面にて開口した浮遊ごみ回 収器内へ確実に導入回収される。このように浮体を走行して浮遊物をごみ回収器 内へ回収し、予め定めた回収量に達すると、昇降装置を再操作して回収器を上昇 させ、ごみ貯留篭上方位置に達したとき、この回収器のシャッターを開いて篭内 に回収した浮遊物を落下貯留する。この操作を順次繰り返して水面の浮遊物を効 率的に回収するものである。

【００１７】

【考案の効果】

本考案水域の浮遊物除去装置は、水面に浮遊する浮体に浮遊ごみ回収器を昇降 装置を介して設けているので、浮体は水面上を走行させるのみで、水面に浮遊す るごみ等を容易に、効率的に回収することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案水域の浮遊物除去装置の平面図である。

【図２】同正面図である。

【符号の説明】

１ 浮体 ２ 駆動装置 ４ 昇降アーム ５ 浮遊ごみ回収器 ６ 昇降装置 ８ ごみ貯留篭 ９ フロート

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水面に浮遊する浮体に、浮遊ごみ回収器
   を昇降装置を介して設けた水域の浮遊物除去装置。
2. 【請求項２】 浮体は水域内を自由に移動する自走装置
   を設けた請求項１記載の水域の浮遊物除去装置。
3. 【請求項３】 浮遊ごみ回収器は篭またはネット状と
   し、浮体に搭載した昇降装置にて水面位置にて浮遊ごみ
   を抄い、浮体に設けたごみ貯留篭上にて回収ごみを空け
   るようになした請求項１記載の水域の浮遊物除去装置。