JPH0637964B2 - 微粉燃料焚きバ−ナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ボイラ、化学工業炉等に使用される微粉燃料
焚きバーナに関する。

従来の技術 従来の微粉燃料焚きバーナとして、例えば第２図に示す
ようなものがある。

この図において、１はサイクロン式分離器であり、気体
と微粉燃料との混合された微粉混合気２が図示していな
い微粉燃料供給設備からこの分離器内に送り込まれて、
大径粒子を多く含みガスの少ない濃混合気２ａと小径粒
子を多く含みガスの多い淡混合気２ｂとの分離される。

そして、分離器１下方の濃混合気出口円周部の外周には
円筒型の濃混合気濃度調節器３と濃混合気旋回羽根４と
を内蔵した漏斗型の濃混合気ノズル５が設けられてお
り、分離器１下部から送り込まれてきた濃混合気２ａ
は、１次空気導入管６を通して別途濃混合気用風箱７へ
送り込まれた１次空気８の一部分であって濃混合気旋回
羽根４によって旋回流を形成しながら送り込まれて来た
１次空気８ａと濃混合気ノズル５内で混合され、そのノ
ズル先端から旋回しつつ炉内９へ下向きに噴出され、濃
燃料火炎10を形成する。この濃混合気２ａと１次空気８
ａとの混合割合は、分離器１の外部から操作桿11により
操作可能な濃混合気濃度調節器３によって行なわれる。

濃混合気用風箱７には濃混合気ノズル５を囲んで１次空
気ノズル12が設けられており、この１次空気ノズル12の
先端には末広がりノズル13が設けられている。また、こ
の末広がりノズル13とその内側に設けられた濃混合気ノ
ズル５との間に形成される環状部には濃混合気用風箱７
の外側から調節桿14により羽根角度が調節可能な１次空
気旋回羽根15が設けられている。

そして、１次空気導入管６を通して濃混合気用風箱７へ
送り込まれてきた１次空気８のうち、前述の濃混合気ノ
ズル５へ送り込まれる１部分８ａ以外の残りの大部分の
１次空気８ｂは末広がりノズル13と濃混合気ノズル５と
の間に形成される環状部に設けられた１次空気旋回羽根
15から炉内９へ下向きに吹き込まれる。

なお、前述した濃混合気ノズル５、１次空気ノズル12等
を含めて主バーナ16と称されている。

一方、前述の分離器１によって分離された淡混合気２ｂ
は、この淡混合気を濃混合気２ａから遠ざけるための排
出管17を通して、濃混合気ノズル５それ故主バーナ16の
一側に並設されている淡混合気ノズル18へ送られ、その
ノズル先端から炉内９へ下向きに噴出され、淡燃料火炎
19を形成する。濃混合気２ａと淡混合気２ｂとの割合
は、淡混合気排出管17の途中に設けた淡混合気排出量調
節器20によって変化することができる。なお、21は淡混
合気用風箱である。

また、２次空気22は２次空気ダクト23及び２次空気風箱
24を通して、濃混合気ノズル５それ故主バーナ16の他側
に並設されている２次空気ノズル25へ送られ、そのノズ
ル先端から炉内９へ下向きに噴出される。

発明が解決しようとする問題点 以上述べた従来の微粉燃料焚きバーナは、しかし、次の
ような問題点があった。

すなわち、火炎の着火性を支配する濃混合気の噴出速
度、微粉濃度及び温度の調整がある程度可能であるが、
極めて燃えの悪い固体燃料を使用する場合、主バーナ部
付近の微粉濃度を上げるのに限界があった。これは、濃
混合気を予め分離器で淡混合気と分離して炉内へ噴出し
ても、その両側から噴出される淡混合気及び２次空気に
よって濃混合気が急激に希釈されてしまうことによる。

また、この従来バーナでは、火炎形状の変化による燃焼
の最適化が、ノズルからの下向き噴出速度及び噴出量を
変えて火炎の長さを変える（噴出速度及び噴出量が大き
いほど火炎は下に伸びていく）方法でしか調整できなか
った。

問題点を解決するための手段 本発明は、このような従来の問題点を解決するために、
気体と微粉燃料との混合された微粉混合気を大径粒子を
多く含みガスの少ない濃混合気と小径粒子を多く含みガ
スの多い淡混合気とに分離するサイクロン式分離器と、
この分離器によって分離された淡混合気を炉内へ下向き
に噴出する淡混合気ノズルと、この淡混合気ノズルに並
設され上記分離器で分離された濃混合気を上記炉内へ下
向きに噴出する濃混合気ノズルと、これらのノズルと並
設され２次空気を上記炉内へ下向きに噴出する２次空気
ノズルとを有する微粉燃料焚きバーナにおいて、上記２
次空気ノズル及び上記淡混合気ノズルの各噴出方向を可
変とすると共に、上記炉を構成する壁の上記濃混合気ノ
ズルよりも下方の部分に噴出方向が可変な３次空気ノズ
ルを配置したものである。

作用 このような手段によれば、したがって、濃混合気ノズル
から噴出される濃混合気はその下方から投入される３次
空気の分だけ微粉燃料濃度が高くなる。また、淡混合気
ノズル、２次空気ノズル及び３次空気ノズルの各噴出方
向を適当に変えることにより、火炎形状を変えることが
できる。

実施例 以下第１図を参照して本発明の一実施例について詳述す
る。なお、第１図において、第２図に示したものと同一
の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略
する。

しかして、本実施例によれば、２段の３次空気ノズル26
が炉27を構成する側壁28に取付けられ、その取付け位置
は同様に炉27を構成する上壁29に取付けられている濃混
合気ノズル５それ故主バーナ16よりも下方の部分とされ
ている。そして、これらの３次空気ノズル26には３次空
気30が３次空気ダクト31及び３次空気風箱32を通して送
り込まれるようになっている。

また、これらの３次空気ノズル26と前述した淡混合気ノ
ズル18及び２次空気ノズル25は、それぞれ、周知の適当
なチルト機構例えば油圧又は空圧シリンダにより駆動さ
れるリンク機構を介してその噴出方向が変えられるもの
とされている。

以上述べた構成によれば、したがって、主バーナ16の濃
混合気ノズル５から炉内９へ下向きに噴出される濃混合
気２ａはその下方から３次空気ノズル26によって炉内９
へ噴出される３次空気30の分だけ微粉燃料濃度が高くな
って着火安定性にすぐれることになり、微粉燃料が着火
し温度が上昇してから３次空気を投入し、さらに活発な
燃焼を行わせることができる。

また、淡混合気ノズル18、２次空気ノズル25及び３次空
気ノズル26の各噴出方向を適当に変えることにより火炎
形状を変え、燃焼の最適化を達成することができる。す
なわち、例えば非常に燃えにくい石炭だと炉内でゆっく
りと燃やしてやる必要があるので火炎をできるだけ下ま
で伸ばすようにし、また負荷を下げた場合には濃混合気
が薄くなるのでできるだけ空気の拡散を遅らせるように
することが好ましい。このため、例えば淡混合気ノズル
18を主バーナ16側の方向とは逆の方向へ傾けると、主バ
ーナ16のノズル５から噴出される濃混合気２ａの拡散が
遅れ、着火が安定する。そして、濃燃料火炎10が淡混合
気２ｂにひきずられて真下に伸び、未燃分が減少され
る。

また、２次空気ノズル25を主バーナ16側の方向とは逆の
方向へ傾けると、前述した淡混合気ノズル18と同様に濃
燃料火炎10の拡散が遅れ、着火が安定する。しかし、濃
燃料火炎10は、下へ押し下げる力が減った分だけ下に伸
びない。

更に、３次空気ノズル26を下方へ傾けると、濃燃料火炎
10の拡散が遅れ、またこの火炎は真下に伸びる。

発明の効果 以上詳述したように、本発明によれば、炉内に噴出され
る濃混合気の微粉燃料濃度を３次空気の投入により高く
して優れた着火安定性を得、またこの３次空気及び２次
空気並びに淡混合気の投入パターンを広範囲に変えて火
炎形状を各燃料の燃え方に応じて自由に変え、これによ
り従来では不可能であった火炎全体での燃焼最適化を達
成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による微粉燃料焚きバーナの一例を示す
縦断面図、第２図は従来のバーナを示す縦断面図であ
る。 １…サイクロン式分離器、２…微粉混合気、２ａ…濃混
合気、２ｂ…淡混合気、５…濃混合気ノズル、９…炉
内、18…淡混合気ノズル、22…２次空気、25…２次空気
ノズル、26…３次空気ノズル、27…炉、28…炉側壁、29
…炉上壁、30…３次空気。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】気体と微粉燃料との混合された微粉混合気
   を大径粒子を多く含みガスの少ない濃混合気と小径粒子
   を多く含みガスの多い淡混合気とに分離するサイクロン
   式分離器と、この分離器によって分離された淡混合気を
   炉内へ下向きに噴出する淡混合気ノズルと、この淡混合
   気ノズルに並設され上記分離器で分離された濃混合気を
   上記炉内へ下向きに噴出する濃混合気ノズルと、これら
   のノズルと並設され２次空気を上記炉内へ下向きに噴出
   する２次空気ノズルとを有する微粉燃料焚きバーナにお
   いて、上記２次空気ノズル及び上記淡混合気ノズルの各
   噴出方向を可変とすると共に、上記炉を構成する壁の上
   記濃混合気ノズルよりも下方の部分に噴出方向が可変な
   ３次空気ノズルを配置したことを特徴とする微粉燃料焚
   きバーナ。