JPH0637102B2 - 鏡面無機質被膜の形成方法 - Google Patents

鏡面無機質被膜の形成方法

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JPH0637102B2
JPH0637102B2 JP20924189A JP20924189A JPH0637102B2 JP H0637102 B2 JPH0637102 B2 JP H0637102B2 JP 20924189 A JP20924189 A JP 20924189A JP 20924189 A JP20924189 A JP 20924189A JP H0637102 B2 JPH0637102 B2 JP H0637102B2
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成幸 田中
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成幸 田中
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、建築材料、生活用品などの諸種の基材を被
覆する鏡面無機質被膜の形成方法に関する。
〔従来の技術〕
周知のように、アルカリ金属珪酸塩系、リン酸塩系、シ
リカゾル系、金属アルコキシド系その他の無機質被膜原
料は、諸種の製品の表面を被膜して焼結させると、強じ
んで耐摩耗性に優れ、耐食性および耐薬品性に優れた被
膜を形成することが知られている。
しかし、上記の無機質被膜原料を焼結した被膜は、材料
となる粒子とほぼ同じ大きさの粗さを表面に残して平滑
性に劣り、すなわち低光沢であるため、無機質被膜を有
する製品の商品価値を高めることが困難であった。ま
た、無機質被膜の表面に光沢を得るには、機械的研摩や
化学的研摩を行なうことが考えられるが、それらはいず
れも手数がかかるとともに、平滑精度の高い鏡面を得難
いという問題点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
この発明の課題は、上記の問題点を解決し、固結または
焼結された無機質被膜が鏡面を有して、金属、木材、プ
ラスチックなど、諸種の基材表面に被膜され得るように
する方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するため、この発明においては、支持
部材に鍍金層を形成し、この鍍金層上に無機質被膜原料
を塗布し、ついでこれを固結または焼結させて無機質被
膜を形成し、この無機質被膜を基材に接着した後、前記
支持部材を前記鍍金層から剥離し、さらに前記鍍金層を
前記無機質被膜から剥離することから成る方法を採用し
たのである。
〔作用〕
上記したように、この発明の鏡面形成方法は、無機質被
膜原料を支持部材上の鍍金層上で固結または焼結する。
このとき、無機質被膜の前記鍍金層と密接する面に、鏡
面が形成される。この無機質被膜は、形成された鏡面を
介して鍍金層から剥がれ易く、さらに鍍金層は支持部材
から剥ぐことができる。このため、無機質被膜を基材に
接着すると、その後、支持部材を鍍金層から剥離でき、
さらに鍍金層を前記無機質被膜から剥離すると鏡面状の
無機質被膜が前記基材上に形成される。
〔実施例〕 この発明で用いられる支持部材は、たとえばステンレス
鋼板のクロムニッケル系のSUS-304、クロム系のSUS-40
3、SUS-405、SUS-430、SUS-420、SUS-410、石英ガラ
ス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス等の板状の
ガラスその他の硬質の材料からなり、その表面をできる
だけ平滑にしたものが好ましい。
また、第1図に示すように、鍍金層1は、支持部材2の
片面または両面3上に、ニッケル、スズ、鉄などの金属
を電気鍍金または真空蒸着法、スパッター法、イオンプ
レーティング法その他の無電解鍍金によって形成する。
この発明で用いられる無機質被膜原料は、アルカリ金属
珪酸塩系、シリカゾル系、リン酸塩系、金属アルコキシ
ド系のセラミック原料を用いる。その場合、泥漿状態と
した前記無機質被膜原料4aに支持部材2を浸漬する
か、スプレーまたはローラを用いて、第2図に示すよう
に鍍金層1に薄膜状に塗着し、つぎに、加熱しまたは常
温で無機質被膜原料4aを固結または焼結する。このと
きの無機質被膜原料4a別の固結または焼結温度、固結
または焼結時間、膜厚を第1表に示す。
なお、第1表中の固結または焼結温度の幅は、無機質被
膜原料中に含ませるバインダの種類に影響される。
上記のように固結または焼結された無機質被膜4は、次
に第3図に示すように、基材5に接着される。この場合
の基材5は、石綿セメント板、板ガラス、陶磁器、石こ
うボード、煉瓦などのセラミック系、プラスチック、
紙、木材などの有機系、鉄、非鉄金属の金属系のものそ
の他材質を限定せずに用いる。また、接着前に前処理を
行なって無機質被膜4と基材5をより確実に接着するこ
とができる。この場合、基材5が金属ならば、アミノボ
ランを還元剤とする無電解ニッケル鍍金を前処理として
行うとハンダとの濡れ性が高められる。また、諸種の基
材に対して特に限定せずに用いた接着剤6がエオキシ
系、ビニール系などの有機系である場合は、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランによるシラン処理を
行なうと、ビスフェノールA とエピクロールヒドリンを
主要成分とする接着剤との接着力が高められる。また、
上記した接着剤に代えて、スズ、亜鉛、鉛の合金、アル
ミニウム、インジウムによる金属ソルダ法、酸化鉛、ア
ルミナ、酸化カルシウムなどの酸化物ソルダ法、または
インジウム、アルミニウムを介した圧着法によって、基
材と無機質被膜を接着してもよい。
次に、第4図に示すように無機質被膜4に鍍金層1を残
して支持部材2を剥離させ、ついで、第5図に示すよう
に鍍金層1を剥離する。このとき、機械的な剥離に加え
て濃度30重量%以上の硝酸を用いてもよい。この場合、
基材には、適宜、マスキングを行なう。このようにし
て、鏡面7が無機質被膜4上に形成される。
〔実験例1〕 ステンレス鋼材(SUS-304 )をアルカリ溶液で脱脂し、
酸にて中和した後、水洗し、塩化第1スズまたは塩化パ
ラジウムに浸漬して水洗する。ついで、次亜リン酸ナト
リウム25g/を還元剤として硫酸ニッケル20g/、酢酸
ナトリウム30g/、クエン酸ナトリウム10g/のニッケ
ル鍍金浴中に浸漬して、膜厚30μとなるようにニッケル
鍍金を行なった。つぎに、このステンレス鋼材を水洗
後、乾燥し、アルカリ金属珪酸塩系の無機質被膜原料
(住友化学社製:スミセラム)をスプレー法によって膜
厚70μに塗着した。その後、 100℃で10分間予備乾燥し
た後、 250℃で20分間加熱して上記の無機質被膜原料を
固結させて、ニッケル鍍金層上に被膜を形成し、さら
に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランによ
ってシラン処理した。
一方、基材となるケイ酸カルシウム板に対して エポキシ樹脂で目止めした後、基材と被膜の相方にエポ
キシ系樹脂をローラーで塗布し、両者を接触圧により密
着させ、常温で4〜5時間放置して接着固定した。その
後、ステンレス鋼板を離脱させ、鍍金層を手で偶部より
摘み上げて剥離し、ケイ酸カルシウム板上に鏡面状の被
膜を得た。
〔実験例2〜10〕 実験例2〜10は、基材、接着剤および接着前後の処
理、無機質被膜原料を変更し、その他の条件は実験例1
と全く同様の条件で実験を行ったものである。実験例1
と異なる実験条件を第2表に示す。
実験例2〜10においても、基材上に実験例1と同様の
鏡面を有する無機質被膜が得られた。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、この発明の鏡面無機
質被膜の形成方法は、平滑精度の高い鏡面を有する被膜
が接着によって諸種の基材表面に容易に得られるので、
基材の美粧性を高めるとともに無機質被膜の利用範囲を
拡大する利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第5図はこの発明の実施例を示し、第1図乃
至第4図は鏡面セラミックス被膜の形成工程を示す縦断
面図、第5図は同斜視図。 1……鍍金層、2……支持部材、 4……無機質被膜、4a……無機質被膜原料、 5……基材、7……鏡面。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持部材に鍍金層を形成し、この鍍金層上
    に無機質被膜原料を塗布し、ついでこれを固結または焼
    結させて無機質被膜を形成し、この無機質被膜を基材に
    接着した後、前記支持部材を前記鍍金層から剥離し、さ
    らに前記鍍金層を前記無機質被膜から剥離することから
    成る鏡面無機質被膜の形成方法。
JP20924189A 1989-08-10 1989-08-10 鏡面無機質被膜の形成方法 Expired - Lifetime JPH0637102B2 (ja)

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JPH0371833A JPH0371833A (ja) 1991-03-27
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