JPH0636014Y2 - 仕分け装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は仕分け装置、特に袋物や薄物等の不定形の搬
送物の仕分けに適した仕分け装置に関するものである。

従来の技術 従来の仕分け装置としてはホイール浮出し式ソータ、押
出し式ソータ、傾斜式ソータおよび斜行ベルト式ソータ
等の種々の仕分け装置が知られている。この様な仕分け
装置は底面がしっかりとした箱物と呼ばれる一定形状の
搬送物を対象として仕分けするよう考案されている。

考案が解決しようとする問題点 しかし乍ら、この様な仕分け装置においては多くのもの
が固定の１つのラインに組み込まれており、増設縮小が
困難であり、搬送物が箱物のような或る一定の物に限定
されてしまい、袋物や薄物のような不定形の搬送物の仕
分けには適さず、仕分け機構が有効に作動しないために
人手によって仕分けを行わねばならず、また同一場所で
の左右両方向への仕分けが難かしく、特に押出し式のも
のにおいては搬送面と押圧装置との間に搬送物を噛込む
等の問題点がみられる。

従って、この考案は、このような従来の問題点を解消す
るためになされたもので、仕分けピンにより同一場所で
の左右方向への仕分けを迅速に行うことができ、また、
袋物や薄物のような不定形の搬送物であっても仕分けピ
ンに噛み込まれることのない、さらに、必要によって、
ユニットとして連結したり、取り外したりすることによ
って設備の増減を容易にすることのできる仕分け装置を
提供することを目的としている。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために、この考案は、フレームに回
転可能に駆動支持される多数のローラを有したローラコ
ンベヤのローラの間を左右の方向に移動可能に設けられ
た仕分けピンを有する仕分けピン装置と、仕分けピン装
置の仕分けピンをほぼ垂直な状態で左右の方向に移動す
るための仕分けピン駆動装置とから成る仕分け装置にお
いて、仕分け装置には、仕分けピン下端の案内ローラが
滑動係合する案内レールを有する案内装置が設けられ、
仕分けピン駆動装置は、制御装置からの仕分け指令によ
って駆動される該当区分のブレーキ付正逆転用クラッチ
装置と、仕分けピンを作動する駆動チェンと、正逆回転
を与えるスプロットとから成り、案内レールの形状は仕
分けピン駆動装置の駆動チェンの描く軌跡と同一形状を
なし、且つ仕分けピンを駆動チェンに枢着するピンと案
内ローラのピンとの間の垂直方向の長さに相当する距離
だけ駆動チェンに対して案内レールが垂直方向下方にず
らして設けられているものである。

この考案の他の目的と特長および利点は以下の添付図面
に沿っての詳細な説明から明らかになろう。

実施例 図面の第１図乃至第４図に示される様に、この考案の仕
分け装置はフレーム２の長手方向に間隔を置いて多数の
ローラ４が回転可能に平行に設けられたローラコンベヤ
から構成されており、ローラ４の間を左右の方向に移動
可能に且つ搬送面より突出するよう設けられた仕分けピ
ン21を有する仕分けピン装置20を備えている。このロー
ラコンベヤの各ローラ４はローラ軸５の一端に駆動用プ
ーリ６が夫々設けられており、フレーム２の一側に回転
可能に支持された長手方向に延びる駆動軸７の対応する
プーリ８にかけられたベルト９によって駆動される。駆
動軸７は適宜な軸受10によりフレーム２に支承されてお
り、ローラ駆動用の減速機構付の電動機11によりプーリ
12、14、ベルト15により駆動されるようになっている。

別の方法として、各ローラ４の下面に押圧用中間プーリ
を有する無端ベルトを接触させ、無端ベルトを回転させ
ることによりローラ４を駆動することもできる。

この様に各ローラが駆動されるようになったローラコン
ベヤは図示実施例では２つの区分A.Aに分けられ、各区
分A.A毎に仕分けピン装置20が１組宛、２組設けられ、
各区分Ａにて夫々左右両方向に仕分けできるようになっ
ている。

仕分けピン装置20は図示される様に、特に第４図に明示
される様にローラ４の間を左右いずれの方向にも移動可
能に且つローラ４により形成される搬送面から突出する
よう設けられた一対の仕分けピン21を有している。仕分
けピン21は下端に案内ローラ22が設けられ、下端近くに
て仕分けピン駆動装置23の駆動チェン24に連結されてい
る。仕分けピン21を左右に移動するための仕分けピン駆
動装置23は横方向に間隔を置いた一対のスプロケット2
5、25′と、これらスプロケット25、25′にかけられた
無端状の駆動チェン24とから成り、一対の仕分けピン21
がこの無端状の駆動チェン24の相対向する位置に枢着さ
れている。また、仕分けピン21が常に垂直な状態で左右
に移動できるのが好適で、このために仕分けピン21下端
の案内ローラ22が滑動係合する案内レール28を有する案
内装置27が設けられている。

この案内装置27の案内レール28は形状が、仕分けピン駆
動装置23の駆動チェン24の描く軌跡と同じ形状をなして
おり、仕分けピン21を駆動チェン24に枢着するピン29と
案内ローラ22の中心のピン30との間の垂直方向の長さに
相当する距離だけ駆動チェン24に対して案内レール28が
垂直方向に下方にずらして設けられている。従って、仕
分けピン21は常に垂直方向に直立して支持されるように
なっている。

また、ピン29と案内ローラ22の中心のピン30とが駆動チ
ェン24の移動方向前後にずれている場合には駆動チェン
24と案内レール28も同様に前後にずらすことは言うまで
もない。

仕分けピン装置20の仕分けピン21を駆動するための仕分
けピン駆動装置23はスプロケット25が電動機35によりブ
レーキ付正逆転用クラッチ装置42を介して駆動されるよ
うになっている。すなわち、図示されるように、フレー
ム２の中央部分に設けられた１台の電動機35からの動力
をプーリ36、38およびベルト37を介して中央にて二分し
て各区分Ａに設けられたブレーキ付正逆転用クラッチ装
置42に夫々伝達され、各クラッチ装置42からプーリ43、
45およびベルト44によりスプロケット軸46に伝えられ
る。各スプロケット軸46には図示されるように各仕分け
ピン21のためのスプロケット25が間隔を置いて設けら
れ、対応するスプロケット軸46′に設けられたスプロケ
ット25′との間に駆動チェン24がかけられている。従っ
て、各区分Ａのブレーキ付正逆転用クラッチ装置42の正
逆いずれかのクラッチ連結作動によって駆動チェン24を
正逆いずれかの方向に駆動し、これによって仕分けピン
21を左右いずれかの方向に移動できるようになってい
る。

また、この様にユニット化された仕分け装置のフレーム
２の前端部および後端部に位置決め用ピンおよびソケッ
ト装置50を設けると共に、フレーム側部端に連結用クラ
ンプ装置55を設けて、この様な仕分け装置を順次連結し
て仕分け場所を増やしたり、或はラインを所要長さに増
設または縮少できるようにするのが好適である。

また、第６図には仕分けピンの変形例が示されており、
仕分けピン21aの下端に脚部21bを設けて２つの案内ロー
ラ22aが取付けられている。この場合に脚部21bの仕分け
ピン21aとの連結部分に長孔を設けて調節自在にするの
が好適であり、案内ローラ22aを２つ設けることによっ
て仕分けピン21aの案内作動を一層安定させることがで
きる。

更に、第７図には仕分けピン装置20′の変形例が示され
ており、図示される様に仕分けピンは櫛形をなしていて
前端の仕分けピン21′と後端の仕分けピン21′とを連結
する連結部にて各仕分けピン21″が一体的に形成され、
前後端の仕分けピン21′が駆動チェン24により駆動され
案内ローラ22が案内レール27に沿って案内されるよう構
成され、間の仕分けピン21″の駆動チェン、スプロケッ
トおよび案内レールを減らすことができる。

またユニット化されたこの考案の仕分け装置を所要の数
連結できるように前後端面に位置決めピンとこの位置決
めピンに対応するソケットとを設けると共に側面端縁に
連結クランプを設けて、隣接の仕分け装置と簡単に連結
できるのが好適である。勿論、位置決めピンおよびソケ
ット装置、連結クランプ装置には周知の適宜なものを用
いることができる。

この様に構成されたこの考案の仕分け装置においては、
所要の仕分け要件に従って所定の数の仕分け装置を適宜
連結配置し、各仕分け装置の左右両側に仕分け放出用の
シュートまたはコンベヤを設けて所要のラインが形成さ
れる。この様なラインの積載部において、定形、不定形
を問わず如何なる種類もの搬送物が積載され仕分け場所
に向って搬送される。搬送物の仕分けは搬送物に表示さ
れた各種コードに従ってコンピュータの様な適宜な制御
装置によって所定の仕分け位置の仕分け装置に仕分け指
示が与えられ、当該仕分け装置の所定の区分のブレーキ
付正逆転用クラッチ装置42が作動される。

仕分け装置の該当区分Ａのこのブレーキ付正逆転用クラ
ッチ装置42の連結作動によって電動機35の動力がプーリ
36、38および37、更に別のプーリ39、41およびベルト40
を介してクラッチ装置42およびプーリ43、45およびベル
ト44によって軸46に伝えられ、各スプロケット25を介し
て駆動チェン24が正逆転いずれか所要の方向に作動され
る。従って、駆動チェン24の作動によって駆動チェン24
に連結された仕分けピン21が左右いずれかの所要の方向
に駆動され、搬送されてきた所定の搬送物を仕分け放出
用シュートまたはコンベヤに向って仕分ける。このとき
に仕分けピン21は下端の案内ローラ22が案内レール28に
沿って案内され、仕分けピン21が常に直立した状態で駆
動されるので、仕分けピン21が傾いて搬送物を噛み込む
ことがなく搬送物を良好に仕分けるようできる。また、
仕分けピン21は左右両側に対向して配置されているの
で、仕分け指令に応答して左右いずれの方向にも即座に
仕分け作動でき迅速に搬送物の仕分けを行うことができ
る。また、仕分けピン21は全てのローラ４間に設ける必
要はなく、搬送物に条件によっては１つ置き、２つ置き
に設けてもよい。さらに、仕分けピンを駆動チェンの相
対向する位置に２個設けることにより、駆動チェンを半
回転させるだけで左右への仕分けをより迅速に行うこと
ができる。

以上のように、この考案の仕分け装置によれば、例え
ば、コンピュータからなる制御装置からの仕分け指令に
よって、該当部分のブレーキ付正逆転用クラッチ装置が
作動され、スプロケットに必要な方向の回転を与えて、
仕分けピンによる同一場所での左右両方向への仕分け
を、従来のモータの正逆方向への切替により行うものに
比して、より迅速に行うことができ、また、仕分けピン
の軌跡を二重にとることによって仕分けピンの倒れ込み
がないので、不定形の搬送物も仕分けピンに噛み込まれ
ることがなく、容易に仕分けることができる。なお、必
要によりこの仕分け装置をユニットとして、複数のユニ
ットを連結したり取り外したりすることによって設備の
増設縮小も容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の仕分け装置の一実施例を示す一部破
断した側面概要図、第２図は一部破断した平面概要図、
第３図は端断面図、第４図は仕分けピン装置の側断面部
分拡大図、第５図は仕分けピン装置の端面概要図、第６
図は仕分けピンの変形例を示す端面図、第７図は仕分け
ピン装置の別の例を示す斜視図である。図中、2:フレー
ム、4:ローラ、６、8:プーリ、7:ベルト、11、35:電動
機、12、14:プーリ、15:ベルト、20、20A:仕分けピン装
置、21、21A:仕分けピン、22:案内ローラ、23:仕分けピ
ン駆動装置、24、24A:駆動チェン、25、25′25A:スプロ
ケット、27:案内装置、28:案内レール、36、38、39、4
1、43、45:プーリ、37、40、44:ベルト、42:ブレーキ付
正逆転用クラッチ装置、46:スプロケット軸。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 萩原 正春 神奈川県川崎市中原区小杉町３丁目８番地 (72)考案者 斑目 憲一郎 東京都江東区門前仲町１丁目18番５号 (56)参考文献 特開 昭58−193824（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−95030（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−12524（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−5526（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭57−16767（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フレームに回転可能に駆動支持される多数
   のローラを有したローラコンベヤのローラの間を左右の
   方向に移動可能に設けられた仕分けピンを有する仕分け
   ピン装置と、仕分けピン装置の仕分けピンをほゞ垂直な
   状態で左右の方向に移動するための仕分けピン駆動装置
   とから成る仕分け装置において、 前記仕分け装置には、仕分けピン下端の案内ローラが滑
   動係合する案内レールを有する案内装置が設けられ、 前記仕分けピン駆動装置は、制御装置からの仕分け指令
   によって駆動される該当区分のブレーキ付正逆転用クラ
   ッチ装置と、仕分けピンを作動する駆動チェンと、正逆
   回転を与えるスプロケットとから成り、 前記案内レールの形状は仕分けピン駆動装置の駆動チェ
   ンの描く軌跡と同一形状をなし、且つ仕分けピンを駆動
   チェンに枢着するピンと案内ローラの中心のピンとの間
   の垂直方向の長さに相当する距離だけ駆動チェンに対し
   て案内レールが垂直方向下方にずらして設けられている
   ことを特徴とする仕分け装置。