JPH06351172A - 自動車用電源装置 - Google Patents

自動車用電源装置

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JPH06351172A
JPH06351172A JP14077593A JP14077593A JPH06351172A JP H06351172 A JPH06351172 A JP H06351172A JP 14077593 A JP14077593 A JP 14077593A JP 14077593 A JP14077593 A JP 14077593A JP H06351172 A JPH06351172 A JP H06351172A
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JP
Japan
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storage battery
voltage
generator
output voltage
cells
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JP14077593A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Iwaki
良之 岩城
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、制動時に回生されるエネルギを
有効に回収利用すると共に、回生時の受入電圧及び系電
圧変動を抑制した自動車用電源装置を得る。 【構成】 発電機2の出力電圧が常に印加される所定セ
ル数からなる第1の蓄電池41と、所定セル数よりも少
ないセル数からなる第2の蓄電池42と、制動信号Aに
応答して発電機出力を選択的に第2の蓄電池に印加する
ための開閉手段5及び6と、制動信号の終了に応答し
て、第2の蓄電池の出力電圧を所定セル数に応じた所定
電圧に昇圧して第1の蓄電池に印加する昇圧手段8とを
設け、制動時の発生電力を第2の蓄電池に全て充電し、
制動解除時に第2の蓄電池から第1の蓄電池へ充電して
回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の制動エネル
ギを電気エネルギとして回収する自動車用電源装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用電源装置は、エンジン
と連動する発電機から出力される電気エネルギを回収す
るために、バッテリ(蓄電池)を備えており、蓄電池が
充電可能な端子電圧(受入電圧)は、蓄電池の内部抵抗
値に応じて上昇する。なぜなら、充電時に蓄電池を所定
の電流で充電する場合、そのときの蓄電池電圧に内部抵
抗値による電圧降下分を補償するだけの端子電圧を印加
する必要があるからである。
【0003】従って、蓄電池の充電時には、蓄電池の使
用時の系電圧よりも内部抵抗の電圧降下分だけ高い端子
電圧が蓄電池に印加される。例えば、各2Vの極板(セ
ル)を6個用いた蓄電池の場合、系電圧は12Vとな
り、蓄電池の受入れ電圧は、内部抵抗値に依存するが、
系電圧より20%程度増加すると仮定すれば14V程度
となる。
【0004】しかし、自動車の制動時に制動能力を高め
るためには、短時間に大きなエネルギを回収する必要が
あり、このエネルギに相当する大きな電流を蓄電池に充
電すると、蓄電池の端子電圧が著しく上昇する。従っ
て、制動時の回生エネルギにより、発電機の出力電圧が
急上昇して例えば20V程度に達することがある。又、
このとき、蓄電池が満充電に近い状態で大きな電流を回
収すると、端子電圧の上昇は更に大きく、この蓄電池に
連なっているシステムを破損する恐れがある。
【0005】又、破損させないまでも、例えば、ヘッド
ライトの光度が異常に高くなり運転者に不安感を与えた
り、ヘッドライトの寿命を短くすることになる。これを
防止するため、従来より、例えば実開平4−97475
号公報に記載されたように、制動時に蓄電池の端子に印
加される電圧が所定電圧を越えた場合には、蓄電池への
充電を停止して大電流を抵抗負荷に消費させ、制動機能
を維持する自動車用電源装置が提案されている。しか
し、これは、単に回生エネルギ損失の消費場所を抵抗負
荷に変更しただけにすぎない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動車用電源装
置は以上のように、制動時に回生される大電流を部分的
にしか回収することができず、回収不可能な電力を抵抗
負荷で無駄に消費させているので、回生エネルギを有効
に回収することができず、自動車の効率向上に十分に寄
与することができないという問題点があった。
【0007】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、制動時に回生されるエネルギを
損失として消費することなく有効に回収利用し且つ回生
時の受入電圧及び系電圧変動を抑制した自動車用電源装
置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る自動車用電源装置は、自動車のエンジンに連結された
発電機と、発電機の出力電圧が印加される所定セル数か
らなる第1の蓄電池と、所定セル数よりも少ないセル数
からなる第2の蓄電池と、自動車の制動信号に応答して
発電機の出力電圧を選択的に第2の蓄電池に印加するた
めの開閉手段と、制動信号の終了に応答して、第2の蓄
電池の出力電圧を所定セル数に応じた所定電圧に昇圧し
て第1の蓄電池に印加する昇圧手段とを備えたものであ
る。
【0009】又、この発明の請求項2に係る自動車用電
源装置は、請求項1において、第1及び第2の蓄電池を
選択的に直列接続するための出力切換手段を備えたもの
である。
【0010】又、この発明の請求項3に係る自動車用電
源装置は、請求項1又は請求項2において、開閉手段
は、発電機と第2の蓄電池との間に挿入された開閉スイ
ッチと、制動信号に応答して開閉スイッチを閉成するた
めの開閉制御手段とからなり、昇圧手段は、第2の蓄電
池の出力端子と第1の蓄電池の入力端子との間に挿入さ
れたDC/DCコンバータと、制動信号の終了に応答し
てDC/DCコンバータを駆動させるための昇圧制御手
段とからなるものである。
【0011】又、この発明の請求項4に係る自動車用電
源装置は、請求項2において、第2の蓄電池の出力電圧
が下限電圧以下であることを判別する電圧判別手段と、
第1及び第2の蓄電池の出力電圧を所定の電気負荷に印
加するための投入手段とを備え、開閉手段は、電圧判別
手段からの判別信号に応答して発電機の出力電圧を第2
の蓄電池に印加し、出力切換手段は、投入手段に連動し
て第1及び第2の蓄電池を直列接続するものである。
【0012】又、この発明の請求項5に係る自動車用電
源装置は、請求項2において、発電機が電動発電機から
なり、第2の蓄電池の出力電圧が下限電圧以下であるこ
とを判別する電圧判別手段と、第1及び第2の蓄電池の
出力電圧を電動発電機に印加するためのインバータとを
備え、開閉手段は、電圧判別手段からの判別信号に応答
して、エンジンにより駆動される電動発電機の出力電圧
を第2の蓄電池に印加し、出力切換手段は、自動車の始
動スイッチに連動して第1及び第2の蓄電池を直列接続
し、直列接続された第1及び第2の蓄電池の出力電圧を
インバータを介して電動発電機に供給するものである。
【0013】又、この発明の請求項6に係る自動車用電
源装置は、請求項2、請求項4又は請求項5において、
昇圧手段の出力電圧が下限昇圧電圧以下であることを判
別する昇圧電圧判別手段を備え、昇圧手段は、昇圧電圧
判別手段からの判別信号に応答して昇圧動作を停止する
ものである。
【0014】又、この発明の請求項7に係る自動車用電
源装置は、自動車のエンジンに連結された発電機と、発
電機の出力電圧が印加される所定セル数からなる第1の
蓄電池と、所定セル数よりも少ないセル数からなる複数
の第2の蓄電池と、複数の第2の蓄電池を並列又は直列
に接続するための充電昇圧切換手段とを備え、充電昇圧
切換手段は、自動車の制動信号に応答して複数の第2の
蓄電池を並列接続し、発電機の出力電圧を並列接続され
た第2の蓄電池に印加すると共に、制動信号の終了に応
答して複数の第2の蓄電池を直列接続し、第2の蓄電池
の出力電圧を所定セル数に応じた所定電圧に昇圧して第
1の蓄電池に印加するものである。
【0015】又、この発明の請求項8に係る自動車用電
源装置は、請求項1乃至請求項7のいずれかにおいて、
第1及び第2の蓄電池は、同一の電槽内に収納されたも
のである。
【0016】又、この発明の請求項9に係る自動車用電
源装置は、自動車のエンジンに連結された発電機と、発
電機の出力電圧が印加される所定直列数からなる第1の
蓄電池群と、所定直列数よりも少ない直列数からなる第
2の蓄電池群と、自動車の制動信号に応答して発電機の
出力電圧を選択的に第2の蓄電池群に印加するための開
閉手段と、制動信号の終了に応答して、第2の蓄電池群
の出力電圧を所定直列数に応じた所定電圧に昇圧して第
1の蓄電池群に印加する昇圧手段とを備えたものであ
る。
【0017】又、この発明の請求項10に係る自動車用
電源装置は、自動車のエンジンに連結された発電機と、
発電機の出力電圧が印加される所定起電力を有する第1
の蓄電池と、所定起電力よりも低い起電力を有する第2
の蓄電池と、自動車の制動信号に応答して発電機の出力
電圧を選択的に第2の蓄電池に印加するための開閉手段
とを備えたものである。
【0018】
【作用】この発明の請求項1においては、制動信号に応
答して、第1の蓄電池よりも少ないセル数からなり且つ
放電状態の第2の蓄電池に発電機出力を印加し、大きな
回生エネルギ(電流量)を比較的短時間に回収する。こ
のとき、セル数の少ない分だけ端子電圧の上昇が小さく
なる。又、放電状態の場合、第2の蓄電池の内部抵抗が
小さいので、受入電圧(充電時の端子電圧)は更に抑制
され且つ系電圧の変動は更に小さくなる。その後、制動
信号の終了時に、第2の蓄電池の出力電圧を系電圧の許
容範囲の所定電圧に昇圧して第1の蓄電池に印加し、回
収エネルギを第1の蓄電池に比較的長い時間で充電す
る。これにより、制動時の回生エネルギが有効に利用さ
れて車両全体の効率が高くなり、燃費が向上する。
【0019】又、この発明の請求項2においては、第1
及び第2の蓄電池を選択的に直列接続し、比較的高い電
圧の供給を可能にする。
【0020】又、この発明の請求項3においては、発電
機と第2の蓄電池との間に挿入された開閉スイッチを制
動信号に応答して閉成し、発電機の出力電圧を第2の蓄
電池に印加する。
【0021】又、この発明の請求項4においては、第2
の蓄電池の出力電圧が下限電圧以下の場合に、発電機の
出力電圧を第2の蓄電池に印加して下限電圧以上に充電
し、第1及び第2の蓄電池の直列出力電圧を所定の電気
負荷に印加する。
【0022】又、この発明の請求項5においては、第2
の蓄電池の出力電圧が下限電圧以下の場合に、エンジン
により駆動される電動発電機の出力電圧を第2の蓄電池
に印加して下限電圧以上に充電し、エンジンの始動時に
第1及び第2の蓄電池の直列出力電圧をインバータを介
して電動発電機に印加する。
【0023】又、この発明の請求項6においては、昇圧
手段の出力電圧が下限昇圧電圧以下の場合に、第2の蓄
電池から第1の蓄電池に充電するための昇圧動作を停止
し、第2の蓄電池の過放電を防止する。
【0024】又、この発明の請求項7においては、制動
信号に応答して複数の第2の蓄電池を並列に充電し、制
動信号の終了に応答して複数の第2の蓄電池を直列接続
して第1の蓄電池に回収する。
【0025】又、この発明の請求項8においては、第1
及び第2の蓄電池を同一の電槽内に収納し、省スペース
を実現する。
【0026】又、この発明の請求項9においては、第1
の蓄電池群よりも少ない直列数の第2の蓄電池群により
制動時の発電機出力を充電し、制動終了後に第2の蓄電
池群の出力電圧を昇圧して第1の蓄電池群に印加し、回
生エネルギを回収する。
【0027】又、この発明の請求項10においては、第
1の蓄電池よりも低い起電力の第2の蓄電池により制動
時の発電機出力を充電し、回生エネルギを回収する。
【0028】
【実施例】実施例1.以下、この発明の実施例1を図に
ついて説明する。図1はこの発明の実施例1(請求項1
及び請求項3に対応)を示すブロック図であり、1は自
動車を走行させるためのエンジン、2はエンジン1に連
結されて駆動される発電機、31は発電機2の出力電圧
を直流電圧に変換するための第1の整流器、32は第1
の整流器31と並列に設けられた第2の整流器である。
【0029】41は第1の整流器31を介した発電機2
の出力電圧が印加される所定セル数(例えば、6セル)
からなる第1の蓄電池、42は第2の整流器32を介し
た発電機2の出力電圧が印加される所定セル数よりも少
ないセル数(例えば、5セル)からなる第2の蓄電池で
ある。
【0030】5は発電機2と第2の整流器32との間に
挿入された常開の開閉スイッチ、6は制動信号Aに応答
して開閉スイッチ5を閉成するための開閉制御手段であ
り、これらは自動車の制動信号Aに応答して発電機2の
出力電圧を選択的に第2の蓄電池42に印加するための
開閉手段を構成している。7は制動時に運転者のブレー
キ操作により制動信号Aを出力する制動手段である。
【0031】8は第2の蓄電池42の出力端子と第1の
蓄電池41の入力端子との間に挿入されたDC/DCコ
ンバータからなる昇圧回路、9は制動信号Aの終了に応
答して昇圧回路8を駆動させるための昇圧制御手段であ
り、これらは制動信号Aの終了に応答して動作する昇圧
手段を構成している。昇圧手段は、第2の蓄電池42の
出力電圧(例えば、5セル分の10V)を所定セル数に
応じた所定電圧(例えば、6セル分の12Vに対して電
圧14V程度)に昇圧して第1の蓄電池41に印加す
る。
【0032】次に、図1に示したこの発明の実施例1の
動作について説明する。制動を伴わない通常自動車走行
時の力行状態において、発電機2は、エンジン1により
駆動され、交流の出力電圧を発生する。このとき、制動
信号Aが生成されていないので、開閉スイッチ5は開放
されており、発電機2の出力電圧は第1の整流器31を
介して第1の蓄電池41のみに充電される。
【0033】ここで、運転者がブレーキペダル(図示せ
ず)を踏み込んで制動状態となり、制動手段7から制動
信号Aが生成されると、開閉制御手段6は、制動信号A
に応答して閉成信号Cを生成し、開閉スイッチ5を閉成
させる。これにより、発電機2の出力電圧が第2の整流
器32を介して放電状態の第2の整流器42に印加さ
れ、制動時の回生エネルギ(電気量)は、第2の蓄電池
42に充電されて回収される。
【0034】このとき、第2の蓄電池42は、第1の蓄
電池41よりも少ないセル数からなり、且つ放電状態で
あるため、端子電圧の上昇が抑制されると共に、回生エ
ネルギを有効に回収することができる。又、第2の蓄電
池42は、第1の蓄電池41よりもセルの容量が小さく
設定されているが、放電状態であるため内部抵抗が十分
小さく、受入電圧は抑制され且つ系電圧の変動は極めて
小さくなる。
【0035】尚、第1の蓄電池41に対して個別に設け
られた第1の整流器31は、第1の蓄電池41から第2
の蓄電池42への逆流防止機能を兼ねているので、開閉
スイッチ5が閉成されても何ら支障が生じることはな
い。
【0036】その後、運転者によりブレーキペダルが開
放されて制動信号Aがなくなると、開閉制御手段6から
閉成信号Cが生成されなくなるため、開閉スイッチ5が
開放されて第2の蓄電池42の充電は終了し、通常の力
行状態になる。続いて、昇圧制御手段9は、制動信号A
の終了に応答して昇圧信号Eを生成し、昇圧回路8を駆
動させる。
【0037】これにより、第2の蓄電池42の出力電圧
は、系電圧(第1の蓄電池41の出力電圧12Vに対
応)の許容範囲の所定電圧(例えば、14V)に昇圧さ
れて第1の蓄電池41に印加される。従って、第2の蓄
電池42に蓄積されたエネルギは、第1の蓄電池41に
移され、第2の蓄電池42は再び放電状態となる。
【0038】このとき、第2の蓄電池42に回収された
エネルギは、比較的長い時間をかけて第1の蓄電池41
に充電される。以上のサイクルを繰り返すことにより、
制動時に回収された回生エネルギは、損失として消費さ
れることなく有効に利用され、車両全体の効率が高くな
り、燃費が向上する。
【0039】実施例2.尚、上記実施例1では、第2の
蓄電池42を回生エネルギの回収のためのみに用い、種
々の電気負荷に対する給電を第1の蓄電池41のみによ
って行うようにしたが、第1の蓄電池41及び第2の蓄
電池42の両方の出力電圧を加算して大きな電気負荷に
供給してもよい。図2はこの発明の実施例2(請求項2
及び請求項4に対応)を示すブロック図であり、1、
2、31、32、41、42、5及び7〜9は前述と同
様のものである。又、6Aは開閉制御手段6に対応して
いる。
【0040】10は自動車に搭載された所定の電気負荷
であり、例えば、短時間定格大電力の電気加熱式触媒や
電気加熱式窓ガラス等からなる。11は第2の蓄電池4
2の出力端子と電気負荷10との間に挿入された常開の
投入スイッチであり、電気負荷10の駆動時に運転者に
より閉成されて、第1及び第2の蓄電池41及び42の
出力電圧を電気負荷10に印加するための投入手段を構
成している。
【0041】12は投入スイッチ11と連動する切換ス
イッチであり、第1及び第2の蓄電池41及び42を選
択的に直列接続するための出力切換手段を構成してい
る。切換スイッチ12は、グランドに接続された第1接
点12aと、第1の蓄電池41の出力端子即ち正極端子
に接続された第2接点12bと、第2の蓄電池42の負
極端子に接続された共通接点12cと、一端が共通接点
12cに接続された可動接点12dとを有する。
【0042】又、切換スイッチ12は、投入スイッチ1
1が開放されているときには、可動接点12dが第1接
点12a側(図示した状態)を選択しており、投入スイ
ッチ11が閉成されると、可動接点12dが第2接点1
2b側に切換わり、第1及び第2の蓄電池41及び42
を直列接続する。
【0043】13は第2の蓄電池42の出力電圧が下限
電圧(例えば、5セルの正常出力電圧10Vに対して7
V程度)以下であることを判別する電圧判別手段であ
り、第2の蓄電池42の出力電圧が下限電圧以下のとき
に判別信号Dを生成して開閉制御手段6Aに入力する。
開閉制御手段6Aは、判別信号Dに応答して閉成信号C
を生成し、発電機2の出力電圧を第2の蓄電池42に印
加し、適宜充電するようになっている。
【0044】この場合、投入スイッチ11の閉成と連動
して、切換スイッチ12の可動接点12dが第2接点1
2bと導通して各蓄電池41及び42を直列接続するの
で、第2の蓄電池42の端子電圧が、例えば22V(=
12V+10V)となり、電気負荷10に大きな電力が
供給される。このとき、第2の蓄電池42のセル数が第
1の蓄電池41よりも少ないので、2個の第1の蓄電池
41を直列接続した場合よりも第2の蓄電池42の端子
電圧は低くなるが、実質的な支障はない。
【0045】又、第2の蓄電池42は、第1の蓄電池4
1と協動して電気負荷10に大電力を給電するため、常
に下限電圧以上に充電されていなければならない。従っ
て、電圧判別手段13は、第2の蓄電池42の出力電圧
を監視し、下限電圧以下になったときには、判別信号D
により開閉制御手段6Aから閉成信号Cを生成させ、開
閉スイッチ5を介して第2の蓄電池42を充電する。こ
れにより、第2の蓄電池42の出力電圧は常に下限電圧
以上に確保される。
【0046】従って、第2の蓄電池42の下限電圧は、
電気負荷10に対して十分な電力を供給できる最低限の
電圧値に設定されており、開閉制御手段6Aは、制動信
号Aの有無にかかわらず、判別信号Dに優先的に応答し
て閉成信号Cを生成する。尚、下限電圧(7V)は、7
0%充電可能(30%残量)電気量に相当しており、制
動時のエネルギ回収能力を損なうことはない。制動時の
エネルギ回収動作については、前述と同様なので、ここ
では説明しない。
【0047】実施例3.又、上記実施例2では、切換ス
イッチ12を電気負荷10の投入スイッチ11と連動さ
せ、各蓄電池41及び42の直列出力で電気負荷10を
駆動したが、切換スイッチ12を始動スイッチと連動さ
せて、各蓄電池41及び42の直列出力でエンジン始動
時の電動機を駆動してもよい。
【0048】図3はこの発明の実施例3(請求項5及び
請求項6に対応)を示すブロック図であり、1、31、
32、41、42、5、6A、7〜9、12及び13は
前述と同様のものである。2Aは発電機2に対応する電
動発電機であり、電動機及び発電機の機能を兼ね備えて
いる。
【0049】14は切換スイッチ12を連動させるため
の始動信号Sを生成する始動スイッチ、15は第1及び
第2の蓄電池41及び42の出力電圧を電動発電機2A
に印加するためのインバータである。
【0050】この場合、切換スイッチ12は、運転者に
より操作される自動車のスタータキー即ち始動スイッチ
14に連動して各蓄電池41及び42を直列接続し、直
列接続された各蓄電池41及び42の出力電圧をインバ
ータ15を介して電動発電機2Aに供給する。これによ
り、所定セル数の第1の蓄電池41と、これよりセル数
の少ない第2の蓄電池42とを、使用モードに応じて最
適に組み合わせることができる。
【0051】即ち、始動時にエンジン1を起動するとき
には、始動スイッチ14と連動する切換スイッチ12
は、始動信号Sに応答して、図示した状態から第2接点
12b側に切換えられる。この結果、第2の蓄電池42
の端子電圧は22Vとなり、インバータ15を介して、
電動機として機能する電動発電機2Aを十分に駆動する
ことができる。
【0052】又、エンジン1の始動が完了して始動信号
Sが終了した後は、定常の力行状態となり、切換スイッ
チ12は図示した状態に戻る。このとき、電動発電機2
Aは発電機として機能し、前述と同様に、通常は12V
の第1の蓄電池41を充電し、制動時には10Vの第2
の蓄電池42を充電する。
【0053】尚、上記実施例2及び実施例3では、各蓄
電池41及び42の直列接続による出力電力をヒータ等
からなる電気負荷10や電動発電機2Aに供給する場合
を示したが、大電力を必要とする他の負荷に供給する場
合であっても同様に適用できることは言うまでもない。
【0054】実施例4.又、上記実施例2及び実施例3
では、制動信号Aの終了に応答して昇圧回路8を駆動
し、制動時に第2の蓄電池42に回収したエネルギを全
て第1の蓄電池41に移すようにしたが、第2の蓄電池
42の下限電圧に対応した昇圧電圧まで下降した時点で
昇圧回路8を停止させ、第2の蓄電池42の過放電を防
止してもよい。
【0055】図4はこの発明の実施例4(請求項6に対
応)を示すブロック図であり、1、2、31、32、4
1、42、5、6A及び7〜13は、前述と同様のもの
である。
【0056】16は昇圧回路8からの昇圧電圧が下限昇
圧電圧(例えば、正常昇圧電圧14Vに対して10V程
度)以下であることを判別する昇圧電圧判別手段であ
り、昇圧電圧が下限昇圧電圧以下になると判別信号Fを
生成する。この場合、昇圧回路8は、昇圧電圧判別手段
16からの判別信号Fに応答して昇圧動作を停止し、第
2の蓄電池42の放電を中断する。
【0057】図5は放電時間に対する昇圧電圧の関係を
示す特性図であり、V8(実線)は昇圧回路8からの昇
圧電圧の特性曲線、V42(破線)は第2の蓄電池42
の出力電圧の特性曲線である。昇圧電圧V8は、出力電
圧V42に対して一定の比率を有している。
【0058】VFは第2の蓄電池42の放電停止電圧
(判別信号Fの判別基準)となる下限昇圧電圧、VDは
第2の蓄電池42の充電開始電圧(判別信号Dの判別基
準)となる下限電圧、Pは放電停止点である。
【0059】昇圧電圧判別手段16での判別基準となる
下限昇圧電圧VF(10V程度)は、完全放電を望まな
い第2の蓄電池42の下限電圧VD(7V程度)に合わ
せて、昇圧比率に応じて設定される。昇圧回路8の出力
電圧が第1の蓄電池41に印加されることから、下限昇
圧電圧VFは第1の蓄電池41にも関連しており、6セ
ルで正常出力電圧12Vの第1の蓄電池41の例えば7
0%充電線(即ち、30%残量線)に対応している。
【0060】これにより、昇圧電圧判別手段16は、昇
圧電圧V8が下限昇圧電圧VFまで放電し、放電停止点
Pに達したことを判別すると、判別信号Fを生成して昇
圧回路8を停止させ、第2の蓄電池42の下限電圧VD
を確保することができる。
【0061】ところで、一般に、蓄電池の起電力(端子
電圧)には温度特性が存在し、例えば、温度が10℃上
昇すると出力電圧が0.5V程度低下する。しかし、こ
の場合、各蓄電池41及び42は互いにセル数が異なる
のみであり、両者の温度特性が類似しているので、或る
温度で設定された下限昇圧電圧VFにより任意の温度に
対して放電停止点Pを一義的に設定することができる。
【0062】尚、図4では、図2の装置に昇圧電圧判別
手段16を追加した例を示したが、各蓄電池41及び4
2を直列接続して出力電圧を供給する場合であれば、図
3の装置等に適用することもできる。
【0063】又、上記実施例4では、第2の蓄電池42
の出力電圧を判別して充電開始するための電圧判別手段
13とは別に、放電停止用の昇圧電圧判別手段16を設
けたが、電圧判別手段13が昇圧電圧判別手段16の機
能を兼ねるようにして、昇圧電圧判別手段16を省略し
てもよい。この場合、判別信号Dに応答して昇圧回路8
が停止し、第1の蓄電池41及び第2の蓄電池42の直
列接続による電力供給を中止することになる。
【0064】実施例5.又、上記実施例1〜実施例4で
は、回収エネルギを第2の蓄電池42から第1の蓄電池
41に移すために昇圧回路8を用いたが、第2の蓄電池
42を複数個設け、充電後に直列接続して昇圧してもよ
い。これにより、昇圧回路8を省略することができる。
【0065】図6はこの発明の実施例5(請求項7に対
応)の要部を示すブロック構成図であり、7、41及び
図示しない周辺構成は前述と同様である。この場合、複
数個(2個)の第2の蓄電池42a及び42bが設けら
れ、各蓄電池42a及び42bは、第1の蓄電池41の
所定セル数(6セル)よりも少ないセル数(例えば、5
セル)からなる。各蓄電池41、42a及び42bの入
力端子には、共通の整流器3(図示せず)を介して発電
機2の出力電圧が印加されている。
【0066】17は制動信号Aに応答して充電切換信号
Gを生成する切換制御手段、18は充電切換信号Gに応
答して第2の蓄電池42a及び42bを並列接続するた
めの切換スイッチ群であり、これらは第2の蓄電池42
a及び42bを並列又は直列に接続するための充電昇圧
切換手段を構成している。
【0067】切換スイッチ群18は、整流器3と第1の
蓄電池41との間に挿入された常閉スイッチ18aと、
整流器3と第2の蓄電池42bとの間に挿入された切換
スイッチ18bと、第2の蓄電池42aとグランドとの
間に挿入された常開スイッチ18cとからなり、各スイ
ッチ18a〜18cは、充電切換信号Gに応答して図示
した状態に切換えられる。
【0068】切換制御手段17及び切換スイッチ群18
からなる充電昇圧切換手段は、自動車の制動信号Aに応
答して複数の第2の蓄電池42a及び42bを並列接続
し、整流器3を介した発電機2の出力電圧を各蓄電池4
2a及び42bに印加すると共に、制動信号Aの終了
(即ち、充電切換信号Gの終了)に応答して複数の第2
の蓄電池42a及び42bを直列接続し、第2の蓄電池
42a及び42bの各出力電圧(10V)を所定セル数
に応じた所定電圧(20V)に昇圧して第1の蓄電池4
1に印加する。このとき、第1の蓄電池41内の内部抵
抗による電圧降下により、実際に第1の蓄電池41に印
加される端子電圧は14V程度となる。
【0069】図6の構成によれば、制動信号Aが生成さ
れない通常の力行時においては、充電切換信号Gが生成
されないため、常閉スイッチ18aが閉成され、切換ス
イッチ18bが第2の蓄電池42aのグランド端子側に
切換えられ、常開スイッチ18cは開放されている。従
って、第2の蓄電池42a及び42bは直列接続されて
おり、整流器3の出力電圧は、専ら第1の蓄電池41の
充電に寄与することになる。
【0070】一方、ブレーキ操作時には、制動信号Aに
応答して切換制御手段17から充電切換信号Gが生成さ
れるため、各スイッチ18a〜18cは図示したように
切換えられる。従って、第1の蓄電池41は発電機2及
び整流器3から切り離され、第2の蓄電池42a及び4
2bは、並列接続されて整流器3の出力電圧により充電
される。
【0071】その後、制動信号Aの終了に応答して充電
切換信号Gが生成されなくなると、切換スイッチ群18
が図示した状態に切換えられ、第2の蓄電池42a及び
42bは、再び直列接続される。従って、各蓄電池42
a及び42bの出力電圧は、2倍に昇圧されて第1の蓄
電池41に印加され、第2の蓄電池42a及び42bに
回収されたエネルギを第1の蓄電池41に放電すること
ができる。以上の第2の蓄電池42a及び42bの並列
直列切換サイクルは、制動信号Aの発生及び解除される
毎に繰り返される。
【0072】実施例6.上記実施例5では、充電昇圧切
換手段の切換スイッチ群18を機械的なスイッチ18a
〜18cで構成したが、電子的なスイッチで構成しても
よい。図7はこの発明の実施例6を示すブロック構成図
であり、27及び28は切換制御手段17及び切換スイ
ッチ群18にそれぞれ対応している。
【0073】この場合、切換制御手段27は、制動信号
Aに応答して、Lレベルの充電切換信号G1と、Hレベ
ルの充電切換信号G2及びG3とを生成する。又、切換
スイッチ群28は、Lレベルの充電切換信号G1により
オンするトランジスタ28aと、Hレベルの充電切換信
号G2によりオフするトランジスタ28bと、Hレベル
の充電切換信号G3によりオンするトランジスタ28c
と、整流器3と第1の蓄電池41との間に挿入された逆
流防止用のダイオード28cとから構成されている。
【0074】トランジスタ28aは、エミッタが整流器
3に接続され、コレクタが第2の蓄電池42bの出力端
子に接続されている。トランジスタ28bは、エミッタ
が第2の蓄電池42bの出力端子に接続され、コレクタ
が第2の蓄電池42aのグランド端子に接続されてい
る。トランジスタ28cは、エミッタがグランドに接続
され、コレクタが第2の蓄電池42aのグランド端子に
接続されている。
【0075】各トランジスタ28a〜28cに記した
「ON及びOFF」は、上段が制動時(制動信号Aの生
成時)のオンオフ状態、下段が制動解除時(制動信号A
の終了時)のオンオフ状態を示している。
【0076】図7の構成によれば、制動信号Aが生成さ
れない通常力行時においては、充電切換信号G1がHレ
ベル、充電切換信号G2及びG3がLレベルであるた
め、各トランジスタ28a〜28cは、それぞれ、OF
F、ON及びOFFの状態である。従って、第2の蓄電
池42a及び42bは直列接続され、整流器3の出力電
圧は、ダイオード28dを介して6セルの第1の蓄電池
41の充電に寄与する。
【0077】ここで、制動信号Aが生成されると、充電
切換信号G1がLレベルに、充電切換信号G2及びG3
がHレベルに反転するため、各トランジスタ28a〜2
8cは、それぞれ、ON、OFF及びONの状態とな
る。
【0078】従って、第2の蓄電池42a及び42bは
並列接続され、整流器3の出力電圧は、各4セルの第2
の蓄電池42a及び42bの充電に寄与する。このと
き、ダイオード28dが第1の蓄電池41から第2の蓄
電池42a及び42bへの逆流を防止するので、何ら支
障は生じない。以下、前述と同様に、第2の蓄電池42
a及び42bは、制動信号Aの終了時に直列接続され、
第1の蓄電池41の所定セル数に応じた昇圧電圧となっ
て放電される。
【0079】ここでは、並列及び直列接続される複数の
第2の蓄電池が2個の場合を示したが、第2の蓄電池の
数は任意に設定可能であり、3個又はそれ以上の第2の
蓄電池を並列及び直列接続してもよい。いずれの場合
も、実施例6と同様に、昇圧回路8を省略してコストダ
ウンを実現することができる。
【0080】実施例7.上記実施例1〜実施例6では、
第1及び第2の蓄電池の電槽構造を特に述べなかった
が、省スペース化のために一体形で構成して同一の電槽
内に収納してもよい。
【0081】図8〜図10はこの発明の実施例7(請求
項8に対応)による電槽構造を示す説明図であり、図8
は第1の蓄電池41及び第2の蓄電池42を一体化した
例、図9は第2の蓄電池42a及び42bを一体化した
例、図10は第1の蓄電池41と第2の蓄電池42a及
び42bとを一体化した例をそれぞれ示す。
【0082】図8〜図10において、61、71及び8
1はそれぞれ一体形の電槽であり、電槽61は第1及び
第2の蓄電池41及び42を収納し、電槽71は第2の
蓄電池42a及び42bを収納し、電槽81は第1の蓄
電池41並びに第2の蓄電池42a及び42bを収納す
る。各蓄電池41、42、42a及び42bは、各電槽
61、71及び81を共有しているが、それぞれ、互い
に電気的に独立している。
【0083】51及び52は第1の蓄電池41の出力端
子及びグランド端子となる電極、53及び54は第2の
蓄電池42の出力端子及びグランド端子となる電極、5
3a及び54aは第2の蓄電池42aの出力端子及びグ
ランド端子となる電極、53b及び54bは第2の蓄電
池42bの出力端子及びグランド端子となる電極であ
る。
【0084】図8〜図10のように、各蓄電池を同一電
槽内に収納して一体化することにより、電極部が集約化
されて組立性が向上すると共に、省スペースを実現する
ことができる。尚、各電極53、54、53a、54
a、53b及び54bは、誤接続を防止するために、そ
れぞれ区別可能な範囲で大きさを変えてもよい。
【0085】又、上記実施例1〜実施例7において、第
1の蓄電池41のセル数を6、第2の蓄電池42(又
は、42a及び42b)のセル数を5としたが、第2の
蓄電池のセル数は、第1の蓄電池41よりも少なけれ
ば、任意のセル数に設定することができる。
【0086】又、第1の蓄電池41よりも第2の蓄電池
のセル数(起電力即ち端子電圧)が相対的に小さければ
よいので、例えば、第1の蓄電池41のセル数を7個、
第2の蓄電池のセル数を6個に設定してもよい。
【0087】実施例8.又、上記実施例1〜実施例7で
は、第1の蓄電池41よりも第2の蓄電池のセル数を少
なく設定したが、同一セル数の蓄電池を複数個直列接続
して第1及び第2の蓄電池群を構成し、第2の蓄電池群
の直列数を第1の蓄電池群よりも少なく設定してもよ
い。
【0088】図11はこの発明の実施例8(請求項9に
対応)を示すブロック図であり、1、2、31、32及
び5〜9は前述と同様のものである。41a〜41cは
所定直列数(この場合、3個)からなる第1の蓄電池で
あり、第1の蓄電池群141を構成している。42d及
び42eは所定直列数よりも少ない直列数(この場合、
2個)からなる第2の蓄電池であり、第2の蓄電池群1
42を構成している。
【0089】各蓄電池41a〜41c、42d及び42
eは、それぞれ、任意の同一セル数(例えば、2セル)
からなる。この場合も、前述と同等の作用効果を奏す
る。尚、ここでは、第1の蓄電池群141を3個の蓄電
池で構成し、第2の蓄電池群142を2個の蓄電池で構
成したが、第2の蓄電池群142が第1の蓄電池群14
1よりも少ない蓄電池数であれば任意に構成することが
できる。
【0090】実施例9.(請求項10に対応)又、上記
実施例1〜実施例8では、各蓄電池を構成する個々のセ
ルが同一である場合を例にとり、第1及び第2の蓄電池
(又は、蓄電池群)の間のセル数又は蓄電池数を異なる
ように設定したが、第1及び第2の蓄電池(又は、蓄電
池群)の起電力即ち端子電圧が相対的に異なればよいの
で、互いに起電力の異なるセルを用い、セル数を同数又
は任意に設定してもよい。
【0091】例えば、図1内の第1の蓄電池41及び第
2の蓄電池42に代えて、発電機2(図1参照)の出力
電圧が印加される所定起電力(例えば、12V)を有す
る第1の蓄電池と、所定起電力よりも少ない起電力(例
えば、10V)を有する第2の蓄電池を設ければよい。
【0092】ここで、第1の蓄電池としては、比較的起
電力の高い鉛蓄電池等のセルを用い、第2の蓄電池とし
ては、比較的起電力の低いニッケル・カドミウム(Ni
Cd)蓄電池等のセルが用いられる。
【0093】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれ
ば、発電機出力が常に印加される所定セル数からなる第
1の蓄電池と、所定セル数よりも少ないセル数からなる
第2の蓄電池と、制動信号に応答して発電機出力を選択
的に第2の蓄電池に印加するための開閉手段と、制動信
号の終了に応答して、第2の蓄電池の出力電圧を所定セ
ル数に応じた所定電圧に昇圧して第1の蓄電池に印加す
る昇圧手段とを設け、制動時の発生電力を第2の蓄電池
に全て充電し、制動解除時に第1の蓄電池に放電させて
回収するようにしたので、制動時に回生されるエネルギ
を有効に回収利用すると共に、回生時の受入電圧及び系
電圧変動を抑制した自動車用電源装置が得られる効果が
ある。
【0094】又、この発明の請求項2によれば、請求項
1において、第1及び第2の蓄電池を選択的に直列接続
するための出力切換手段を設けたので、制動時の回生エ
ネルギを有効に回収利用すると共に、大電力の供給を可
能にした自動車用電源装置が得られる効果がある。
【0095】又、この発明の請求項3によれば、請求項
1又は請求項2において、開閉手段を、発電機と第2の
蓄電池との間に挿入された開閉スイッチと、制動信号に
応答して開閉スイッチを閉成するための開閉制御手段と
から構成し、昇圧手段を、第2の蓄電池の出力端子と第
1の蓄電池の入力端子との間に挿入されたDC/DCコ
ンバータと、制動信号の終了に応答してDC/DCコン
バータを駆動させるための昇圧制御手段とから構成した
ので、比較的簡単な構成でコスアップを招くことなく、
制動時の回生エネルギを有効に回収利用すると共に、回
生時の受入電圧及び系電圧変動を抑制した自動車用電源
装置が得られる効果がある。
【0096】又、この発明の請求項4によれば、請求項
2において、第2の蓄電池の出力電圧が下限電圧以下で
あることを判別する電圧判別手段と、第1及び第2の蓄
電池の出力電圧を所定の電気負荷に印加するための投入
手段とを設け、開閉手段は、電圧判別手段からの判別信
号に応答して発電機の出力電圧を第2の蓄電池に印加
し、出力切換手段は、投入手段に連動して第1及び第2
の蓄電池を直列接続するようにしたので、制動時の回生
エネルギを有効に回収利用すると共に、電気負荷に対す
る大電力の供給を可能にした自動車用電源装置が得られ
る効果がある。
【0097】又、この発明の請求項5によれば、請求項
2において、発電機が電動発電機からなり、第2の蓄電
池の出力電圧が下限電圧以下であることを判別する電圧
判別手段と、第1及び第2の蓄電池の出力電圧を電動発
電機に印加するためのインバータとを備え、開閉手段
は、電圧判別手段からの判別信号に応答して、エンジン
により駆動される電動発電機の出力電圧を第2の蓄電池
に印加し、出力切換手段は、自動車の始動スイッチに連
動して第1及び第2の蓄電池を直列接続し、直列接続さ
れた第1及び第2の蓄電池の出力電圧をインバータを介
して電動発電機に供給するようにしたので、制動時の回
生エネルギを有効に回収利用すると共に、電動発電機に
対する大電力の供給を可能にした自動車用電源装置が得
られる効果がある。
【0098】又、この発明の請求項6によれば、請求項
2、請求項4又は請求項5において、昇圧手段の出力電
圧が下限昇圧電圧以下であることを判別する昇圧電圧判
別手段を設け、昇圧手段は、昇圧電圧判別手段からの判
別信号に応答して昇圧動作を停止するようにしたので、
制動時の回生エネルギを有効に回収利用すると共に、第
2の蓄電池の過放電を防止して大電力の供給を確実に可
能にした自動車用電源装置が得られる効果がある。
【0099】又、この発明の請求項7によれば、発電機
出力が常に印加される所定セル数からなる第1の蓄電池
と、所定セル数よりも少ないセル数からなる複数の第2
の蓄電池と、複数の第2の蓄電池を並列又は直列に接続
するための充電昇圧切換手段とを設け、充電昇圧切換手
段は、制動信号に応答して複数の第2の蓄電池を並列接
続し、発電機出力を並列接続された第2の蓄電池に印加
すると共に、制動信号の終了に応答して複数の第2の蓄
電池を直列接続し、第2の蓄電池の出力電圧を所定セル
数に応じた所定電圧に昇圧して第1の蓄電池に印加する
ようにしたので、制動時に回生されるエネルギを有効に
回収利用すると共に、回生時の受入電圧及び系電圧変動
を抑制した自動車用電源装置が得られる効果がある。
【0100】又、この発明の請求項8によれば、請求項
1乃至請求項7のいずれかにおいて、第1及び第2の蓄
電池を同一の電槽内に収納したので、制動時に回生され
るエネルギを有効に回収利用すると共に、省スペースを
実現した自動車用電源装置が得られる効果がある。
【0101】又、この発明の請求項9によれば、発電機
出力が印加される所定直列数からなる第1の蓄電池群
と、所定直列数よりも少ない直列数からなる第2の蓄電
池群と、制動信号に応答して発電機出力を選択的に第2
の蓄電池群に印加するための開閉手段と、制動信号の終
了に応答して、第2の蓄電池群の出力電圧を所定直列数
に応じた所定電圧に昇圧して第1の蓄電池群に印加する
昇圧手段とを設け、制動時の発生電力を第2の蓄電池群
に全て充電し、制動解除時に第1の蓄電池群に放電させ
て回収するようにしたので、制動時に回生されるエネル
ギを有効に回収利用すると共に、回生時の受入電圧及び
系電圧変動を抑制した自動車用電源装置が得られる効果
がある。
【0102】又、この発明の請求項10によれば、発電
機出力が印加される所定起電力を有する第1の蓄電池
と、所定起電力よりも低い起電力を有する第2の蓄電池
と、制動信号に応答して発電機出力を選択的に第2の蓄
電池に印加するための開閉手段とを設け、制動時の発生
電力を第2の蓄電池に全て充電し、回生エネルギを回収
するようにしたので、制動時に回生されるエネルギを有
効に回収利用すると共に、回生時の受入電圧及び系電圧
変動を抑制した自動車用電源装置が得られる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施例2を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施例3を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施例4を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施例4における蓄電池の放電特性
を示す特性図である。
【図6】この発明の実施例5の要部を示すブロック構成
図である。
【図7】この発明の実施例6の要部を示すブロック構成
図である。
【図8】この発明の実施例7による電槽構造を示す説明
図である。
【図9】この発明の実施例7による電槽構造を示す説明
図である。
【図10】この発明の実施例7による電槽構造を示す説
明図である。
【図11】この発明の実施例8を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 2 発電機 2A 電動発電機 41 第1の蓄電池 42、42a、42b 第2の蓄電池 5 開閉スイッチ 6 開閉制御手段 8 昇圧回路 9 昇圧制御手段 10 電気負荷 11 投入スイッチ 12 切換スイッチ 13 電圧判別手段 14 始動スイッチ 15 インバータ 16 昇圧電圧判別手段 17 切換制御手段 18、28 切換スイッチ群(充電昇圧切換手段) 61、71、81 電槽 141 第1の蓄電池群 142 第2の蓄電池群 A 制動信号 D 判別信号 F 判別信号 VD 下限電圧 VF 下限昇圧電圧

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のエンジンに連結された発電機
    と、 前記発電機の出力電圧が印加される所定セル数からなる
    第1の蓄電池と、 前記所定セル数よりも少ないセル数からなる第2の蓄電
    池と、 前記自動車の制動信号に応答して前記発電機の出力電圧
    を選択的に前記第2の蓄電池に印加するための開閉手段
    と、 前記制動信号の終了に応答して、前記第2の蓄電池の出
    力電圧を前記所定セル数に応じた所定電圧に昇圧して前
    記第1の蓄電池に印加する昇圧手段とを備えた自動車用
    電源装置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の蓄電池を選択的に直
    列接続するための出力切換手段を備えた請求項1の自動
    車用電源装置。
  3. 【請求項3】 前記開閉手段は、前記発電機と前記第2
    の蓄電池との間に挿入された開閉スイッチと、前記制動
    信号に応答して前記開閉スイッチを閉成するための開閉
    制御手段とからなり、 前記昇圧手段は、前記第2の蓄電池の出力端子と前記第
    1の蓄電池の入力端子との間に挿入されたDC/DCコ
    ンバータと、前記制動信号の終了に応答して前記DC/
    DCコンバータを駆動させるための昇圧制御手段とから
    なる請求項1又は請求項2の自動車用電源装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の蓄電池の出力電圧が下限電圧
    以下であることを判別する電圧判別手段と、 前記第1及び第2の蓄電池の出力電圧を所定の電気負荷
    に印加するための投入手段とを備え、 前記開閉手段は、前記電圧判別手段からの判別信号に応
    答して前記発電機の出力電圧を前記第2の蓄電池に印加
    し、 前記出力切換手段は、前記投入手段に連動して前記第1
    及び第2の蓄電池を直列接続することを特徴とする請求
    項2の自動車用電源装置。
  5. 【請求項5】 前記発電機は電動発電機からなり、 前記第2の蓄電池の出力電圧が下限電圧以下であること
    を判別する電圧判別手段と、 前記第1及び第2の蓄電池の出力電圧を前記電動発電機
    に印加するためのインバータとを備え、 前記開閉手段は、前記電圧判別手段からの判別信号に応
    答して、前記エンジンにより駆動される前記電動発電機
    の出力電圧を前記第2の蓄電池に印加し、 前記出力切換手段は、前記自動車の始動スイッチに連動
    して前記第1及び第2の蓄電池を直列接続し、直列接続
    された前記第1及び第2の蓄電池の出力電圧を前記イン
    バータを介して前記電動発電機に供給することを特徴と
    する請求項2の自動車用電源装置。
  6. 【請求項6】 前記昇圧手段の出力電圧が下限昇圧電圧
    以下であることを判別する昇圧電圧判別手段を備え、 前記昇圧手段は、前記昇圧電圧判別手段からの判別信号
    に応答して昇圧動作を停止することを特徴とする請求項
    2、請求項4又は請求項5の自動車用電源装置。
  7. 【請求項7】 自動車のエンジンに連結された発電機
    と、 前記発電機の出力電圧が印加される所定セル数からなる
    第1の蓄電池と、 前記所定セル数よりも少ないセル数からなる複数の第2
    の蓄電池と、 前記複数の第2の蓄電池を並列又は直列に接続するため
    の充電昇圧切換手段とを備え、 前記充電昇圧切換手段は、 前記自動車の制動信号に応答して前記複数の第2の蓄電
    池を並列接続し、前記発電機の出力電圧を並列接続され
    た前記第2の蓄電池に印加すると共に、 前記制動信号の終了に応答して前記複数の第2の蓄電池
    を直列接続し、前記第2の蓄電池の出力電圧を前記所定
    セル数に応じた所定電圧に昇圧して前記第1の蓄電池に
    印加することを特徴とする自動車用電源装置。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2の蓄電池は、同一の電
    槽内に収納されたことを特徴とする請求項1乃至請求項
    7のいずれかの自動車用電源装置。
  9. 【請求項9】 自動車のエンジンに連結された発電機
    と、 前記発電機の出力電圧が印加される所定直列数からなる
    第1の蓄電池群と、 前記所定直列数よりも少ない直列数からなる第2の蓄電
    池群と、 前記自動車の制動信号に応答して前記発電機の出力電圧
    を選択的に前記第2の蓄電池群に印加するための開閉手
    段と、 前記制動信号の終了に応答して、前記第2の蓄電池群の
    出力電圧を前記所定直列数に応じた所定電圧に昇圧して
    前記第1の蓄電池群に印加する昇圧手段とを備えた自動
    車用電源装置。
  10. 【請求項10】 自動車のエンジンに連結された発電機
    と、 前記発電機の出力電圧が印加される所定起電力を有する
    第1の蓄電池と、 前記所定起電力よりも低い起電力を有する第2の蓄電池
    と、 前記自動車の制動信号に応答して前記発電機の出力電圧
    を選択的に前記第2の蓄電池に印加するための開閉手段
    とを備えた自動車用電源装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6313546B1 (en) 1999-04-16 2001-11-06 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Power supply assembly for a vehicle
US7279805B2 (en) 2004-03-29 2007-10-09 Denso Corporation Vehicle power supply system with a series regulator
WO2009040980A1 (ja) * 2007-09-25 2009-04-02 Panasonic Corporation 電源システムおよび電池集合体の制御方法

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