JPH0635116Y2 - 作画シート併設のシャッター装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、建屋の開口部やショーウインドー等の装備さ
れるシャッター装置に関し、詳しくは、装飾用の写真や
絵画、文字、模様、その他宣伝広告などを形成した作画
シートを、多数のスラットを連結したシャッターカーテ
ンと一体に巻き取り可能に設けて、閉塞下にあるシャッ
ターカーテンを宣伝広告のスペースや装飾用の壁面等に
利用するようにした作画シート併設のシャッター装置に
関するものである。

〔従来の技術〕

上記作画シートをシャッターカーテンと一体に巻き取り
可能に設ける技術として、例えば実開昭62-42693号公報
に見られ、かつ、第７図及び第８図に示したように、複
数個のスラット３を所定間隔置きに凹溝付きのスラット
3aで順次連結してシャッターカーテン５を作製する一
方、装飾用の模様等を形成した作画シート10を前記シャ
ッターカーテン５の表面側に位置させ、かつ、前記作画
シート10を前記凹溝付きスラット3aの凹溝3aに押し込み
つつ該凹溝ａに押え棒ｂを嵌入させるようにしたものが
ある。

ところで、前記シャッターカーテン５が巻き取られて、
相隣るスラット3,3が互いに屈曲して円弧状になった時
のシャッターカーテン表面側でのスラット3,3の前記屈
曲したピッチ寸法は、前記シャッターカーテン５が閉じ
られて直線状態になった時のピッチ寸法よりも大にな
り、シャッターカーテン５の裏面側では逆に小になるこ
とは言うまでもない。

〔考案が解決しようとする問題点〕

然るに従来は、前記凹溝付きスラット3aの凹部ａに押え
棒ｂを嵌入させて前記作画シート10を展張させるように
していたがために、前記シャッターカーテン５の巻き取
りを可能ならしめる上で、上記ピッチ寸法差に起因する
前記作画シート10とシャッターカーテン５との間での位
相差が吸収されるように、前記作画シート10に相当の伸
縮性を有せしめる必要があり、このため作画シート10の
材質選択に制約を受けると共にシート材質に応じた特殊
塗料が必要で、コストアップを伴い勝ちになり、その
上、前記作画シート10に無理な力がかかっがときに、前
記押え棒ｂが抜け外れたり作画シート10が破損したりす
る等の問題があった。

また、前記作画シート10を押え棒ｂで押え付ける際に当
該作画シート10が皺になったり歪んだりし、また、作画
シート10の一部が押え棒ｂによって覆い隠されてしまう
不都合もあった。

更に、前記シャッターカーテン５の巻き取りに際し、ス
ラット連結部分が前記作画シート10の表面側を押接する
と共に、前記シャッターカーテン５の巻き取り並びに巻
き戻しに際し、前記スラット連結部分が前記作画シート
10を押接した状態で回動することで、前記作画シート10
の表面側が傷付けられる問題があった。

本考案は、上記の実情に鑑みて成されたものであって、
極めて合理的な改良によって前記の不都合を悉く解消し
た使用面で好適なる作画シート併設のシャッター装置を
提供することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本考案は、複数のスラット
を連結してなるシャッターカーテンが、上部に設けた巻
き取り装置から繰り出され、そのシャッターカーテンの
下部に設けた下部座板を建屋開口部の下面に当接させて
閉状態を形成し、かつそのシャッターカーテンの表面側
に張設された作画シートがそのシャッターカーテンとと
もに巻き取られるようにした作画シート併設のシャッタ
ー装置にあって、前記シャッターカーテンの巻き取り状
態にて内外層のフラット間に所定の間隔を形成するため
の帯状の作画シート保護部材の上部を、前記シャッター
カーテンの裏面側の前記作画シートの左右両側上部相当
箇所に連結する一方、少なくとも前記作画シートの両側
下部からそれぞれ導出させたコイルスプリング付きの紐
状体を、前記下部座板に設けた経路変曲用の部材を経由
させて前記作画シート保護部材の下部にそれぞれ連結し
てあることを特徴としている。

〔作用〕

上記の特徴構成によれば、前記シャッターカーテンの巻
き取り状態で内外層のスラット間に所定の間隔が形成さ
れることで、前記スラット連結部分が作画シートの表面
側に押接されることが回避される。

そして、上記所定間隔を形成するための作画シート保護
部材と作画シートの両者がコイルスプリング付きの紐状
体によって互いに展張付勢されることで、変形や皺を伴
わず且つ見栄え良く前記作画シート並びに作画シート保
護部材が張説される。

また、既述したピッチ寸法の関係から、前記シャッター
カーテンを巻き取る際には、前記作画シートが張り勝手
の状態で且つ作画シート保護部材が弛み勝手の状態で、
夫々シャッターカーテンと一体に巻き取られ、シャッタ
ーカーテンを巻き戻す際には逆の状態となり、前記作画
シートと作画シート保護部材の下部側が、当該作画シー
トとシャッターカーテン、及び、作画シート保護部材と
シャッターカーテンの位相差の分の小なる移動量の差で
もって互いに逆方向に移動する。

而して、前記左右のシート保護部材の下部側と前記作画
シートの下部側を、当該作画シート保護部材と前記作画
シートの夫々に展張付勢力を付与するコイルスプリング
を備えた紐状体で連結したことで、前記コイルスプリン
グは殆ど長さの変化がない状態で、前記作画シートと作
画シート保護部材とに同期して移動する。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図及び第２図は作画シート装置Ａを併設したシャッ
ター装置Ｂを示し、このシャッター装置Ｂは作画シート
保護部材Ｃを具備している。

先ず、シャッター装置Ｂの概略構造について説明する
と、このものは、建屋開口部の側壁１にガイドレール２
を埋設すると共に、多数のスラット３…と下部座板４を
相対回動自在に連結して成るシャッターカーテン５を、
前記ガイドレール２に沿わせて昇降自在に設け、かつ、
該シャッターカーテン５を上方に巻き取るためのカーテ
ン巻き取り装置（ケース６に内蔵されたドラム７とこれ
の駆動機構８などで構成されている。）９を設けて成
り、シャッターカーテン５の下部座板４を建屋開口部の
下面に当接させて閉状態を形成する。

次に、前記作画シート装置Ａは、前記シャッターカーテ
ン５の表面側の中間面部に張設されていて、第３図及び
第４図にも示すように、装飾用の写真や絵画、文字、模
様、その他宣伝広告などが形成された可撓性の作画シー
ト10の上部に額縁部材11を設けると共に、画額縁部材11
を前記シャッターカーテン５のスラット３に連結して、
前記シャッターカーテン５と一体に巻き取り可能に構成
し、かつ、前記作画シート10の左右両側の裏面部に間隔
を隔てて第１係止体12を付設する一方、該第１係止体12
と互い違いになるように第２の係止体13を前記シャッタ
ーカーテン５に設けてある。

そして、前記作画シート10の下部側近傍のスラット３に
孔あきのスラット貫通部材14を設けると共に、前記作画
シート10の左右両側の夫々において、前記シャッターカ
ーテン５側の最上位の第２係止体13に紐状体15の一端を
固着し、かつ、該紐状体15を前記係止体12,13に対して
それの上方のものから順次下方のものへと挿入すると共
に、該紐状体15を前記スラット貫通部材14に挿通させて
ある。

前記作画シート保護手段Ｃは、例えば金属線や合成樹脂
を芯材にして、それの少なくとも一側面に軟質の樹脂や
ゴムを貼着する等の手段で、前記作画シート10よりも充
分に厚く且つ上下長さが作画シート10よりもやゝ長い目
の帯状の作画シート保護部材16を作製すると共に、該作
画シート保護部材16の上部側を、前記シャッターカーテ
ン５の裏面側で且つ前記作画シート10の左右両側相当箇
所の上部に連結して、当該左右の作画シート保護部材16
を前記シャッターカーテン５と一体に巻き取り可能と成
し、かゝるシャッターカーテン５の巻き取り状態で、当
該シャッターカーテン５の内外層のスラット3,3間に前
記作画シート保護部材16による隙間が形成されるように
してある。

即ち、前記シャッターカーテン５と一体に前記作画シー
ト10と作画シート保護部材16とが巻き取られた状態で、
外層側のスラット３の連結部分が内層側のスラット３の
表面側に位置する作画シート10に押接されないように構
成されているのである。

次に、上記の作画シート保護部材16と前記作画シート10
の夫々を展張付勢するための展張機構17について説明す
る。

この展張機構17は、第３図及び第５図に示すように、水
平方向の回転軸線を有する経路変曲用の４個の回転体18
〜21を、前記作画シート10の左右両側の下方と前記作画
シート保護部材16の下方の夫々に対応させて、前記シャ
ッターカーテン５の下部座板４の裏面側に設けると共
に、前記作画シート10の下部側からシャッターカーテン
５の裏面側に導入された左右の紐状体15の夫々にコイル
スプリング22を介在させ、そして、前記左右一方の紐状
体15を、それの直下と左右方向の作画シート保護部材16
の直下の回転体18,21とに巻回すると共に、該紐状体15
を前記左右他方の作画シート保護部材16の下部側に連結
し、かつ、前記左右他方の紐状体15を、それの直下と左
右一方の作画シート保護部材16の直下の回転体19,20と
に巻回すると共に、該紐状体15を前記左右他方の作画シ
ート保護部材16の下部側に連結して成る。

上記構成の作画シート併設のシャッター装置によれば、
前記シャッターカーテン５の巻き取り状態で内外層のス
ラット3,3間に所定の間隔が形成されることで、当該ス
ラット３の連結部分が作画シート10の表面側に押接され
なくなり、該作画シート10の傷付き問題が解消される。

しかも、上記所定間隔が形成するための作画シート保護
部材16と作画シート10の両者は、その下部側に展張の付
勢力が付与された状態で当該下部側がフリーの状態にあ
ることから、開閉時における前記作画シート10と作画シ
ート保護部材16の前記シャッターカーテン５に対する位
相差が吸収され、而して、変形や皺を伴わせないで見栄
え良く前記作画シート10を張設させることができる。

そして、前記シャッターカーテン５の開閉に際し、前記
作画シート10と作画シート保護部材16の下部側が上記位
相差の分だけ互いに逆方向に移動すると共に、その移動
量の僅かな差の分だけ前記コイルスプリング22が撓み変
形する状態で、換言すれば、該コイルスプリング22は殆
ど長さ変化しないで、前記作画シート10と作画シート保
護部材16と同期して前記コイルスプリング22が移動す
る。従って、前記コイルスプリング22としてバネ定数の
大きいコンパクトなものを用いることができる。

即ち、前記作画シート10と作画シート保護部材16を展張
付勢させる手段として、当該作画シート10と下部側とシ
ャッターカーテン５の間、及び前記作画シート保護部材
16の下部側とシャッターカーテン５と間に、それぞれ展
張付勢用のコイルスプリング22を備えさせた紐状体15を
設けることが考えられるのである。

しかし、前記作画シート10と作画シート保護部材16の前
記シャッターカーテン５に対する位相差は相当に大き
く、而して、前記作画シート10と作画シート保護部材16
に無理な力を掛けないで前記大きな位相差を吸収させる
上からは、線径が小で且つコイル径ならびに巻数が大な
る長尺のバネ定数が小さいコイルスプリング22が必要と
なり、更に、該コイルスプリング22を収縮させるための
広いスペースが必要となる。

この点にあって上記の構成によれば、作画シート10と作
画シート保護部材16が互いに逆方向に移動することを旨
く利用したことで、前記コイルスプリング22の長さ変化
が殆ど生じなくなり、従って、バネ定数が大きくて且つ
コンパクトなコイルスプリング22を利用することができ
るのである。

尚、実施例では、作画シート10の左右一方と作画シート
保護部材16の左右方向、及び、作画シート10の左右他方
と作画シート保護部材16の左右一方を、夫々コイルスプ
リング22を備えた紐状体15で連結しているが、第６図に
示すように、作画シート10と作画シート保護部材16の左
右一方どうしと他方どうしを、夫々コイルスプリング22
を備えた紐状体15で連結する構成とするも良く、この場
合、前記作画シート10の下部側には補強部材を設けて、
該作画シート10の下部側に展張付勢力が均一に付与され
るようにすることが肝要である。

また実施例では、一枚の作画シート10をシャッターカー
テン５を備えさせるものを対象にしているが、例えば二
枚の作画シート10をシャッターカーテン５の巾方向に並
べて併設したシャッター装置等を実施対象にすることが
でき、この場合、二枚の作画シート10間に一枚の作画シ
ート保護部材16を設けて、該作画シート保護部材16を二
枚の作画シート10で兼用使用することが可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案による作画シート併設のシャ
ッター装置によれば、変形や皺を伴わせないで無理なく
且つ見栄え良く作画シートを張設すると共に、シャッタ
ーカーテン巻き取り下での作画シートの傷付きを防止す
ることができる。

しかも、前記シャッターカーテンの開閉に際し、前記作
画シートと作画シート保護部材の下部側が互いに逆方向
に移動すると共に、その移動量の差が僅かであることを
旨く利用したことで、該作画シートと作画シート保護部
材を展張付勢させるコイルスプリングを、バネ定数が大
きくてコンパクトなものを用いることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は作画シート併設のシャッター装置の正面図、第
２図は同断面図、第３図は要部の詳細断面図、第４図は
作画シートと作画シート保護部材の取り付け説明図、第
５図は作画シートと作画シート保護部材ならびに展張機
構の斜視図、第６図は別実施例の作画シート併設のシャ
ッター装置の部分正面図である。 第７図及び第８図は従来例の作画シート併設のシャッタ
ー装置を示し、第７図は正面図、第８図は断面図であ
る。 ３……スラット、５……シャッターカーテン、10……作
画シート、15……紐状体、16……作画シート保護部材、
22……コイルスプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のスラットを連結してなるシャッター
   カーテンが、上部に設けた巻き取り装置から繰り出さ
   れ、そのシャッターカーテンの下部に設けた下部座板を
   建屋開口部の下面に当接させて閉状態を形成し、かつそ
   のシャッターカーテンの表面側に張設された作画シート
   がそのシャッターカーテンとともに巻き取られるように
   した作画シート併設のシャッター装置において、前記シ
   ャッターカーテンの巻き取り状態にて内外層のスラット
   間に所定の間隔を形成するための帯状の作画シート保護
   部材の上部を、前記シャッターカーテンの裏面側の前記
   作画シートの左右両側上部相当箇所に連結する一方、少
   なくとも前記作画シートの両側下部からそれぞれ導出さ
   せたコイルスプリング付きの紐状体を、前記下部座板に
   設けた経路変曲用の部材を経由させて前記作画シート保
   護部材の下部にそれぞれ連結してあることを特徴とする
   作画シート併設のシャッター装置。