JPH0635012A - 波長分割型空間光スイッチ - Google Patents

波長分割型空間光スイッチ

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JPH0635012A
JPH0635012A JP19249392A JP19249392A JPH0635012A JP H0635012 A JPH0635012 A JP H0635012A JP 19249392 A JP19249392 A JP 19249392A JP 19249392 A JP19249392 A JP 19249392A JP H0635012 A JPH0635012 A JP H0635012A
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JP
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optical
wavelength
light
optical waveguide
wavelength conversion
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JP19249392A
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Hiroyuki Tsuda
裕之 津田
Takashi Kurokawa
隆志 黒川
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光信号を電気信号に変換することなく、波長
多重された光信号に対しても動作可能な損失の少ない波
長分割型空間光スイッチを提供する。 【構成】 波長分割型空間光スイッチは電気信号線SD
1〜SDnにより出射波長を制御したn個(n>1)の
波長変換素子WC1〜WCnを有し、その各々に光入力
手段Fにより光信号S1〜Snを送りその出射光SC1
〜SCnを光導波手段Fにより光合分波器Aの光結合器
CBに導いて光結合し、光波長分波器WDにおいて波長
に応じて光導波手段Fを介して分波され、出射光Sp1
〜Spmとして光出力ポートP1〜Pmから出射され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光信号の波長を制御する
ことで光出射導波路を選択する構成の波長分割型光空間
スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を図19に示す。ここで、S
1〜Snは光信号、OE1〜OEnは光電変換器、TL
1〜TLnは可変波長光源、SE1〜SEnは可変波長
光源を変調する電気信号線、SD1〜SDnは出射波長
を制御する電気信号線、CBは光結合器、Lはレンズ、
Fは光ファイバー、WDはグレーティングである。S1
〜Snにはチャネル1〜チャネルnが割り当てられてい
るが、TL1〜TLnの出力光はその波長をSD1〜S
Dnによって制御され、CBによって結合されLを介し
てWDに照射される。WDは波長によって回折光の伝搬
方向が異なるため波長に応じてP1〜Pnの出力ポート
から出射される。すなわち、可変波長光源の波長を制御
することで出力ポートを選択することが可能であり、波
長分割型空間光スイッチとして機能する。
【0003】しかしながら、従来の技術には次のような
問題点があった。
【0004】1.大容量の信号の伝送には光が媒体とし
て用いられており、従来の技術を用いるためには一度光
信号を電気信号に変換する必要があった。このため、光
電変換回路が必要となり装置が複雑、高価となった。ま
た、電気信号線は光信号線と比較して伝送容量が小さい
問題がある。
【0005】2.よりいっそうの大容量の信号を扱うた
めには、光信号を波長多重することが必要となるが、こ
の場合波長多重倍の光電変換回路が必要となり上記の問
題がさらに深刻なものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
背景の下になされたもので、光信号を電気信号に変換す
ることなく、波長多重された光信号に対しても動作可能
な損失の少ない波長分割型空間光スイッチを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明の波長分割型空間光スイッチは、n個(n
>1)の波長変換素子と、前記波長変換素子の各々への
光入力手段と、前記波長変換素子の各々に接続する第1
の光導波手段と、前記第1の光導波手段に接続しその中
の光を結合する光結合器と、前記光結合器に接続される
第2の光導波手段と、前記第2の光導波手段に接続され
る光波長分波器とから構成されることを特徴とする。
【0008】また、本発明の波長分割型空間光スイッチ
は、n個(n>1)の波長変換素子と、前記波長変換素
子の各々への光入力手段と、前記波長変換素子の各々に
接続される光波長分波器と、前記光波長分波器の各々か
ら分岐されるm′本(m′>1)の光導波手段と、前記
光波長分波器の各々からの光導波手段が接続されるm個
(m>1)の光波長合波器とから構成されることを特徴
とする。
【0009】また、本発明の波長分割型空間光スイッチ
は、n本(n>1)のv重(v>1)に波長多重された
光を導く入力光信号線と、前記入力光信号線に接続され
るn個の光波長分波器と、前記光波長分波器の各々から
のv本の光導波手段にそれぞれ接続される波長変換素子
と、前記波長変換素子からの光導波手段と、前記波長変
換素子からの光導波手段に接続されるn個の光波長合波
器と、前記光波長合波器に接続される光波長分波器と、
前記光波長分波器の各々から分岐されるm′本(m′>
1)の光導波手段と、前記光波長分波器の各々からの光
導波手段が接続されるm個(m>1)の光波長合波器と
から構成されることを特徴とする。
【0010】また、本発明の波長分割型空間光スイッチ
は、前記波長変換素子が分布反射型あるいは分布帰還型
共振器構造の光双安定レーザであることを特徴とする。
【0011】また、本発明の波長分割型空間光スイッチ
は、前記波長変換素子は分布反射型あるいは分布帰還型
の波長可変レーザ部と、前記レーザ部の発振光を導波す
る第1の光導波路と、外部入力光を導波する第2の光導
波路と、半導体光導波路中に光増幅部と可飽和吸収部を
交互に配置した光非線形増幅部と、外部入力光を分岐す
る光分岐部と、外部入力光を前記光分岐部に導波する第
3の光導波路と、分岐された外部入力光を前記光非線形
増幅部の前記可飽和吸収部に入射する前記可飽和吸収部
と交差する第4の光導波路と、導波路端面からの反射戻
り光を減らす低反射構造と、前記光非線形増幅部からの
出射光を外部光学系に結合するレンズ手段と、前記外部
光学系と前記光非線形増幅部との間に挿入される光アイ
ソレータとからなる波長変換素子であることを特徴とす
る。
【0012】また、本発明の大規模波長分割型空間光ス
イッチは、前記波長分割型空間光スイッチを多段にある
いは並列に接続したことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明の波長分割型空間光スイッチは共振器構
造として分布反射型,分布帰還型のいずれも使用でき
る。波長変換素子の可飽和吸収部への印加電圧を変化さ
せることにより可飽和吸収の強さを制御することができ
る。これにともなって、しきい特性や双安定性が得られ
る。光導波路への光注入強度を上げると可飽和吸収部の
吸収が少なくなり、ある値より大きくなると波長変換素
子は発振状態になり光出力は急激に増大する。その発振
波長は注入電流により制御可能である光結合器で各波長
成分の光はほぼ1/nに減衰する。結合された光は光波
長分波器に入り、光路長の異なるu本の導波路にほぼ等
分され異なる位相で結合される。このとき、波長に応じ
て収束位置が異なるため波長ごとにm本の出力光導波路
に出射される。
【0014】n個のチャンネルにそれぞれ変調された光
信号を流し、これを光導波手段,例えば光ファイバで波
長変換素子に入射する。波長変換素子からの出射波長を
電気信号線を介して制御する。波長変換された光信号を
波長号分波器の光結合器で結合し、波長分波器で波長分
波して光出力ポートから出力する。これにより、波長変
換素子の出射波長を制御することにより、光出力ポート
の選択が可能となり、n×mのノンブロッキングな波長
分割型空間光スイッチとして機能する。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を説
明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0016】図1は本発明の第1の実施例の概念図であ
る。ここで、WC1〜WCnは波長変換素子(n>
1)、S1〜Snは光信号、SD1〜SDnは出射波長
を制御する電気信号線、CBは光結合器、Fは光導波手
段、WDは光波長分波器、P1〜Pmは光出力ポート、
Sc1〜Scnはそれぞれ第1〜第n番目の波長変換素
子からの出射光、Sp1〜Spmは光波長分波器からの
分波された出射光である。Aは波長合分波器(光結合器
+光波長分波器)を示す。
【0017】次に、図2および図3に双安定レーザを用
いた波長変換素子の構造を示す。図3は図2の双安定レ
ーザの光軸に沿った断面図である。波長変換素子は半導
体基板101上に集積されているがそのk番目のものを
代表として図示する。ここで、102kは光導波路、1
03kは全反射ミラー構造、104kは低反射端面構
造、105kは双安定レーザの第1の分布反射部、10
6kは利得部、107kは可飽和吸収部、108kは位
相調整部、109kは第2の分布反射部、110kは上
部電極層、111kはp−InGaAsPコンタクト
層、112kはp−InPクラッド層、113kはIn
GaAsPガイド層、114kはInGaAs(70オ
ングストローム)/InP(30オングストローム)の
12周期からなるMQW活性層、115kは114kよ
りもバンドギャップの大きいMQW層、116kは11
4kよりもバンドギャップの大きいMQW層、117k
はInGaAsPガイド層、118kはn−InPクラ
ッド層、119kはn−InP基板、120kは下面電
極層、121kは電極分離溝、122kはグレーティン
グ構造である。
【0018】次に波長変換素子の動作について説明す
る。図4は波長変換素子の注入電流(利得部)−光出力
特性図である。ここで可飽和吸収部への印加電圧Vkを
Va>Vb>Vcと変化させると可飽和吸収の強さを制
御することができ、それにともなって、しきい特性や双
安定特性が得られる。可飽和吸収部への印加電圧をV
b、利得部への注入電流I2kをしきい電流よりわずか
に少ないIbとし、側方から可飽和吸収部に交差する光
入力導波路に光を注入する場合を考える。この時の光入
出力特性を図5に示す。導波路への光注入強度を上げる
と可飽和吸収部の吸収が少なくなり、ある値より大きく
なると波長変換素子は発振状態になり、光出力は急激に
増大する。この時の発振波長は第1の分布反射部への注
入電流I1k、位相調整領域への注入電流I3k、第2
の分布反射部への注入電流I4kにより制御することが
可能である。また、入力波長に関しては102kの入射
側、および出射側に低反射構造を設けることで光注入し
きい値強度の波長依存性を極力減らすことができる。ま
た、102kと双安定レーザの交差した部分よりも入射
側から離れた102kの部分を強い吸収領域とすること
でも同様の効果が得られる。すなわち、入射波長に独立
に出射波長を設定でき、光入射のあるときのみ波長変換
素子が発振状態に至り、強い光を出射することから波長
変換素子として機能することになる。ここでは共振器構
造として、分布反射型を用いたが分布帰還型でも同様の
効果が期待できることは言うまでもない。
【0019】次に図6に光結合器+光波長分波器の構成
を示す。これは図1においてAの部分に相当し、石英導
波路によって構成する。131−1〜131−nは入力
光導波路、132はスラブ導波路、133は光導波路、
134−1〜134−uは長さの異なる光導波路、13
5はスラブ導波路、136−1〜136−mは出力光導
波である。Sc1〜Scnの光は第1のスラブ導波路1
32によって結合される。この時、各々の波長成分の光
はほぼ1/nに不可避的に減衰する。この部分がCBで
ある。結合された光は光導波路133を介して第2のス
ラブ導波路132でu本の導波路にほぼ等分され134
−1〜134−uを通るときに異なる位相でもってスラ
ブ導波路135内で結合される。このとき、波長に応じ
て収束位置が異なるため波長ごとにm本の出力光導波路
136−1〜136−mに出射される。この部分が光波
長分波器WDである。WDは光の入射方向を逆転するこ
とで光波長合波器WBとしても機能する。この場合、光
結合器と異なり、一般的に合波損失はほとんど無い。
【0020】次に、図1に立ち帰って波長分割型空間光
スイッチの動作を説明する。S1〜Snにはチャネル1
〜チャネルnが割り当てられており、それぞれに変調さ
れた光信号が流れている。光信号の波長は波長変換素子
が1500nm〜1560nmまでほとんど平坦な感度
特性を持つのでこの範囲の波長であれば何であっても良
い。光信号はそれぞれ光導波手段に結合され、波長変換
素子WC1〜WCnに入射される。波長変換素子からの
出射波長は、SD1〜SDnの出射波長を制御する電気
信号線によって制御される。波長変換素子は0.01n
mの精度で出射波長を1540nmから1555nmま
で15nmの範囲で可変できる。また、波長合分波器は
1530nmから1550nmまで0.1nmの分解能
で1nm間隔の光の合分波が可能である。ここでは、チ
ャネル数nを11、mも11とし、1540nmから1
550nmまで1nm間隔で11のチャネルに対応させ
る。波長変換された光信号Sc1〜ScnはCBで結合
され、WDで波長分波されてSp1〜Spmとなり、P
1〜Pmの光出力ポートから出力される。すなわち波長
変換素子の出射波長を制御することで光出力ポートの選
択が可能となり、11×11のノンブロッキングな波長
分割型空間光スイッチとして機能する。動作速度は波長
変換素子の波長変換応答時間が100ps、出射波長制
御に要する時間が2nsであるので5GbpsのATM
セルを4nsのガードタイムで切り替えることが可能で
ある。
【0021】図7には本実施例の波長分割型空間光スイ
ッチの概略斜視図を示した。光結合器と光波長分波器の
構成された石英基板に波長変換素子のアレイWC1〜W
C4が一体化され入出力に光ファイバが取り付けられて
いる。紙面の制約から11×11の波長分割型空間光ス
イッチの全体を図示できないので、4×4の構成を示し
てある。
【0022】次に別の構造の波長変換素子を用いた実施
例を図8に示す。201は半導体基板、202kはk番
目の波長変換素子の分布反射型あるいは分布帰還型の可
変波長レーザ部、204kは光非線形増幅部、205k
は光導波路、206kはレンズ手段、207kは光アイ
ソレータ、208kは可変波長フィルタ、209kは低
反射構造、210kは全反射ミラー構造、211kは光
分岐器である。また、可変波長レーザ部、光導波路およ
び光非線形増幅部の半導体基板端面には低反射コーティ
ング手段が施されている。202kおよび205kは公
知の素子であるので、特にInP半導体基板を用いて波
長変換素子を構成した場合の、光非線形増幅部の詳細な
構成を図9、図10および図11に示す。図9におい
て、2Gk1〜2Gk(n+1)はK番目の波長変換素
子の光非線形増幅部の増幅部、2Ak1〜2Aknは可
飽和吸収部、2Ek1、2Ek3…2Ek(2n+1)
は増幅部電極、2Ek2、2Ek4…2Ek(2n)は
可飽和吸収部電極、201は半導体基板としてのInP
(n+ )基板であり、半導体基板上に増幅部と可飽和吸
収部からなる導波路が形成されているものである。最終
段の増幅部は前段に比べて長く設定されている。図10
は図9においてu番目の増幅部および可飽和吸収部の導
波路方向への断面図である。ここで、212kuはIn
GaAsPコンタクト層、213kuはInP(p)ク
ラッド層、214kuはInGaAs(70オングスト
ローム)/InP(30オングストローム)の30周期
からなるMQW活性層、215kuはInP(n)クラ
ッド層、216kuは下面電極、2Gkuはu番目の増
幅部、2Akuはu番目の可飽和吸収部、2Sk(2u
−1)は2u−1番目の電極分離溝である。また、u番
目の増幅部にはIkuの電流を流し、u番目の可飽和吸
収部には−Vkuの逆方向電圧を印加する。この構成で
は活性層にMQW構造を用いているため、逆方向電圧を
印加することでQCSE(Quantum Confi
ned Stark Effect)を起こして可飽和
領域の吸収を制御している。図11に光非線形増幅部と
u−1番目の分岐された入力光導波路との交差部分の拡
大図を示す。ここで、211k(u−1)はk番目の光
入力導波路の211kで分岐されたu−1番目の光導波
路で、2Gk(u−1)はk番目の波長変換素子の光非
線形増幅部のu−1番目の利得部、2Gkuはu番目の
利得部、2Ak(u−1)はu−1番目の可飽和吸収
部、2Sk(u−1)はu−1番目の電極分離溝であ
る。
【0023】次に、光非線形増幅素子の動作原理を図に
従って説明する。図12はu番目の増幅部および可飽和
吸収部での光入出力特性を図示したものである。ここ
で、増幅部には順方向に電流が流れており、ほぼ線形な
光増幅を行う。代表的な値として増幅率は300(1/
cm)程度であり、可飽和吸収部に入る前に光強度は1
00kW/cm2 程度まで増幅される。可飽和吸収部で
の吸収係数は1500(1/cm)程度であり、増幅部
での増幅を補償するために増幅部に対して約1/5の長
さである。可飽和吸収部では光強度が強いほど吸収係数
が小さくなるので図12に示したように非線形な入出力
特性を示すことになる。一般に可飽和吸収体は光強度が
20kW/cm2 以上ないと有効に働かず、可飽和吸収
部で光強度は急激に減少するので可飽和吸収部の長さは
10μm程度、よって、増幅部の長さは50μm程度
(最終段は利得飽和を起こすために500μm程度)で
ある。可飽和吸収部と増幅部の長さは増幅部での光入出
力が線形でかつ可飽和吸収部での光入出力が非線形であ
るための光強度に対する条件と、実効的な増幅率および
吸収係数は動作波長、材料、光導波路の閉じ込め係数で
変化するが、中間段では増幅と吸収が補償するような長
さの比の条件から求められる。図12に示したように一
段の増幅部と可飽和吸収部では十分な非線形性が得られ
ないのでこれが多段に配置される。図13は素子全体と
しての光入出力特性である。破線は最終段の増幅部が十
分に長さのない場合で、増幅が飽和せずリミッタ特性が
十分でない。最終段の増幅部を長くし増幅飽和を起こす
ことで良いしきい特性が得られることになる。
【0024】次に光非線形増幅部が波長変換機能を持つ
ことを説明する。この素子に波長λsでピーク強度がP
sである信号パルス列と波長λBで強度がPBで一定の
バイアス光を同時に入射することを考える。波長λBは
可変波長レーザ部で制御される。光強度は図13示した
ようにバイアス光と信号光が同時に素子に入射した場合
のみしきい値を越えるように設定する。あるいは光強度
に合わせて可飽和吸収部への印加電圧を制御しても良
い。図14に可飽和吸収部における吸収係数の変化を図
示する。この図から明らかなように、信号光とバイアス
光の波長が余り離れていない場合、信号光と制御光に対
する素子の応答はほぼ等しくなるので図13での議論が
可能であることかわかる。図15は本素子の光出力の波
長スペクトルである。信号光の波長およびバイアス光の
波長における光出力の強度比は近似的に入射光における
信号光パルスのピーク強度とバイアス光強度の比に等し
くなる。図16に光出力の波長λBでの時間波形を示
す。入射した信号パルスは素子の高速応答性のため波形
再生され、かつ波長がλBに変換されて出力される。す
なわち、光パルス列の波長変換が行われる。
【0025】第1の実施例に挙げた二種の波長変換素子
においては増幅部および可飽和吸収部の活性層には同じ
MQW層を用いているが、異なるバンドギャップを持つ
MQW層を用いても良いことは言うまでもない。また、
MQW構造にワニエ励起子を生じるMQW層としてバリ
ア層を薄くしたMQW活性層を用いることもできる。こ
の場合には逆方向電圧を可飽和吸収体に印加した場合に
バンド端が短波側にシフトする。そのため、動作波長を
可飽和吸収部の吸収スペクトルのバンド端近傍の波長と
して、可飽和吸収部の非線形性を大きくした上で、その
波長での増幅部の利得を大きく設定することが容易とな
る。もちろん、バルク活性層あるいは歪量子井戸活性層
を用いることができるのは言うまでもない。また、Ga
As系半導体材料でも同様の構成ができることは言うま
でもない。また、本実施例においては導波路の構成法を
特に示していないが、リッジ型導波路、埋め込み構造導
波路等何れの構成でも本発明を実現できることは言うま
でもない。
【0026】本発明の第2の実施例を図17に示す。こ
こで、WC1〜WEnは波長変換素子(n>1)、S1
〜Snは光信号、SD1〜SDnは出射波長を制御する
電気信号線、Fは光導波手段、WD1〜WDnは光波長
分波器、WB1〜WBmは光波長合波器、P1〜Pmは
光出力ポートである。WD1〜WDnでは波長変換素子
からの出射光はm′本の導波路に波長に応じて分配さ
れ、WB1〜WBmは各々の波長分波器から異なる波長
の光が入射するように接続されている。このため部品の
個数は増えるが光の信号線が増えた場合に光の結合損失
を減らせる利点がある。このように、第1の実施例と異
なる点は光結合器を使用せず、光波長分波器と合波器で
波長分割型空間光スイッチを構成した点である。
【0027】本発明の第3の実施例を図18に示す。こ
こで、WDA1〜WDAnは光波長分波器、WC11〜
WCnvは波長変換素子(n>1、v>1)、S1〜S
nはv重に波長多重された光信号、SD11〜SDnv
は出射波長を制御する電気信号線、Fは光導波手段、W
BA1〜WBAnは光波長合波器、WDB1〜WDBn
は光波長分波器、WBB1〜WBBmは光波長合波器、
P1〜Pmは光出力ポートである。本実施例ではv重に
波長多重された光信号は光波長分波器で分離される。そ
の後、波長変換素子で出射したい出力ポートに合わせて
波長を制御することで波長分割型空間光スイッチとして
機能する。m′>mとすれば同じ光入力信号線にある波
長の異なる信号を同じ光出力ポートに出力することも可
能である。
【0028】本発明の第4の実施例として上記の実施例
の波長分割型空間光スイッチを多段にあるいは並列に接
続したものがある。たとえば、第3の実施例において
m′>mとするのが困難な場合、同じ光入力信号線にあ
る波長の異なる信号を同じ光出力ポートに出力すること
は困難であるが、多段にあるいは並列に構成することで
可能となるなど、構成が冗長になる利点を持つ。
【0029】本発明の構成の要点は光信号の波長を波長
変換素子で制御し、光波長分波器で信号の伝搬経路を決
定することにあり、同様の概念にもとづく同様の発明は
本発明に包含されるものである。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、光
信号の伝搬経路を光電変換すること無く制御することが
可能となる。さらに、波長変換素子は光増幅機能や光波
形再生機能を持つことから、大規模の空間スイッチを構
成することが可能となる。また、光波長合波器を光信号
の合流時に用いることでスイッチの損失を減らすことが
可能である。そのうえ、波長多重された光信号に対して
も機能するスイッチ構成をとることも可能である。ま
た、小型にモジュール化できるため、取扱も容易となる
とともに、他の装置への組み込みも可能となるなどの利
点があり、高速の光信号処理装置、光信号伝送装置等に
使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の概念図である。
【図2】双安定レーザを用いた波長変換素子の構造図で
ある。
【図3】双安定レーザを用いた波長変換素子の構造図で
ある。
【図4】波長変換素子の注入電流(利得部)−光出力特
性図である。
【図5】波長変換素子の光入出力特性図である。
【図6】光結合器+光波長分波器の構成図である。
【図7】第1の実施例の概略斜視図である。
【図8】別の構造の波長変換素子を用いた実施例であ
る。
【図9】光非線形増幅部の詳細な構成図である。
【図10】光非線形増幅部の詳細な構成図である。
【図11】光非線形増幅部の詳細な構成図である。
【図12】u番目の増幅部および可飽和吸収部での光入
出力特性図である。
【図13】素子全体としての光入出力特性図である。
【図14】可飽和吸収部における吸収係数の変化の図で
ある。
【図15】本素子の光出力の波長スペクトル図である。
【図16】光出力の波長λBでの時間波形図である。
【図17】本発明の第2の実施例の構成図である。
【図18】本発明の第3の実施例の構成図である。
【図19】従来の波長分割型空間光スイッチの説明図で
ある。
【符号の説明】
WC1〜WCn 波長変換素子(n>1) S1〜Sn 光信号 OE1〜OEn 光電変換器 SD1〜SDn 電気信号線 CB 光結合器 F 光導波手段 WD 光波長分波器 A 波長合分波器 P1〜Pm 光出力ポート Sc1〜Scn 波長変換素子からの出射光 Sp1〜Spm 光波長分波器からの出射光 101 半導体基板 102k 光導波路 103k 全反射ミラー構造 104k 反射端面構造 105k 双安定レーザの第1の分布反射部 106k 利得部 107k 可飽和吸収部 108k 位相調整部 109k 第2の分布反射部 110k 上部電極層 111k p−InGaAsPコンタクト層 112k p−InPクラッド層 113k InGaAsPガイド層 114k MQW活性層 115k MQW層 116k MQW層 117k InGaAsPガイド層 118k n−InPクラッド層 119k n−InP基板 120k 下面電極層 121k 電極分離溝 122k グレーティング構造 131−1〜131n 入力光導波路 132 スラブ導波路 133 光導波路 134−1〜134−u 長さの異なる光導波路 135 スラブ導波路 136−1〜136−m 出力光導波 P1〜Pm 光出力ポート 201 半導体基板(InP(n+ )基板) 202k 可変波長レーザ部 204k 光非線形増幅部 205k 光導波路 206k レンズ手段 207k 光アイソレータ 208k 可変波長フィルタ 209k 低反射構造 210k 全反射ミラー構造 211k 光分離器 12Gk1〜2Gk(n+1) k番目の波長変換素子
の増幅部 2ak1〜2Akn 可飽和吸収部 2Ek1,2Ek3…2Ek(2n+1) 増幅部電極 2Ek2,2Ek4…2Ek(2n) 可飽和吸収部電
極 212ku InGaAsPコンタクト層 213ku InP(p)クラッド層 214ku MQW活性層 215ku InP(n)クラッド層 216ku 下面電極 2Gku u番目の増幅部 21Aku u番目の可飽和吸収部 2Sk(2u−1) 2u−1番目の電極分離溝 WD1〜WDn 光波長分波器 WB1〜WBm 光波長合波器 WDA1〜WDAn 光波長分波器 WC11〜WCnv 波長変換素子 S1〜Sn v重に波長多重された光信号 SD11〜Dnv 電気信号線 WBA1〜WBAn 光波長合波器 WDB1〜WDBn 光波長分波器 WBB1〜WBBm 光波長合波器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n個(n>1)の波長変換素子と、 前記波長変換素子の各々への光入力手段と、 前記波長変換素子の各々に接続する第1の光導波手段
    と、 前記第1の光導波手段に接続しその中の光を結合する光
    結合器と、 前記光結合器に接続される第2の光導波手段と、 前記第2の光導波手段に接続される光波長分波器とから
    構成されることを特徴とする波長分割型空間光スイッ
    チ。
  2. 【請求項2】 n個(n>1)の波長変換素子と、 前記波長変換素子の各々への光入力手段と、 前記波長変換素子の各々に接続される光波長分波器と、 前記光波長分波器の各々から分岐されるm′本(m′>
    1)の光導波手段と、 前記光波長分波器の各々からの光導波手段が接続される
    m個(m>1)の光波長合波器とから構成されることを
    特徴とする波長分割型空間光スイッチ。
  3. 【請求項3】 n本(n>1)のv重(v>1)に波長
    多重された光を導く入力光信号線と、 前記入力光信号線に接続されるn個の光波長分波器と、 前記光波長分波器の各々からのv本の光導波手段にそれ
    ぞれ接続される波長変換素子と、 前記波長変換素子からの光導波手段と、 前記波長変換素子からの光導波手段に接続されるn個の
    光波長合波器と、 前記光波長合波器に接続される光波長分波器と、 前記光波長分波器の各々から分岐されるm′本(m′>
    1)の光導波手段と、 前記光波長分波器の各々からの光導波手段が接続される
    m個(m>1)の光波長合波器とから構成されることを
    特徴とする波長分割型空間光スイッチ。
  4. 【請求項4】 前記波長変換素子は分布反射型あるいは
    分布帰還型共振器構造の光双安定レーザであることを特
    徴とする請求項1,2または3に記載の波長分割型空間
    光スイッチ。
  5. 【請求項5】 前記波長変換素子は分布反射型あるいは
    分布帰還型の波長可変レーザ部と、 前記レーザ部の発振光を導波する第1の光導波路と、 外部入力光を導波する第2の光導波路と、 半導体光導波路中に光増幅部と可飽和吸収部を交互に配
    置した光非線形増幅部と、 外部入力光を分岐する光分岐部と、 外部入力光を前記光分岐部に導波する第3の光導波路
    と、 分岐された外部入力光を前記光非線形増幅部の前記可飽
    和吸収部に入射する前記可飽和吸収部と交差する第4の
    光導波路と、 導波路端面からの反射戻り光を減らす低反射構造と、 前記光非線形増幅部からの出射光を外部光学系に結合す
    るレンズ手段と、 前記外部光学系と前記光非線形増幅部との間に挿入され
    る光アイソレータとからなる波長変換素子であることを
    特徴とする請求項1,2または3に記載の波長分割型空
    間光スイッチ。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4または5に記載の
    前記波長分割型空間光スイッチを多段にあるいは並列に
    接続したことを特徴とする大規模波長分割型空間光スイ
    ッチ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007011106A (ja) * 2005-07-01 2007-01-18 Yokogawa Electric Corp 光波形整形素子
WO2013054313A3 (en) * 2011-10-12 2013-07-04 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Optical signal conversion method and apparatus

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