JPH063500B2 - コンタクトレンズの消毒剤、消毒方法およびそれに使用する殺菌剤 - Google Patents

コンタクトレンズの消毒剤、消毒方法およびそれに使用する殺菌剤

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JPH063500B2
JPH063500B2 JP59196925A JP19692584A JPH063500B2 JP H063500 B2 JPH063500 B2 JP H063500B2 JP 59196925 A JP59196925 A JP 59196925A JP 19692584 A JP19692584 A JP 19692584A JP H063500 B2 JPH063500 B2 JP H063500B2
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peroxidase
disinfectant
contact lenses
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、熱をかけることなくコンタクトレンズを消毒
する方法に関するものである。
FDA(Food and Drug Administration)の規定によれば、
コンタクトレンズは目から取り外した際および目に装填
する前に減菌することを必要とする。ソフトコンタクト
レンズは、2つの方法のいずれか1つで減菌することが
できる。第1の方法は、熱減菌を使用することである。
この熱減菌は、ソフトコンタクトレンズを塩水溶液中で
約45〜50分間煮沸することからなっている。次い
で、装着者はレンズを塩水環境から直接に取り出し、コ
ンタクトレンズを目に入れることができる。
冷減菌は、コンタクトレンズを化学的に減菌する消毒剤
を含有する減菌溶液を用いて熱の不存在下にコンタクト
レンズを消毒することからなっている。コンタクトレン
ズ用の市販の冷減菌系は、2つの主たる問題を有する。
すなわち、これらは或る程度目を刺激し、一般に約4時
間という不便な操作時間を必要とする。冷減菌系の今日
最も一般的に使用される活性成分はクロルヘキシジンで
あって、これは毒性であると共にレンズをゆすいだ後で
さえ使用者に対し刺戟性である。
熱の不存在下でコンタクトレンズを消毒する方法;クロ
ルヘキシジンの使用に基づかない方法;目に対し毒性で
なくまた刺戟性でもない方法;単一溶液を使用する方
法;迅速に操作しうる方法;使用簡単な方法;運搬容易
な方法;貯蔵容易な方法が当業界において長い間探求さ
れている。
従来、コンタクトレンズを消毒するには過酸化水素が使
用されているが、目に刺戟を与えるため殆んど見捨られ
ている。この刺戟は、極めて低い効果を得るにも必要と
される高濃度の過酸化水素に起因する。従来の系におい
ては殺菌性成分が過酸化水素から発生する速度が遅いた
め、高濃度の過酸化水素を必要とすると思われる。本発
明は、水性キャリヤ中に溶解させた場合、殺菌性遊離基
を調節時間にわたり連続的に発生するような粉末もしく
はピルの形態で供給される触媒系を使用する。
本発明は非反応性の乾燥状態における過酸化物に基づく
系を使用し、これは使用者により活性化されて制限され
た期間の細菌学的活性を有する殺菌性を生成し、この殺
菌剤は過酸化物とペルオキシダーゼとこのペルオキシダ
ーゼに対する基質として作用しうるドナー分子源とを含
む。本発明は、過酸化水素のみの使用に対する最も明ら
かな欠点を克服する。何故なら、この系における過酸化
物の濃度は従来技術で使用される濃度よりも数倍も低
く、かつ殺菌剤成分の所定割合を注意深く配合すれば、
レンズに対し最初に露出される過酸化物の相当割合が消
費されるからである。本発明は、目に刺戟を与えないよ
うな低濃度の過酸化物をもたらし、したがって理想的は
臨床製品の基準を満たす。
過酸化水素は、殺菌性であることが知られた遊離基に解
離する。過酸化水素の非触媒分離から遊離基物質が生成
する速度は、この化合物の殺菌効果を決定する。酵素触
媒反応は、対応する非酵素反応よりも1010×1015倍急速
に起こることが知られている。本発明によれば酵素、す
なわちペルオキシダーゼが、遊離基を発生するための過
酸化水素の還元を触媒するために選択される。この酵素
ペルオキシダーゼは、ドナー分子からアクセプタ分子
(すなわち過酸化物)への電子の移動を触媒する。電子
がドナー分子から除去されると、この分子は殺菌性遊離
基に変化する。この過程で発生する遊離基は、過酸化物
の非酵素解離から遊離基が発生する速度に比較して極め
て高速度で発生する。本発明は数時間でなく数分間でコ
ンタクトレンズを減菌することができ、したがって理想
的な臨床製品の基準をより良好に満たす。
ペルオキシダーゼは、過酸化水素を還元するよう作用す
る酵素として分類される。種々異なる種類のペルオキシ
ダーゼは、それらの使用するドナー分子により区別され
る。ドナー分子は電子を供給し、これをペルオキシダー
ゼが過酸化水素へ供与する。本発明によれば、ペルオキ
シダーゼを使用して遊離基をドナー分子から発生させ
る。これらドナー分子は、この種の遊離基を発生する際
にペルオキシダーゼ用の基質として作用することができ
ねばならない。本発明の方法は、制限された期間の細菌
学的活性を有する殺菌剤からの遊離基物質の発生を制御
する実用的手段を教示する。本発明の細菌材は、3種の
成分、すなわち過酸化物とペルオキシダーゼとドナー分
子源とを混合して作成される。この殺菌剤は、殺菌在中
の各成分の濃度レベルに応じて所定時間にわたり遊離基
を連続的に発生する。
遊離基発生の持続時間および発生する遊離基の量は、こ
の系を構成する3種の成分の慎重な配合により調節する
ことができる。過酸化水素の酵素的還元が持続する間遊
離基が発生する。発生されつつある遊離基は極めて短い
寿命を有し、細菌学的活性の時間を延ばすにはそのよう
に連続的に発生させねばならない。反応の持続時間、し
たがってその殺菌性寿命は配合を介して調節される。他
の因子を一定にすれば反応が長い程殺菌性効果が大とな
る。
本発明の方法はどのように殺菌剤を非反応性状態に維持
するか;コンタクトレンズ減菌が望ましい時点でどのよ
うに殺菌剤を活性させるか;および遊離基の発生を所定
時間にわたりどのように調節して目に刺戟を与えないよ
うに各成分の最小濃度を使用してレンズの減菌を完結す
るかを教示している。本発明の成功に肝要なことは、本
発明の使用を患者が応諾するかどうかである。数種の成
分を異なる濃度で混合することを必要とする製品を提供
するとすれば、この種の製品に対する患者の応諾および
したがって成功は低いものと産業上見られる。したがっ
て本発明に対し極めて重要なことは、この殺菌剤を非反
応性状態で貯蔵し、好ましくは液体キャリヤ中で殺菌剤
を活性化させると同時にコンタクトレンズに対し浸漬す
るよう粉末若しくはピルの形態で貯蔵することである。
粉末もしくはピル組成物において固有のことは、貯蔵の
容易さ、使用の容易さおよび理想的な臨床製品に合致す
る高レベルの患者の応諾である。事実、コンタクトレン
ズの減菌につきこの方法の可能性を与えるのは粉末若し
くはピルにおけるこれら成分の配合によるのみである。
殺菌剤におけるドナー分子の濃度および性質は、ドナー
分子またはその生成物が反応して殺菌剤に変化するので
特に重要である。ドナー分子と酵素との反応は反応機構
において最も遅い過程である。多くのドナー分子は、単
独でまたは他のドナー分子と組み合せて使用することが
できる。或る種のドナー分子が選択された種類のペルオ
キシダーゼに対し好適な基質であり、この群のドナー分
子においてドナー分子が有する細菌またはその細菌活性
を高め或いは減少させる包囲マトリックスとの相互反応
により或る種のものが好適である。或る種のドナー分子
は限られた数の細菌菌株に対してのみ有効であるが他の
ドナー分子はより幅広い殺菌効果を示す。或るドナー分
子は比較的低濃度の細菌に対してのみ有効であるが他の
ドナー分子は広範囲の細菌濃度にわたり殺菌作用を示
す。
本発明は容易に入手でき、安価でありかつ粉末もしくは
ピルの形態に容易に配合され、したがって理想的な臨床
製品の基準を満たすような過酸化物、ペルオキシダーゼ
およびドナー分子を使用する。本発明により、コンタク
トレンズを消毒するのに殺菌剤が無効となるようなドナ
ー分子の最小濃度レベルが存在しすなわち遊離基発生の
速度が低過ぎて顕著な殺菌効果を示さないような最小濃
度レベルが存在することが見出された。ドナー分子に対
するこの最小レベルは少なくとも1.0×10-7モルであ
る。顕著な殺菌効果を達成するためのペルオキシダーゼ
の最小量は1ml当り0.38×10-3単位であり、過酸化水素
に関し顕著な殺菌効果を得るための最小濃度レベルは1
×10-7モルである。
効果的殺菌作用のための最小濃度レベルは本発明にとっ
て極めて重要である。何故なら、減菌溶液の臨界的局面
は或る種の使用者に与える刺戟であるからである。過酸
化水素は、目の刺戟となることが認められている。反応
が生じた後にレンズに露呈され続ける過酸化物のレベル
は、3種の成分の社期濃度および反応が生ずる時間を慎
重に選択して調節することができる。3種の成分の濃度
を、殆んどの過酸化物を反応の際に消費されるようコン
タクトレンズに最初に露出させて、刺戟の可能性を減少
させるよう慎重に選択することが本発明にとって重要で
ある。すなわち、これらの成分は、過酸化水素の濃度が
遊離基発生の持続時間および速度を制限するように配合
することが出来る。このようにしてコンタクトレンズに
最初に露出される濃度にわたり、過酸化水素の初期濃度
を劇的に消費することができる。この種の配合は、ドナ
ー分子の濃度をその濃度が遊離基の発生速度に影響を与
えないよう充分大きくしかつペルオキシダーゼの濃度を
熱力学的に還元されうる過酸化水素の全部を還元するよ
う充分大きくするべく確保することにより達成される。
この配合はドナー分子に関しほぼ1次であり、主として
ペルオキシダーゼの濃度により熱力学的平衡に達する。
一般に、コンタクトレンズの冷減菌に使用する製剤は、
酵素につき1ml当り約0.1mg、ドナー分子につき1ml当
り0.1mgおよび過酸化水素につき0.03%という最高濃度
レベルを有すべきである。
本発明はコンタクトレンズを消毒するための殺菌性遊離
基を調節時間にわたり発生する実用的方法を提供し、こ
の方法はコンタクトレンズをペルオキシダーゼと過酸化
物と選定ドナー分子とを含有する混合物に露出させて行
なわれ、これら成分は前記調節時間内で過酸化物の相当
割合を消費させるべく所定濃度レベル内で配合される。
本発明の3種の成分は、非反応性状態で、好ましくは粉
末若しくはピルとして使用するまで貯蔵せねばならな
い。
本発明によれば、殺菌性遊離基は、ペルオキシダーゼと
過酸化物と選定ドナー分子との組み合わせを溶液中に溶
解して迅速かつ効率的に殺菌性遊離基を生成させること
により有効濃度で連続的に発生される。本発明の成分
は、これら成分を粉末形態もしくはピル形態で貯蔵する
ことにより非反応性状態に維持され、かつ適当な液体キ
ャリヤに混合して活性化させて使用される。この物質の
成分は、たとえば粉末混合物もしくはピルの保存寿命を
延ばすために使用しうるシリカゲルのような一般的乾燥
剤に対し適合性である。或いは、気密シールされた容器
を使用して、長期製品寿命が必要とされる場合に保存寿
命を延ばすことができる。
本発明の方法により殺菌剤として使用される物質は選定
されたドナー分子の過酸化物とペルオキシダーゼとの組
み合せであって、たとえばピル若しくは粉末形態のよう
な非反応性状態で貯蔵され、好ましくはたとえば緩衝さ
れた通常の塩水溶液のような適する液体キャリヤにおい
て混合することにより、前記ペルオキシダーゼでの触媒
反応を生ぜしめるべく混合すると、活性化されて殺菌性
遊離基を発生する。
これらの成分は、凍結歓送されたペルオキシダーゼと固
体のドナー分子と適当な過酸化物の塩もしくはその他の
乾燥原料とを用いて非反応性にすることができる。溶解
の際ペルオキシダーゼにより使用しうる過酸化物を遊離
するような任意の固体のものを、過酸化物源として使用
することができる。過硼酸ナトリウムまたは過酸化水素
の有機誘導体を、本発明における過酸化物源として使用
することができる。このようにして、全成分を混合しか
つたとえば中庸に緩衝された塩水溶液のような液体キャ
リヤ中に導入して活性化させることができる。この系
は、目に対し感覚上適合しうる配合均を可能にするよう
な種々多くの種類の緩衝剤に適している。
本発明の系は、アクセプタ分子として過酸化物を使用す
る。酵素ペルオキシダーゼは、ドナー分子からアウセプ
タ分子への電子の移動を触媒する。電子がドナー分子か
ら除去されると、この分子は殺菌性遊離基に変化する。
酵素メカニズムのサイクルは次のように示される: 酵素+HOOR(過酸化物)−−−OR+H2O 酵素1 OR+AH1−−−−−−−−OR+A・ 酵素1 酵素2 OR+AH2−−−−−−−−酵素+A・+HOR 酵素2 〔上記式中、R=水素、メチルもしくはエチルであり、 AH=ドナー分子であり、 A・=ドナー分子の遊離基である〕 この化学系により発生する遊離基の生成速度の増大は、
過酸化水素の非触媒分解に比較して、殺菌性遊離基の高
濃度を迅速に発生させうる。
本発明における過酸化物とは、適当なキャリヤ中に溶解
した際過酸化水素を生成する物質である。過酸化ナトリ
ウム,過硼酸ナトリウムなどの過酸化水素の塩を本発明
における過酸化物源として容易に使用することができ
る。何故なら、これら化合物は溶解すると過酸化水素を
生成するからである。過酸化メチルおよび過酸化エチル
のような他の過酸化物も、ペルオキシダーゼ用の基質と
して使用することができる。過酸化水素以外の過酸化物
を発生する化合物を使用すると、コストが増大しかつ付
加点利点が得られない。ドナー分子を酸化するためにペ
ルオキシダーゼが使用しうる過酸化物を発生する化合物
は全て本発明の許容しうる過酸化物源である。これは当
業者に認められた多数の化合物を包含する。同様に、有
機分子1,1−ビス−1,4−ジアザビシクロル〔2.
2.2〕オクタンペルオキシドも水中に溶解すると過酸
化水素を発生し、本発明における許容しうる過酸化物源
である。ドナー分子の酵素反応につきペルオキシダーゼ
が使用しうる過酸化物を水中への溶解に際し発生する化
合物または化合物の組み合せもすべて本発明の適する過
酸化物源である好適ペルオキシダーゼはIUBおよびIUPA
C、エンザイム・コミッション・アイデンティフィケー
ションNo.E・C.1.11.1,7により固定される西洋ワサビペ
ルオキシダーゼである。ペルオキシダーゼは、広範な種
類の原料から得ることができる。ミエロペルオキシダー
ゼおよびラクトペルオキシダーゼのような他のペルオキ
シダーゼも使用しうるが、コストが増大しかつ最終生成
物の安定性が低下する。市販のペルオキシダーゼは、乾
燥粉末として凍結乾燥させる。アクセプタ分子として過
酸化物を使用するペルオキシダーゼは、本発明の細菌性
組成物に対し、過酸化水素のみを使用するものに比べ、
所定領域における選択細菌を死滅させうる活性成分を発
生するという顕著な触媒上の利点を付与する。高濃度の
遊離基が短時間に生成され、たとえば遊離基を生成する
反応速度はほぼ瞬間的に起こり、この系の3種の臨界成
分のそれぞれにおける初期濃度と反応が起こる環境とに
より決定される速度で進行する。ペルオキシダーゼは種
々の原料から生じ、ペルオキシダーゼを販売している多
くの会社により使用されているような任意周知の従来法
により単離することができる。西洋ワサビペルオキシダ
ーゼの使用が好適である。何故なら、これは容易に単離
され、低価格であり、かつ極めて高い安定性を有し、長
い寿命を与えるからである。しかしながら、他のペルオ
キシダーゼ源も使用することができる。ペルオキシダー
ゼは、これを単離する原料に応じて種々の基質特性を有
する。過酸化水素が、しばしば最も有効な基質である。
ドナー分子は、殺菌性遊離基の生成に作用しうる分子で
ある。多くのドナー分子を、当業者に認められるように
使用することができる。ペルオキシダーゼの一般的基質
特性はフェノール,アリールおよびアルキルアミン,ヒ
ドロキノン,NADH,NADPH,パルミテート,ハロゲン,
グルタチオン,フェロチトクロームCおよびアスコルビ
ン酸塩をドナー分子として使用しうるようなものであ
る。この広範な酵素基質特性は、単一のドナー分子また
は数種の組み合せの幅広い選択を可能にする。異なるド
ナー分子は異なる能力および反応性を有し、ドナー分子
の慎重な選択により、或いは特定細菌に対する高度の選
択性を有する特定ドナー分子を設計することにより任意
所定の製剤に殺菌選択性を付与するよう選択することが
できる。或る種のドナー分子は高レベルの細菌(1000000
/ml)において有効であるのに対し、他のものは極めて低
レベルの細菌においてのみ有効であることが観察され
た。次の化合物がドナー分子として有効であることが判
明した:アスコルビン酸,チロシン,フェニルアラニ
ン,安息香酸,サリチル酸,ヒドロキノン,デヒドロフ
ェニルアラニン,バニランおよび沃化ナトリウムのよう
な沃素塩。
典型的には、装着してから1日後のコンタクトレンズに
おける細菌の個数は20〜100個である。規定された
用件は、典型的な使用日数の後にコンタクトレンズに見
出されるよりも極めて多い細菌を含有する環境に対し殺
菌性である本発明の組成物を必要とする。多数の細菌を
死滅させるべく本発明を構成する場合、他のものよりも
有効である或る種のドナー分子が存在する。活性カタラ
ーゼを分泌を高濃度の細菌を環境が含むならば、この酵
素は組成物中に存在する過酸化水素と競合して本発明の
効果を減殺する。したがって、本発明を適切に構成する
には、減菌すべきコンタクトレンズの環境につき情報を
知ることが必要がある。
すべての製剤を貯蔵するための必要条件は、この系の3
成分ドナー分子,アクセプタ分子およびペルオキシダー
ゼ)のすべてを触媒過程が生じうるような条件下で混合
しないことである。すなわち、使用直前に反応が開始さ
れるまでこの系の成分を消費がこれら成分の貯蔵によっ
て生じないことを絶対必要とする。もしこれら成分が使
用前に反応させられると、このような条件下におけるこ
れら成分の組み合せは酵素基質分子の沈澱をもたらし、
したがって製剤の効果を低下させる。触媒反応が起らな
いようにするこの系の成分(ドナー分子,アクセプタ分
子またはペルオキシダーゼ)の任意の組み合せが使用前
の貯蔵に許容できる。すなわち、これら3種の成分のい
ずれか1種を他の2種から投与前に分離するのが実用的
であれば、これは系の一体性を保持する目的に役立つ。
或いは、この系の2種の成分を任意の組み合せで含有す
る2つの別々の混合物を作成して、これら2種の混合物
を使用前に組み合せることもできる。本発明は、本発明
の3種の成分を乾燥状態で組み合せることによりこれを
達成する。
本発明は、1ミリモル〜1μモルの範囲の過酸化物、好
ましくは過酸化水素の濃度を使用することができ、好適
濃度範囲は0.1ミリモル〜0.001ミリモルである。本発明
は100ミリモル〜10μモルの範囲のドナー分子濃度
を使用することができ、好適範囲は35μモル〜10ミ
リモルである。本発明は0.00001mg/ml〜1mg/mlの西洋ワ
サビペルオキシダーゼの濃度範囲を使用することがで
き、好適範囲は0.5〜0.01mg/mlである。
実施例 第1実施例 4人の患者はそれぞれ0.09mgの過酸化ナトリウムと20
mgのNaClと0.12mgのL−チロシンと5単位のHRPとを含
有する小壜を使用した。コンタクトレンズを減菌するた
め、患者はそのコンタクトレンズをこれら成分を含有し
10mlの蒸留水を追加した小壜に入れた。内容物を静か
に混合し、かつコンタクトレンズに3〜5分間露出させ
た。次いで、レンズを小壜から取り出し、蒸留水でゆす
いだ。この実験において、いずれの患者に対しても臨床
的不快感または危険が生じなかった。
第2実施例 コンタクトレンズを0.09mgの過酸化ナトリウムと20mg
のNaClと0.12mgのL−チロシンと5単位のHRPとを含有
する通常の塩水10mlに10〜15分間の数回の減菌サイク
ルにわたり室温で露出した。レンズに対する劣化作用が
存在するかどうかを決定するため電子顕微鏡写真を撮り
このレンズの表面形態を市販のクロルヘキシジン法で塩
水中にて患者が減菌したレンズと比較した。重合体構造
の点でこれら2種の間には差がなかった。
第3実施例 装着日数の後、ウエスリー-ジェンセンのジュラーソフ
ト・レンズを4個の等しい部分に分割した。1つの部分
は直接5%羊血液寒天に塗抹した。1つの部分は5×10
-5モルの過酸化物に5分間浸漬し、次いで塗抹した。1
つの部分は標準ボッシュ・アンド・ロンブの熱減菌器に
より減菌し、次いで塗抹した。さらに1つの部分は5×
10-5モルの過酸化物、1×10-4モルのチロシンおよび2.
5×10-6モルのHRP(すべての成分は0.010モルの燐酸ナ
トリウム、0.15モルのNaCl中に溶解し、pH6.8である)
にて5分間処理し、次いで塗抹した。全てのレンズ部分
は、ボッシュ・アンド・ロンブの熱減菌器以外は室温に
て減菌した。塗抹プレートを、37℃にて5日間増殖さ
せ、次いでカウントした。増殖を示さなかったプレート
は熱減菌したコンタクトレンズおよび本発明により減菌
したコンタクトレンズのみであった。
第4実施例 コンタクトレンズをエス・アウレウスの純粋培養物で汚
染させ、0.09mgの過酸化ナトリウムと20mgのNaClと0.
12mgのL−チロシンと5単位のHRPを含有するノルマル
塩水10mlに室温で5分間露出し、次いで上記手順によ
り塗抹した。増殖は観察されなかった。
第5実施例 緩衝液、すなわちpH7.0かつ0.10モルの燐酸ナトリウム
1.0mlを2本の10×75mm試験管にピペットで採取した。
ループを火炎殺菌して前記2本の試験管の一方における
緩衝液に挿入し、スタフィロッカス・アウレウスの菌体
コロニーを純粋スラントから取り出し、そしてこれら2
本の試験管の一方における液体中に接種した。この試験
管を振とうして菌体を均一に懸濁させ、次いで臨床遠心
分離器に入れて3〜4000rpmにて遠心分離した。
1.0ミリモルの沃化カリウム70μlを、使用する試験
管のそれぞれにピペットで採取した。0.10モルの燐酸ナ
トリウム(pH7.0)70μlを、使用する試験管のそれ
ぞれにピペットで採取した。スタフィロコッカス菌を含
有する遠心分離器を停止し、上澄液を注ぎ出し、スタフ
ィロコッカス菌体を燐酸塩談緩衝1.0mlに再懸濁させ、
そして遠心分離器で再び3〜4000rpmにて遠心分離
した。
1.0ミリモルの過酸化水素を10倍のファクタにより1
00ナノモルの濃度まで順次に希釈した。これら一連の
過酸化水素希釈物の20μlを70μlの燐酸緩衝液と
沃化カリウムとの両者を含有する個々の試験管に加え
た。スタフィロコッカス菌体を含有する遠心分離器を停
止しかつ上澄液を注ぎ出した。スタフィロコッカス菌体
を燐酸塩緩衝液1.0mlに再懸濁し、そして遠心分離器に
て再び3〜4000rpmにて遠心分離した。
西洋ワサビペルオキシダーゼを秤量し、かつ燐酸塩緩衝
液に1ml当り0.5mgの濃度まで溶解させた。遠心分離器
を停止し、かつスタフィロコッカス菌体を含有する試験
管の上澄液を注ぎ出した。これら菌体を1.0mlの燐酸塩
緩衝液に懸濁させ、そしてその光学密度をギルフォード
分光光度計にて600nmで測定した。光学密度を記録
し、そして菌体懸濁物を光学密度が0.5ODとなるまで希
釈した。これを行なった後、20μlのこの菌体懸濁物
を各試験管に加えた。
西洋ワサビペルオキシダーゼの溶液20μlを各試験管
に加え、そしてこれら試験管を静かに振とうした。これ
ら試験管を37℃にて45分間培養した。培養時間の
後、1.0mlの燐酸塩緩衝液を試験管にピペットで採取し
た。検定したループを火炎減菌して試験管中に挿入し
た。5%羊血液寒天のプレートに、この実験における各
試験管につき塗抹した。各プレートにおけるコロニーを
カウントし、そしてペルオキシダーゼ(陽性比較)また
は菌体(陰性比較)を父君でいない対照プレートと比較
した。
陽性比較はその表面に100個以上のコロニーを有し、
陰性比較はその表面にコロニーを示さず1μlモルより
大きいまたはそれに等しい試験溶液における過酸化水素
の最終濃度を有するプレートは全てその表面にコロニー
を示さなかった。
第6実施例 実施例5の手順にしたがったが、ただし西洋ワサビペル
オキシダーゼおよび過酸化水素の一連の希釈を行い、酵
素反応を室温で5分間のみ進行させた後に塗抹し、スタ
フィロコッカス・アウレウス1ml当り1000000個の細菌
をこの分析に使用した。全細菌を死滅させるのに必要で
ある過酸化水素の最小濃度は、最終反応において10-5
ルであった。存在する全細菌を死滅させるのに必要な酵
素(シグマ社、150単位/mg)の最小濃度は0.010mg
/mlであった。
第7実施例 実施例5の手順にしたがったが、ただし過酸化水素濃度
および西洋ワサビペルオキシダーゼ濃度はそれぞれ0.10
ミリモルおよび0.25mg/ml(150単位/mg)に保った。沃
化カリウムの濃度は10倍のファクタでシリーズとして
希釈した。完全殺菌作用を確保するのに必要な沃化カリ
ウムの最小濃度は35μモルであった。
以上の説明によると、従来、殺菌性成分が過酸化水素か
ら発生するのがおそいために、高濃度の過酸化水素を用
いたために目に刺戟があるとされていたのが、非反応性
の乾燥状態における過酸化物に基づく系を使用し、それ
にペルオキシダーゼとこのペルオキシダーゼに対して基
質として作用するドナー分子源とを加えた成分としたこ
とにより、短時間に確実に殺菌効果を得しかも患者に対
しても臨床的不快感や危険を与えない効果を得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート エス.ローゼンバウム アメリカ合衆国,マサチユーセツ州,ウエ スト ロクスバリー,アナワアン アヴエ ニユー 109

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】過酸化物の原料とペルオキシダーゼとアス
    コルビン酸,チロシン,フェニルアラニン,安息香酸,
    サリチル酸,ハイドロキノン,デヒドロフェニルアラニ
    ン,バニランおよび沃化物塩から選択されるドナー分子
    とを含む3種の成分からなる殺菌剤と, 必要に応じ前記殺菌剤のための水性液体キャリアとを含
    むことを特徴とするコンタクトレンズの消毒剤。
  2. 【請求項2】ドナー分子が沃化物塩,チロシン,フェニ
    ルアラニン,安息香酸,デヒドロフェニルアラニンおよ
    びバニランよりなる群から選択されることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載のコンタクトレンズの消毒
    剤。
  3. 【請求項3】過酸化物が過酸化水素,過酸化ナトリウ
    ム,過硼酸ナトリウム,過酸化メチル,過酸化エチル,
    または過酸化性の接触メカニズムにてペルオキシターゼ
    用の基質として作成しうる過酸化物を形成しうる任意の
    化合物よりなる群から選択されることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項または第2項記載のコンタクトレンズ
    の消毒剤。
  4. 【請求項4】ペルオキシダーゼが西洋ワサビペルオキシ
    ダーゼであることを特徴とする特許請求の範囲第1項〜
    第3項のいずれか一項記載のコンタクトレンズの消毒
    剤。
  5. 【請求項5】各成分が粉末または薬丸の形態であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれか
    一項記載のコンタクトレンズの消毒剤。
  6. 【請求項6】水性液体キャリアが塩水からなることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項〜第5項のいずれか一項
    記載のコンタクトレンズの消毒剤。
  7. 【請求項7】3種の成分の量が、 10μモル〜100ミリモルの範囲の濃度のドナー分子の原
    料と、 1ミリモル〜1μモルの範囲の過酸化物と、 0.00001〜1.0mg/mの範囲のペルオキシダーゼとを水
    性液体キャリア中に供給するよう選択されることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項〜第6項のいずれか一項記
    載のコンタクトレンズの消毒剤。
  8. 【請求項8】過酸化物の原料とペルオキシダーゼとアス
    コルビン酸,チロシン,フェニルアラニン,安息香酸,
    サリチル酸,ハイドロキノン,デヒドロフェニルアラニ
    ン,バニランおよび沃化物塩から選択されるドナー分子
    とを含む3種の成分を水性液体キャリア中で混合し、過
    酸化物の実質的割合が接触反応の間に消費されるよう前
    記3種の成分の濃度レベルを選択し、さらに消毒すべき
    製品を前記溶液中へ3種の成分全ての混合物と共に実質
    的に同時に浸漬することを特徴とするコンタクトレンズ
    の消毒方法。
  9. 【請求項9】ドナー分子が沃化物塩,チロシン,フェニ
    ルアラニン,安息香酸,デヒドロフェニルアラニンおよ
    びバニランよりなる群から選択されることを特徴とする
    特許請求の範囲第8項記載のコンタクトレンズの消毒方
    法。
  10. 【請求項10】過酸化物が過酸化水素,過酸化ナトリウ
    ム,過硼酸ナトリウム,過酸化メチル,過酸化エチル,
    または過酸化性の接触メカニズムにてペルオキシターゼ
    用の基質として作成しうる過酸化物を形成しうる任意の
    化合物よりなる群から選択されることを特徴とする特許
    請求の範囲第8項または第9項記載のコンタクトレンズ
    の消毒方法。
  11. 【請求項11】ペルオキシダーゼが西洋ワサビペルオキ
    シダーゼであることを特徴とする特許請求の範囲第8項
    〜第10項のいずれか一項記載のコンタクトレンズの消
    毒方法。
  12. 【請求項12】各成分が粉末または薬丸の形態であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第8項〜第11項のいず
    れか一項記載のコンタクトレンズの消毒方法。
  13. 【請求項13】水性液体キャリアが塩水からなることを
    特徴とする特許請求の範囲第8項〜第12項のいずれか
    一項記載のコンタクトレンズの消毒方法。
  14. 【請求項14】3種の成分の量が、 10μモル〜100ミリモルの範囲の濃度のドナー分子の原
    料と、 1ミリモル〜1μモルの範囲の過酸化物と、 0.00001〜1.0mg/mの範囲のペルオキシダーゼとを水
    性液体キャリア中に供給するよう選択されることを特徴
    とする特許請求の範囲第8項〜第13項のいずれか一項
    記載のコンタクトレンズの消毒方法。
  15. 【請求項15】過酸化物の乾燥原料と凍結乾燥されたペ
    ルオキシダーゼとアスコルビン酸,チロシン,フェニル
    アラニン,安息香酸,サリチル酸,ハイドロキノン,デ
    ヒドロフェニルアラニン,バニランおよび沃化物塩から
    選択される固体ドナー分子とからなることを特徴とする
    水もしくは他の水性液体キャリアの存在下に活性化され
    たコンタクトレンズ用の殺菌剤。
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